ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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おうふ、まさかこう来るとはねByみほ        普通に考えれば、二十年放置されたのが動く方がおかしいのよByエリカ      此れもある意味で奇跡ですねBy小梅


Panzer196『大洗戦車隊にまさかの危機です!』

Side:みほ

 

 

『祝!大洗女子学園、無限軌道杯制覇!!』――そんな横断幕が、大洗駅の広場には掲げられていた。

夏の全国大会に続いて、冬の無限軌道杯も制して、夏冬の二冠王を達成した私達、大洗女子学園戦車隊は、大洗の町で優勝パレード中だったりするんだよね。

夏冬の連覇は、地元大洗にとっては凄い大ニュースだったみたい……まぁ、戦車道的には無名の学校が夏冬の連覇をしたとなったら話題となる上に、その影響で大洗を訪れる人が増えるかもだからね。

私達の活躍が、大洗の活性化に繋がってるのなら、其れは其れで嬉しい事なんだけど……

 

「沙織さん、私の気のせいでなければ、商店街の各店舗に、戦車女子のスタンドポップがあるみたいなんだけど?」

 

「大洗を戦車道の町として盛り上げようって言う市民プロジェクトの一環みたいだよみぽりん。

 商店街の各店舗の店長の推し戦車女子のスタンドポップを店頭に配置してるんだって……因みに、聖グロの戦車が二度も突っ込んで壊れた旅館のスタンドポップはダージリンさんみたいだよ。」※此れはマジです

 

「此れもプロジェクトの一環だったんだ。」

 

スタンドポップが大洗女子学園の生徒オンリーじゃないのは、大洗女子学園を応援するのとは別に、贔屓にしてる戦車女子が居るからだったんだ。

……お母さんのスタンドポップを置いてた接骨院は如何かと思うけど。

 

 

 

「其れだけじゃなくて、戦車道とコラボしたメニューを出す口物屋もあるみたいだよ?

 シーサイドステーションのクックファンでは『戦車カツ』って言うのがあるみたいだし、商店街の蕎麦屋の大進さんには『華さん盛り』(何方も実在)だよ。

 他にもマリンタワーのカフェではサンダース監修のチーズバーガーや、聖グロ監修のアフォガートが食べられるんだって!あ、喫茶ブロンズで、アンツィオ名物『鉄板ナポリタン』提供してるって!(此れもマジです)」

 

「結構色々展開されてるんだね。」

 

だけど、華さん盛りには物申したいかな?

ワンプレートに茶碗二杯分のご飯の山に、とんかつ二枚と千切りキャベツに、戦車の形に切ったカボチャの煮物が付いてるのは良いけど、この程度じゃ華さんの胃袋は満足できないよ?

華さんの胃袋を満足させるなら、ご飯は四杯分、とんかつは五枚は必要になる筈……多分だけど、華さんだったらファミレスのメニューを完全制覇出来るんじゃないかって思うよ。

 

 

 

「実はナオミさんから、『美味しそうに食べる華を見てると、こっちまで幸せになって来る』って言われまして。」

 

「うわっ、何その惚気!も~~~、なんで私には相手が居ないのよ~~!!」

 

「沙織さん諦めて。流派を存続させる必要のある家元でない限り、戦車女子は基本百合になるから、男性との恋愛は望めそうにないから。」

 

「やだも~~~!!」

 

 

 

なんてね、戦車女子に百合が多いのは事実だけど、ノーマルも普通にあるからね。

沙織さんは女子力高いし、人当たりも良いから男性にはモテると思うんだけど、受け身なのが問題なのかも知れないね……自分から行けば、案外良い相手が見つかるんじゃないかな?

多分だけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer196

『大洗戦車隊にまさかの危機です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凱旋パレードを終え、私達は学園艦に帰還……いやはや、商店街のおもてなしですっかりお腹一杯だよ。

焼き鳥に串カツ、あんこうの唐揚げ、みつだんご、アライッペの釜飯弁当(ミニ)、干し芋クレープ、転輪焼き、そして極めつけは、焼きそば・コロッケ・ソーセージの『調理パン三種の神器』を一つに纏めて戦車を再現した究極の調理パン、その名も『ガルパン』!大洗の名物をたらふく食べたって感じだね~~。

 

「アンドリューとロンメルも満足した?」

 

『ガウ。』

 

『キュ♪』

 

「満足してるみたいね?

 ってか、此の子達の為に調味料未使用のメニュー用意してるって、大洗の商店街、ちょっと準備良すぎじゃないの?アンドリューとロンメルが来なかったら無駄になるってのに。」

 

「戦車道の試合は兎も角、プライベートのみほさんがアンドリューとロンメルと一緒に居るのは雑誌でも紹介されていますから、来て当然と思ったんじゃないでしょうか?

 もし来なかったら、その時は用意したモノに味付けて売ればいいだけの事ですし。」

 

 

 

私が戦車道の試合以外の時はアンドリューとロンメルを連れてるのは最早お馴染みだからね……まぁ、学園艦でのアンドリューとロンメルは、風紀委員公認の警備員だから、昼休み位しか一緒に居られないんだけどね。

其れとアンドリューに関しては、最近は私と一緒よりも……

 

 

 

「うん、何時触ってもお前の毛並みはフワフワだな。」

 

『ウガ。』

 

 

 

麻子さんと一緒に居る感じがする。

と言うか、最早アンドリューが麻子さんを背負って学校にやって来るのはお馴染みになってると言うか何と言うか……低血圧でフラフラ歩いてる麻子さんの事をアンドリューは放っておけないんだろうなぁ。

私に対しては忠誠を誓ってる感じのアンドリューだけど、麻子さんに対しては『危なっかしくて放っておけない妹分』って思いがあるのかもね。

 

 

 

「いやはや、何時見ても本物の虎と言うのは迫力があるねぇ?

 ネコ科最大の猛獣を飼いならしてるとは、隊長さんはビーストテイマーみたいだね……本物のビーストテイマーに会った事は無いんだけど。」

 

「お銀さん。」

 

今回はありがとうございました。正直な所、新しい戦車を買っても乗り手が居なかったから困ってたんです。

だけど、お銀さん達が力を貸してくれたおかげで其れを活かす事が出来ました……何よりも、大会でも活躍してくれましたからね?決勝戦では性能で勝るティーガーⅠを相手に、試合終了のアナウンスが流れるまで戦い続けたって聞いてます。

無限軌道杯の制覇は、お銀さん達の協力が無かったら成し遂げられなかったも知れません。

 

 

 

「そう言って貰えると私等も力を貸した甲斐があったってモンさ。

 でも、其れも今日で終わりだ……大会が終わったなら、私達が此れ以上戦車に関わる必要もないし、私等みたいなアウトローが何時までも戦車隊に居るってのは如何かと思うからね。」

 

「お銀さん……」

 

「そんな顔しなさんな隊長さん。此れで永遠にさよならって訳じゃないんだからさ。

 もしも私等の力が必要な時は、何時でも言っておくれ。その時は、また力を貸すからね――船乗りってのは、仲間を見捨てないもんなのさ。」

 

「お銀さん……分かりました、その時が来たらまた頼りにさせて貰います。」

 

「おうとも、どんどん頼っておくれよ。

 それと、戦車隊の皆はどん底をフリーパスにしておくから、何時でも訪れておくれよ?ノンアルコールのドリンクと、特製の燻製を用意して待ってるからね。」

 

 

 

其れは素敵な提案だね。

どん底のノンアルのビールと燻製ソーセージの美味しさは黒森峰のノンアルビールとソーセージに勝るとも劣らないレベルだからね?……かねふくの明太を練り込んだオリジナルのチョリソーとか有る分だけどん底の方が若干上かもだよ。

だけどお銀さん、ドリンクは兎も角、おつまみの燻製に関しては一言物申したい!

確かにどん底の燻製ソーセージやハムは最高レベルに美味しいけど、大洗は港町なんだから、スモークサーモンを始めとした海鮮の燻製も有った方が良いと思います!

定番のスモークサーモンだけじゃなく、ハマグリやホタテ、如何言う訳か全国でも珍しい位に網にかかるサメの燻製とか行けるんじゃないかと。

其れから、外せないのは茨城名産のあんこう!あんこうの燻製は勿論だけど、あん肝の燻製とかめっちゃ美味しそうじゃないですか?燻製あん肝の本わさ添えとか美味しそうじゃありません?

 

 

 

「海鮮の燻製か……其れは盲点だったね?

 其れにあん肝の燻製って言うのは確かに美味しそうだ。……うん、良いアイディアを貰ったよ隊長さん。此れは、前向きに検討してみる必要がありそうだね。」

 

「何か役に立ったのなら嬉しいよお銀さん。……其れじゃあ、また会う時まで。」

 

「あぁ、またね。……貴女と一緒に戦えた事は、私にとって一生の誇りになるよ。――じゃあね、隻腕の軍神さん。」

 

 

 

お銀さん達とは此処でお別れか……元々、無限軌道杯の間だけのスポット参戦だったから、大会が終わればお別れだって言うは分かってた事だったんだけど、やっぱりお別れするのは寂しいね。

 

 

 

「でも、今生の別れって訳じゃないし、会いに行こうと思えば何時でも会いに行けるんだから、其処まで寂しくはない。でしょ?」

 

「うん、そうだねエリカさん。」

 

無限軌道杯が終わったから、今は此処でバイバイだけど、一度繋がった人と人の縁って言うのは簡単に切れるモノじゃないから、きっとまたお銀さん達と一緒に戦う時が来るのかも知れないね。

 

 

 

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そして週明けの月曜日、予想はしてたけど大洗女子学園の校門には『祝!大洗女子学園無限軌道杯制覇!』の横断幕が……新生徒会長である華さんが指示したとは考え辛いから、杏さんが何かやったんだろうなぁ此れは。

 

 

 

「あぁ、あの腹黒ツインテールならやりかねないわね。」

 

「こう言っては何ですが、角谷さんの腹の内は真っ黒ですからね……冗談抜きで割とマジで。」

 

「エリカさん、小梅さん容赦がないね?……まぁ、確かに否定は出来ないけどさ。」

 

杏さん自体は悪い人じゃないんだろうけど、目的の為には手段を択ばない所があるっぽいからね……多分だけど、私が戦車道を選ばなかったら、可成りの強硬手段を使って来た可能性があるからね。

あの人は、出来れば敵に回したくないよ。

 

 

 

「あ、おはようございます西住殿、逸見殿、赤星殿!!」

 

「相変わらず早いわね優花里?」

 

「今日は何時にも増してですね?何かあったんですか?」

 

 

 

此処で優花里さんが乱入。小梅さんの言う様に、何かあったのかな?

 

 

 

「ふっふっふ、其れは此れですよ西住殿!

 不肖秋山優花里、週刊戦車道と月間戦車道は定期購読しているであります!――ではなくて、此れは週刊戦車道の最新号で、無限軌道杯を特集しているのでありますが、決勝戦に関しての記事が目に留まったので。」

 

「決勝戦の記事が?」

 

其れは確かに気になるね?……無限軌道杯の決勝は、マスコミにはどう映ったのかな?

 

 

 

『無限軌道杯の決勝戦は、夏の全国大会に続いて大洗女子学園と、黒森峰女学園の戦いになった。

 全国大会は姉vs妹の構図だったが、無限軌道杯はそうではなく、大洗女子学園の隊長である西住みほと、黒森峰女学園の新隊長として就任した直下理子の激突となった。

 直下は、みほが黒森峰時代に率いていた遊撃隊のメンバーであり、大会出場者の中では誰よりもみほの事を知っているから、我々の予想をずっと超えた事をしてくれると期待していた。

 そして、その期待に彼女は見事に応えてくれた――逆みほ流に始まり、みほと互角に戦ったその実力は疑いようもない。

 試合には惜しくも敗れたモノの、直下理子は、今や西住みほに勝るとも劣らない戦車乗りになっていると言っても過言ではないだろう。

 そしてこの試合は、『不断の努力を続けていれば、誰とでも互角に戦えるレベルになれる』と言う事実を多くの戦車乗りに実感させたモノではないかと思う次第であり、それによって戦車道がより一層の発展を遂げてくれるのではないかと期待している。

 同時に、試合中に川で動けなくなった大洗の戦車を、黒森峰が手を貸して救出した場面は、決勝戦最大の名場面であったと思う……此れこそが戦車道に最も必要な精神であると、筆者は痛感した次第だ。

 最後に、大洗女子学園の諸君、夏冬連覇おめでとう。君達の実力は本物だ!』

 

 

 

此れは、中々に良い記事だね?

確かに理子さんは私の予想を超えて来てくれたからね……きっと、夏の大会ではあの戦い方に更に磨きが掛かってる筈だから、私も負けてられないよ。――ううん、理子さんだけじゃなく、無限軌道杯に出場した全ての学校がレベルアップして来るだろうからね。

其れとこの記者さんは、毎度思うけどちゃんと見るべき所を見てるよね?

並の記者だったら私と理子さんの戦い、理子さんの予想を上回る奮闘ばかりを書き立てそうなところだけど、黒森峰の皆がそど子さん達を救出するのを手伝ってくれた事までちゃんと書いてるからね。

アレはちゃんと世間に伝えるべき事だと思うから、こうして記事にしてくれたのは嬉しいよ。

 

 

 

「良く書かれてるじゃないの?記事の内容は問題ないわね。」

 

「え、他に何か問題がありましたかエリカさん?」

 

「いや、ありまくりでしょう小梅!

 何で表紙がみほと直下じゃなくて、暴走状態の私が黒森峰の戦車追い回してる写真なのよ!こんな写真普通雑誌の表紙に使わないでしょ!」

 

「逸見殿……インパクトだけは絶大でありますよ?SNSでも話題沸騰でありますから。」

 

「インパクト狙い過ぎでしょ其れ!?」

 

 

 

暴走エリカさんは迫力あるからねぇ……優花里さんの言う通り、SNSでも凄い感じだよ?

ツイートとかメッセージが……

 

 

 

『暴走エリカまじこえぇ。此れは普通に逃げる。』

『口元に血付いてひん?逸見ってオロチだったん?』

『此れ、暴走エリカって言うよりも、殺意の波動に目覚めたエリカじゃね?』

『追い回された黒森峰の隊員には同情を禁じ得ない……下手なトラウマが植え付けられてなきゃいいけど。』

『自ら暴走したのか、それとも隊長命令なのか、問題はそこだ。』

『口から煙出てね?大丈夫か此れ……逸見なら大丈夫か。』

『ハンバーグを奢ってやるから落ち着いてくれ。』

『止めろ馬鹿、そんな事したら更に狂暴になっちまうだろうが!』

『狂暴?暴走?生温い事言ってんじゃねぇ!まだまだエリリンの本気はこんなモンじゃねぇんだ、ガッデム!!』

 

 

 

こんな感じになってるよエリカさん。

 

 

 

「若干炎上してない此れ!?って言うか、最後の絶対黒のカリスマでしょ!!」

 

「間違いなくそうだと思う。」

 

でも、エリカさんには悪いけど此れだけ話題になってるなら、週刊戦車道の今週号は飛ぶように売れるかも知れないね?そうなったらその時は、出版社から幾らかエリカさんに礼金が出るかも知れないね。否、分からないけど。

さてと、其れじゃあ今日も一日頑張ろうか?

アンドリュー、ロンメル、学園艦の見回りお願いね!

 

 

 

『ガルルルゥ!』

 

『キューン!!』

 

 

 

うん、この二匹が居れば学園艦の治安はバッチリだね。

……因みに、授業中に何発かアンドリューの物と思われる『破壊光線』が見えたんだけど、一体何があったのやら……まぁ、破壊光線が炸裂した以上、良からぬ輩は間違いなく退治されただろうけどね。

 

 

 

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そんなこんなで、何時もと変わらぬ学園生活を送って、戦車道の時間なんだけど……

 

「戦車がもう限界ってどういう事ですかナカジマさん?」

 

「隊長が持って来たパンターとティーガーⅡ、其れから新しく買ったパンターとF2、其れから私達がフルレストアしたポルシェティーガー以外は限界なんだよ西住隊長。

 そもそも、ウチの戦車って二十年前から何の手入れもされずに放置されてた訳でしょ?ポルシェティーガーは略作り直したから良いとして、他の戦車は直せるとこを直して使ってたから、そろそろ騙しが効かなくなったみたいなんだ。

 無限軌道杯でベルウォールと黒森峰とガンガン遣り合ったのも大きいかもね……ポルシェティーガー並の魔改造を施せば、未だ行けるかもしれないけど、其れを全車にやったら、多分新しいのと買い替えるよりもお金かかるかもだからね。」

 

 

 

まさかの、戦車が限界!

まぁ、二十年前に放置されてた、ある意味で骨董品とも言える戦車だったから、普通に考えれば今まで何の不具合もなく動いてた事の方が奇跡に近いからね。

だけど、此れはちょっとじゃなくて大いに困ったなぁ?

私が持って来たパンターとティーガーⅡ、新しく購入したパンターとF2、そして魔改造されたポルシェティーガー以外がダメとなると、大洗が所持してる戦車は七輌にまで激減する訳だからね?

それじゃあ、準決勝で使える十五輌の半分にもならないよ……フラッグ戦なら数の差を覆す事が出来るとは言え、準決勝では倍以上、決勝戦では凡そ三倍とか幾ら私でもきつ過ぎるから!三倍の戦力差を引っくり返せとか幾ら何でも無茶振りだからね!?

 

 

 

「三倍の戦力差の殲滅戦に挑もうとしていた件について。」

 

「エリカさん、其れは言っちゃダメ♪」

 

でも、現実問題として此れは困ったね?

ナカジマさんが言うには、ポルシェティーガー並の魔改造をすればまだ使えるって事だったけど、其れをする位なら新しい戦車を買った方が安いとの事だったからね。

だとすれば、新たな戦車を購入した方がいいんだけど、マッタク同じ戦車を揃えたにしても、戦車を七輌購入するとなったら、最低でも億単位のお金が必要になる……華さん、来年度の予算で新しい戦車を買う事は出来ますか?

 

 

 

「率直に言いますみほさん……無理です。戦車を七輌も購入したら、予算の90%が吹き飛んでしまいます。」

 

「ですよね。」

 

大洗女子学園の財政では、ダメになった戦車を全部買い替えるのは不可能……地元からの寄付を使っても、七輌もの戦車を購入するのは現実的じゃないからね。

黒森峰なら、西住流がバックについてるから多少は融通が利くんだろうけど、大洗の場合はそうも行かないからね。……ん?本当にそうかな?

 

 

 

「戦車が使えないとか冗談じゃないですよ西住隊長!

 多分ですけど、来年度の大洗には戦車道をやってる子達が其れなりに来ると思うんです……となれば、戦車道の履修者が増えるのは必至です。

 なのに戦車が無いなんてのは洒落にもなりませんよ。」

 

「うん、其れは確かに洒落にならないね梓ちゃん。」

 

確かにこのまま新たな戦車が購入出来ないって言うのなら可成りヤバい状況だけど、考えてみれば私達にはこの状況を打開出来る切り札が存在してた事をすっかり忘れてたよ。

 

 

 

「此の状況を打開出来る切り札ですって?其れって何なのよみほ?」

 

「いやだなぁ、何を言ってるのエリカさん?其れはエリカさんだって知ってる筈だよ?」

 

黒森峰のバックには西住流があるように、大洗のバックにも物凄いビッグネームがある事を忘れちゃった?……否、私もついさっきまで忘れてたから偉そうな事は言えないけどさ。

黒森峰に西住流があるように、大洗には島田流がある……なので、事が事だけに頼らせて頂きますよ千代小母様。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:千代

 

 

世界大会のチームは如何したモノかしら?

しほりんとも相談してるのだけどなかなか決まらないのよね……私としてはみほちゃんを隊長に、愛里寿を副隊長にしたチームを推したいのだけれど、世界大会に出場出来るのは社会人以上のプロチームの選手に限られるから、此れは没なのよね残念ながら。

そんじょそこ等のプロチームよりも、高校選抜に愛里寿を加えたチームの方が遥かに強いのに、ルールのせいで其れが出来ないと言うのは残念でならないわ。

 

 

 

――冷たい部屋に揺れ動く感情、今この場所で、応えて欲しい

 

 

 

っと、着信だわ。

相手は……みほちゃん?珍しいわね、みほちゃんから連絡があるなんて。何かあったのかしら?――はい、もしもし島田千代です。

 

 

 

『お久しぶりです千代小母様、西住みほです。』

 

「ふふ、本当にお久しぶりねみほちゃん?如何したの?何かあった?」

 

『実は――』

 

 

 

…………成程、そう言う事か。

そう言う事なら任せて頂戴みほちゃん。限界が来た戦車に代わる戦車を此方で見繕ってみるわ――同じものを揃える事は出来ないと思うけど、みほちゃんのお眼鏡に叶う戦車を見繕っておくわ。

 

 

 

『ありがとうございます千代小母様!』

 

「ふふ、此れ位はスポンサーとして当然の事よみほちゃん。」

 

さてと、其れじゃあ早速大洗に送る戦車を買わないとね――大洗のメイン戦車はドイツ製だったから、これを機に全ての戦車をドイツ製に変えても良いかも知れないわね。

尤も其れだと黒森峰の二番煎じになるから、やっぱり出来るだけ多国籍戦車にした方が大洗らしいか……その上で性能面でもある程度信頼出来るモノとなると中々難しいけれど、だからこそやりがいがあると言うモノね。

新たな戦車を得た大洗がどんなチームになるのか、楽しみで仕方ないわね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

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