ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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決勝戦前のワンクッションだねByみほ       日常回はほっこりするわねByエリカ     そして、この小休止が戦闘回を盛り上げるんですBy小梅


Panzer213『決勝戦前の一幕・嵐の前の静けさです』

Side:みほ

 

 

今年の全国大会もいよいよ決勝戦――相手はまさかのアンツィオ高校だったけど、ペパロニさんだったら若しかしたらと思ってた部分が無きにしも非ずだから、此れは最高の決勝戦になるかもね。

其れは其れとして、今年の大会は大洗の三回戦が、試合後に大注目されたみたいだね……試合後に、私に直接取材を申し入れて来た雑誌の記者さんも居たくらいだからね。

で、その記者さんの記事が雑誌に載ってたんだけど……

 

 

 

『この日行われた大洗女子学園とインフィニット・ストライク学園(以下IS学園)の試合は、今迄の西住みほの試合を知る私達にとって異色とも言える試合運びであった。

 まず今回の試合に投入された戦車は今までの大洗と違い、まるで黒森峰を再現するかのような火力を重視した車両群なのはまだいい。 

 一方のIS学園も車両編成は大洗と似たり寄ったりな所があるのでその辺の違和感は特に感じなかった。

 

 しかし、私が違和感を感じたのはその試合運びである。

 

 本来の大洗の試合運びは「出来るだけ早くフラッグ車を撃破する」形なの対して、今回の試合ではまるでIS学園に対する死刑宣告のような西住みほと澤梓の「軍神師弟コンビ」の啖呵斬りの後の大洗の猛攻は昨年彼女が真っ向から否定した前回の大会の黒森峰の試合を再現するかのような殲滅ぶりである。

 おまけにIS学園のフラッグ車は生半可の砲撃ではびくともしない装甲が仇になって、袋叩きの如き集中砲撃の末に撃破されたのだった。

 

 いつもの彼女の試合とは明らかに違う試合運びに明確な違和感を覚えた私は試合終了後の西住みほに直撃取材を申し込んで話を聞くことにした。

 

 「へ? 黒森峰の敵討ち?」

 

 私は最初に西住みほの話を聞いて思わず声が出てしまった。

 確かに今回の大洗の服装は色遣いが黒森峰を彷彿とさせるから強ち間違いとは言えないが、それでもあの試合運びの理由とは考えにくいので其処の所を追及したところ、

 

 「IS学園が破壊工作を行った…」

 

 この話を西住みほから聞いた瞬間、IS学園と対峙した黒森峰の事情が180度変わって見える。

 何しろ黒森峰がIS学園と対峙した際はあの学校では二線級である三号戦車を始めとした車両群なので、

 

 「黒森峰IS学園舐めすぎ」

 「何舐めプをやってんだ!」

 「黒森峰の悪ふざけにも程がある!」

 

 と言った意見が続出したのだが、西住みほの話を聞いた後だと話の性格が変わってくる。

 つまり、あの時の黒森峰は「あれしか試合に出せなかった」訳だから、勝てる試合も勝てなくなって当然だと言えた。

 と、なると、大洗にも破壊工作の危機が訪れるわけだが、試合当日の車両群を見るに潜入工作員を返り討ちにしたことは想像に難くない。

 そうなると何処からその話を聞いたのかを尋ねてみると、

 

 「黒森峰の直下隊長からお話を伺いました」

 

 との返事だったので、破壊工作の被害者から事情を聴いて潜入工作員に罠を仕掛けて返り討ちにしたのは当然の帰結と言えた。

 

 「それと、IS学園に関しましては聖グロリアーナに情報収集を依頼しています」

 

 私の取材終了直前に西住みほがこの話をしてきたので、IS学園がどのような末路を辿るのかが気になりつつも今回の取材は終了したいと思う。

 

 

 

 追伸:結局IS学園はこれまでの不正行為が聖グロの手で明らかにされ、後日戦車道連盟に取材をした結果、IS学園の公式試合無期限出場停止処分が下されたそうだ。

 

 

 

 

                          月刊戦車道ジャーナル 井東彰彦』

 

 

 

事の顛末までキッチリと書かれていたね……無期限での公式試合出場停止処分を喰らったインフィニット・ストライク学園だけど、此処まで盛大に雑誌にすっぱ抜かれたら、最低でも五年間は公式試合には出れないだろうね。

真面目にやってた子には気の毒だと思うけど、全ては隊長のアホさ加減が導いた因果応報……罪に対する罰を、確り受け入れると良いよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer213

『決勝戦前の一幕・嵐の前の静けさです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、言う訳で決勝戦の相手はアンツィオになった訳だけど、ぶっちゃけ決勝まで駒を進めて来るとは思ってなかったから、マッタク持って新生アンツィオの情報がありません!

幾ら何でもCV-33がメインの構成で決勝戦まで駒を進める事は出来ないと思うから、新たな戦車を購入したって見るのが妥当だよね――アンツィオはペパロニさんに代替わりしてから、アンツィオグルメの通販を行ってるみたいで、戦車道の資金もガッツリ確保してるみたいだから、新たな戦車を買う事は出来るだろうからね。

こんな事になるんだったら、試合に出ない人達にアンツィオの試合を見に行って貰うんだったと思っても、後の祭りの後悔先に立たず……せめて、試合の映像でもあれば良いんだけど、優花里さんアンツィオ戦の放送録画してない?

 

 

 

「申し訳ありません西住殿、基本的に大洗の試合しか録画していないのでありますよ~~……私が使ってるDVDレコーダーは、同じ時間の複数録画は出来ませんので。」

 

「そっかぁ、其れじゃあ仕方ないよね。」

 

「だったら、偵察を出せば良いんじゃないのみほ?」

 

 

 

其れは確かに其の通りなんだけど、偵察要員である優花里さんは既にアンツィオのメンバーには顔が割れてるから偵察は難しいと思うんだ?かと言って一年生に任せるのはちょっと不安だからね。

 

 

 

「だったら、偵察じゃなくて、堂々と遊びに来たって事にしてサラッと戦車見せて貰えば良いんじゃないの?

 こう言ったら何だけど、ペパロニは良い奴だけど適当にアホだから、優花里が『遊びに来ました~!』とか言えば、『お~、よく来たな~!』とか言って歓迎してくれそうじゃない?」

 

「確かにそうかも知れないけど……ペパロニさんを舐めちゃいけないよエリカさん。

 ペパロニさんは中学時代、テスト範囲を丸暗記する事で赤点を回避するって言うトンデモナイ裏技を使ってるから、理解力は低くても暗記力はメッチャ高い上に、論理的思考は苦手でも勘は鋭いから、堂々と遊びに行っても此方の思惑に感付かれる可能性があるんだよ。

 其れに、只の適当なアホなら、安斎さんが自分の後釜に選ぶはずがないでしょ?――お姉ちゃんのライバルにして恋人である安斎さんが、アンツィオを任せたって事は、ペパロニさんの真の力を見抜いてたって訳だからね。」

 

「……言われてみれば確かにそうね。

 考えてみれば、ペパロニは中学時代は三年間貴女と同じチームだったのよね……其れがタダの適当なアホな筈がなかったわ――少しばかり短絡しちゃったわ。」

 

 

 

まぁ、普段のペパロニさんを見てれば短絡しても仕方ないとは思うけどね……意識してる訳じゃないんだろうけど、ペパロニさんは普段の行動が自然と真の実力を隠す事になってるんだよねぇ。ナチュラルなカムフラージュは普通に凄いと思う。

でも、其れは其れとして、如何にかして新生アンツィオの戦力だけでも知りたい所よ……ペパロニさんがどんな戦術を繰り出してくるのかがマッタク分からないからね。

 

 

 

「ならば、私に任せて貰えませんか西住隊長?」

 

「梓ちゃん?任せてって、何か策があるのかな?」

 

「はい、あるんです。」

 

 

 

――パチン!

 

 

 

「「「「「お呼びで!」」」」」

 

 

 

って、梓ちゃんが指を鳴らした瞬間に、天井から五人の忍者――くノ一が下りて来たよ!?それも、五人全員の忍び装束の色が違う、忍者戦隊とも言える集団が!

あの、梓ちゃんこの人達は?

 

 

 

「私のクラスで忍道を選択してる子達で、必要な時には大会の時に対戦相手の偵察をお願いしてあるんです。

 偵察任務は忍者の基本ですし、彼女達は忍道履修者の中でもトップクラスの実力者なので、必ずアンツィオから有益な情報を持ち帰って来てくれる筈です。」

 

「あはは……成程、次代の偵察部隊は既に出来てる訳か。」

 

確かに忍道履修者を偵察隊にするってのは良い手だね?忍者なら偵察くらいはお手の物だろうからさ――もっと言うなら、戦車道履修者を偵察にって言うのはバレるリスクが高いけど、忍道履修者ならバレる可能性は可成り低いからね。

梓ちゃんは梓ちゃんで、きちんと自分が隊長になった時の事を考えているみたいで安心したよ――それじゃあ、彼女達にお願いしても良いかな?

 

 

 

「了解です。

 其れでは、アンツィオ高校に潜入し、現在のアンツィオがどんな戦車を保有しているのかを調べて来てください。仕事の報酬は、ブリアンさんの大人気メニューである『ガルパン』の無料券です。

 仕事の内容次第では、報酬の上乗せも考えますよ。」

 

「承知した!必ずやアンツィオの保有戦車を明らかにして見せよう!」

 

 

 

うん、お見事だよ梓ちゃん。

仕事の報酬を知らせるだけでなく、仕事次第では報酬の上乗せもあるって聞けば、より良い仕事をしてくれるだろうからね……梓ちゃんは、私よりも人を使うのが巧いのかもしれないよ。そもそもにして、私には去年、戦車道履修者以外の知り合いなんて居なかったからね。

ふふ、その時点で梓ちゃんは私を超えてるって言えるかもしれないよ……そんな梓ちゃんが偵察をお願いした忍道の子達なら、きっと有益な情報を持って来てくれるだろうしね。

果たして、アンツィオはどんな戦車を新たに加えたんだろうか……そして、ペパロニさんはどんな指揮をしたのかだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:ペパロニ

 

 

自分で言うのもなんだけど、まさかアタシ達が決勝戦に駒を進める事になるとは思わなかったぜ――しかも決勝の相手がみほ率いる大洗とか、マジで最高過ぎるだろ此れ。

戦車道の神様って奴が、アタシに幸運を齎してくれたのかもだぜ。――みほとは、マジのガチンコをやってみたいと思ってたからな。手加減なしだぜ?

にしても、今大会の決勝戦は予想外に組み合わせだっただけに、雑誌でも色々言われてんだよな……週刊戦車道では――

 

 

 

『今年の戦車道全国高校生大会は大いに荒れた。

 インフィニット・ストライク学園が不正を働いて、高校戦車道から事実上の追放処分になったのは記憶に新しいが、其れ以上に今年の決勝戦がまさか の組み合わせだった!

 大洗女子学園が決勝にコマを進めて来る事は多くの人が予想しただろうが、まさかまさかのアンツィオが決勝戦にコマを進めて来る事を予想した人は居なかっただろう。

 だが、だからこそ今年の決勝戦は盛り上がる事は間違い無いだろうと思う――考えてもみて欲しい、初出場だった去年の全国大会から、無限軌道杯、そして今年の全国大会と三大会連続で決勝戦にコマを進めて来た大洗と、此れまでは一回戦負けの常連で、去年の全国大会で漸く二回戦に進出したアンツィオが優勝を争う展開と言うのは非常に燃えて来ないだろうか?

 加えて大洗もアンツィオも、火力よりも機動力や地の利を生かした戦車道を得意としているので、互いに様々な策を凝らした技の戦車道が楽しめるのではないかとも考えている。

 何よりも大洗の隊長である西住みほと、アンツィオの新隊長であるペパロニは、同じ中学の出身で、中学時代は三年間同じ戦車に乗っていた戦友でもあるのだ……嘗ての戦友同士が互いに隊長と言う立場で決勝戦で激突するとは、まるでマンガの様な展開ではないか。

 黒森峰が二回戦でインフィニット・ストライク学園の不正によって姿を消した時点で、今年の決勝は大洗対サンダースorプラウダだと予想していたのだが、此れは良い意味で予想を裏切られたと言えるだろう。

 何れにしても、今年の決勝戦は去年以上に目が離せないモノになりそうだ。』

 

 

 

こんな事を書かれてるからなぁ……だ~いぶ期待されてんな此れ?試合前からハードル上げられっとキッツイモンがあるとか、普通なら考えんだろうけど、アタシ等アンツィオの生徒にゃそんなの関係ねぇ!

期待されてるってんなら、その期待に応えてやるのがノリと勢いのアンツィオ流だからな!

恐らく下馬評じゃ大洗絶対有利って感じなんだろうけど、アタシは中学の頃、三年間みほと同じ戦車に乗ってたからみほがやって来そうな事はソコソコ予想出来るからそう簡単にはやられねぇし、逆にみほはアタシがどんな事してくるかは予想が付かねぇ筈だから下馬評通りにはさせねぇよ!

流石のみほも、装填士から車長にコンバートされたアタシのやる事なんざ予想できねぇだろうしな。

 

 

 

「ペパロニさんの思考形態からバレる可能性ってないのかしら?」

 

「カルパッチョ、其れは言わねぇでくれると助かるんだがなぁ?自分でも理解してっけど、アタシは単純だから其れを知ってるみほだったら、予想しちゃうんじゃないかって思ってて、其れを考えないようにしてんだからよ。」

 

「あら、ごめんなさい♪

 でも、流石のみほさんも今のアンツィオの保有戦力が分からなかったら、ペパロニさんの思考形態から作戦を完全に予想するのは難しいと思うわ。」

 

「だと良いんだがなぁ……」

 

きっとみほは偵察も出してくるだろうけど、去年来た優花里は顔が割れてるから寄越さないだろうし、そもそも大洗の連中は今年入った一年以外は全員顔が割れてるから偵察には出さねぇ筈だ……となると、マッタク戦車道と関係ない奴か、聖グロに偵察を依頼する可能性があるんだが、そうなったら絶対に分からねぇ、普通に偵察に対しては詰んでんな。

ま、徹底的に戦車を隠してやれば其れで何とかなるかもだけどな。

其れよりもカルパッチョ、何だか機嫌よくないかお前?

 

 

 

「うふふ、だってたかちゃんに会えるんだもの、機嫌だってよくなるわよ?ペパロニさんにもこの気持ちは分かるでしょ?」

 

「そりゃまぁ、分かるっちゃ分るか?アタシも開会式以来だからなみほと会うのは。」

 

「私なんて無限軌道杯の開会式以来だから、もう色々とアレで……うふふふふ、たかちゃん、たかちゃん、たかちゃん、たかちゃん、たかちゃん……!

 勝っても負けてもたかちゃんを……うふふふふ、マッテテネたかちゃん……!」

 

 

 

カルパッチョー!?

ヤッベーよ、『たかちゃん欠乏症』の末期症状じゃねぇかこれ!

ジェラート、アマレット、パネトーネ!至急カルパッチョを『たかちゃん欠乏症末期症状治療室』に連行しろ!抵抗して暴れるようだったら、多少手荒な事しても構わねぇから!

 

 

 

「ペパロニ姐さん!ウチの学校でカルパッチョ姐さんに腕力で勝てる生徒は居ないっす!」

 

「ぶっちゃけ三人で抑え込めとか無茶振りですよぉ!」

 

「振りほどかれないようにするのが精一杯ですって!」

 

 

 

……そう言えば、カルパッチョって小学生の時から装填士やってて、中学時代は一時的に車長もやってたけど、装填士としてのトレーニングは欠かした事ないって言ってたから、腕力だけならアンツィオ最強なんだよな。

総合的なパワーなら西住流フィジカルトレーニングで鍛えたアタシの方が上なんだろうけど、腕力だけはカルパッチョには勝てねぇからな……腕相撲も彼是二十連敗中だからな。

結局、リコッタ、ロビオラ、ボローニャも動員する事でカルパッチョを『たかちゃん欠乏症末期症状治療室』に連行する事が出来た……部屋一面にたかちゃんこと、Ⅲ突の装填士であるカエサルの写真が貼りつけられた部屋とか、アタシからしたら結構怖いんだが、カルパッチョ的には全然OKだってんだからちょっと怖いっての……微妙にヤンデレ入ってねぇかカルパッチョの奴?

相思相愛なんだろうけど、カルパッチョに愛されちまったカエサルにはちょ~っとばかし同情しちまうぜ……カルパッチョとデートしようものなら、カルパッチョ以外の女子と言葉を交わしただけでメッチャ睨まれそうだからな――其れを考えると、ハーレム状態ではあるけど、アタシの相手がみほで良かったぜマジで。

軍神ハーレムではあるけど、みほは独占欲はないからな。

 

何にしても、決勝戦は最高の戦車道をしようぜみほ!

 

 

 

――ピン!

 

 

 

ん?LINEの通知か?

 

 

 

『そうですね、最高の戦車道をしましょうペパロニさん!』

 

 

 

え?何このタイミング抜群のメッセージ……まるで、見ていたような――でも、偵察らしき奴の姿は見えねぇよな?……でも一応聞いとくか。『このタイミングでメッセージとか、みほ、お前見ているな?』っと。

 

 

 

『見てないよ?』

 

『嘘つけ、タイミング良すぎるわ。』

 

『見てないけど、聞こえた。』

 

『何が?』

 

『ペパロニさんの心の声が。』

 

『……嘘だろ?』

 

『マジだよ?バッチリ聞こえたから。』

 

 

 

以上、LINEでの遣り取りなんだが、みほの言う事を信じるのならちょっと怖いぜ此れは……みほにはアタシの考えが筒抜けって事になっちまうからな。

まぁ、みほが言うには『戦車道の作戦までは分からない』って事だったけど、可成り距離があるにもかかわらずアタシの考えてる事が分かっちまうとか、本気でみほは人間なのか怪しくなって来たぜ――ま、みほが人間であろうとなかろうとアタシのダチである事は変わらねぇがな。

 

『聞こえてたんなら、此れ以上は何も言わねぇ……手加減なしの全力だぜみほ?手加減なんかしたら、絶交だからな?』

 

『言われるまでもないよペパロニさん……私達の戦車道は全力全壊が基本だからね――そして、全力全壊を超えた果てに真の戦車道があるってモノだから!

 私の本気、受け止めて貰うよペパロニさん!』

 

『ドンと来いや!みほの戦車道、全部受け止めてやるぜ!その代わり、アタシの戦車道も全部受け止めて貰うからな!』

 

『勿論、その心算だよ!』

 

 

 

LINEでのやり取りは此れにて終了……あとは決勝戦を全力で戦うだけだってな!――アンチョビ姐さんから受け継いだドゥーチェの名に懸けて、アタシが勝たせて貰うぜみほ!

アンツィオを優勝させる事が出来なかったら、ドゥーチェの証であるこのマントと鞭をアタシに託してくれたアンチョビ姐さんに申し訳ねぇからな!

 

そう言えば、なんか忍者っぽ奴等を所々で見かけたって話があって、大洗の偵察じゃないかって言われてたんだが、其れは流石にないだろ?偵察だからって忍者とかベタ過ぎるっての。多分見間違いだから、気にするなって言っておいたぜ――にしても忍者か……もし本物だったら、サインが欲しいぜ。マジもんの忍者とか爆レアだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

梓ちゃんの命でアンツィオの偵察に出てた忍者戦隊が帰還したんだけど、此れは中々の情報を持って来てくれたね?ペパロニさんの作戦自体は分からなかったけど、今のアンツィオの保有戦力はある程度分かったからね。

CV-33とセモヴェンテ、P-40意外に新たに中戦車を何輌か集めたみたいだね……決して強力な戦車じゃないけど、だけど此れが有ると無いじゃ、取れる戦術の幅が段違いだからね。

少なくとも今年のアインツィオは、去年までの貧弱な戦力じゃないから、簡単には行かないだろうね……うん、燃えて来たよ!

 

 

 

「燃えるのは良いんだけど、今日の食卓は何でイタリアンなのかしら?」

 

「決勝の相手がアンツィオなので、イタリアンで纏めつつ、『敵に勝つ』のゲン担ぎのカツも用意してみたんだよ――此のカツは、仔牛肉を使って衣のパン粉に粉チーズなんかを混ぜたミラノ風カツレツだからね!」

 

「成程、考え尽くされたメニューだった訳か。」

 

「そう、考えられてるんだよエミちゃん。」

 

ゲン担ぎの『カツ』は大洗の決勝戦前のお約束になってるから、きっと私達以外の人達もカツを食べてる筈だよ――ついさっき、沙織さんから『今日の晩御飯は特製カツ丼♪』って写真付きのメッセージが来てたからね。……沙織さんのカツ丼は確かに美味しそうだったけど、華さんのモノと思われる丼は普通におかしいよねアレ?どう見ても丼のサイズが通常の倍ある上に、カツが二枚だったから!

其れを沙織さんにメールで突っ込んだら……

 

 

 

『華が本気を出したら、クックファンのマウスカツ(約八人前)も一人で平らげちゃうから』

 

 

 

って返事が来たから、此れ以上は何も言えないよ……華さんの胃袋は一体どうなってるのやらだよ――華さんは痩せの大食いってやつなのかも知れないね。……燃える体質ってのは、世の女性の憧れの的だよマッタク。

 

そんなこんなで遂にやって来ました全国大会決勝戦!!――大注目の一戦だけに、観客は超満員札止め状態みたいだね……なら、その観客の期待には応えないとだから、責任重大だね此れは。

だけど、私とペパロニさんの戦いが平凡なモノになる事はないから、その期待には応えて見せるよ……そして酔いしれると良いよ、私とペパロニさんの共演によって描き出される、戦車道の芸術にね!!

……見せてやる、西住の、大洗の戦車道を!……歴史が違うんだよ!

 

 

 

「……草薙京ですか?」

 

「ゴメン梓ちゃん、ちょっとやってみたかったんだ。」

 

ちょっと締まらなかったけど、私の持てる力の全てを此の決勝戦に注ぎこむよ――此の試合を、私の高校戦車道の集大成にする心算でね……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

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