ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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行くよ、梓ちゃん!Byみほ      はい!By梓      未来の隊長副隊長コンビ……凄いわねByナオミ


Panzer28『始動!新生明光大付属です!』

Side:みほ

 

 

 

新メンバーを迎えての新生戦車道部が始動した訳だけど、今年の新入部員は、半分以上が経験者だったって言う事もあって上達スピードが凄いね?此れなら、即戦力として使えそうだよ。

 

其れに未経験者の子達も、貪欲に色んな事を吸収しようとしてるから、間違いなく強くなる――特に、梓ちゃんは期待大って言う所かな?

 

 

取り敢えずⅢ号の車長に割り当てたんだけど、練習が終わってからも、私に色々と聞きに来て知識を蓄積しようとしてるからね。

 

 

 

 

「そらまぁそうだろうな?

 

 ぶっちゃけ、梓の奴は部活勧誘の時のアレで、完全にみほにハートブレイクされちまったからなぁ……何とか頑張ろうと必死になるのは当然ってとこだろ?」

 

 

「まぁ、素人とは言え、成長の具合から見て潜在能力は可成りあるみたいだから、期待の新人じゃないの?

 

 練習の度に、梓は目に見えて力を伸ばしているし、指示の出し方も的確になって来てるからね――あの子が率いる新品のパンターは、今年の大会のスタメンにしても良いかもしれないわ。」

 

 

「このままのペースで行けば、大会までに大化けするのは間違い無いですもの!

 

 梓さんは、絶対にスタメンにすべきよみほさん!!」

 

 

 

 

あはは……まぁ、確かに凄い勢いで成長してるから其れもアリかも知れないけど――その最終判断は、来週に予定されてる綾南との練習試合の結果によってかな?

 

この練習試合で、新1年生全員を参加させる心算だから、練習試合でドレだけ出来たかが、大事な評価ポイントになるよ?

 

 

でも、きっと新1年生は、私の予想を超えた活躍をしてくれるんじゃないかな?――いや、きっとしてくれるだろうね。思わず、そう思ってしまう位に、彼女達の成長スピードは凄かったんだもん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer28

 

『始動!新生明光大付属です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、週末。

 

週末にはお姉ちゃんも戻って来てる事が多いから、家族全員が揃う貴重な時間でもあるんだよね――で、例によって大広間には私とお姉ちゃんとお母さんが居る。

 

厳しい話じゃないんだろうけど、此処に態々呼び込んでという事に成ると、戦車道に関する事なのかな?

 

 

 

 

「まほ、みほ、新年度が始まって時が経ちますが、戦車道の方は如何です?」

 

 

 

 

ヤッパリ戦車道の事だったね。

 

私の方は順調だよお母さん。4チーム分の新入生が入部してくれたし、その中の半分が経験者だったの。

 

でも、車長の経験のある子は誰も居なかったから、必然的に未経験者の中から車長を選ぶ事になったんだけど、未経験の子達も凄く成長が早くて、中でも澤梓ちゃんて言う子は特に呑み込みが早くて、アレなら行き成りレギュラーも任せられるかも知れない感じだよ。

 

 

 

 

「其れはまた、有望な新人が入りましたねみほ。去年の快進撃もあり、明光大は各校からマークされるでしょうけれど、恐らく大丈夫でしょう。

 

 黒森峰の方は如何ですかまほ?」

 

 

「今年も、一定水準の能力を持つ者が多く入学して来ました。――ですが、去年のエリカや小梅レベルの生徒は、今年は居ない様です。

 

 其れでも、全能力が75点以上の生徒が多いので、黒森峰の質を保つ事は、此れからの練習次第で難しい事ではないと思いますね。

 

 只、今みほから聞いた話から察するに、明光大は去年よりも強い筈ですし、安斎率いる愛和学院も戦力の増強を図ったと聞いていますので、今年は去年以上に大会では厳しい戦いを強いられる事に成ると考えています。

 

 無論、戦う以上は誰が相手であっても全力を出して勝つだけですが――其れが、例え妹であってもな、みほ。」

 

 

 

 

言われずとも私もその心算だよお姉ちゃん。

 

誰が相手であっても、全力で戦って、心の底から楽しんで、その上で勝ったら最高だからね――って言うか、妹が相手だからって手心加えられる方が不満だよ?

 

やるからには全力全開、己の全てを持ってして相手にぶつかって、そして試合が終わったら勝者は敗者の健闘に敬意を払い、敗者は勝者を讃えて恨み言は言わないのが戦車道だからね。

 

私だって、お姉ちゃんが相手でも――否、お姉ちゃんが相手だからこそ、絶対に手は抜かないから♪

 

 

 

 

「ふふふ……如何やらみほもまほも、夫々今年の大会に対する準備は出来ている様ですね?

 

 黒森峰に、逸見さんと赤星さんの様な逸材が入って来なかったのは残念ですが、明光大の新人には期待できそうですから、新戦力の加入による戦力値は略五分と言っていいでしょう。

 

 大会の何処で当たるかは、抽選次第ですが、何処で当たる事に成っても、戦う事に成ったその時は、全てを出し切って戦うようにね?

 

 相手が誰であっても、手を抜かずに己の全力をぶつけ、ぞして相手の全力を受け、その上で勝つのが真の西住流であるのですから。」

 

 

 

 

うん、分かってるよお母さん。

 

お婆ちゃんは勝利至上主義に凝り固まってるけど、本当の西住流は、武道の本分に重きを置いて、勝敗よりも戦いの内容を重視する流派であって、『撃てば必中、守りは堅く、進む姿は乱れ無し』って言う、西住流の教えだって『常在戦場の気持ちを忘れるな』って言う事だしね。

 

 

 

 

「その通りだなみほ……お祖母様は否定するだろうがね。」

 

 

「あの人の言葉を聞いてはダメよ――あの人の思考は、戦時中に歪められてしまった西住流の思想に染まり切っているのですからね。

 

 勝利至上主義は危険な思想であると同時に、とても脆いという事にお母様は気付いてないし、余程の事が無い限り其れが間違いであると言う事も認めないでしょう……だから、貴女達の活躍は、お母様に考えを改めさせるための起爆剤になると考えているわ。

 

 特にみほ、貴女の戦い方はお母様の言う西住流とはかけ離れているけれど、本来の西住流に最も近いと私は思っている……貴女が大会で結果を残せば、あの人だって文句は言えなくなるでしょうから、今年は絶対に決勝まで勝ち進んで来なさい?

 

 そしてまほ、貴女も絶対王者黒森峰を率いる者として、決勝に進んでくるように――良いわね?」

 

 

「はい!勿論その心算だよお母さん!!」

 

 

「黒森峰は常勝不敗……無論です。」

 

 

「ならば良し。2人とも、大会に向けて、精進なさい。」

 

 

「「はい!!」」

 

 

 

お母さんは、やっぱり厳しくても優しいね。

 

お祖母ちゃんだったら頭ごなしに否定する、明光大の事を認めた上で、勝ち進んで来いって言ってくれたし。お姉ちゃんに対しても王者の座に胡坐をかく事なく精進しろって言う事を、暗に伝えたからね。

 

 

でも、おかげで私は取ってもやる気が出て来たよ!

 

来週に予定されてる、綾南との練習試合――そこで、新生明光大の戦車道部がどれ程なのかって言う事を見せた上で、勝ってくるからね!

 

 

 

 

「大会前の練習試合か……其れが出来る明光大が羨ましいよみほ。

 

 大会前に黒森峰と練習試合を行いたいと言う学校は、先ず無くてな……まぁ、今年は青森県立八戸中学校が受けてくれたんだけれどね。」

 

 

「あはは……まぁ好き好んで、絶対王者と戦おうって言う酔狂な人はいないよね。

 

 でもお姉ちゃん、そう言う事なら明光大に練習試合を打診してくれればすぐにでも受けたんだよ?黒森峰との練習試合なら得る物も多い訳なんだからさ?」

 

 

「だからだよみほ……黒森峰としては、去年の準決勝で苦戦を強いられた明光大にはほんの少しのデータを取られる事も嫌ったのさ。

 

 確かに相互強化も望める練習試合になるのだろうが、得る物が多いのは明光大だからな……其れを考えると、明光大との練習試合と言うのは、黒森峰にとってはデメリットの方が大きい物になってしまうんだ。

 

 其れを踏まえたら、簡単に練習試合を持ちかける事は出来んよ。夏の特別合宿は別だけれどね。」

 

 

 

 

成程、そう言う事なら納得。

 

普通に考えれば、態々宿敵のレベルアップに付き合うなんて言う酔狂な人は居ないだろうからね……だから、其れは正解だよお姉ちゃん。

 

其れに、本音を言うなら、私は練習試合じゃなくて、大会でお姉ちゃんと戦いたかったらね。

 

 

 

 

「其れは私もだ……では、大会で会おうみほ!」

 

 

「願わくば、決勝戦でね。」

 

 

その為にもまずは、今年初めての試合となる綾南との一戦に勝って、1年生に自身を付けさせた上で弾みを付けたい所だね。

 

 

 

 

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そんな訳で、気付けば綾南との練習試合前日。

 

練習試合の前って言う事で、今日の練習は軽めのフィジカルトレーニングと、走行訓練と射撃訓練と明日の試合に向けてのミーティング。

 

特にミーティングでは、明日の試合のオーダーも発表するから、キチッと決めて行かないとね。

 

 

「それでは、明日の綾南中との練習試合のオーダーですが、明日は3年生は全員参加せず、代わりに1年生に全員参加してもらいますね?

 

 この練習試合で、ドレだけ皆が成長したか、其れを見せて下さい。」

 

 

「「「「「「「「「「「「!!!」」」」」」」」」」」」

 

 

 

 

其れと車輌編成ですが、明日はティーガーⅡを隊長車にしますので、残りはティーガーⅠが1輌、パンターが3輌、Ⅲ号が3輌、Ⅲ突が2輌の編成になります。

 

其れと、明日は副隊長車となるパンターブルーには、澤梓ちゃんのチームに搭乗して貰いますね。

 

 

 

 

「え!?ちょ、ちょっと待ってください西住隊長!

 

 確かに私達は、普段の練習でもパンターに乗ってますけど、隊長の乗ってるパンターに乗るだなんて……!!」

 

 

「大丈夫だよ梓ちゃん。此の子も、去年の夏あたりから大分聞き分けが良くなって、一定水準以上の力量があれば動かす事が出来るから。

 

 其れに、普段の練習を見てても貴女達のチームはパンターの高い性能を見事に引き出しているから、此の子を任せるに値するよ?」

 

 

「そ、そんな……ではなくて、副隊長車に乗れと言う事は、その……」

 

 

 

 

うん、明日は3年生が全員出ないから、明日の副隊長は梓ちゃんに勤めて貰おうかと思ってるんだよ。

 

此れに付いては、2年生の全員が賛成してくれてるから心配無用だし、他の1年生の子達で梓ちゃんが明日、臨時の副隊長を務める事に異論はあるかな?あれば遠慮なく言ってね?

 

 

 

 

「異論無し。てかある筈ないよ。ぶっちゃけ、澤の上達の仕方って私等と全然違うからね?」

 

 

「本当に同じ未経験者なのかって思う位よ?」

 

 

「最初の頃こそ、指示の出し方がちぐはぐだったけど、今は殆ど車長の経験者と遜色ないの――梓ちゃんが副隊長には、大賛成なの!!」

 

 

 

 

反対や異論はないみたいだね?皆、異口同音に梓ちゃんの事を評価してるから……改めて、明日の練習試合の副隊長をお願いするよ。

 

其れに、私自身も見てみたいんだ――私が指導した車長が、ドレだけ出来るのかを。

 

 

 

 

「!!……分かりました、明日の練習試合、未熟ながら副隊長を務めさせていただきます!」

 

 

「うん、期待してるね♪」

 

 

それじゃあ、続いて明日の作戦を。

 

相手は、去年圧倒的に此方に負けた事で慎重になって来ると思うので、逆に此方は序盤から大胆に攻めに回って流れを掴んで、そのまま押し切ってしまうのが良いと思います。

 

ですが、逆に相手も攻勢に出て来た場合には、パンターとⅢ号の機動力で攪乱しての各個撃破で行きます。

 

 

何にしても明日の一戦は、明光大の今年を占う大切な一戦ですので、確りと白星で飾って勢いに乗って、その勢いを大会まで持って行きましょう!!

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おーーーーーーーー!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

「今年も勝つぜみほ!去年のベスト4がまぐれじゃなかったって教えてやらぁ!!」

 

 

「勿論、その心算だよ青子さん。」

 

 

去年のベスト4はまぐれじゃなくて実力だって言う事を示す戦いでもあるからね、明日の綾南戦は。

 

そう言えば、綾南の新隊長ってどんな人なんだろう?……去年の言峰さんみたいな人じゃないと良いんだけどなぁ?去年と同じような人だったら、私が『軍神招来』しちゃうかも知れないからね。

 

取り敢えず、人間的に真面な人が隊長である事を祈ろうかな……

 

 

 

 

 

 

 

――で、翌日。

 

 

 

 

 

今年は、明光大のホームグラウンドでの試合だから、去年よりもやり易いかもね。

 

其れでは、今日はよろしくお願いしますね?

 

 

 

 

「此方こそ宜しくお願いします西住隊長。

 

 去年の練習試合で、貴女が率いる明光大は其れまでの弱小校ではないと思い知らされたので、今年は慢心せずに行かせて頂きますよ。

 

 去年のように、簡単に勝てるとは思わない事です。」

 

 

「今年の隊長さんが真面な人で安心しました――では、良い試合にしましょう。」

 

 

「はい、良い試合にしましょう。」

 

 

 

 

今年の綾南の隊長――安曇野雅さんは、去年の隊長の言峰乱華さんと比べると、はるかに人間として真面な人で良かったよ。此れなら、去年よりも良い試合が出来そうだからね。

 

だけど、私達は負けないから。――全力で行きましょう!Panzer Vor!!

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「Jawohl!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

 

 

いざ、試合開始です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

 

 

そうして始まった、明光大と綾南の練習試合だが、綾南はみほの立てた2つの予測の1つを見事に再現してくれていた。

 

明光大の力を警戒して陣を固めるのではなく、序盤から攻勢に出て来たのだ――確かに其れは、有効な手段であるのだろうが、しかしみほは其れを既に想定してた故に、冷静に対処することが出来るのだ。

 

 

 

「打って出てきましたか……ならば散開して各個撃破で行きます。

 

 Ⅲ突とⅢ号2輌はラングを、残るⅢ号とオキサイドレッドのパンター2輌は、ティーガーⅠとⅡを。パンターブルーは隊長車に付いて来て!」

 

 

「了解!」

 

 

 

すぐさま隊を散開させて、各個撃破に持ち込んでいく。

 

其れにより、場は混戦の様相を呈して、砲弾飛び交う凄まじい戦線上と化し、明光大も綾南も一歩も退かず、そして夫々白旗を上げていく。

 

去年と違い明光大が一方的に攻めている状況ではないが、それでも明光大の方が優位なのは間違いないだろう。

 

 

 

「吉良ナオミ……目標を狙い撃つ!」

 

 

「明光大最強の牙を持つ虎からは逃げられないのよ!」

 

 

「ぶっ倒されてぇ奴からかかって来やがれってんだ!!」

 

 

 

 

「絶対に足を止めないで。それと、当たらなくてもいいから砲撃の手が休まない様にして。」

 

 

「パンターの足回りなら、早々へこたれないから大丈夫!!」

 

 

「勿論です!其れから装填士、もっと素早く装填するの!!」

 

 

「此れでも最速よ!!あんまし無茶ぶらないでなのは!!」

 

 

 

 

中でも特に目を引くのは、本日の隊長車である黒いティーガーⅡと、副隊長車のアイスブルーのパンターだ。

 

みほのティーガーⅡは言うに及ばないが、梓が指揮するパンターもまた、隊長車クルーが登場した場合と比べたら劣るとは言え、充分合格レベルの動きは出来ていた――梓を副隊長にしたみほの目に狂いはなかったのだ。

 

 

勿論、新体制となった綾南とて負けておらずに、明光大の戦車を葬って行くが、しかし次第に押され始め、気が付けば明光大が5輌残っている状態で、綾南は残り2輌と言う状況に陥っていたのだ。

 

 

 

 

「随分と訓練をしたつもりだったのですが、よもやこれ程とは……貴女の力量に、改めて感服します西住隊長。

 

 ですが、私にもチームを引き継いだ意地と言う物ありますので、最後までやらせて頂きます!殲滅戦である以上は、全滅しない限りは負けではないのですから……行きます!!」

 

 

「受けて立ちます!!――梓ちゃん!!」

 

 

「は、はい!!」

 

 

 

それでも試合を諦めていない安曇野に対し、みほも全力で応える。

 

その全力に応えるべく、敢えて同じ車輌数で迎え撃ったのだ――無論、負ければ明光大は指揮系統を失う事に成るのだが、その程度では明光大が揺るぐ事は無いと思ったからこそ、打って出たのだ。

 

 

 

そしてその効果は覿面!

 

梓の乗るパンターが、その足回りの良さを武器にして敵隊長車のティーガーⅠと、副隊長車のティーガーⅠを牽制して動き回った事で、意識せずとも、ティーガーⅠのクルーの意識は、どうしても一瞬パンターに向かってしまう。

 

 

だが、其れはみほの思うつぼだ。

 

一瞬でも隙が出来れば、それで十分!!

 

 

一瞬意識がパンターにそれた事で生まれた隙を逃さずに、みほ率いるティーガーⅡは一気に加速すると、先ずは副隊長車のティーガーⅠに至近距離からの砲撃を喰らわせて白旗を上げさえる。

 

 

 

「な、なんだって!?」

 

 

「これで終わりです!!」

 

 

「私達の勝ちです!!」

 

 

 

そして孤立無援となった、隊長車に対して、ティーガーⅡとパンターの砲撃が炸裂し、綾南の隊長車は敢え無く沈黙。

 

 

 

 

『綾南中、全車輌走行不能。よって、明光大付属中の勝利!』

 

 

 

 

試合終了のアナウンスが響き、今年の練習試合もまた明光大が勝利した。

 

尤も、隊長が変わった事で綾南も底力を引き上げて来たので、去年の様なパーフェクトゲームにはならなったのだが、しかし其れでも今年最初の試合を白星で飾れたと言うのは明光大にとっては大きいだろう。

 

 

 

 

「はぁ……完敗です西住隊長。――今年の明光大は、去年以上ですね?」

 

 

「有望な新人が来てくれましたから♪」

 

 

「其れは……頼もしい事ですね。

 

 此れは今年の大会が楽しみです。――大会で当たったその時は、よろしくお願いします。今回は負けましたが、大会では負けません!!」

 

 

「はい、宜しくお願いします。でも、私達だって負けませんから!!」

 

 

 

そして、試合が終われば互いに一介の戦車乗りゆえに、試合の結果については彼是言わずに、大会での再戦を願い、そしてこの練習試合での互いの健闘を称えて握手。

 

 

如何やら今年の練習試合は、去年よりも遥かに実のあるモノになったらしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

 

さてと、綾南との練習試合が終わった次の週の月曜日……予想はしてたけど凄いね此れ?

 

練習試合は新聞部も見て居たからアレだけど、まさか号外を発行して綾南との練習試合の結果を伝えるとは思って居なった……って言うか普通しないよ此れは!!

 

其れに此の見出し……

 

 

 

『明光大に新星現る。その名は澤梓!!』

 

 

 

梓ちゃんが大きく取り上げられて……あはは、登校途中の梓ちゃんがもみくちゃにされてるよ……まぁ、この間の練習試合ではいい仕事をしてくれたから、期待の新星って言うのは間違いないけれどね。

 

 

ふふ、此れからも期待してるからね梓ちゃん♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:まほ

 

 

 

八戸中学との練習試合は、中々に楽しめたかな?みほや安斎と比較すれば比べるべくもないが、ソ連の戦車をメインにした部隊は決して弱くなかったし、もしも雪上での戦いであったなら、負けていたのは黒森峰の方だったからね……良い経験をさせて貰ったよ。

 

 

 

 

「調子はバッチリですね隊長!」

 

 

「あぁ、上々だ。

 

 エリカと小梅も調子はいいみたいだから安心したよ――今年の大会で、要となるのはエリカと小梅だからな……2人とも精進を怠るなよ?」

 

 

「「はい!!」」

 

 

 

 

良い返事だ。大会でも期待しているぞ。

 

安斎とみほと言う最強のライバルがいる大会だが、それでも私は負けたくない――俗っぽい考え方かもしれないが、在学中に三連覇と言う物を達成したいからね。

 

 

だからこそ全力あるのみだな。――今年の大会も、我等黒森峰が制覇してくれる!――止められるのならば止めてみろみほ、そして安斎!

 

大会で相見えるその時を楽しみにしているよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued…

 

 




キャラクター補足




安曇野雅

綾南の新隊長。全隊長の言峰乱華とは違って、相手の実力を素直に認める度量を秘めている。

練習試合ではみほに負けるも、だからと言って落ち込む事はせずに『更なる精進』を持ってして、隊員の士気を高める事に成功している。

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