ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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ペパロニさん……手加減なしだよ?Byみほ       言われるまでもねぇ、全力で行くぜみほ!Byペパロニ


Panzer215『決勝戦序盤戦はまさかの展開です』

Side:しほ

 

 

遂に始まった第六十四回戦車道高校生大会の決勝戦――みほ率いる大洗が決勝戦にコマを進めると言う事は、黒森峰が二回戦で敗退した時点でほぼ確定していたと言えるけど、その大洗の相手がアンツィオになるとは誰も予想していなかったでしょうね。私だって予想してなかったわ。

でも、だからこそ思ってしまう――此の決勝戦は六十四年の戦車道全国大会の歴史に残る大勝負になると。ともすれば、戦車道の常識すらガラリと変える程の試合になると。

みほ率いる大洗と、安斎さんの意志を継いだペパロニさんが率いるアンツィオによる決勝戦……いえ、此れは恐らく大洗とアンツィオの全てをぶつけ合う全面戦争と言っても過言ではないわ。

現役を引退した身でも此れには――

 

 

 

「ワクワクしてるんでしょ、しほちゃん?」

 

「ワクワクする、其れが正解だぜしほ」

 

「千代に好子、人の思考を読まないでもらえるかしら?……確かにワクワクしてるのは間違いないけれどね?

 と言うか、此の決勝戦の組み合わせにワクワクしない人など居る筈がないでしょう……いえ、大洗とアンツィオの組み合わせでなくとも、アンツィオが決勝戦にコマを進めたと言うだけでワクワクする人が多いのではないかしら?」

 

「そりゃまぁ、そうだろうな……なんたってアンツィオは、去年の全国大会までは……」

 

「第一回大会から六十二年連続の一回戦敗退ですものねぇ……」

 

 

 

そう、アンツィオは戦車道全国高校生大会が初めて開催された年から毎年大会に出場しているモノの、去年一回戦を突破するまでは毎年一回戦負けだった超弱小校で、一部では『最弱伝説』とまで言われていたわ……因みに六十二年連続一回戦負けと言うのは、戦車道は勿論だけれど、他のスポーツでも例のないワースト記録で、その連敗記録はギネスにも認定されてると言う不名誉っぷりよ。

そんな、最弱と言われていたアンツィオが決勝戦にコマを進めて来たと言うだけでもワクワクすると言うモノでしょう……しかも、決勝戦の相手は化け物揃いの大洗なのだから、ワクワクも倍増と言うモノだわ。

 

「取り敢えず此の試合は……」

 

「稜線崩れて……」

 

「森焼き消えて……」

 

「「「市街地マルっと吹っ飛ばす~~♪」」」

 

「ガッデム!!」

 

 

 

……良いノリでの参加ありがとう、黒のカリスマ。

其れは兎も角、此の試合は若しかしたら大番狂わせがあるかも知れないわね?……ペパロニさんが、みほの最大の天敵に気付いていればだけれど。

 

 

 

「みほちゃんの天敵だぁ?そんなの居るのかよ?」

 

「……分かった、ピーマンね!みほちゃん、昔からピーマンが大嫌いで、菊代ちゃんが『何とか食べさせようと苦労してる』って言ってたし。」

 

「千代、貴女は時々とってもナチュラルにボケるわよね……何で戦車道の試合でピーマンが天敵になるのよ……」

 

「?」

 

 

 

いや、其処で『何でだろう?』って言う顔をしないで頂戴、聞きたいのは私の方なのだから。……此の決勝戦は大番狂わせがあるかも知れない程度に考えておいてくれればいいわ。

みほの最大の天敵と言うのもあくまでも私の考えであり、若しかしたらみほは其れすらも越えてしまうかも知らないからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer215

『決勝戦序盤戦はまさかの展開です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

スタート地点は去年と同じだったから、先ずは草原のフィールド……去年は此処を移動中に黒森峰から電撃戦を仕掛けられたんだよね――アンツィオの戦力的に電撃戦を仕掛けて来る可能性は低いけど、警戒するに越した事はないね。

ペパロニさんが隊長としてどんな戦術を繰り出すのか全く持って分からないから、此方から攻めるよりは先ずは攻めさせた方が上策なんだけど、其れでピンチになったなんてのは笑い話にもならないし、余りにも間抜けすぎるもん。

 

 

 

「みほ、決着は市街地でって言ってたけど、このまま真っ直ぐ市街地に向かう訳?」

 

「それが出来ればベストなんだけど、たぶん其れは難しいと思うよエリカさん。

 ペパロニさんも市街地戦を狙ってる筈だから、出来れば先に市街地に入りたい筈……だとしたら、先ずはこの草原のフィールドで私達を攪乱して来ると思うんだよね。」

 

「攪乱部隊で私達を足止めして、そして先に市街地に入って市街地戦の準備に取り掛かる……そう言う事ですね?」

 

 

 

小梅さん正解!

だから私達は攪乱されずに、攪乱部隊が現れたら其れを速攻で撃破するのが最善策って事になるんだよ――

 

 

 

「西住隊長、前方約100m先に、敵戦車確認――CV-33……カルロヴェローチェ五輌です!!」

 

「仕掛けて来たか……!梓ちゃん、カルロヴェローチェ以外の戦車は?」

 

「居ません。カルロヴェローチェだけです!」

 

 

 

予想通り私達を攪乱する為と思われる部隊が現れてくれたけど、戦車戦性能皆無のカルロヴェローチェだけって言うのは解せないなぁ?……クリティカルヒットしない限りは何度でも蘇るカルロヴェローチェとは言え、其れだけの編成って言うのは余りにも貧弱だよ。

其れに、大洗には華さんを筆頭にリインさん、左衛門佐さん、あゆみちゃん、あけびちゃんって言う一線級の砲手が居るからクリティカルヒットをブチかます事位は訳ない事だからね……でも、そんな事はペパロニさんだって分かってる筈。

一体何を狙ってるの?

 

 

 

「来たな大洗!此れでも喰らえ!!」

 

「掟破りの、逆視界抹殺!!」

 

 

 

――ブシューーーーーーーーー!!

 

 

 

アンツィオの攪乱部隊とエンカウントして、いざ戦車戦と思ったら、出会い頭に発煙筒!?……く、此れは予想外だったなぁ――いや、元々は私の十八番の戦術だけど、最近は使ってなかったからスッカリ忘れてたよ。

だけど、此れを使って来るとは流石はペパロニさんだね……『戦車の性能で劣るなら、戦車の性能以外の物をルールで許されている範囲で、最大限しろ』って言う私の言葉、忘れてなかったんだ。

だけど、スモークでの目潰しは私には……私と梓ちゃんには通じないよ!!

 

「梓ちゃん!!」

 

「はい!!」

 

 

 

――轟!!

 

 

 

闘気をマックス解放すれば、スモーク程度は簡単に消し飛ばせるからね!大洗の視界抹殺を狙うなら、発煙筒じゃなくて閃光弾を用意するべきだったね……闘気で煙は消し飛ばせても、閃光は消せないんだから。

 

 

 

「そもそも普通は、闘気で煙幕を吹き飛ばしたりしないから。其れが出来るの多分貴女と澤だけだから。」

 

「エリカさん、其れは突っ込みなしの方向で♪」

 

さて、攪乱部隊は何処に――

 

 

 

「みほ、アンツィオの連中稜線に部隊を展開してるわ!!」

 

「エミちゃん、何ですとぉ!?」

 

攪乱部隊を探すよりも前に、エミちゃんがアンツィオの部隊が稜線を取ってるのを確認してくれたけど――此れは、この展開は、去年の大洗対黒森峰と同じ展開?

違うのは奇襲を受けた私達がスモークの目潰しで黒森峰の視界を奪ってる間に稜線を取ったのに対し、今回は大洗が目潰しを喰らってアンツィオが稜線って言う点か……巧く私を引っ掻けたねペパロニさん!

となると次に狙ってるのは稜線での攻防と見せかけた、カルロヴェローチェによる履帯切りかな?……ペパロニさんが去年の大洗の戦術を其のままぶつけて来るならそうなるだろうね。

取り敢えず、稜線下に到着したけど……優花里さん、拡声器プリーズ。

 

 

 

「はい、どうぞ西住殿。」

 

「ありがとう。

 さてと……『ペパロニィ!去年の私がやった事をそのまま私にぶつけてくるとは良い度胸してるじゃないか……今のは正式に私への宣戦布告だって認定した!

 望み通り、隻腕の軍神の本気を見せてやる……覚悟しな!!』」

 

私がそう言ってやれば、ペパロニさんもキューポラから身を乗り出して――

 

 

 

『望む所だ!本気で来いよ本気でよぉ!

 軍神様の本気をぶっ潰してこそ、アンツィオにも拍が付くってモンだからなぁ!……本気で来いやみほ!本気じゃないと、アタシは倒せないぜ!!』

 

 

 

って、返してくれた……本気じゃないと倒せないとは大きく出たねペパロニさん?

なら、お望み通り本気で行かせて貰うよ――もちろん最初から本気ではあったけど、その本気レベルを解放して、本気300%で行く事にするよ!!!

 

 

 

「そうですね……全力全壊で行きましょう西住隊長!!」

 

「梓ちゃん……行くよ!」

 

「はい!」

 

 

 

――轟!!

 

 

 

でもって梓ちゃんと一緒にダブル軍神招来!

私が宿した今回の英霊は、戦国の革命児にして、主人公にもラスボスになれる戦国武将の織田信長だけど、梓ちゃんが宿したのは……

 

 

 

『この剣は、士郎、貴方の為に。』

 

 

 

セイバーだった。

いやまぁ、確かにアーサー王ことアルトリア・ペンドラゴンは英霊なんだけど、なんかちょっと違くない?って言うか、其れを宿したって言うのは誰が如何考えても勝利フラグだよね?だって必殺技が『約束された勝利の剣』なんだから。

 

 

 

「なんで、Fateのサーヴァントが多いんでしょうね?セイバーやアーチャーなら兎も角、キャスターとか宿した日には割と死亡フラグですよ?」

 

「バーサーカーとかも結構ヤバいかもね……」

 

「……バーサーカーの場合、確率で逸見先輩の生霊が憑依する気がします。」

 

「いや、宿る訳ないでしょそんなの!生霊って何よ生霊って!」

 

「「何となく?」」

 

「師弟揃って首傾げるな!……揃ってやられると可愛いのがムカつくわ!!」

 

「可愛いは正義!!」

 

「可愛ければ大体許される!!」

 

「だまらっしゃい、此の大ボケ師弟!

 其れで如何するのみほ?アンツィオが去年の大洗の再現をしてくるんだとしたら、アタシとツチヤとエミは確実に狙われるわよ?重戦車の中でもティーガー系の履帯は特に重い上に、ポルシェティーガーの履帯はエレファントと同系だから更に重い……切られたら修復に時間が掛かるわよ?」

 

「うん、其れは分かってる。」

 

実際に去年は其れで黒森峰の追撃を遅らせる事に成功した訳だからね。

でも、自分がやった戦術だからその対処の仕方も分かる――恐らく、戦車道関係者の多くは、多分お母さんでさえ、『西住みほの最大の敵は西住みほである。』と考えてる……私の戦車道は戦車道の常識から外れてる部分がとても多い反面、自分が同じ事をされる事に慣れてないから、それが唯一にして絶対の弱点だって思うんだろうけど、其れは甘いよ?

確かに自分がやった戦術をそのままやられるって言うのは驚くけれど、だからと言って其れに対処出来ないなんて事はない。だって自分で考えた戦術なんだから、対処の仕方も分かってるし、何よりも去年の黒森峰戦での戦術なんて既に過去のモノ……今の私にはもう通じないんだよ!

履帯切りを喰らうのは止まってるからなんだから、常に動いていれば履帯切りをされる確率は可成り低くなる――カルロヴェローチェみたいな豆戦車で走行中の中戦車や重戦車の履帯を切るなんて言うのは、自ら轢かれに行くようなものだからね。

なので、多少命中率は下がるけど行間射撃を行って相手に的を絞らせないで!動きながら包囲して、プレッシャーを掛けて行くよ!

 

 

 

「「「「「「「「「Jawohl!!(了解!!)」」」」」」」」」」

 

 

 

ペパロニさんが去年の決勝戦での大洗の戦い方をなぞってるなら、私達は去年の黒森峰とは逆の事をやれば良いだけの事……常に動き回って的を絞らせなければ履帯切りには遭わないからね。

此方は行間射撃、向こうは動いてる相手への攻撃って事でお互いにクリティカルヒットは望めないけど、動き回りながら包囲を狭めてる分だけ此方がプレッシャーを掛ける事が出来る……稜線を取るって言うのは戦車道の基本の一手だけど、こうしてプレッシャーを掛けられると弱い面もあるんだよ。

稜線を取るって言うのは、逆に言うなら自分達が動ける場所が狭くなるって事でもあるからね。

さて、このまま行くとジリ貧だけど、如何するペパロニさん?

 

 

 

「流石はみほ、やっぱり簡単に対処して来やがったか……だが、コイツは如何だ!!」

 

 

 

ん?大分間合いが詰まって来た所でペパロニさんが胸元から何か取り出した?……って、アレはまさか!!皆、目をつむって――!!

 

 

 

「喰らえ、電刃波動拳!!」

 

 

 

――カッ!!

 

 

 

私が言いきるより先にペパロニさんが手にしたモノ――スタングレネードが炸裂して強烈な閃光が私達の視界を真っ白に染め上げた……さっきの発煙筒に続いて今度はスタングレネード、閃光弾とは完全にお株を奪われた格好だね此れは。

そして完全にペパロニさんにしてやられたね……ペパロニさんは読んでたんだ、『去年の決勝戦の大洗の戦い方を真似れば、必ず其れに対する尤も有効な手を使って来る』って。

 

ペパロニさんは、一見するとノリのいいお馬鹿さんにしか見えにけど、実は『理解力が低いだけで記憶力はメッチャいい』んだよね……丸暗記でテストを突破しちゃうくらいなんだから。

そんなペパロニさんだったら、私が中学時代に使った戦術だけじゃなく、今年の準決勝までに使った全ての戦術を事細かに覚えてる可能性があるって事を考えると、此れは結構やり辛いかも……さて、如何したモノかな?

 

 

 

「悩む事なんてありませんよ西住隊長。」

 

「梓ちゃん?」

 

「西住隊長の使った戦術の全てを覚えてるって言うのは確かに脅威だとは思います……今みたいに、其れを模倣する事で其れに対する有効策を使わせた上でのカウンターって言う事も出来ますから。

 でも、だから何ですか?相手が此方の戦術を全て知ってると言うのなら、相手の知らない戦術を繰り出せば良いんです!いえ、既に知られてる戦術であっても、西住隊長の戦術は多岐に渡るんですから、其れは組み合わせ次第で無限の手札になります――ペパロニさんも知らない組み合わせを使えば良いんですよ!

 其れに――」

 

「其れに?」

 

「私の存在を忘れないで下さい!

 西住隊長の一番弟子として教えを受けた私は、多分ペパロニさん以上に西住隊長の事を知ってると思いますから、ペパロニさんの上を行く事もきっと出来ると思います――だから、遠慮せずにどんどん無茶振って下さい!」

 

「そうね、澤の言う通りだわ……目眩ませしたって事は、恐らくアンツィオは此処を捨てて市街地に向かってる筈だから、貴女が言ったように市街地戦で決着を付ける事になるでしょうから、遠慮せずに私達に命令しなさい。

 そして、アンツィオに思い知らせてやろうじゃない……私達大洗に市街地戦を挑むのが、ドレだけの愚の骨頂なのかって言う事をね?――貴女が望むなら、狂犬の牙は何時でもアンツィオの喉笛を喰い千切ってやるわ。」

 

 

 

……そう来たか。

そうだね、梓ちゃんは私が直接鍛えたんだからペパロニさん以上に私を知ってるから、ペパロニさんの上を行けるかも知れないね……そして、エリカさんの言う様に遠慮は要らないかもだね。

まさか、初手で此れだけの事をされるとは思わなかったけど、其れだけに何で安斎さんがペパロニさんをアンツィオの隊長に任命したのか分かったよ。

カルパッチョさんにはないこの大胆さを安斎さんは買ったんだ……普通、対戦相手がやった事をマルっとぶつけるなんて事をする人は居ないだろうからね――私だって、其れはやった事が無いからね。

 

うん、ペパロニさんは此れまで私が戦った事が無いタイプの戦車乗りだ……だからこそ、ワクワクが止まらないよ!!

スタングレネードで奪われた視界も戻って来たし、アンツィオを追撃するよ!どんなルートを通ったとしても、市街地に入るにはあの川を越えなければならないから、其処までの最短ルートは分かってるしね。

 

 

 

と思ってたんだけど、川への最短ルートにある橋は見事に落とされてて、其処にはデフォルメされてるペパロニさんがヘルメット被って頭を下げたイラストが描かれた『工事中につき迂回願います』の看板があった……自分がやる分には兎も角、此れはやられるとムカつく事この上ないねマジで。

と言いつつ、この看板は確りと回収したけどね。

 

 

そして迂回して川に到達したんだけど……アンツィオの部隊が川の中腹で止まってる?下流に行くに従って重量のある戦車を配置するのは当たり前だから良いとして、如何して其処で止まってるんだろう?……まさか!!

 

 

 

「みほさん……若しかして、アンツィオの戦車に何か不具合が起きたんじゃ?」

 

「その可能性は可成り高そうだよ小梅さん……!!」

 

一昨年は味方が激流に落ちて、去年はウサギチームが川で立ち往生で、今年は相手チームが川で立ち往生って、形は違えど何だか高校生になってから毎年のように『水難の相』に見舞われて気がしてならないなぁ?……本気で大洗磯前神社でお祓いして貰った方が良いかも知れないね。

 

 

 

「其れでみほ、アタシ達は如何するの?」

 

「如何するって、そんなの決まってるよエミちゃん。」

 

此れが戦争なら好機と見て殲滅する所だけど、戦車道はスポーツであって戦争じゃない――だったら、私のやる事は一つだけだよ。……人によっては『甘い』って言うのかもしれないけど、言いたければ言えば良いよ。

誰が何と言おうと、此れが私の戦車道だからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:ペパロニ

 

 

クッソ、上手くみほを出し抜いたってのに、まさか川越でトラブルに見舞われるとはな……なんぼアタシが去年の大洗の決勝戦を真似たからって、此処まで真似なくても良いっての!

スタングレネードの効果を考えても、此処でもたついてたら大洗に追い付かれちまう……そうなったら、みほより先に市街地に入る事は出来ねぇ!!

みほの事だから、この状態のアタシ達に攻撃をする事はねぇだろうが、攻撃しないだけで追い抜いてく可能性はあるからな……みほはNice Girlだけど決してお人好しじゃねぇ……試合では、一切容赦なしだからな。

 

なんて事を考えてる端から大洗が追い付いて来やがった……こりゃ最悪だな?――此処でアタシ等は大洗に追い抜かれて、先に市街地に入られちまう訳か……クソ、そうなったら勝率は勝率は20%以下だ!

カルパッチョの見立てだと、アタシ達が先に市街地に入った時ですら勝率は50%だったんだから、大洗が先に市街地に入ったら勝率は更に低くなるのは当然だ――ったく、戦車道の神様は何処までもみほが好きみてぇだな、クソッタレが!!

 

そう悪態をついてたら、大洗に動きが……なんだ、アイスブルーのパンターと漆黒のティーガーⅡだけがこっちに向かって来た?

 

 

 

「ペパロニさん、動けなくなった戦車はどれ?」

 

「ワイヤーを持って来たから、トラブルが起きた戦車は私とみほで牽引するわ。陸に上がれば応急処置も出来るでしょ?」

 

「!!!」

 

って、お前等まさか……アタシ達を助けに来たのかよ!?……馬鹿じゃねえのかオイ!?

こんな事しないで、立ち往生してるアタシ等を集中砲火すれば勝利は確実だったってのに、勝機を逃してまで助けに来るとか、普通は絶対に有り得ねぇ事だぜマジで!!

 

 

 

「動けなくなってる相手を攻撃して勝っても、そんなのは全然嬉しくないよ――其れに、困ってる人を見捨てる事が出来る程冷めた人間じゃない心算だからね私は。」

 

「ま、私としては見殺しにても良いんだけど、みほが『助ける』って言うから助けただけだから勘違いするんじゃないわよ?狂犬は危険だけど、飼い主の命令には従う、つまりはそう言う事だからね。」

 

 

 

エリカ、ツンデレ乙だな。

しっかしこりゃ、完全に借り一だな……仕方ねぇ、この借りはアタシ達が勝つ事で返させて貰うぜ――アンツィオの全国制覇は去年の大洗の全国制覇レベルの快挙だろうからな。

負けないぜみほ!!

 

 

 

「その言葉、そっくり返すよペパロニさん……私だって負けない。ううん、勝つよ絶対に。負けないんじゃなくて勝つ、其れが私と貴女の差だよ。」

 

「なら、その差も越えてやるぜ……勝つのはアタシ等アンツィオだからな!!」

 

「……なら燃え尽きろ、潔くな。」

 

 

 

そう来たか……悪いが、燃え尽きる心算はねぇから、市街地では覚悟しとけよ?

アンチョビ姐さんから受け継いだ戦術をアタシなりに昇華した新生アンツィオの真骨頂ってモノをたっぷりと御馳走してやるからな……タップリと喰える様にスカートのベルトは緩めとけよ?

アンツィオのフルコースは、中々食べきれるモンじゃねぇからな――途中で食い倒れだけはしないでくれよ?……ま、お前にはそんな心配は無用かもしれないけどな、みほ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

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