ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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遂に220話です!Byみほ       此処までよく続いたな?Byペパロニ      読者様に感謝よねByアリサ


Panzer220『序盤戦からガッデメファッキンです』

Side:しほ

 

 

今年は去年とは違って、変な思惑が全くない純粋な高校選抜と大学選抜の試合ね……この試合は双方にとって刺激になるのは間違い無い事でしょうね――高校選抜は大学選抜の高度な戦術に触れる事が出来て、大学選抜は高校選抜の型に嵌らない自由な戦術に触れられる数少ない機会ですからね。

戦車道の発展を考えれば、とても有意義な試合よね。

 

 

 

「確かに戦車道の未来を鑑みれば有意義な試合だけど……しほちゃんとしてはちょっと複雑なんじゃないの?」

 

「如何言う事かしらちよ吉?」

 

「大学選抜の副隊長はまほちゃんで、高校選抜の隊長はみほちゃんでしょ?……西住流の家元としては、どっちを応援すればいいのか悩むんじゃないかなって♪」

 

 

 

……言われてみれば確かにそうだったわね?

去年の全国大会の決勝戦は大洗の廃校阻止と、戦車道の暗黒面に堕ちていたお母様の戦車道を全否定すると言う目標があったから自然とみほの事を応援していたけれど、今年のこの試合はそう言った柵がない純粋な戦車道の試合なのよね?

……愛する娘達が敵味方に分かれて戦うって言うのは、純粋に親の立場からすると確かに何方を応援すれば良いのか悩むわ……

 

 

 

「そんな奥様に、意見を具申したいのですが宜しいでしょうか?」

 

「何かしら菊代?」

 

「月並みですが、どちらか一方を応援出来ないのであればどちらも応援してしまえば宜しいのではないでしょうか?

 小学校の時の運動会を思い出して下さい。みほお嬢様とまほお嬢様はいつも同じ組だった訳ではなく、紅組と白組に分かれてしまった事もありましたが、奥様も旦那様もどちらか一方ではなく両方応援していたではありませんか。」

 

「……言われてみればそれもそうね。」

 

菊代の言う様に、小学校の運動会の時と同じと思えば良いのよね……こんな簡単な事にも気付かないだなんて、みほとまほが戦車道で何の柵もなく戦うと言う事に少し動揺したみたいだわ。――みほとまほが戦車道で戦う時は、模擬戦を除いて必ず何かしらの因縁やら何やらがあったモノね。

 

逆に言うなら今回はそんなモノが一切ない純粋な戦車道の勝負……しかも力のまほと策のみほなら、みほの方が有利だけれど、まほが居る大学選抜を率いるのはみほに引けを取らない天才の愛里寿さんなのだから、きっと凄い試合になるでしょうね。

 

「千代、貴女の娘がまほをどう使うか、楽しみにさせて貰うわ。」

 

「ドイツへの留学で一皮剥けたまほちゃんを愛里寿がどう使うか……いえ、まほちゃんだけじゃなく、各校で去年まで隊長を張っていた彼女達をどう使うのか、私も楽しみで仕方ないわ。」

 

「やっぱりそうよね。」

 

尤も其れ以上に、去年と比べて200%の強化が施された大学選抜を相手にみほ率いる高校選抜が如何戦うかが楽しみでもあるわ――取り敢えず此の試合はちゃんと録画して、記録用、観賞用、保存用とディスクを作らないとよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer220

『序盤戦からガッデメファッキンです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:愛里寿

 

 

試合前の挨拶……みほさんの気迫は凄かったけど、梓さんの気迫も其れに負けず劣らず凄かった。アレは『軍神を継ぐ者』なんてレベルじゃなく、彼女の意識次第ではみほさんすら超えるかも知れないレベルだった。

今年の大学選抜は去年よりも可成り強くなってると思うけど、高校選抜は改めて選抜になった事で、大洗メインだった去年とは違って矢張り強化されてると言えるから油断は禁物。

 

そんな訳で、試合前の最後の作戦会議な訳だけど……

 

「姉様、なんでサラリと居るの?」

 

「風に流されてやって来ただけさ。

 よもや今年も、こんなに良い風が吹くとは思っていなかった……大学選抜チームの一員に選ばれた事に意味はないと思っていたけれど、如何やら其れは私の早とちりだったみたいだ。」

 

 

 

至極普通に美佳姉様が其処に居た。

高校卒業後はどこかの大学に進学して戦車道を続けていると言う事までは分かっていたし、美佳姉様の実力なら問題ないと思って、私が推薦してチームの一員になってはいたけど、これまで練習に参加した事はなかったのに何故か今は居た。

世界広しと言えど、大学選抜チームに選ばれた事を『意味はない』と言えるのは美佳姉様だけだと思う……でも、私の推薦を『意味はない』って言われるのはちょっとショック……

 

 

 

「私を選んだのは愛里寿だったのかい?……何で其れをもっと早く教えてくれなかったのかな?

 有象無象が私を選んだのならば意味はないが、愛里寿が選んでくれたのならば意味があると言うモノだろう?」

 

「……美佳姉様の連絡先知らないんだけど?」

 

「……大変申し訳ございませんでした。」

 

 

 

ホント自由人だよね美佳姉様って。

さてと、美佳姉様がサラッと居る事に関しては良いとして、作戦会議を始めようか?――まず、今回の試合、高校選抜……みほさんはどんな戦術で来ると思う、まほさん?

 

 

 

「行き成り私に振るのか?……まぁ、この中では私が一番みほの事を知っているから当然と言えば当然か。

 そうだな……フィールドは丘陵地もある平原と林、そしてその近くに有る市街地と言う事を考えると、みほはほぼ間違いなく市街地戦に持ち込もうとするだろう。戦車道において己の得意なフィールドを使わない手はないからな。」

 

「市街地戦でのみほ……ってかみほ率いる部隊は鬼神の如き強さを発揮するからなぁ?

 普通に考えたら市街地に入れないのがベストなんだが……」

 

「市街地戦を封じたからって、其れでみほに勝てるかって言われたら其れはノーなのよね。

 裏技、搦め手、常識破り上等なみほだけど、実は正統派の戦車道でもめっちゃ強いから、正統派の西住流で押し切られちゃう可能性が高いわ。」

 

「そうとも言えないわよ蛍?

 確かにみほさんは一見すると隙が無いように見えるけれど、真正面からのぶつかり合いになればまほさんに分があるわ……つまり、市街地戦をさせずに、平原での撃ち合いに持ち込めば此方が有利よ。」

 

 

 

……まほさんに意見を求めただけで、他の中隊長や隊員からの意見が次々と出てくる。此れは去年の大学選抜になかった事だね。

私が島田流の跡継ぎだって事も影響してたのだろうけど、アズミもルミもメグミも中隊長なのに基本的にイエスマンで私の作戦に異を唱える事は無かった……彼女達は悪くない戦車乗りだけど、其れじゃダメだからね。

 

 

 

「「「~~~~!!!」」」

 

 

 

アズミとルミとメグミは其れが相当に堪えたのか、歯ぎしりをして今年の中隊長達を見てる――特にメグミはサンダースの後輩である蛍さんに抜かされた事になる上に、私に言外に『お前は後輩に劣る』って言われた訳だから余計だろうね。

 

 

 

「蛍……何でアンタが中隊長に……!!」

 

「あらあら、中隊長をアンタなんて言っちゃダメでしょメグミさん?蛍中隊長って呼ばなきゃ。」

 

「逸見……うがー!!」

 

 

 

逸見も煽ってやるな。……時にメグミが血涙流してたように見えたけど見間違いだよね?……本当に血涙流してたら速攻で救急車案件だからね。

まぁ、其れは其れとして、みほさん率いる高校選抜相手に作戦を練るのは、下手な考え休むに似たりに等しいか……だったら、私達はみほさんが仕掛けて来た事にその場その場で対応するのが上策。

後手後手に回る事にはなるけど、全てを的確に対応出来ればみほさんにも焦りが生まれて付け入る隙が生まれる筈だから。

 

 

 

「みほの仕掛けに完璧に対応するか……中々のハードモードだな。」

 

「でも、其れを楽しいと思っているのではないかしらまほさん?」

 

「否定はしないよ琳。」

 

「ホント、みほとの戦車道ってエキサイティングなのよね!……一度でもみほと戦ったら、もう普通の戦車道じゃ満足出来ないのよ――満足出来ない所か、長らくみほと戦わないと禁断症状が現れるのよ!!」

 

「禁断症状って麻薬じゃないの!!」

 

「みほの戦車道は麻薬の様な戦車道なのよ!!」

 

 

 

つまり、中毒性があるって事だね……分かる。

私が大洗を編入先に選ばなかったのも、みほさんと戦う機会が減るからだから……あの刺激的な試合を一度でも体験すると、もう二度と普通の戦車道では満足出来ないんだよね。

私自身、去年の試合の後で満足出来た試合は片手の指で足りる程だから……だから、今日の試合は満足させてほしいな。――みほさん、私を満足させてね?

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

試合前の挨拶を終え、試合前の最後の作戦会議も終わり、いよいよ試合開始だ。

先ずは礼によって両チームのオーダーを見ていこう。

 

 

・高校選抜チーム

 

パンターG型×3(アイスブルーカラーは隊長車兼フラッグ車)

ティーガーⅠ×2

ティーガーⅡ×1

M24チャーフィー軽戦車×1

Ⅲ号突撃砲G型×1

ヤークトパンター××2

Ⅳ号駆逐戦車(ラング)×2

チャーチル歩兵戦車Mk.Ⅶ×1

マチルダ歩兵戦車Mk.Ⅳ×1

巡航戦車クルセイダーMk.Ⅲ×1

M4シャーマン×3

シャーマンファイアフライ×1

T-34/76×1

T-34/85×2

IS-2×1

P-40×1

CV-33×2

九七式中戦車57mm砲搭載型×1

九七式中戦車(新砲塔)×1

ARL-44×1

BT-42突撃砲×1

 

 

 

・大学選抜チーム

 

巡航戦車A41センチュリオン×1(フラッグ車)

M26パーシング重戦車×24

M24チャーフィー軽戦車×4

T28重戦車×1

 

 

 

バラエティ豊かな高校選抜に対し、大学選抜は高性能の戦車で纏めて来た感じだ……カールって反則兵器が無い分だけ去年より大人しい感じの大学選抜だが、逆に言うなら純粋な戦車で纏められた事でその本来の力を発揮できるのかもしれない。

逆に高校選抜は戦車のバラエティが豊富なのが強みとも言えるだろう――戦車の性能がバラバラであると言うのは一見すると弱点に見えるけれど、みほに限ってはそうではない。

そのバラバラの個性を生かしてしまうのがみほなのだ。――普通なら分離するであろう強烈な個性を纏め上げてしまうってのは普通に凄いわ。

 

 

そんな訳で試合は始まったのだが……

 

 

「みほが仕掛けてこないだと?」

 

「このままじゃ、私達が稜線を取っちまうぞ?」

 

 

大学選抜チームが稜線を取ろうとしても、高校選抜は仕掛けてこなかった……市街地戦に全てを懸けて前半戦は捨てるにしても、此れは余りにも杜撰な対応と言わざるを得ないだろう。

アッサリと稜線を取らせるなど、愚の骨頂でしかないのだから。

 

 

「今だ、突撃!!」

 

「「行くぜ、オイ!!」」

 

 

だが、もうすぐ稜線を取れると言う所で、絹代の九七式と二輌のカルロヴェローチェが大学選抜に奇襲攻撃を仕掛けて来た!――車体が小さい事を利用して茂みに身を潜めていたのだ。

稜線を取ろうとしていた大学選抜からしたら、マッタク無警戒だった横っ腹からの攻撃と言うのは度肝を抜かれた事だろう。

尤も、九七式にはゼロ距離攻撃をされなければ撃破される事はないし、カルロヴェローチェに至ってはそもそも戦車戦性能皆無なので脅威ではないのだが……

 

 

「マスターアーム、オン!ファイア!!」

 

「トラップカード、全弾発射ぁ!!!」

 

 

別の茂みからも砲撃が!

Ⅲ突、ヤークトパンター、ラングの『待ち伏せ上等突撃砲&駆逐戦車チーム』が攻撃して来たのだ。

 

 

「此れは……九七式とCV-33の突撃は本命から目を逸らす為の囮。

 となると、みほさんの狙いは此処で先ずは此方の戦力を僅かでも削る事にある筈――なら、各員散開!待ち伏せ部隊に的を絞らせるな。そして、最低でもツーマンセルで行動するように。」

 

 

其れでも愛里寿は慌てる事なく指示を出し、大学選抜チームは五~六つの小隊に分かれて高校選抜の待ち伏せ隊に的を絞らせないようにすると言う作戦に打って出た。

確かに集団で固まって居たら動きが重くなって良い的と化してしまうのだから最善の策を取ったと言えるだろう。

 

 

「威勢よく仕掛けて来てくれたが、先ずは隠れているネズミには消えて貰うとしようか?」

 

 

そんな中で、まほはチャーフィー二輌を引き連れたチームを作り、砲撃が放たれた茂みに向かって攻撃を開始。

元々重戦車の圧倒的な火力で相手を制圧するのが得意なまほだったが、大学選抜チームではティーガーⅠをも上回る火力を誇るパーシングに乗っている事でその長所がより生かされるようになっているのだ。

そのまほ率いる小隊の攻撃で、茂みはあっと言う間に消し炭と化したのだが、其処に戦車の姿はない――待ち伏せが得意なⅢ突、ラング、ヤークトパンターは、茂みに隠れて逃げるのも得意だったようだ。

 

 

「ち、逃げ足の速い……だがまぁ、此方は一輌も失わなかったのは幸いか。

 稜線を取らせると見せかけておきながら、稜線を取れるギリギリのところで仕掛けてくるとは、相変わらずみほの策はえげつない……無意識に気が緩む所を的確に狙って来るとは、我が妹ながら恐ろしいな。」

 

 

ファーストコンタクトは互いに被害なしだったが、何方に分があったかは火を見るより明らかだろう――大学選抜からしたら、稜線を目前にして出鼻を挫かれる形となったのだから。

一応対処は出来て被害はなかったが、逆に高校選抜に被害を与える事が出来なかったので的確な対処が出来たとも言い辛い……囮の九七式とカルロヴェローチェを仕留め損ねたのも痛手と言えよう。

 

 

「九七式とCV-33を撃破出来なかったのは痛い。

 恐らくみほさんは九七式とCV-33には最初から戦車戦での戦果は期待してない……九七式とCV-33に期待しているのは、此方をドレだけ掻き乱してくれるか――私の予想が当たってるなら、九七式とCV-33は市街地に入る前に何としても撃破しないと厄介な事になる。

 去年も、CV-33は一輌も撃破しなかったとは言え、アレのGPSやらで此方は被害を被ったから……戦車戦性能皆無の戦車も、みほさんの手に掛かれば決戦兵器になるから恐ろしい。」

 

 

愛里寿の言う様に、此れがみほの怖さだ。

日本戦車やイタリア戦車は性能が極めて低いため、知波単やアンツィオの様な学校でなければ先ず使う事が無い戦車なのだが、みほはそんな戦車にすら活用法を見出し、最善の運用をしてしまうのである――そう、カードの想像主であるペガサスが見向きもしなかったクリボーを見事に使い熟してしまう闇遊戯の様に。

そして其れは同時に、戦車の種類が多ければ多いほどみほが切れる手札の数が多い事も意味している――戦車の統一性がまるでない高校選抜のチーム編成こそがみほの力を最大に発揮出来ると言えるのだ。

 

 

「でも、だからこそ楽しい。

 忍者戦術と言われる島田流をも上回る奇策と妙策を次から次へと繰り出してくるみほさんの戦車道はワクワクが止まらない……螢が言った様に一度でもみほさんと戦ったら、もう普通の戦車道じゃ満足出来ない。

 だから、私を満足させてよみほさん……!」

 

 

でもって、愛里寿はみほの戦車道の中毒者になってしまっており、どこぞの無手札の鬼神みたいな事を言っていた……其れだけみほの戦車道ってのはトンデモないモノだと思っておこう。

とは言え試合はまだ始まったばかりであるので、此処からどんな試合展開になるのかだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

取り敢えず、最初の奇襲は巧く行ったみたいだね……目的は大学選抜に被害を与える事じゃなくて、大学選抜チームを細分化させる事にあった訳だしね――小隊レベルに細分化してくれた方が私としてはやり易いからね。

細分化すれば、其れだけ誘導も容易になるし、フラッグ車を市街地に誘い易くなる……私の事をよく知ってるお姉ちゃんが不確定要素ではあるけど、仮にお姉ちゃんが気付いたとしても、その時には市街地戦は既に開始されてるだろうから問題なしだよ。

 

尤も、お姉ちゃんと愛里寿ちゃんが組んだらどんな化学反応が起きるか分からないから、其処は警戒しないとだけど。

それと、私の作戦を広い視野で見通しちゃう大後さんには早めに退場して欲しい所だから、此処はエリカさんに頼もうかな?

 

「エリカさん、大後さんを最優先に探して、そんでもって思い切りやっちゃってもらって良いかな?盛大に挑発しちゃって構わないから♪」

 

『了解したわみほ……田尻はからかってやるとマジな反応してくれるからからかい甲斐があるったらないわ。

 『大洗一口の悪い女』の名に懸けて、盛大に挑発して田尻を撃破してやろうじゃない――盛大に毒吐くのも全国大会以来だから腕が鳴るわ。

 どうやって挑発してやろうかしら?……ククク、楽しみにしてなさいよ田尻!』

 

 

 

田尻じゃなくて大後だよって言うのは無粋なんだろうね。

そして、通信先のエリカさんはきっと物凄く悪い顔をしてるんだろうなぁ……それこそ『現役JKがしちゃいけない顔』になってる可能性が極めて高い気がするよ。

でも、だからこそ頼もしいかな?

エリカさんは悪役上等なキャラだし、そもそもにして高校選抜は私を筆頭にダークヒーロー系が揃ってるから、悪い顔ってのもある意味では全然アリって言えるからね。

 

 

 

『とりま、田尻殺してくるわ。』

 

「気合が入ってるのは良いけど、殺しは駄目だよエリカさん。」

 

『分かってるって。其れ位の気概で行くって事よ。』

 

「……なら、逆に頼もしいね。」

 

何にしても最終決戦地は市街地だから、其処で待たせて貰うよ愛里寿ちゃん、お姉ちゃん――大学選抜最強である愛里寿ちゃんとお姉ちゃんのタッグを、私と梓ちゃんのタッグで撃破する……其れが目標だからね。

さて、私達も準備をしようか梓ちゃん?

 

 

 

「はい!

 愛里寿さんとまほさんに一泡吹かせてやりましょう!!」

 

「うん、その意気やよしだよ♪」

 

今年の大学選抜は去年の倍は強い……しかも、去年愛里寿ちゃんを倒すのに一役買ってくれたお姉ちゃんは大学選抜に居る――戦力で言うなら、去年なんて目じゃないレベルだよ。

でも、だからと言って勝負を諦めるなんて選択肢は有り得ないんだよね……だって、戦車道は戦いきってこそ楽しいんだから!

その楽しさを最大に味わう為に、私は策を尽くす――この大学選抜との試合が、私の高校生活最後の戦車道になるだろうから思い切り楽しませて貰う心算だから覚悟しておいてね愛里寿ちゃん、お姉ちゃん。

私の持てる力の全てを以って、勝ちに行くから、手加減なしだよ!!

 

 

 

「手加減不要……そうですよね!」

 

「戦車道に手加減はあり得ないから!!」

 

戦う以上は全力を尽くすだけだからね。

そしてゲップが出る位御馳走してあげるよ……私が率いる高校選抜の戦車道って言うモノを、目一杯ね!!――さぁ、戦車力の貯蔵は充分か?思い切り行くから覚悟しててね?

隻腕の軍神は、狙った獲物は絶対に逃さないから、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 


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