ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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二回戦のお約束です♪Byみほ       お約束って、否定できないのが悲しいわねByエリカ


Panzer210『此れは二回戦のお約束です!!』

Side:みほ

 

 

一回戦は無事に突破出来たね。

私は敢えて手出しをしなかったけど、見事に梓ちゃんは私に頼る事なく西さんを倒して勝利をその手に掴んだ……うん、此れなら来年の隊長を任せる事に申し分はないね。

梓ちゃんはもう、私の弟子って言うだけじゃなくなった訳だからね。

 

 

 

「澤は強いわよみほ……だけど、あの子は自分で自分の力に蓋をしちゃってる――心の何処かで貴女には敵わないって、自分の限界を決めてしまってる部分がある気がするわ。」

 

「でも、其れは仕方ない事なのかも知れません……こう言ったらアレですけど、現状でみほさんに勝てる戦車乗りなんて、世界中探しても居るか如何かって感じですからね。

 戦車道を始めた時から、そんなみほさんの直ぐ傍に居た事で、みほさんに追い付こうと努力はしても、超える事は出来ないと潜在的に思っていてもオカシクはありませんから。」

 

「其れは、ちょっと良くないね……」

 

『弟子は師の影を踏まず』とは言うけど、師匠側から言わせて貰うのなら、弟子が自分を越える事程嬉しい事はないんだけどな……だって、其れを繰り返していけば、世代が代わるたびに質が高くなっていく事になる訳なんだから。

其れに戦車乗りとしての実力で言うなら、梓ちゃんは中学時代の私なんてとっくに超えてるんだけどねぇ……今の梓ちゃんと同じ性能の戦車で戦ったら、私も本気で行かないと勝てないかもしれないレベルだよ。

梓ちゃんの蓋を何とか開ける事が出来ればいいんだけど、此ればっかりは私でも如何にも出来ないから……って言うか、自分で蓋をしてる状態で西さんに勝つ事が出来たんなら、蓋が開いたら梓ちゃんって私よりも強いんじゃないのかな?

 

 

 

「いや蓋が開いて、アンタと互角ってとこでしょうね。」

 

「エミちゃん、その心は?」

 

「漫研の生徒が描いてた薄い本なんだけど、戦車に乗ったアンタはドラゴンボールのピッコロと互角に戦ってた……澤がピッコロ以上とは思えないから、蓋が開いてアンタと互角。」

 

「根拠よりも、その薄い本の内容が気になるなぁ~~。」

 

って言うか、戦車でピッコロさんと互角に戦えるのかな?魔貫光殺砲一発で撃破されるような気がするんだけど……其処はアレかな?軍神のオーラ的な何かでガードするのかな?

今度漫研に行って、読ませて貰う事にしようっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer210

『此れは二回戦のお約束です!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

週明けの月曜日、実は本日が一回戦後初の登校……何だって金曜日なんて中途半端な日に開会式と一回戦を行ったのか若干謎が残るね?土日の方が見に来れる人が多いと思うんだけど、その辺は連盟とか大人の事情が絡んでくるんだろうね。

今日は四人揃って寝坊しちゃって朝ごはんを作ってる時間が無かったから、途中にあるパン屋さんでパンを買って、ちょっと行儀悪いけど食べながら登校中。私はツナマヨトースト、エリカさんは目玉焼きトースト、小梅さんはコッペパンサンド(ピーナッツバター)、エミちゃんはソーセージロールね。

 

 

 

「偶にはこう言うのも悪くないわね。この時間帯だと焼き立てパンが味わえるし。」

 

「焼きたてほかほかのパンにピーナッツバターがじんわり溶けて、格別の美味しさですよ此れは。」

 

「パンも美味しいけど、総菜パンに入ってる総菜もあの店の手作りなのよね?其れって、此れのソーセージも手作りしてるって事でしょ?……本場のドイツのソーセージにはない美味しさがあるとか驚きよ?」

 

「其れは多分、この店のソーセージは味付けに塩の代わりに味噌を使ってるからじゃないかな?」

 

「塩の代わりに味噌ですってぇ!?」

 

 

 

豚肉と味噌は相性がいいから、味噌で味付けした豚ミンチを材料にたソーセージは絶対に美味しいと思う……そして其れと合わせるのは米粉のパンだから小麦粉のパンよりもマッチしてる筈だからね。

外国から入って来た食材も日本風にアレンジしてしまう日本人の器用さは脱帽物だと思う……インドからイギリスを経由して日本に入って来たカレーなんて、日本で爆発的に種類が増えて、カレーの種類だけで言うのなら本場のインドを遥かに凌駕してる状態だからね。

 

 

 

「拘ってるのよねあの店って……って、あれてアンドリューじゃないのみほ?」

 

「うん、アンドリューだね。そもそも学園艦にアンドリュー以外の虎が居る筈ないし。……居たら居たで問題だからね。」

 

今日は麻子さんは一緒じゃないのかな?何時もは麻子さんの事を背中に乗っけて学校まで運んでるんだけど……おはようアンドリュー、今日は麻子さんは一緒じゃないの?

若しかして、沙織さんが起こして先に連れてっちゃった?

 

 

 

『ガウ?』

 

「うわぁ……こう来たか。」

 

「此れは、予想外だったよ。」

 

今日は麻子さんは沙織さんと一緒にアンドリューより先に行っちゃったのかと思ったけど、振り返ったアンドリューの口にはシーツで包まれた麻子さんの姿が……制服には着替えてるみたいだけど、どうしてこうなったし。

 

 

 

『ガウ、ガウガウ、ウガ、ガウ。(寝る前に制服には着替えてたみたいだが、どうやっても起きない上に、ロンメルは別行動だったので背中に乗せる事が出来なかったので、シーツに包んで、包んだシーツの両端を咥えて運ぶ以外の方法が無かった。)』

 

「そっか~、ご苦労様♪」

 

「……逸見、みほは何で虎の言ってることが分かる訳?」

 

「隻腕の軍神だからよ。」

 

「何の説明にもなってない筈なのに、それで納得しちゃった自分が居る事に驚きだわ……そうよね、みほだったらもう何でもアリよね。」

 

 

 

何か酷い言われような気がするけど、割と本気で私は何でもありな部分があるのが否定できないから、反論出来ないのが何ともね……体育のソフトボールで、右腕一本で学園艦の外まで運ぶ場外ホームラン放っちゃったからね。

それ以外にもバスケで片手スリーポイント、マット運動で片手連続バック宙とパラアスリート級の事を普通にやってるからねぇ……戦車道でプロリーグに行けなかったらパラアスリートを目指すのも一つの選択肢かも知れないね。

 

そんな感じで登校して、学校に到着したんだけど、なぜか校門前に車体全てを……それこそ転輪までも真っ黒に塗装したマウスが。……カラーリング的に、若しかして。

 

 

 

「ガッデム。」

 

「やっぱり。」

 

何処でこのマウスを手に入れたんですかって言うのには突っ込みませんけど、如何したんですか黒のカリスマさん?……風紀委員の人達が取り締まってないのを見る限り、学園側に許可はもらってるんでしょうけど。

 

 

 

「今日はな、戦車隊の皆にプレゼントを持って来たんだ!」

 

「プレゼント、ですか?」

 

「俺のアリストトリストブランドで作ったパンツァージャケットだ!今の大洗のデザインはそのままに、色を紺から黒にして、背中には夫々のエンブレムの他に、銀で『nOs』を箔押ししたぜ!

 更に胸にはアリストトリストのブランドマーク、両肩には大洗のマスコットのアライッペを刺繍で入れてみた、如何だオラ!」

 

 

 

此れは、とてもいいですね?

ですが、一つだけ注文があります……nOsの文字とアリストトリストのブランドマーク、そしてアライッペの刺繍はメタリックなので、各チームのエンブレムもメタリックにして欲しいです。そっちの方がより映えますから。

 

 

 

「エンブレムもメタリックにか……其れは盲点だったぜ!早速持ち帰って、作り直してくるぜ!エンブレムの修正だけなら楽だからな――修正版、期待しててくれよ!

 其れから、二回戦も絶対に勝てよみぽりん!有象無象蹴散らすぜ、大洗だけ見てりゃいいんだ!ガッデメファッキン!」

 

 

 

あはは、相変わらずテンションが高いなぁ……って言うか、学園艦は海上を移動してる筈なのに、どうやって乗り込んで来たんだろう?

あの真っ黒のマウスと言い、若しかしてお母さんに協力を依頼したとかだったりするのかな?……もしそうだとしたら、あの真っ黒なマウスも、どうして学園艦に居るのか全部説明がつくからね。

取り敢えず、校門前で予想外の事があったけど無事に登校完了。今日も一日頑張らないとだね!……因みに麻子さんは、あの状態のままアンドリューが教室まで連れて行った。

ホントにご苦労様だよアンドリュー、ご褒美に今夜のご飯は常陸牛のサーロインを1kgだね。

 

 

 

「あ、お早うございます西住殿、逸見殿、赤星殿、中須賀殿~~!」

 

「おはよう優花里さん。」

 

「おはよ、優花里。」

 

「おはようございます優花里さん。

 

「おはよ秋山。」

 

「週刊戦車道の最新刊、買っておいたんですが読みますか?」

 

 

 

教室に入ると優花里さんが週刊戦車道の最新号をもってやって来た……毎週月曜日に発売の週刊戦車道を発売日にゲットするとは、流石は優花里さんって所かな。

さて、今週号の表紙は……梓ちゃんと西さんが試合後の握手をしている場面だね。

しかも特集の見出しが『高校戦車道界に新たな息吹か?大洗の二代目軍神爆誕!』と来てるからね……此れは表紙のインパクトだけで結構な部数が行ったはずだよ。

特集の内容は、フラッグ車を務めた梓ちゃんの戦い方による専門家の評価と、記事の担当者さんの梓ちゃんに対する評価がメインだったんだけど、これが中々面白かった。

専門家の大半が梓ちゃんの才能を認めつつも、『それでもまだ西住みほには及ばない』って評価したのに対し、記事の担当者さんは、『澤梓は、戦車乗りとしての力は西住みほに比肩するレベル』だって評価してたからね。……専門家みたいな目が肥えてる人ほど、梓ちゃんの潜在能力には気付けないって事なのかも知れないね。

 

 

 

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時間は進んで、放課後の戦車道の時間……今日は二回戦に向けてのミーティングがメインになるけどね。

二回戦の相手は、今年から参戦して来た新参校の一つである『私立フリーダム学園』……中学の時に戦った『私立ジャスティス学園』の姉妹校の高校かな此れは?

まぁ、取り敢えず新参校だけに何もデータがないから、土日を利用して優花里さんとエルヴィンさんに偵察を頼んだんだけど、首尾は?

 

 

 

「バッチリであります西住殿!昼休みに情報処理室で編集もしてきましたので、今回の動画は会心の出来でありますよ!」

 

「偵察は無限軌道杯のBC自由学園以来だが……慣れると中々面白いものだな?グデーリアンが斥候としての能力が高いおかげで、私も素性バレしないで偵察できるからな。」

 

「エルヴィン殿は旧ドイツ軍の軍帽がトレードマークである上に本名は知らない人が多いですから、軍帽を脱いで本名で呼ぶだけでカムフラージュになりますからね。

 そして私も、装填士と言うポジション柄、名前は知られてても顔はそれほど知られていませんから、エルヴィン殿が『グデーリアン』と呼んでくれれば正体がバレる事はありませんので、偵察は容易でありました……此方がデータの入ったUSBメモリになります。」

 

「そう、巧く行ったみたいだね?お疲れさまでした。」

 

早速PCと映写機をケーブルで繋いで、優花里さんが持って来たUSBメモリを起動して、ファイル名『私立フリーダム』を選択して実行……程なくして画像再生ソフトが起動し、その映像が映写機からプロジェクターに映し出されたね。

先ずはタイトル。『潜入!此れが私立フリーダム学園だ!』……相変わらず凝ってるなぁ?

昼休みの短時間で編集したとは思えないタイトル画面だね?優花里さんとエルヴィンさんって、映像関係の方の才能も有るのかも知れないね。

 

 

 

『はい、どうも!私は今、次の対戦相手である私立フリーダム学園の偵察に来ています。潜入は何時もの様に、コンビニの定期船で。

 今回は、無限軌道杯のBC自由学園の時以来となる、松本殿と一緒であります!松本殿、撮影の方はお任せしますよ?』

 

『おう、任せておけグデーリアン。』

 

『其れでは早速、適当な生徒さんに話を聞きに行こうと思うのですが、本日は制服ではなく私服で訪れております。

 実は、私立フリーダム学園は制服はなく、生徒は私服登校である事を潜入前にネットで調べておいたのです……道理で、専門サイトで制服を探しても見つからなかったはずであります。

 では、改めまして……あ、すみませ~ん。私達、最近転校して来たんですけど、この学校の戦車隊ってどんな感じなのですか?』

 

『ウチの戦車隊?あぁ、そう言えば今年は全国大会出てるんだっけか?一回戦は突破したらしいけど、二回戦の相手があの大洗女子学園って、ツイてないよねぇ?

 ぽっと出のウチの戦車隊が隻腕の軍神に勝てる筈ないじゃん……運も実力の内って言うけど、ウチの学校は運が無かった訳よ。』

 

『あの、試合前から諦めるのは如何なモノかと……其れから、戦車隊の事を知りたいのですが?』

 

『あぁ、ごめんごめん。

 ウチの戦車隊ねぇ……一言で言えば、学校名と同じ位にフリーダムって感じかな?使ってる戦車は多国籍だし、ユニフォームも無くて戦車隊員の証であるドッグタグを首から下げてるだけなんだよ。

 隊長は、ちょっと不思議な人で、何て言うのかな……物腰は柔らかいんだけど一本芯が通ってて、でも何処か諦観したような感じがするかな?』

 

 

 

続いては偵察パートなんだけど、いやフリーダム学園の隊長さんってほんとにどんな人なの?物腰柔らかくて一本芯が通ってるまでは分かるとして、何処か諦観したような感じがあるって、何か諦めてる感じがするって事なのかな?

一七~八で諦観してるって、一体何があったのか物凄く気になるね。

其れは兎も角、映像は変わって、今度は格納庫の中かな?

 

 

 

『此れは此れは、確かに話に聞いた通り、見事に国籍がバラバラの戦車でありますねぇ?

 トータスにホイペット、私の好きな7TP双砲塔型に、激レアのパンターF型まで……うぅむ、戦車の多国籍さでは、大洗といい勝負であります!』

 

『まるで戦車の博物館だな。』

 

 

 

使用戦車は大洗同様、多国籍で統一されてないか……戦車の総合性能で言うのなら、大洗の方が少しだけ上って感じだね。

そして最後は、戦車隊のミーティング……戦車隊の人数は決勝戦の二十輌をギリギリ動かせる程度だったみたいで、流石に其処に紛れ込むのは無理があるから、物陰から隠し撮りしたみたいなんだけど、フリーダム学園の隊長さんは、ホントに謎だらけだった。

名前は『大和綺羅』……濃い目の茶髪をショートカットにした中性的な子で、確かに物腰は柔らかくて、芯の通った性格をしてるみたいだったけど、何処か諦観してるって言うのは、こう言う事か。

 

 

 

『一回戦は勝つ事が出来たけど、二回戦が大洗女子学園とは、僕達も運が無いよね……でも、運が無かった事を幾ら嘆いた所で現実が変わる訳じゃない。

 

 勝てる相手じゃないけど、やれるだけやってみようか。』

 

 

 

言ってる事自体は悪い事じゃないんだけど、言い方。

そんな言い方じゃ、士気が下がっちゃうって……せめて西さんみたいに『相手は格上なれど、勝負に絶対はない!』位の事を言えば良いと思うんだけどなぁ?此れじゃあ、諦観してるって思われても仕方ないね。

 

 

 

『以上、現場からお送りしました。

 偵察は、リポーター担当の私、グデーリアンこと秋山優花里と。』

 

『撮影担当、松本里子ことエルヴィンでお送りしました。』

 

 

 

此れにて、映像は終了と……エルヴィンさんの名乗りは逆だと思うんだけど、普段はソウルネームで過ごしてるから間違いでもないのかな?アンチョビさんはアンツィオ時代に『安西』って呼ばれるのを嫌がってたから、ロールプレイ中はソウルネームが本名って事なんだろうね。

さて、相手の事が分かった所で、どんな作戦て行くべきか……梓ちゃん、二回戦の会場ってどんな場所だったっけか?

 

 

 

「荒野と岩場、其れから中規模の林が点在してますね……去年のアンツィオ戦に近い感じです。」

 

「去年のアンツィオ戦と似たような会場か……となると、戦車に求められるのは何よりも機動力だね。」

 

となると、Ⅳ号F2は全車出撃で、オオワシチームとアヒルチームとカモチームも確定だね。――逆に待ち伏せ作戦が使えるフィールドじゃないからカバチームとカメチームは今回は出番なしで。

後は梓ちゃんのウサギチームと、エミちゃんのタイゴンチーム、ツチヤさんのレオポンチーム、四式中戦車のペンギンチームだね。

 

 

 

「ちょっと待ってください西住隊長!西住隊長のあんこうチームが入ってないですよ!?」

 

「うん、入ってないよ。

 でもこれは間違いじゃない……次の二回戦は、梓ちゃんが指揮を執って戦うんだよ。――来年は……より正確に言うなら、今度の無限軌道杯からは梓ちゃんが大洗を率いて行く事になるんだから、その予行練習だよ。」

 

「それは……でも、私じゃ西住隊長みたいには出来ませんよ!」

 

 

 

私みたいにやる必要はないよ……何よりも、一回戦で梓ちゃんは私の弟子ってだけじゃない事を証明したでしょ?……私とは違う、梓ちゃんにしか出来ない戦車道をやれば良いんだよ。

『西住みほ流じゃない、梓ちゃんだけの戦車道を見つけるんだ』って、此れお姉ちゃんの受け売りね。

 

 

 

「私だけの戦車道……ですか。」

 

「そう、梓ちゃんだけの戦車道……多分、梓ちゃんはもう無意識に其れが分かってる筈だよ。切っ掛けが無くて、其れに気付けてないだけから。」

 

そもそもにして、私の感覚によるところが大きい戦車道を、マニュアル化しちゃった時点で梓ちゃんはドレだけ天才なのかって話だかね……個人の感覚をマニュアル化するとか簡単に出来る事じゃないからね。

でも、其れだけの力が、私の存在によって蓋をされてるって言うのなら、私と言う重石を取り除いてやれば其の蓋は容易に開ける筈……私が二回戦に出ないのは、梓ちゃんの蓋を開けると同時に、梓ちゃんに私が居なくても大丈夫だって言う自信を付けさせる為ってね。

 

 

 

「みほさんの考えは分かりますけど、そうなると副隊長代理が必要ですよね?誰を其れに指名する心算なんですか?」

 

「……梓ちゃん、二回戦では小梅さんが副隊長代理を務めるから、好きなだけ扱き使ってあげて。……大丈夫、小梅さんだったら可成りな無茶振りにも応えてくれると思うから。」

 

「さらりと私を生贄にした上にハードルを上げないで下さいよみほさん!私が大抵の無茶振りに応えちゃうのは否定しませんけど!」

 

「私は小梅さんを生贄に捧げ、来い『デーモンの召喚』!」

 

「コスト一で召喚できる上級モンスターでは最強クラスのモンスターの生贄になった事に喜べばいいのか悲しめばいいのか……」

 

 

 

喜んで良いんじゃないかな?

少なくとも作者的には『レベル6通常モンスター最強はデーモンの召喚であり、フロストザウルスなんぞ知らん!』って感じらしいからね……まぁ、デーモンの召喚は主人公の強力モンスターだから気持ちは分かるけどね。

まぁ、其れは其れとして私は梓ちゃんの力を信じてるから、次の二回戦を梓ちゃんに全部任せたいんだ……受けて貰えるかな?

 

 

 

「西住隊長……分かりました。

 そこまで言われて応えないのは弟子として師への不義理でしかありませんから、次の二回戦、西住隊長なしで必ず勝って見せます!どうせなら、勝ち方にも注文を付けてください!」

 

「おぉっと、そう来たか……なら、パーフェクト勝利で!」

 

「了解しました……パーフェクト勝利、達成して見せます!!」

 

 

 

――轟!!

 

 

 

『キョォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!』

 

 

 

此れは、此処で軍神招来とは、見事だよ梓ちゃん……だけど、宿した英霊は此れはバーサーカーが妥当だと思うんだけど、私知ってるバーサーカーじゃないよね此れ?

そもそも此れはバーサーカーじゃなくて暴走庵……あぁ、ある意味でバーサーカーか。

なんにせよ次の二回戦、如何なるか楽しみだね。

 

 

 

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そしてやって来た二回戦。

フリーダム学園のフラッグ車を、オオワシとタイゴンが焙り出して追い詰め、追い込んだ先には梓ちゃんのパンターが……チェックメイトだね此れは。

誰が如何考えても、此処からの逆転は有り得ない――精々フラッグ車の同士討ちが関の山だけど、そうなった所で大洗は一輌も撃破されてないから判定勝ちが出来るからね。

 

 

 

「此れで終わらせる!あゆみ!!」

 

「アイサー!喰らえや……覇王翔哮拳!!!」

 

 

 

――バッガーン!……キュポン!

 

 

 

『私立フリーダム学園、フラッグ車行動不能!大洗女子学園の、勝利です!』

 

 

 

最後は梓ちゃんの一撃が炸裂して、フリーダム学園のフラッグ車を撃破して、パーフェクト勝利を達成……キューポラから身を乗り出して、右拳を掲げてガッツポーズする梓ちゃんが印象的だったね。

だけど、此れで三回戦進出が決まったから、次の相手は黒森峰か……そう思ってスマホで他の二回戦の試合結果を公式サイトで確認したんだけど、其処には到底信じられない試合結果があった。

 

 

 

○私立インフィニット・ストライク学園×黒森峰女学院●

 

 

 

其れは、理子さん率いる黒森峰が、あの中二病率いるインフィニット・ストライク学園に負けたと言う結果……インフィニット・ストライク学園が予想外のダークホースの可能性もあるけど、理子さんの実力はとっても高いし、近坂先輩が鍛えたのなら大抵の相手には負けないだけの実力はあるから、其れは考え辛い。

……となると、考えたくはないけどインフィニット・ストライク学園が何らかの裏工作をした可能性が否定出来ないか――此れは、調べてみる必要があるかもね。

 

 

 

「こんな事って……西住隊長、私はツェスカに何か言ってやった方が良いんでしょうか?」

 

「……今は放っておくのが正解だよ。自分の実力を出す事も出来ずに、悔しくて泣いている時には、誰に何も言って欲しくないだろうからね。」

 

「西住隊長……そうですね。逆の立場だったら、私も。」

 

 

 

うん、其れが分かるだけで十分だよ……多くの場合は、励まそうとして逆に傷を広げてる場合があるからね。

まぁ、其れは其れとしてインフィニット・ストライク学園が一体何をしたのかを知らないとだね……取り敢えず理子さんとは週末に会う約束を取り付けておくべきだよね?

黒森峰に何があったのか、其処からインフィニット・ストライク学園が何をしたのかを知る事が出来るかも知れないからね。――私の予想道理だったら大凡笑えない事になるんだけどさ。

黒森峰に勝ったのは実力なのか、それともギリギリの反則技を使ったからなのか、其れを見極める……もしも、人の道に反するような事をして黒森峰に勝ったと言うのならば覚悟しておくと良いよ。

――人の道を外れる事をしていたその時は、二度と戦車に乗れなくなる位に地獄に叩き落してやるからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

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