ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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此れまでお疲れ様でしたByみほ        後はゆっくり暮らしなさいByエリカ      本当に、お疲れ様でしたBy小梅


Panzer197『引退する戦車に最後の誉れをです』

Side:みほ

 

 

私が持って来たパンターとティーガーⅡ、そして新たに購入した戦車以外は限界が来て現役引退を自動車部のナカジマさんから通告されたから、大洗の戦力低下を避ける為に千代小母様を頼ったんだけど、其れは正解だったね。

千代小母様は、『同じ戦車を揃える事は難しい』とは言ってたけど、限界が来た戦車と同じ台数を補填できないとは言ってなかったもん。

 

 

 

「うぅむ……お役御免になった戦車の変わりがあるのは喜ばしい事でありますが、島田流の家元が西住流の娘が通う学校の支援をして問題は無いのでしょうか?

 こう言っては何ですが、この事実が表に出たらゴシップ好きの週刊誌が何を書き立てるか分かったモノじゃありませんよ?」

 

「何かって、例えば?」

 

「例えば……『西住流からの離反!?西住みほが島田流家元と結託か!?』とか、『島田流家元、大洗支援で西住みほを懐柔か!?』と言ったところでありましょうか?」

 

「三流の週刊誌が書きそうなネタね其れ。

 まぁ、大丈夫じゃないの?戦車の輸送は島田家の輸送機を使って直接学園艦までやってくるみたいだし、大洗の学園艦は現在太平洋のど真ん中を航行中な訳だから、こんな所まで張り付いて来る週刊誌の記者は居ないでしょ流石に。」

 

 

 

うん、其れは私もそう思うよエリカさん。……まぁ、居たら居たで其れは逆に感心するかもしれないけど。

それにしても、千代小母様は一体どんな戦車を持って来てくれるんだろう?高性能な戦車が来れば、其れは其れで有難いけど、高性能なだけじゃ面白くないからね……やっぱり、何処か個性がないと。

 

 

 

「個人的には、7TP双砲塔型が欲しいでありますねぇ?」

 

「私、パーシングが良い!」

 

「優花里さん、沙織さん、其れ自分が好きな戦車だよね?まぁ、希望を言うだけならタダだから良いけど。」

 

けどパーシングは確かに魅力的かな?機動力は信頼できるし、その上でパンチ力もあるって言う戦車だからね……って言うか、あの性能で重戦車とか若干反則な気がしなくもないよ。

さてと、新しい戦車は何が来るのかはさておき、引退する戦車達を最後に確りと綺麗にしてあげないとだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer197

『引退する戦車に最後の誉れをです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で、本日の戦車道の時間は引退する戦車達の最後の洗車!一緒に戦った相棒を、ピッカピカにして送り出してあげないと、戦車乗りとして失格だしね!

 

 

 

「勿論だ!と言いたい所だが、使用不能になった戦車は如何なってしまうのだ西住隊長?」

 

「大洗町の町長さんが引き取ってくれる事になってるよエルヴィンさん。

 シーサイドステーションの建物の1階部分を『大洗女子学園戦車道記念館』にして、其処に展示する予定で、見るだけじゃなくて実際に触れられるようにもするみたい。」

 

「記念館に展示か。ならば、尚の事気合を入れて磨き上げねばだな!!」

 

 

 

そうだね、気合を入れて磨き上げてやって。この子達はもう戦う事は出来ないけれど、大洗女子学園の戦車道の歴史の始まりを伝える事が出来る貴重な戦車だから、後世にまで伝えていく必要があると思うからね。

……何ですけど、小山先輩、貴女は一体何を考えているんですか?正気ですか?

 

 

 

「え?水作業で濡れるから水着の方が良いかなと思ったんだけど、ダメだったかしら?」

 

「夏だったら何も問題ありませんが……今何月だと思ってるんですか!?

 2月ですよ2月!真冬ですよ!?しかも、現在大洗の学園艦は太平洋の北側、北海道よりも更に北を航行してるんですよ!?そんな極寒の地で水着とか正気ですか!死にますよマジで!!」

 

「心頭滅却すれば火もまた涼し……ならばその逆も然り、心頭滅却すれば氷もまた温かしよ。」

 

「何ですか其の超理論は!?」

 

否、確かに寒中水泳とか寒中滝行ってモノがあるから、小山先輩の言ってる事も分からなくはないんだけど、だからって態々真冬に水着姿を披露しなくても良いと思うんだけどなぁ?

小山先輩は自分のスタイルの良さを見せびらかしたいタイプでもないからね……若しかして、4月の時の洗車の時に水着でやったせいで、『洗車をする時は水着』って考えになっちゃったのかも知れないかな?……だとしたら思い込みって怖すぎるよ。

 

 

 

「ま~ま~、小山はグラマラス体型だから人より若干脂肪が多いから寒さに強いんだよきっと西住ちゃん。」

 

「その言い方は如何かと思いますよ会長さん?」

 

「西住ちゃ~ん、アタシはもう会長じゃないよ?今の会長は五十鈴ちゃんでしょ?」

 

「あ、そうでしたね杏さん。」

 

如何にも杏さんの事は気を抜くと『会長さん』って呼んじゃう事が多いんだよねぇ……其れだけこの人が大洗女子学園の生徒会長としての印象が強いって事なんだろうけど。

 

 

 

「まぁ、別にいいんだけどさ……西住ちゃん、かーしまなんとかならねーかね?」

 

「桃ちゃん先輩ですか?」

 

何か問題でも……

 

 

 

「ヘッツァー、お前とお別れだなんて悲しすぎるぅ!

 私達が引退して卒業するからって、お前まで引退する事もないのに~~!お前は来年も新たな乗り手の下で頑張ってくれると信じていたのに、此処で引退だなんて絶対に嫌だ~~!」

 

 

 

ありましたね。

視線の先にはヘッツァーの前で、比喩ではなくマジで滝の様な涙を流しながら号泣する桃ちゃん先輩の姿が……あの涙の量は滝を通り越して大瀑布だよ。

あんなに涙を流したら身体の水分が枯渇しちゃんじゃないかな?

……取り敢えず、落ち着いて下さい桃ちゃん先輩!西住流戦車道裏技参百弐拾四式・瓦兜割り!(ぶっちゃけ力任せの空手チョップ)

 

 

 

――ズビシィィィィィィ!!

 

 

 

「いったー!何をするか西住ーーーー!!!」

 

「泣いてばかりの桃ちゃん先輩に気合注入の西住流戦車道裏技をかましただけです!

 愛機の引退を悲しむ気持ちは分かりますが、だからと言って泣いてもその事実を変える事は出来ません……ならば、桃ちゃん先輩がすべき事は、泣く事じゃなくて、ヘッツァーが安心して記念館に行けるように、笑顔で洗車して送り出してやる事じゃないでしょうか?」

 

「其れは分かっている!分かってはいるんだが……頭では理解していても感情が付いて行かんのだ!だから、ちょっと気が緩むと涙腺が……」

 

 

 

――ダバ~~~~~~!

 

 

 

緩んだからって、こんなに出るかな涙が?って言うか、この涙の量は明らかに人体が失ったらヤバいレベルの水分量を越えてる気がするけど、何で桃ちゃん先輩は大丈夫なんだろう?

まさかとは思うけど、桃ちゃん先輩は人間じゃなくて、実は闇の書の残滓のマテリアルの王だったりして……!!

 

 

 

「王よ、何を泣いている?今は泣いてる暇などないだろう……王として、自分の臣下をどうやって送り出してやるか、其れをすべきではないのか?」

 

「誰が泣いておるか!減らず口は許さんぞ!

 闇統べる王たる我が、大義を果たし、役目を終えた臣下を無碍に扱う筈がなかろう……我は王として、こ奴が次なる世界で生きる事を手助けしてやるだけの事よ!……って、やらせるな西住、八神!!」

 

「ふん、くたばり損なったか。」

 

「テメェの都合で生きちゃいねぇよ。」

 

「其れは違う八神だ!そして西住、お前はそもそも掠ってすらいないだろう!!いや、古くから続く家だと言う点では合っているのかも知れんが。」

 

 

 

うん、掠ってすらいないけど……涙は止まったみたいですね桃ちゃん先輩?これで、泣かずにヘッツァーの洗車をする事が出来ますね?

 

 

 

「む……言われてみれば自然と涙が止まっているな――今回もまた、お前にしてやられたか西住。……私が気付かないうちに私の事を正常な状態にしてしまうとは見事だ。

 だが、お陰でヘッツァーを磨いてやる事が出来る……私達生徒会と共に戦車道に携わったヘッツァーは、私にとっても誇りだからな。」

 

「その誇りは、大事ですよ桃ちゃん先輩。」

 

戦車乗りにとって、戦車は相棒であると如何に、己の誇りとも言えるからね――其れを口に出来ると言うのは、桃ちゃん先輩も立派な戦車乗りだね。

砲手としては華さんやナオミさんが別の意味で驚くレベルでしたけど、装填士としての能力は優花里さんにも引けを取らないレベルだったから、装填士としてはスカウト来てもおかしくないかもだよ。

 

其れでは皆さん、夫々の戦車を洗車してくださーい!!

 

 

 

「みほ、貴女此処でダジャレかます?」

 

「え?ダジャレなんて言ってないよエリカさん?」

 

「天然か!戦車と洗車をかけたしょうもないダジャレだったかと思ったじゃないのよ!此れはアレなの?

 軍神流の天然ボケなの!?思ってみればまほさんもナチュラルにボケる事があったから、まさかの西住の血統とかじゃ言わないわよねぇ!?」

 

「西住の血統じゃなくて、此れはお父さんの方の遺伝だと思う……お父さんも良くナチュラルにボケてお母さんの頭の上をトンボとかカラスが飛んでる事が結構あったし。

 まぁ、其れを『常夫さんったらお茶目さん』で済ましちゃうあたり、お母さんは心の底からお父さんを愛してるんだと実感したけど。」

 

「……こう言ったら何ですけど、当時は戦車道の暗黒面に堕ちてたと思われるお祖母様が良く結婚承諾しましたね?」

 

「梓ちゃん……流派を継続させる為には、自分が選んだ相手と無理矢理見合い結婚させるよりも、娘が惚れた相手と結婚させた方が絶対に巧く行くモノなんだよ。

 闇落ちしてたお祖母ちゃんも、流石に其れは忘れなかったみたいだね。」

 

「流派を存続させるって難しいんですね……でも、その理論で行くと、現状相手が同性である五十鈴先輩は如何なってしまうのでしょうか?」

 

 

 

其れは華さんにしか分からないけど、流派の跡取りが出来なかった場合は、養子を取って跡取りにって言う事は結構ある事みたいだから、手がない訳じゃないんだよ。

尤も、家や流派を途絶えさせない為に養子を取った事で、本来の血筋は失われてるって事も少なくないけどね……其れを踏まえると、西住も島田も本来の西住と島田の血筋が今まで続いてるのかは怪しいモノがあるかも知れないよ。

そして、西住ではお姉ちゃんの代で其れが起こるかも知れないからねぇ……お姉ちゃんはアンチョビさんと色々アレみたいだから。……私としては、アンチョビさんがお義姉ちゃんになるのは一向にかまわないけどね?

 

 

って、其れは今は関係ないか。

あんこう、ウサギ、ライガー、レオポンは戦車が健在だけど、折角だから皆と一緒に洗車だね。その為にジャージに着替えて来た訳だから……私達も皆に負けない位に戦車をピッカピカにするよ!

 

 

 

「勿論であります西住殿!

 不肖秋山優花里、戦車ショップで戦車用の塗料と戦車用の車体ワックスを揃えてきたであります!此れで、パンターはピッカピカ間違いなしでありますよ!」

 

「流石は優花里さん、準備が良いね?」

 

「いえいえ、此れ位は当然の事であります!序に、店にあった私のスタンドポップにサインを頼まれたのでしてきました!」

 

「OK、グッジョブ優花里さん。」

 

「うわぉ!西住殿に褒められたであります!!」

 

 

 

そう言う細かい事が人の心を掴むモノだからね。

 

 

 

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そんなこんなで、たっぷり一時間を使って洗車完了!

ウサギチームは今使ってるパンターだけじゃなく、以前の使用戦車のⅢ号も洗車したみたいだね……まぁ、Ⅲ号の方が長く使ってたからね。

汚れを落とすだけなら兎も角、塗装の剥げた部分を塗り直したり、ワックスをかけたり、中の掃除まですると結構時間が掛かるものだね……でも、其の甲斐あって、戦車は全部ピッカピカ!

現役継続の戦車は勿論だけど、現役を引退する戦車は其れ以上……夫々のチームが引退する愛機に感謝を込めて洗車した結果かな?

私達も勿論、日頃の感謝を込めて洗車したけど、引退組は込められた感謝がより大きかったんだろうね……特に、今年で大洗女子学園を卒業する三年生が居るチームは尚の事ね。

 

 

 

「今までよくやってくれた。マカロニ作戦ツヴァイで多くの戦車を撃破した事、我々は絶対に忘れないぞ。」

 

「お前と一緒に戦ったことは一生忘れない!お前は戦車隊の一員だったと同時に、五人目のバレー部員だからなクルセイダー!」

 

「貴女の魂は、パンターに受け継がれてるから後はゆっくり休んでね?……長い間、お疲れ様でした。」

 

「D型から、F2、そしてH型と形を変えて戦い抜いたその姿は、大戦期のⅣ号其の物でした……貴女と共に戦えた事を、一戦車乗りとして光栄に思います。」

 

「僕達は忘れないのにゃ!君と一緒に戦ったことを絶対に!!」

 

「此処で引退なんて言うのは校則違反!って言いたい所だけど、貴女は此処まで充分頑張ったのよね……貴女の事は風紀委員の永世名誉委員に任命しておくわ!」

 

「廃校阻止の為に、無理矢理起こして悪かったね?……この学校はもう大丈夫だから、今度こそゆっくり休んでよ?お疲れさん。」

 

 

 

そして、夫々の戦車に最後のお別れの挨拶だね。

此れで一生会えなくなる訳じゃないけど、二度と一緒に戦う事は出来ない訳だから、此のお別れはちゃんとしておかないとだね……現役を退く戦友に対して労いの言葉をかけてやるのは当然の事だと言えるから。

 

でも、しんみりしてるだけじゃないよ!

 

「其れじゃあ、最後に記念撮影しましょう!

 夫々のチームと戦車で一枚ずつ!それから全員集まって一枚!此れも、良い記念になりますから!」

 

「記念撮影……グッドアイディアです、西住隊長!」

 

 

 

でしょ?

写真に残しておけば、学園艦に資料として残す事も出来るからね。

 

と言う訳で、先ずは夫々のチーム毎に撮影して、其の後は全員&全車集合しての集合写真を撮って記念撮影は終了!――その時に、戦車のエンジンが動いた事で、まだ動くんじゃないかって言われたけど、自動車部の皆さんが、『エンジンも履帯も動くだけなら大丈夫だけど、試合での過激な動きには耐えられない』って言ったら納得して貰って良かった。

でも、試合での過激な動きって、其れって間違いなく私の戦術が原因だよね?……戦車プレスとか、戦車カタパルトとか結構無茶な事やってたからなぁ……だけど、私は其れを辞めるつもりはない!だって其れが私流だから!

奇策、搦め手、裏技上等!ルールで認められてる範囲の物を使っての奇策、搦め手、裏技は寧ろ使わない方がおかしいと思うからね!!

 

 

 

「開き直ったわねぇ……まぁ、其れで勝っちゃうんだから誰も文句は言えないけど。軍神様は、何でもアリね。」

 

「軍神だから何でもアリなんじゃないよエリカさん……何でもアリだから軍神なんだよ。」

 

「普通なら『なに言ってんだお前?』レベルの事なんだけど、貴女が言うと妙な説得力があるから不思議だわ……或いは、此れがカリスマって物なのかも知れないわね。」

 

 

 

カリスマかぁ……確かにそうかも知れないね。

私以上のカリスマは居ないかもだよ……『カリ』ーライスには『ス』ライスビーフと『マ』ッシュルームをトッピングするし、髪を『カ』ットする時は『リ』容師さんに『スマ』イルでお願いするし、そもそも今暮らしてる学生寮は『カリスマ』居だからね!

 

 

 

「みほ、其れカリスマと違うわ。」

 

「なら、肉の芽植え付けましょうか?」

 

「Wryyyyyyyyyyyyyyyyyy!!って、DIO様かい!其れはカリスマじゃなくて洗脳でしょうが!ヤバい事言ってんじゃないわよ!!」

 

 

 

カリスマ性え人を惹きつけるのと洗脳は紙一重だと思う今日この頃……そして、此れは強ち間違ってない気がするんだよねぇ……此れ以上はちょっと怖いから考えないようにしておこう。

 

 

 

其れで記念撮影が終わった後は、『お別れ会』って形の宴会が開催されて大いに盛り上がった――デリバリーのピザやらフライドチキンやらのスナックとジュースでどんちゃん騒ぎをして、カラオケで盛り上がって……結局、完全下校時刻を過ぎて夜の帳が降りるまでお別れ会は続いたね。

だけど、お別れ会の主役である戦車達が満足そうに見えたのは決して見間違いじゃないと思うよ……彼等は、若しかしたら大洗女子学園が廃校になるかも知れないって事を知って、最後の力を振り絞ってくれたのかも知れないね。

 

本当にお疲れ様でした……此れからは、ゆっくり休んでね。

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:千代

 

 

ふぅ……此れで何とか大洗が失う戦車と同数の戦車を確保する事が出来たわ……全部が全部同じとは行かなかったけれど、数だけは揃ってるから此れでみほちゃんのお願いに応える事は出来るわね。

果たしてみほちゃんは気に入ってくれるかしら?

 

 

 

「其れは心配ないと思うよ?」

 

 

 

――ポロロ~~ン

 

 

 

「美佳?貴女何時の間に……」

 

「何時の間に、其れは此処で大切な事かな?

 其れと、私は風に呼ばれてやって来ただけだよ母上……其れよりも、母上が用意した戦車なら西住さんは気に入ってくれる筈さ……他ならぬ母上が選んだ戦車なのだからね。」

 

 

 

そう……そう言って貰えると嬉しいわ。

其れよりも美佳、貴女はもう継続の隊長でないのだから時間は大丈夫よね?

 

 

 

「大丈夫だけど、其れが如何かしたかな?」

 

「良ければ愛里寿も交えて一緒に食事でも如何かしら?愛里寿も貴女に会いたがっているから。」

 

「愛里寿が?……そう言われたら断れないじゃないか……私も家族団欒と言うのは悪くないと思っていたからね……偶には、こう言うのも悪くないと思うよ。」

 

 

 

私としては偶にと言わず、帰ってきて欲しいモノなのだけど、其れを美佳に求めるのは無理って物よね……美佳は何者にも縛られずに自由に生きて行く方が良いと思うもの。

取り敢えず、そんな訳で今夜は久しぶりの家族団欒が出来たわ……愛里寿が美佳に懐くさまは見ていて心が温まったわ。

 

 

 

そして数日後、私が選んだ戦車が大洗の学園艦に運ばれる日がやって来た……みほちゃんは果たして気に入ってくれるのかしら?

いえ、心配するだけ無駄かも知れないわ……だってみほちゃんの要求に応えられるだけの戦車を用意したのだからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 


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