ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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其れじゃあ、戦車道を大々的に宣伝しようか!Byみほ        全力全壊?Byエリカ       全力全壊!ハナクソわっしょい!By小梅      なんだお前Byエミ


Panzer201『来たれ戦車道へ!全力勧誘です!』

Side:みほ

 

 

カーテンの隙間から入り込んだ日差しで私は目を覚ました……ふと横を見れば、髪を解いて一糸纏わぬ姿のエミちゃんが――アハハ、昨日の夜はエミちゃんとこれでもかっていう感じだったんだよね。主導権は私にあったけどね。

でも、このままって訳にも行かないから……

 

「おはようエミちゃん。朝だよ。」

 

そう言って、エミちゃんに声を掛けたんだけど……

 

 

 

「み、みほ?」

 

「そうだけど、如何かしたエミちゃん?」

 

「ご、ゴメン……昨日の事が蘇って来て、真面に顔、見る事が出来そうにないわ。」

 

 

 

そう言って、顔を覆ってしまったエミちゃん……すいません、めっちゃ可愛いんですけど!!私の理性がリミッター解除されてたら、朝っぱらからもう一発になってたのは否定出来ないかもだよ。

 

其れは其れとして、改めておはようエミちゃん。

 

 

 

「……おはよう、みほ。何て言うか、妙な感じだわ……まさか初日からこんな事になるだなんて予想外にも程があるでしょうに――あの二人には、礼を言うべきなのか、それとも『何て事を言ってくれたのか』と言うべきなのか迷うわね。」

 

「其れは、此れからあったエリカさんと小梅さんの態度次第かな?」

 

「如何言う事よ?其れと話してないで、服着ない?あと、汚れちゃったシーツとか如何すんの此れ?」

 

「其れは纏めて洗濯機に突っ込んで乾燥までかければOK。ベッドも、ジャ○ネットで買った布団乾燥機を使えば問題ないから。

 で、エリカさんと小梅さんの態度次第って言うのは、二人が何時も通りだったら私達も普通で良いけど、所謂『昨晩はお楽しみでしたねぇ?』ッポイ事を言って来たり、そんな態度だった時は無言で殴っても良いと思う。」

 

「アタシは兎も角、貴女に殴られたら逸見と赤星は死んじゃうんじゃないの?貴女絶対仮面ライダー並みの戦闘力あるでしょ?」

 

「いやいや、流石の私でも生身で戦車を持ち上げるのは無理だと思う。」

 

「其れが出来たら、其れだけで一生食っていけると思うわ。」

 

「ビックリ人間としてね。」

 

取り敢えず着替えて、後始末をしてから、目玉焼きトースト(食パンにバターを塗って、パンの縁をマヨネーズで囲ってその中に卵を割り入れて焼いたモノ)とコーヒーの朝食を済ませて登校。

その途中であったエリカさんと小梅さんは『昨日はお楽しみでしたね』って感じだったので、西住流格闘術禁じ手『88mm砲正拳突き』をかましておいたよ……自分達で焚き付けておいて其れは如何かと思ったからね。

でも、此れを喰らってダメージパターンが絆創膏だけとは私並みに頑丈だなぁ……ま、西住流フィジカルトレーニングを熟せるんだから、当然と言えば当然だったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer201

『来たれ戦車道へ!全力勧誘です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始業式の翌日は入学式なんだけど、実はその入学式で私には華さんから重要任務を与えられてるんだよね……其れはズバリ『新入生への祝辞』!

華さんがやると思ってたら、『みほさんの方が私よりも有名ですし、大洗女子学園の顔とも言えますのでよろしくお願いします』だからね……まぁ、私もやる以上はキッチリやるけどさ。

尤も、やる以上は祝辞のテンプレに則っただけのモノにする心算はないから、華さんから話を貰ったその時から私なりの祝辞を考えてたけどね。

まぁ、其れは其れとしてエリカさん、アレは何?

 

 

 

「其れを私に聞く?ってか、私が聞きたいくらいなんだけど……小梅、説明してくれる?」

 

「私に聞かないで下さいよエリカさん!!……すみません、お任せしますエミさん。」

 

「ちょ、其処で新参者のアタシに振る普通!?キラーパスどころじゃなくで、完全に殺人パスでしょうが此れ!!って言うか、本気で何なのアレは!」

 

「多分だけど、新入生歓迎のパフォーマンスかな?」

 

私に言えるのは此れだけだよ。

私達の目の前で繰り広げられていたのは……

 

 

 

「大洗女子学園に入学、おめでとうございま~~す!!」

 

「ボールに、ピカチュウのヌイグルミ、黒のカリスマのサングラスにパンターの超合金模型……何時もよりも大目に回しております!」

 

 

 

袴姿の優花里さんとエルヴィンさんが、大道芸の『唐傘回し』をやってる光景。……袴姿でも、ドイツ軍の軍帽だけは脱がないエルヴィンさんには拘りを強く感じるけど、その組み合わせは流石にシュールだと思う。

だけど、その見事な芸が注目されてるのは事実だし、新入生と思しき生徒も眼を奪われてるからね――此れも、華さんが考えた事なのかな?

そうだとしたら、華さんは杏さん以上に色々とぶっ飛んだ思考の持ち主なのかも……杏さんだって、入学式当日にこんなパフォーマンスをさせたりしなかったからね。……尤も去年は廃校問題があったから、そんな事に気を回してる場合じゃなかったのかも知れないけどね。

 

取り敢えず新入生にインパクトを与える事は出来たと思うから、今度は入学式で私が更なるインパクトを与えてあげようかな?其れこそ、ゴッドハンドインパクトや、ビックバンインパクト級のインパクトをね。

 

 

 

「みほ、貴女はこの世の全てを吹き飛ばす心算かしら?」

 

「大丈夫だよエリカさん、ゴッドハンドインパクトを発動する為のコストはないし、私は強化系の能力者でもないから拳一つで全てを吹き飛ばす事は出来ないから。」

 

「去年のスポーツテストの握力ドレ位だったっけか?」

 

「握力計の針が吹っ飛んだけど?」

 

「うん、その時点でもう貴女は普通のJKじゃないわね。取り敢えず人の事を掴む時には注意しなさいよ?貴女が本気で手首とか掴もうモノなら、掴まれた方の手首は粉々になるだろうから。」

 

「うん、気を付けるよ。」

 

拳打の破壊力は、体重×スピード×握力らしいから、握力計の針が吹き飛ぶだけの握力がある私の拳打は其れだけで凶器――否、凶器をも超越した兵器かもだね。

まぁ、その拳打を喰らって絆創膏ダメージで済んでるエリカさんと小梅さんも充分人辞めてると思うけどさ……西住流フィジカルトレーニング恐るべしってところだね。

 

「お疲れ様優花里さん。序に此れも回してくれるかな?」

 

「西住殿!此れは……ボコ殿のヌイグルミ!?……此れは絶対に落とせないであります!

 この秋山優花里、全ての新入生の為にも、そして此れを差し出してくれた西住殿の為にも、命に代えてもこの唐傘回しは最後までやり遂げるであります!やらねばなりません!西住殿の部下として!」

 

「おぉ、その意気だグデーリアン!こうなったら何処までも行け!」

 

「お任せ下さいエルヴィン殿!」

 

 

 

私がボコのヌイグルミを投げ入れたら、其れも見事に回す優花里さんは、大道芸人として生きていく事も出来るかもしれないね――尤も、あの超高速の唐傘回しは、装填士としてのトレーニングで鍛え上げられた腕力があっての事だと思うけど。

其れだけのパワーとスピードがある筋肉を持ってるのに優花里さんは所謂『筋肉モリモリ』じゃないのが不思議だよ……其れは、猫田さん達にも言える事だけどね。

だけど、腕や脚は太くなってないけど、戦車女子は全員が軒並み腹筋が割れてるんだよね……なんで?

 

 

 

――ゴメンみぽりん……俺、スタイルが良いのに腹筋が割れてる女子にこの上ない魅力を感じるんだ。

 

 

 

作者の趣味だったんだ……まぁ、其れが無くともエリカさんは腹筋バッキバキのシックスパック女子だと思う。其れからナオミさんも。エリカさんとナオミさんは腹筋割れてても似合うと思うしね。

取り敢えず、戦車女子は腹筋が割れてる細マッチョと言う事で良いかな?良いよね、異論は無視するから。

 

 

 

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で、入学式。

特に何か問題が起こる起こる事はなく、私の祝辞の番だね……アンドリュー、ロンメル一緒に来てくれるかな?祝辞を述べる生徒が、虎と狐を引き連れて来たって言うのはインパクト大だし、ロンメルは九尾だからね。

其れからエリカさんと小梅さんとエミちゃんも。

 

 

 

「アンドリュー達は分かるけど、私達は何で?」

 

「隻腕の軍神が虎と九尾の狐の他に、超絶美少女を引き連れて壇上に上がるって言うのは其れだけで物凄いインパクトがあると思わないかな?」

 

「超絶美少女って、私や小梅、そして中須賀位の美少女は其れなりに居るんじゃない?」

 

 

 

確かにそうかも知れないけど、戦車女子の中でもエリカさんと小梅さんとエミちゃんはトップクラスなんだよ……特にエリカさんは、『まほお姉ちゃんじゃ味わえないゾクゾク感を感じる』、『みぽりんの片腕はマジパネェ』、『ワニって言ってくれ』って言われてるからね。

 

 

 

「其れって、喜んでいいの?」

 

「喜んでいいんじゃないかな?良く分からないけどね。」

 

其れよりも、新入生への祝辞だけど、予想通り私達が壇上に上がったら新入生達からのざわめきが聞こえて来たね?

明光大付属出身の子は、私やエリカさんの事は知ってても、それ以外の中学出身の子は、私やエリカさんの事は知っててもアンドリューとロンメルの事は知らないだろうから、驚くよねぇ――恐らく世界中の何処を探しても、虎と九尾のキツネを飼ってるJKは私だけだと思うし。

 

取り敢えず掴みはOKだね――其れじゃあ……皆さん、先ずは大洗女子学園への入学、おめでとうございます。

大洗女子学園戦車隊隊長の西住みほです。一緒に居るのは同じく戦車隊の逸見エリカ、赤星小梅、中須賀エミ、其れから私のお供にして大洗女子学園警備員のアンドリューとロンメルです。

本日は皆さんの入学を祝福するかのような快晴となり、桜の花も正に花盛り――入学式まで桜の花が持つように、学園艦を気温が低めの海域を航行させてくれた船舶科の皆さんには頭が下がる思いですね。

この大洗女子学園で、皆さんが夫々目標を持って生活し、その目標を達成出来るように心から応援しています――さて、本来こう言った挨拶と言うのは長々とするモノではないのですが、この学園艦で過ごすにあたり、新入生に一つだけ注意をしておく事があります。

この学園艦の地下層は、地下二階よりも下には行かないようにして下さい……どうしても地下三階以上に行きたい場合は、必ず生徒会の許可を貰った上で、最低一人は戦車隊の人間と一緒に行くようにして下さい。

大洗の地下三階以下は『大洗のヨハネスブルグ』と呼ばれる程の無法地帯のアンダーグラウンド……ウッカリ迷い込んで、アウトロー達の餌食になる生徒が後を絶たないとの事ですので、お忘れなく!

私もウッカリ迷い込んだ事で、左腕を切り落とされましたので!

 

 

 

「「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」」

 

「今のはジョークです!」

 

「ジョークならジョークらしいテンションで言いなさいよ!何をマジ顔で言ってんのよ!」

 

「てか、新入生に恐怖を植え付けるんじゃないわよ!それ以前に大洗の地下はドンだけ治安悪いのよ!ベルウォールの荒れっぷりも吃驚レベル?」

 

「どん底のメンバーが最後の良心と言った感じですけれど、彼女達が卒業したら、本気で無法地帯になりますよあそこ。」

 

「其れについては大丈夫だよ小梅さん。お銀さん達、卒業してもあそこに残るみたいだから。

 どん底は結構繁盛してるし、ノンアルドリンクや燻製の類をネットで販売してみたら結構注文があって儲かってるんだって。だから、店はあのまま続けてくみたいだよ。」

 

「あぁ、其れなら安心ですね。」

 

 

 

そう言う事なので注意して下さい。良いですね?

 

 

 

「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」

 

「うん、とってもいい返事だね。以上を持ちまして、お祝いの言葉に代えさせて頂きます。」

 

「うわ、殆ど力技で〆たわ……確かにこんな挨拶は他にはないでしょうね。」

 

「でもだからこそインパクトは有った筈だよ。」

 

此れだけのインパクトを残せば、少なくとも戦車隊の隊長の事は覚えて貰えただろうし、同時に戦車隊の事も確りと頭に刻まれただろうからね……こレがドレだけの着火剤になるか楽しみだよ。

起爆剤になるのは、明日以降の戦車道への勧誘だけどね。

 

 

 

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入学式終了後、私は華さんに生徒会室に呼ばれて来たんだけど……

 

「戦車道を必修選択科目から外して、部活動にするの?」

 

其処で告げられたのは、戦車道を必修選択科目から外して、部活動にすると言うモノ――現在の戦車道履修者は自動的に戦車道部の部員になるって言う事だけど、どうして部活動に?

 

 

 

「必修選択科目ですと、履修者の上限が決まって居ると言うのが一つであるのと、授業よりも部活動の方が肩肘張らずに出来るのではないかと思ったからですわみほさん。

 それと、部活動の方が新入部員の勧誘も行い易いのではないかと思いましたので。」

 

「其れは確かに一理あるかな。」

 

必修選択科目じゃなくて部活なら、より思い切り勧誘が出来るからね――選択必修科目だと宣伝しか出来ないけど、部活なら入部を促す事をしても一切問題はないもん。

でも、部活動にするって言う事は、勧誘は手加減しないでやって良いって事だよね華さん?

 

 

 

「はい、その通りですわ。

 私も黒のカリスマの衣装を着て一緒に戦車道部を大々的に宣伝しますので、戦車道部の新入部員を沢山獲得しましょうみほさん。選手層が厚いに越した事はありませんから。」

 

「だね。二軍とまでは行かなくとも、保有戦車を動かす為に必要な最低人数+十人は確保しておきたい所だからね。」

 

明日から行われる部活動の新入部員獲得の為のオリエンテーリング及び宣伝活動は、気合を入れて行かないとだね……大洗の戦車道の為にも!

 

 

 

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そして翌日。

大洗女子学園の学園艦の路上は、あんこうチームのパンター、ウサギチームのパンター、ライガーチームのティーガーⅡ、オオワシチームのチャーフィーが驀進してた。

あんこうチームのパンターにはアンドリューとロンメルが後部に座ってる――そして、この戦車の一団からは黒のカリスマの入場テーマ曲である『クラッシュ』が流れてるから、思わず目を向けたくなるのは仕方ないよね。

そして目を向けたが最後、目を離せなくなる筈――黒のカリスマな衣装の私と梓ちゃんがキューポラで『ダブル軍神立ち』を披露してる上に、小梅さんが『祝!大洗女子学園全国制覇』の横断幕を振り、エリカさんが『祝!大洗女子学園無限軌道杯制覇』の横断幕を振ってる訳だからね。

 

更に、その後からⅢ突が付いて来て、Ⅲ突の上からエミちゃんが戦車道部のビラを撒きまくってるのも結構印象が大きいかな?大量に撒かれたビラを拾って見てみる新入生は少なくないだろうからね。

そろそろここ等で梓ちゃんとの啖呵を……と思ったけど、その前に景気付けとして、空に向かってアンドリューは破壊光線!ロンメルは大文字!!

 

 

 

『キュオォォォォォォォォン!』

 

『ガァァァァァァァァ!!』

 

 

 

――バッガァァァァン!!

 

 

 

おぉ、先ずはロンメルが大文字で空に炎で『大』の文字を描いて、アンドリューが其れを破壊光線で粉々に吹き飛ばすとは、中々良い演出だったと思うよ?……アンドリューとロンメルの賢さを改めて実感したね。

だけど、此れで前振りは充分!行くよ梓ちゃん!

 

 

 

「はい!思い切りいきましょう西住隊長!」

 

 

 

――ダン!!

 

 

 

ダブル軍神立ちから一転して大腿部から下をキューポラに落とした上で、私は右足を、梓ちゃんは左足をキューポラの縁に叩きつけ、私は右膝に右肘を付けた前傾姿勢を取り、梓ちゃんは腕組みを。

黒のカリスマ衣装のミニスカートでそんな格好をしたらスカートの中が見えるんじゃないかって?心配ご無用、ギリギリ見えないから。暗黒空間になってるからね。

其れじゃあ行きますか!

 

「乙女と戦車の二つの道が、捻じって交わる戦車道!」

 

「砲弾打って打ち続け、撃破しちまえば私の勝ち……私を!」

 

「私達を!!」

 

「「一体誰だと思ってやがる!!」」

 

 

 

――バッガーン!!

 

 

 

うん、良いタイミングの空砲だね華さん♪この啖呵に華を添えてくれたよ。――なら、もう一押しだね。

 

「大洗女子学園戦車隊隊長、西住みほ!」

 

「大洗女子学園戦車隊副隊長、澤梓!」

 

「「通りすがりの戦車乗りだ、覚えておけ!!」」

 

 

うん、バッチリ決まったね!

華さんのアドリブの空砲のおかげでインパクトは更に大きくなったし、仮面ライダーディケイドオマージュのセリフも新入生の印象には残っただろうからね……ふふふ、どんな子が戦車道に来てくれるのか楽しみだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:梓

 

 

あのパフォーマンスが功を奏したのか、戦車道部の新入部員は五十人って言う大所帯になってた……この新入部員の数は、数ある部活の中でもブッチギリトップだった。

殆どは明光大付属の出身者だったけど、それ以外のメンバーも半分位は居る感じかな?――其れで如何するんですか西住隊長?一応、入部テストをしますか?

 

 

 

「うぅん、このまま全員入部させようと思う。

 入部テストで篩に掛けるよりも、全員入部させた上で、日々の訓練で篩に掛けた方が本当の意味での良い選手が残ると思うんだ……特に、ミーハーな新入部員は其処でリタイアすると思うからね。」

 

「ミーハーな新入部員、ですか……」

 

「うん。分かり易く言うと『戦車道をやってれば男子にモテる』とか思ってる人かな。」

 

「みぽりん、サクッと私の事ディスってる?」

 

「いやだなぁ、そんな事ないよ沙織さん。

 確かに沙織さんが戦車道を始めたのは、異性にもてたいって言う事だったかもしれないけど、沙織さんの通信士としての能力は最早あんこうチームには無くてはならないモノになってるから、ディスるだなんてトンデモナイ。

 其れに、沙織さんは女子力めっちゃ高いから、普通にモテると思うよ?……其れなのに彼氏が出来ないのなら、其れはもう男の人の見る目が無いとしか言えないよ。

 ぶっちゃけ、私が男だったら沙織さんに惚れてるかもだよ?」

 

「其れは認められないな西住さん……沙織は私のモノだ。」

 

「うん、分かってるよ麻子さん。沙織さんのパートナーは麻子さん以外に考えられないって。」

 

「そうか。なら安心だな。」

 

「安心って何が!?其れと麻子が私のパートナーって如何言う事!?」

 

 

 

アハハ……見事にカオスディメンションですね此れ……沙織先輩×麻子先輩はある意味で鉄板だと思うので余計な口出しはしないけどね。――だけど、此処から大洗の新たな戦車道が始まるんだ。

明光大付属出身の子達は兎も角として、それ以外の出身で戦車道部への入部を決めた子達は覚悟しておいてね?――今日は歓迎会で終わっちゃったけど、普段の訓練の厳しさはハンパなモノじゃないから。

あの訓練を生き抜いて、最終的にドレだけの部員が残るのか、ある意味で見物かな――まぁ、明光大付属の出身は略全員が残ると思うけどね。

その、明光大付属出身者じゃない子も、何人かは『戦車乗り特有のオーラ』を纏ってる子が居たから、鍛えれば間違いなくモノになる筈……中々、癖が強い子も居るみたいだから退屈はしそうにないかな。

取り敢えず、大洗女子学年戦車隊は間違いなくパワーアップしたと、そう言う事が出来ると思う。

 

 

 

「澤隊長!」

 

「歩美……来てたんだ。」

 

「はい!!澤隊長が居る学校を選びました!」

 

「其れは、先輩冥利に尽くけど、今の私は隊長じゃなくて副隊長で、隊長は西住隊長だから、其れは忘れないでね?」

 

「はい!注意します!!」

 

 

 

相変わらず元気一杯だね歩美は……って、この呼び方だと、あゆみと被るから、呼び方も考えないとなんだけど、少なくとも大洗にとっては貴重な戦力が確保出来たと言っても良いかな。

大洗女子学園の新生戦車隊、此処に起動――今年も、目標は全国制覇一択だね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 


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