ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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打ち上げではっちゃける……王道かな?Byみほ       王道かも知れないが、はっちゃけ過ぎはダメだByまほ


Panzer24『THE打ち上げ・ウォーです』

Side:みほ

 

 

 

合宿の全日程を無事に終了して、今は一段落のお風呂タイム。

 

今更だけど、自宅に温泉があるって言うのは、この上ない贅沢だよねぇ?源泉から直引きした、この温泉は掛け値なしに身体に染み込む感じがするからねぇ……あぁ、極楽~~~♪

 

 

 

 

「ホント極楽ね。

 

 この温泉だけでも、合宿に参加した意味はあるんじゃないかって思えるからね?――まぁ、この合宿で底力が大幅に引きあげられた事は間違いないから、本当に参加してよかったわ。」

 

 

「ですね。おかげで、此れまで以上に強くなれた事を実感しましたから。」

 

 

 

 

逸見さん、赤星さん!――そう思ってくれたなら、この合宿は大成功だね。

 

自分が実感できるだけの効果が出なければ、強化合宿は意味を成さないって言うのはお母さんが言ってた事だけど、確かに其の通りだよ。

 

どれだけ厳しいトレーニングを積んだ所で、頑張った本人がその効果を感じることが出来ないのならばマッタク持って無意味この上ないって言う物だからね……お祖母ちゃんには、其れを知ってほしいよ。

 

 

でも、そう言う意味では、己の成長を実感できたこの合宿は意味があったよ。――逸見さんと赤星さんは、来年以降の強敵になりそうだしね。

 

 

 

 

「強敵……アナタにそう評価されるのは、悪い気分じゃないわ――なら、そうなれるように頑張らないとね。」

 

 

「私も、期待に応えられるように頑張ります!!」

 

 

「うん!楽しみにしてるね♪」

 

 

だけど、今は合宿が無事に終わった事をね。

 

お風呂の後は盛大な、合宿の打ち上げが待ってるから、其れも思いっきり楽しもう!打ち上げが終わるまでが、この合同合宿なんだからね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer24

 

『THE打ち上げ・ウォーです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、打ち上げなんだけど……何此れ、物凄く豪華だよ!?

 

デリバリーで、此れだけの物を用意するとなったら、其れだけで相当なお金がかかるのは間違い無いと思うんだけど……此れもお母さんが?

 

 

 

 

「一部はそうだが、一部は違う。

 

 と言うか、半分はお前の仲間がやってくれたんだよみほ――彼女は、戦車道以外のスキルも高いみたいだからね。」

 

 

「私の仲間?」

 

 

ナオミさんがこんな事をするとは思えないし、つぼみさんはそもそも不可能だから……と、言う事は青子さん!?いや、料理が得意とは言ってたけど、此処までの料理スキルがあるとは驚きだよ!?

 

普通に、レストランで出せるレベルだよ此れ!!――若しかして、超凄腕シェフなのかな青子さんは?

 

 

 

 

「いや~~、アタシの家って夫婦共働きだから、基本的に晩飯の準備はアタシがしてたんだよ。

 

 んで、やってるうちにどんどん腕が上がって、自分で言うのもなんだけど、気が付いたらプロ級の腕前になってたんだわ此れが――マッタクもって、人生ってのは何処で何が起こるか分からねぇよな。」

 

 

「至言ですね其れ。」

 

 

だけど、その培ったスキルはこの場では物凄く発揮されれてると思いますよ青子さん?この熱々ピザなんて、見てるだけで食欲中枢がダイレクトアタックを喰らった位の衝撃を感じてますからね……戦車道がダメだったら、青子さんはレストランを開くと良いですよ!

 

 

 

 

「まぁ、選択肢の一つとして考えとくわ。

 

 でもまあ、其れは其れとして、合宿の打ち上げなんだから、この場は無礼講だ!!思いっきり楽しんでいこうじゃねぇかよ!!」

 

 

「ですよね♪」

 

 

最終日の最後のイベントである合宿の打ち上げ、其れは全力で楽しまないと満足できそうにないモン――なら、其れを満喫するだけだね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:まほ

 

 

 

合宿最終日の打ち上げの為に、少しでも気分を盛り上げようと黒森峰からノンアルコールビール2ダースと、最高級のソーセージを購入した。

 

其れ自体は間違いではなかった。明光大の生徒にも黒森峰特製のノンアルコールビールとソーセージは好評だったからね。

 

デリバリーの品と、辛唐が腕を揮ってくれた料理も実に美味だしね――うん、本当にこのピザは美味しいな。

 

 

が、現在進行形で私の目の前にはとんでもない事態が展開されていた――言っても仕方ない事だが、敢えて言おう。如何してこうなった!

 

 

 

 

「うへへへへ……逸見さん~~~♪」

 

 

「ほわぁぁ!?ちょ、貴女何処触ってるのよ!?そ、其処はダメだって!!こら、止めなさいよ!!」

 

 

 

 

なんで、みほが逸見に襲い掛かってるんだ?

 

此れはノンアルコールだから酔う筈がないし、場の空気に酔ったと言うにはあまりにも弾け過ぎている……一体みほに何があったんだ…?

 

 

……ん?此れは……ノンアルコールじゃなくて、お母様が良く飲んでる普通のビールじゃないか!なんで、そんなものが此処にあるんだ!?

 

 

 

 

「え?其れって普通のビールだったの?

 

 同じ冷蔵庫に入ってたから、其れも黒森峰のノンアルコールかと思って持って来ちまった……あはは、マジのビールも持って来てたんだ♪」

 

 

「辛唐ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

犯人はお前かぁ!!

 

いや、黒森峰のノンアルコールと、お母様の好きな銘柄のビールは缶のデザインがよく似ているから間違えても仕方ないのだが……其れがまさかこんな展開を引き起こすとは、全く持って予想外以外の何物でもないぞ!?

 

こんな想定外、戦車道でも経験した事がない……さて、如何したものか。

 

 

 

 

「それじゃあ、逸見さんも此れ飲みましょうか~~?此れ飲むと、なんかいい気分になれるんですよ~~~♪」

 

 

「アナタ……其れ、ノンアルコールじゃなくて普通のビールじゃない!!なんで、そんな物が此処に有るのよ!!

 

 悪いけど、飲まないわよ!!飲んだらどうなるか、分かったモノじゃないわ。アナタがそんな状態になってるのを見た身としては、尚更に!」

 

 

「ふ~~~ん?……ナオミさん!!」

 

 

「了解した。覚悟を決めろエリカ。」

 

 

「はぁ!?って、何で羽交い絞めしてんのよナオミ!放しなさいよ!!」

 

 

「悪いが、其れは無理だ。

 

 ……此処でアナタを放してしまったら、私達がターゲットになるのは目に見えているからね――私達の為に犠牲になってくれエリカ。

 

 アナタの犠牲は(多分)無駄にしないから。」

 

 

「ふっざけんなぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

……考えてる間に、事態は進んで、如何やら逸見がみほの生贄になる事が決まったようだな。――本来ならば姉として止めるのが正解なのだろうが、あのみほを止める事は私はおろか、お母様でも、そしてアノお祖母様でも無理だろうからな。

 

 

 

 

「隊長、助けて下さい!」

 

 

「非常に申し訳ないが、無理だ。そのみほを止められる自信がない。」

 

 

「隊長ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

「はい、お口あーんして、逸見さん♪」

 

 

「断固拒否するわ!」

 

 

「むぅ……其れじゃあしょうがないですね……」

 

 

 

――グビグビグビ……

 

 

 

 

え?あの、みほ?そんなにビールを飲んで一体何を――

 

 

 

――チュウ♡

 

 

 

「んん!?んーーーーーー!?」

 

 

 

って、まさかの口移しだとぉ!?

 

知識としては知っているが、まさかそれを実際に、其れも実の妹と期待の新人の組み合わせで見る事になるとは、幾ら何でもお姉ちゃん驚いたぞみほ?……みほが素面に戻っても、黙っておくとしよう此れは。

 

 

しかしだ、此れで逸見にもアルコールが入った事になるんだよな?……なんだろう、凄く嫌な予感がする。

 

 

 

 

「如何ですか、逸見さん~~~♪」

 

 

「………アハハハハハハ、なんかいい気分ねぇ此れ!何て言うか、世の中の全てがハッピーに見えて来るわ!!最高の気分って奴ね!!」

 

 

 

 

予感的中か!!

 

と言うか、口移しでの量など大した事ない筈なのに、それであぁなってしまうとは、逸見は相当にアルコールに弱い様だな……絶対に宴会に呼んではいけないと言うか、呼んでも飲ませてはいけないタイプだ……みほと同様にな。

 

あ、其のまま2人とも豪快に1本ずつ空けた……みほも逸見も、明日は記憶が飛んでるかもしれないね此れは。

 

 

だが、だがしかし、この状況を此のまま見過ごして良い筈もない。

 

何よりも、西住流の跡取りとして、黒森峰の隊長として、如何に打ち上げとは言え此処までの事態は何とか抑え込まねばなるまい……一歩間違えれば黒森峰も明光大も、連盟から処分されかねない状態なのだからね。

 

 

 

 

「其れについては大丈夫よまほ、この合宿の事は連盟も知らないから。――其れに、打ち上げで盛り上がるのはある意味で必然でしょう?

 

 否、打ち上げとは大いに盛り上がるモノよ!…何より、限界を超えた合宿を生き残った彼女達には、盛り上がる権利が存在していますよ。」

 

 

「お母様……」

 

 

何時の間に現れたのですか?……でもまぁ其れは、そうかも知れません。

 

彼女達はこの1週間、此れまでとは比べ物にならない程の鍛錬を行って来たのですから、其れが終わった後の打ち上げ位は、好きにさせてやるのが、上に立つ者の度量と器量と言う物なのかも知れませんしね。。

 

其れを考えれば、辛唐のミスからみほが酔っ払い、其れがエリカに伝染したと言うのもまた、この合宿の良い思い出になるのでしょうが……

 

 

「此のまま止めずに放置しておくと、大虎と化した豹の車長2人によって、打ち上げが狂乱の宴になるのではないかと危惧するのですが……」

 

 

「其れについては大丈夫よ。

 

 残りの普通のビールは、全部回収して、現在進行形で私と菊代が処理しているから。」

 

 

 

 

何時の間に!?と言うか、既に5本!?……あの、一気にそんなに飲んで大丈夫なんですかお母様?

 

幾らビールのアルコール度数は5%と低いとは言え、そんなに一気に飲み干したら幾ら何でも酔いが回ってしまうのではないのでしょうか?

 

 

 

 

「まほ、『大人』の熊本女は酒が強いのよ?

 

 自慢する訳じゃないけど、大学の頃の飲み会で、私を酔い潰す目的で飲み比べを仕掛けて来た男子学生5人と連続で飲み比べをして、全勝した事があるのよ私は。

 

 それでいて殆ど素面だった私にとって、ビール5本くらいは飲んだうちに入らないのよ。」

 

 

「其れは何とも恐ろしい蟒蛇っぷりですが、ならばそのお母様の娘であるみほが、あぁも簡単に酔っぱらってしまったのでしょうか?」

 

 

「あら、そんなの簡単な事よ……みほがまだ子供だからよ!大人になれば、大丈夫!貴女もねまほ!!」

 

 

「幾ら何でも適当過ぎます!」

 

 

まぁ、微妙に納得してしまった私が居るのは否定はできませんけれど。

 

だが、お母様と菊代さんが残りのアルコールを処理してくれたと言うのならば、みほとエリカ以外の酔っ払いが出る事はないだろうから、其れについては安心と言う所か――まぁ、酔っぱらった2人が絡んでくる可能性はあるだろうけれどね。

 

 

 

 

「折角の打ち上げなのに、何をやってるのよまほ?

 

 みほと逸見が酔っぱらって心配なのは分かるけど、もうアルコールは無いんでしょ?だったら大丈夫じゃないの。だから、貴女も私達と一緒に楽しみなさいよ?

 

 こっちの隊長は出来上がっちゃってるからアレだけど、あそこまでじゃなくても貴女も少しは羽目を外しても良いんじゃないの?この打ち上げは、ぶっちゃけて言うなら無礼講なんだから♪」

 

 

 

 

凛……其れもそうだな。

 

何よりも、黒森峰の生徒だけであったら、こんな雰囲気になる事もなかっただろうから、其れを考えるなら、この状況は楽しまなければ損と言うやつだ。

 

 

 

 

「お姉ちゃんも、こっちで一緒に飲もうよ~~~♪」

 

 

「隊長~~、一緒に楽しみませんか~~?」

 

 

 

 

何よりも、可愛い妹と後輩に誘われてしまっては断る事も出来ないからな。

 

あぁ、分かった。今行くよみほ、逸見。――其れでは、呼ばれたので行ってきますお母様。……くれぐれもあの2人が気付く前に、其れを全部処理して下さいね?

 

 

 

 

「任せなさい。あ、でも流石にビールだけだとアレだから、何か肴になる物を貰えるかしら。」

 

 

「分かりました。」

 

 

 

――パチン!

 

 

 

「どうぞ師範、黒森峰特製のソーセージの盛り合わせです!」

 

 

「指を鳴らしただけで隊員を動かすとは、やるわねまほ……しかも、物凄く迅速だし。この一皿は、有り難く頂かせて貰うわ。」

 

 

 

 

隊長として、徹底的に隊員を教育しましたので此れ位は朝飯前です。

 

因みに、逸見が健在であったなら今よりも更に迅速にやってくれる筈です。あの子と赤星は、今年の1年の中では飛び抜けていますからね。

 

 

さて、待たせたねみほ、逸見。

 

だが残念な事に、私のグラスは空だから注いでくれるかなみほ?其れと逸見、チョリソーとブルートブルストを取ってくれるか?黒森峰のノンアルコールには、其の2つがよく合うのでな。

 

 

 

 

「はい、どうぞお姉ちゃん♪」

 

 

「チョリソーとブルートブルストですね?了解しました隊長!!」

 

 

 

 

うん、ありがとう。

 

さぁ、今宵は無礼講だ!遠慮はいらないから、大いに盛り上がろう!そして親睦を深めよう!此れもまた、戦車道だからね!!

 

 

 

 

「何だか良く分かんねーけど賛成ーー!」

 

 

「今は、大いに楽しむときですからね♪」

 

 

 

 

私の一言を皮切りに、本当に遠慮も何もなくなって、打ち上げは大いに盛り上がったな。

 

食べて飲んでだけでなく、何時の間にか隠し芸大会が始まったかと思ったら、何処からかカラオケマシンを引っ張り出してのカラオケ大会まで始まって正に無礼講そのものだった。

 

 

こんなに大騒ぎしたのは、一体何時振りだったか分からないが、それでも心の底から楽しんだのは間違いないよ。

 

その宴の果てに、酔いが回りに回って、揃って眠ってしまったみほと逸見は何と言うか、物凄く可愛かった――此れも合宿の褒美かもな。

 

 

そんなこんなで、打ち上げは日付が変わる頃まで続いた。

 

因みに、カラオケ大会でみほと逸見がデュエットした『ライオン』には、私を含め合宿参加者全員が総毛立った……プロかと勘違いしたからね。

 

 

私が歌った『静かな夜に』も大喝采を浴びたが……時折聞こえた『ラクス様ーー』と言うのが気になるのだが、一体誰の事なのやらだな。

 

何はともあれ、この合宿の打ち上げは大成功だったと、そう評して間違いではないだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――翌日

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

 

打ち上げも終わって、此れで本当に合宿は終わりなんだけど……打ち上げの途中からの記憶が無いんだよねぇ?

 

しかも私だけじゃなくて逸見さんもだったから、何があったのかを聞いてみたんだけど、お姉ちゃん達は教えてくれないし、如何言う訳か青子さんは、聞く前にナオミさんがアルゼンチンバックブリーカーで気絶させちゃったから聞けなかったからね。

 

 

でも、きっと打ち上げは上手く行ったのは間違いないかな?皆、満足したらしいからね。

 

 

ともあれ、此れで合宿は本当に終了――皆さん、お疲れ様でした!!

 

 

 

 

「お疲れ様……じゃないわ、この合宿で更に強くなる事が出来たんですもの。――今度戦う事があったら、タイマンで勝ってやるわ西住妹!」

 

 

「楽しみにしています逸見さん。だけど、そう簡単に私に勝てると思ったら大間違いですよ?返り討ちにしてあげます!」

 

 

「言うじゃない……尤も、其れ位じゃないと面白くないわ!――やっぱり、アンタはアタシの一番のライバルである事に変わりはないわね。」

 

 

 

 

其れは私もですよ逸見さん。

 

赤星さん共々、私の一番のライバルは逸見さんですからね……次に機会があったその時は、全力でやりましょう!持てる力の全てを出して!

 

 

 

 

「上等!楽しみにしてるわ!!」

 

 

「はい!楽しみにしています!」

 

 

何よりも、この合宿を通して新たな絆が結ばれたみたいだから、その絆も大事にしないとだよね♪

 

そして、この合宿に参加したメンバーの地力が底上げされた事は間違いないから、中学戦車道全体のレベルもきっと向上して来る筈だよ。

 

 

ふふ、其れを考えたら、なんだか楽しくなってきたかな?――きっと、此れまで以上に戦車道を楽しむ事が出来るかも知れないからね。

 

 

でもまぁ、今は合宿お疲れ様でした♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 


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