ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

217 / 226
燃える!燃える!!燃え滾る!!Byみほ       スゲェ闘気だな……圧倒されたぜ!!Byペパロニ


Panzer216『市街地戦は乙女の憧れです』

Side:まほ

 

 

先ずはアンツィオが、掟破りの逆みほ流を炸裂させたか……戦車を撃破するには至らなかったが、みほの出鼻を挫いたと言う意味では大いに評価して良いだろう。――私ですらみほの出鼻を挫く事は出来ないからな。

其れが出来たのも、今のアンツィオの隊長が、中学時代のみほの最初の友達であり、三年間同じ戦車に乗っていたペパロニだからだろうな……もしもペパロニではなくカルパッチョが隊長だったら、こうは行かなかっただろう。

 

「安斎、お前が選んだ隊長は当たりだったみたいだな。」

 

「ペパロニは理論を司る左脳は殆ど働いてないが、直感を司る右脳は常に全開稼働しているような奴だからな……アンツィオの隊長として、アイツ以上に適した奴はいないさ。」

 

 

 

お前以上にアンツィオの隊長に相応しいと言う訳か……まぁ、お前の場合はアンツィオの立て直しが最優先だったから、試合では本来の力を発揮出来なかっただけで、お前も充分にアンツィオの隊長に相応しいと思うぞ安斎。

 

 

 

「お前にそう言って貰えると嬉しいよ西住……お前にそう言って貰えるだけで、私は自分がやって来た事が無駄ではなかったと胸を張る事が出来る。」

 

「お前がやって来た事が間違いな筈が無かろう――万年一回戦敗退だったアンツィオを初戦突破させたのは、紛れもないお前の成果だからな。」

 

そのお前が次の隊長に選んだペパロニは、よりアンツィオらしいと言う話だが……まさか、アンツィオの部隊が川で立ち往生するとは思わなかったぞ?

だが、其れ以上に追い付いた大洗の部隊からみほとエリカが出て、救助活動をするとは本気で予想外だった――一昨年の決勝戦の時の様に、人命にかかわる事態でもないのに救助をするとはね。

 

 

 

「甘いと思うか西住?」

 

「いや、此れが正解だろ安斎。」

 

戦車道は戦争ではなくスポーツだ。

相手のミスにつけ込むのは良いが、相手に発生したトラブルをチャンスと捉えては駄目だよ――危険なトラブルが起きたその時はノーサイドで対応するのが、スポーツマンシップと言うモノだからな。

 

立ち往生した戦車はパンターとティーガーⅡに牽引されて無事に対岸に到達出来たようだが、如何やら致命的なトラブルが起きた訳ではないらしく、暫くするとエンジンが掛かったみたいだな。

……勝利至上主義の恩知らずならば、対岸に到達した瞬間にみほのパンターを不意打ちするのだろうが、ペパロニと言うのは義理堅い奴だから、そんな姑息な真似はしないだろう――と言うか、そんな礼儀知らずの集団では決勝戦にコマを進める事など出来んからな。

 

さて、此処から試合が如何動くのか……見せて貰うぞ、お前達の戦車道を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer216

『市街地戦は乙女の憧れです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

無事に川を渡り切って、エンストした戦車も無事に再起動したね……『何度普通にエンジン掛けようとしても掛からなかったから、適当な場所にチョップかましたらエンジンが掛かった』って、昭和時代の家電製品じゃないんだから。

さて、此処から如何するペパロニさん?

 

 

 

「如何するって、何を?」

 

「今、こっち側に居るのは私とエリカさんだけで、そっちは全車揃ってる――やろうと思えば、フラッグ車を撃破出来る絶好のチャンスなんだけど、如何するのかなぁって。」

 

「お前、分かって言ってるだろ?

 助けて貰ったってのにそんな恩知らずな事出来るかっての……てか、そんな腐れ外道な真似したら、次にお前に合わせる顔がねぇだろうが。……何よりもそんな事したら、アタシは冗談抜きでエリカと小梅とエミにぶっ殺されちまうって。」

 

「人聞きの悪い事言うんじゃないわよ、殺しはしないわ……『いっそ殺してくれ』って言う位の拷問をしてあげるけどね♪」

 

「いや、そっちの方がおっかねぇし!!」

 

 

 

あははは……程々にねエリカさん。

勿論ペパロニさんがそんな事をする筈がないと思ってるけど、何て言うかこう、場の雰囲気的に聞いておくべきかなぁって。ペパロニさんが『見損なうなよ?』って返してくれたらなお良かったんだけどね。

 

「ならペパロニさん達は先に行って。私達は攻撃しないから。」

 

「は?いや、何言ってんだみほ?」

 

「二十五分……閃光弾を喰らってから、大洗が此処に到達するまでの時間だけど、同じ時間を私は此処で待機するから先に行ってよ。トラブルさえ無ければとっくに市街地に着いてた筈だから、トラブルのせいで狂った予定を元に戻さないと。

 何よりも、市街地で先に待っているアンツィオとの市街地戦でプランを練り直した所だから、アンツィオには先に市街地に入ってて貰わないと困るんだよ……またプランを練り直すのも楽じゃないからね。」

 

「言うじゃねぇかみほ……良いぜ、その挑発に乗ってやらぁ!

 だが、アタシ達を先に市街地に入れた事を後悔させてやるぜ――この日の為に、アタシ等は市街地戦を徹底的に磨いて来たんだからな?市街地戦は、みほの専売特許じゃねぇって事を教えてやんぜ!

 行くぞお前等!隻腕の軍神様を市街地戦で満足させてやろうじゃねぇか!!」

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「Ricevuto!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

 

行っちゃった。

直ぐに姿は見えなくなっちゃったね……其れじゃあ、隊長車以外は全車進軍開始!!

 

 

 

「はぁ!?ちょっと待ちなさいよみほ!貴女さっきペパロニに『同じ時間を私は此処で待機する』って言ってたじゃない!其れなのに進軍するっての?」

 

「へ?いや、だから隊長車以外が進軍するんだよ?

 私は此処で二十五分間待機するとは言ったけど、私以外も待機するとは一言も言ってないもん。」

 

「へ、屁理屈極まりないわね其れ……なんて言っても、貴女に言わせれば『屁理屈だって理屈は理屈』って事になるんでしょうけど。ったく、我が隊長ながら、本気で恐ろしいわ貴女って。」

 

 

 

言葉もまた兵法ってね。

だけどペパロニさんは、きっと私が言った事を正しく理解してるだろうから、私以外の大洗の戦車が直ぐに追って来るって事は予想の範囲内である筈だよ……兎に角ペパロニさんは勘が良いから。

取り敢えずエリカさん、市街地に入ったらアンツィオの部隊が自分から姿を現すように適当に煽ってくれるかな?其れで相手が出て来たら、其処からは煮るなり焼くなり好きにしていいよ。

 

 

 

「ペパロニって、青唐辛子だけじゃなくて、青唐辛子入りのドライソーセージ……サラミの意味でもあるのよね?――だったら、煮るよりも焼いて食べた方が旨そうだわ。

 ペパロニのピザって最高に美味しいからね。」

 

「イタリアピザのクリスピーなサクサク生地にトロットロのチーズと青唐辛子のパンチの利いたペパロニの組み合わせはある意味で反則だと思います。」

 

「ピザはフワフワのクラフト生地より、サクサクのクリスピーの方が好きだわ私は。」

 

 

 

おぉっと、大洗の部隊も川を渡り切ったみたいだね。

其れじゃあ、さっきも言ったようにこのまま市街地に向かって――私は二十五分間は此処で待機してるけど、市街地に入ったら基本的に好きな様にやってくれて良いよ。

だけど、其れだと司令塔不在になるから、私が市街地に入るその時まで、部隊の指揮の全権を梓ちゃんに譲渡する……やってくれるよね梓ちゃん?

 

 

 

「はい、勿論です!

 寧ろ、西住隊長が動くその前に試合を決める心算で部隊の指揮をさせて頂きます――軍神を継ぐ者ではなく、大洗の首狩りウサギとして!!」

 

「そう言えば、そんな物騒な二つ名もあったんだよね梓ちゃんには。」

 

だけどまぁ、去年の決勝戦で、Ⅲ号で重戦車を次々と撃破したその様は、兎が大型の肉食獣を次々と倒して行ったと言っても過言じゃないから、軍神を継ぐ者よりも梓ちゃんには相応しい二つ名かもしれないね。

獰猛な肉食獣をも葬る首狩りウサギ……若しかしたらアンツィオは、私以上の怪物の相手をする事になるのかもしれないよ――まだ開花しきってない梓ちゃんの中に眠る潜在能力は、私をも凌駕するモノが有るだろうからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:梓

 

 

西住隊長が動き出すまで全権を譲渡されたから、その責任は果たさないと――寧ろ、西住隊長が動き出したら、大洗優勝のアナウンスが流れる様にしたい感じかな?出来れば、だけどね。

 

 

 

「西住隊長に一杯食わせただけでも、アンツィオの新隊長ハンパないからね~~?……ぶっちゃけ、梓としては勝てそうなの?」

 

「正直言って、『分からない』かな。

 中学時代は同じ学校だったけど、中学時代の辛唐先輩……ペパロニさんは、装填士だったから車長で隊長の今とは全然違うから、ハッキリ言って未知の相手なんだよあゆ。」

 

「そ~なんだ。ってか、あゆ?」

 

「あゆみだから『あゆ』。

 今年の一年生に、中学時代の後輩の『歩美』が居るから区別する意味で――其れに、愛称で呼んだ方が恋人っぽいかなって。」

 

「あ~~……確かに名前被ってたっけか。

 でもそうなると、一年生の中に、彼女の方を私と区別する意味で『あゆ』って呼んでる子が居ると思うんだけど、その辺に関しては如何よ?下手すっとめっちゃ混乱しそうじゃない?」

 

「……その辺は、もう周りに慣れてもらうしかないような気がする。」

 

いっその事、秋山先輩みたいに『西住殿』、『姉住殿』、『母住殿』ってな感じの呼び分けが出来ると便利なんだけど、此ればっかりはもう如何しようもないからね……もうぶっちゃけて『私のあゆみ』とか――否、此れはないよね。

 

さてと、無事に市街地に突入したから部隊は散開したんだけど、三輌のF2は私と一緒に行動させてる――明光大出身の子達なら兎も角、そうじゃない子達は市街地戦にはまだ慣れてないから、一緒に行動した方がフォローも出来るし、市街地での戦い方を実戦で教えてあげられるから。即興だから少し荒いけど作戦も考えたし。

散開したメンバーは夫々が好きなようにやって、西住隊長が戦線復帰するまではその結果は私に入って来るから、其れへの指示もしながらって言うのは大変だけど、次期隊長なら此れ位の事は出来ないとだよ。

其れじゃあ始めようか!

 

「Panzer greift an!(戦車、攻撃!)」

 

「「「God damm!」」」

 

 

 

……何で?

あ、黒のカリスマが歌った『超重戦車王者マウス』か……確かに、『Panzer greift an!God damm!』って絶叫してたか。――カリスマの影響力って言うのはホントに凄いモノがあるって実感するよ。

西住隊長も、そのカリスマ性で人を惹き付けるしね――私も、そうなれるように頑張らないと!

その為にも、先ずは西住隊長が戦線復帰するまでに勝負を決める心算で行って、最大の戦果を上げないとだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

みほのあんこうチームが居ないとは言え、大洗もアンツィオも、互いに決戦の地とした市街地に到達した――舞台が決戦の地になった以上、激闘は当然として、大洗と今年のアンツィオの市街地戦だと、『戦車道って何だっけ?』ってな感じの試合にしかならない予感がヒシヒシとしてくる。

大洗もアンツィオも、真正面からのガンガン遣り合うよりも、策を駆使して戦うのが得意な、『裏技・搦め手上等!』な学校なのだ……そんな連中が市街地戦でぶつかるとか、如何考えても普通の戦車道の試合になる筈がないのだから。

 

『上から何かが降って来た』、『突如地面が陥没した』、『民家の中から戦車がこんにちわ』位の事は普通に起きると思っておいた方が良いだろう。

 

そんな激闘が予想される市街地は未だに静寂に包まれているのだが、此れは絶対に『嵐の前の静けさ』だろう。って言うかそれ以外にはあり得ない。

 

 

その市街地で一際開けたバスターミナルに梓率いる小隊はその姿を現した。

 

 

「…………」

 

 

パンターを中心に、三輌のⅣ号F2が三方向を向いた――少し分かり辛いかも知れないが、三ツ矢サイダーのマークみたいな陣形を取っている。

現在指揮権を全権譲渡されている梓は、キューポラから身を乗り出し、しかし特に指示を出す訳でもなく、腕を組んでじっと目を閉じている……素人目には、隙だらけに見えるだろうが、玄人や戦車道経験者が見たら隙だらけどころか、一分の隙すら見て取れないだろう。

今の梓は、静かながらも戦車乗り特有の闘気を燃やしている状態……氷の鎧でマグマを包んだと言うのか、燃え盛る闘気を氷の理性で制御してる状態――正に『冷たい炎が世界の全てを包み込む』と言った感じだ。

 

 

「Angriff beginnen……!(攻撃開始……!)」

 

「「「Jawohl!(了解!)」」」

 

 

その梓が、『カッ!』っと目を開いたと同時にパンターと三輌のⅣ号F2は砲撃を開始。

だが、目視出来る範囲にアンツィオの部隊は居ない……だとすれば此れは完全に只の無駄弾撃ちなのだが、みほの一番弟子である梓がそんな無駄な攻撃をする筈がない。

放たれた砲撃はバスターミナル周辺の楽器屋やスポーツ用品店の建物にジャストヒットし、一撃で建物を木っ端微塵に!どこぞの某社長が、『これぞ、強靭!無敵!!最強!!!粉砕!玉砕!!大喝采!!!』とか大はしゃぎそうな位に見事に木っ端微塵にしたのだ。……建物だけじゃなく、商品の補償までとなると、戦車道連盟は一体どれだけの額を払う事になるのか分かったモンじゃないが、補償は全部連盟がやってくれるのだから、選手はトコトン全力で行くべきなのだ。

 

 

「く……まさか、隠れてる事がバレてた!?」

 

「軍神を継ぐ者は伊達じゃねぇって事か……上等、お前を倒してドゥーチェへの献上品にしてやる!」

 

 

でもって、木っ端微塵になった店の中からは、アンツィオのM11/39、M13/40、M14/41が一輌ずつ現れた……元よりM14/41は一輌しか居ないのだけれど、今年からアンツィオが使い始めた中戦車が三輌も現れてくれたのだ。

此れは梓にとっても嬉しい事だった――バスターミナル周辺の建物にアンツィオの戦車が潜んでいる事は予想していたが、其れが今年から追加された中戦車だとは予想していなかったからだ。

CV-33なら、店舗クラッシャーで撃破出来たかもだが、中戦車ともなればそんな軟な性能ではないので、瓦礫雪崩にも耐える事が出来たのだろう。

 

 

「今年からの中戦車……此れは逆に好都合かな?此処で狩れば、其れだけ戦力を削れる訳だからね――クロエ、あゆ……リミッター解除で行くよ。

 大洗の首狩りウサギは、今宵アンツィオの首を掻っ切るから!」

 

「了解だヨ梓!無茶振り上等だネ!!」

 

「一発必中、百発百中!五十鈴先輩直伝の、五十鈴流砲撃術を見せてやるって!!」

 

 

だが、其れが逆に梓に闘気に火を点けた様だ――その闘気は操縦してあるクロエと、砲手であるあゆみにも飛び火したみたいだ……って言うか、五十鈴流砲撃術ってなんぞ?

まさかとは思うけど、百合ママって実はJK時代は戦車隊に所属してたとか?……若干あり得ないとは言い切れない気がするな此れは?戦車道を始めた華を勘当したのも、自分が戦車道の大変さを知ってるから、その苦労をさせたくなかったから戦車道を認めない事を言ったとすれば、一応の筋は通るからね――まぁ、その勘当はもう取り消されたからアレだけど。

其れは其れとして、大洗ナンバー2の操縦士であるクロエと、大洗ナンバー2の砲手であるあゆみのリミッターが解除された以上、パールホワイトパンターはその力を十全以上に発揮するだろう。――ナンバー2砲手は、ティーガーⅡのリインじゃないのかって?今のあゆみは其れすら凌駕してんだよ!

公式チートすら凌駕するあゆみは、ある意味最強かもしれない――あくまでも戦車道に限ればの話だけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

バスターミナルで戦闘が開始されたの皮切りに市街地の各地で激しい戦闘が展開されるようなった――だが、其れは決して一方的なモノではなく、互いに一歩も退かない文字通りの激闘になっていた。

大洗が歩道橋クラッシャーをブチかませば、アンツィオはマカロニ作戦ツヴァイを使って確実に大洗の戦車を撃破する。

 

そんな激闘の中で、偶々エンカウントしたⅢ突と、カルパッチョが乗るセモヴェンテも激闘を繰り広げていた――Ⅲ突の装填士のカエサルと、セモヴェンテの装填士のカルパッチョは幼馴染だが、だからこそ『負けたくない』と言うライバル心が燃え、互いに回転砲塔が無いのに、『ナポリターン』を駆使しての戦車戦を展開しているのだ。此れは燃えるね。

 

 

「今年は私が勝つぞひなちゃん!!」

 

「今年は私が勝つよたかちゃん!!」

 

 

砲撃だけでなく、戦車同士の体当たりもしながらⅢ突とセモヴェンテはお互いに削り合いのような攻防を繰り返す……この後の事なんぞは一切考えてないマジのガチンコ勝負って奴だ!

此れには観客席の観客達も大いに盛り上がった。

 

 

「ガッデーム!!最高だぜ!!」

 

「ふふ、最高の戦車道だわ――そうは思わないかしら千代、好子?」

 

「聞くまでもねぇだろしほ?……此れ以上の戦車道は、早々お目に掛かれるモンじゃねぇよ。」

 

「此の試合を録画したメモリーカードは、バックアップを大量に作って、永久保存しておくべきでしょうね――此れはきっと、戦車道の発展に欠かせない資料になると思うもの。」

 

 

黒のカリスマは相変わらずだが、しほ達の言ってる事は間違ってはいないだろう。此れだけの試合の記録を後世に伝えないなんて事は有り得ないってモンだからね。

 

其れとは別に、みほから直々に命を賜ったエリカは如何してるかと言うと――

 

 

「ハッ!その程度の機関銃でティーガーⅡを撃破出来ると思ってるわけぇ?だとしたら頭の中がお花畑過ぎるんじゃない?

 雨だれ石をも穿つとは言うけど、そんな豆鉄砲じゃ、ティーガーⅡの装甲に傷をつける事なんて不可能よ――あぁ、アンタ等はそんな事も分からないお馬鹿さんだったわね。」

 

 

持ち前の挑発スキルを駆使して、隠れているアンツィオの部隊を炙り出そうとしていた――普通なら、こんなあからさまな挑発に乗る奴は皆無なのだけれど、アンツィオはノリと勢いが優先なので、挑発されたら其れに応えるのが上等なもんだから、挑発と言うケンカを売られたら買う以外の選択肢は存在しないのだ。

 

 

「誰がお馬鹿さんだって?」

 

「お前ーーm9(^Д^)!!」

 

「ぶっ殺す!!」

 

「あんまり強い言葉を使うんじゃないわ、弱く見えるわよ?」

 

 

流石は『大洗一口の悪い女』と言われるエリカ、挑発させたら右に出る者なしだわ――BLEACHの愛染のセリフのオマージュまでしてるってのが、本気でムカつく事この上ないわ。……こう言った挑発も出来るだけじゃなく、理性をフッ飛ばして闘争本能だけを全開にする事も出来るってんだから、エリカもある意味でチートなのかも知れんな、冗談抜きで。

 

トまぁ、そんな感じで市街地戦が行われ、大洗もアンツィオも残存戦車は共に十輌となっていた……此処まで減るまでに、幾つものビルと歩道橋と信号が破壊され、道路には数えきれないほどのクレーターが存在してるんだけどね!!……マッタクどんだけの裏技を駆使して戦ったら、市街地が廃墟同然になるのか知りてぇですわマジで!!

だが、此れでもまだ互いに本気ではない――だって、この場には隻腕の軍神こと、みほが居ないのだからね。

みほが戦線復帰したその時が、この戦いの決着だと言ってもきっと言い過ぎではないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

――カチ、コチ……

 

 

 

よし、此れできっかり二十五分……私達も市街地に向かうよ!!

 

 

 

「了解であります西住殿!!」

 

「こうなったら、絶対に優勝しようねみぽりん!」

 

「どんな敵でも、撃破して見せますよみほさん。」

 

「多少の無茶は任せろ……私はきっと、西住さん専属の操縦士になる為に生まれて来たのだろうからな。」

 

 

 

麻子さん、其れは如何かと思うけど、若干否定出来ないのが辛いかな?……とは言っても、作戦は大筋で上手く行ってるから、私達も祭りに参加しようじゃない♪

戦車道が織りなす、唯一無二の祭りにね!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。