ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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30話まで来ましたね♪Byみほ      マダマダ、飛ばしていくわよ!Byつぼみ      エンジンフルスロットルって所ねByナオミ


Panzer30『1回戦の相手はまさかの相手です』

 

Side:みほ

 

 

 

さてと……いよいよ2年目の全国大会1回戦だね。

 

相手は去年のベスト4――戦績だけを比較すれば、明光大と同じだけど、白百合中学は過去には準優勝してる事があるから実績の差は否めない……だけど負ける心算は無いけどね!

 

 

私達の全てを持ってして戦って、そして勝つだけだよ!

 

 

なんだけど……何で隊長車クルーは、部活勧誘時の衣装なの!?何時ものパンツァージャケットじゃ駄目なの!?何で此れなの!!??

 

 

 

 

「いや~~、今回アタシ等が乗るのって黒いティーガーⅡじゃん?

 

 だったら、この格好で乗った方が、相手がビビるじゃん?――特に黒いみほの迫力とかマジでハンパねぇから、大抵の相手はビビルぞ?」

 

 

「其れは、女の子的に喜ぶべき事かな青子さん?」

 

 

「分かんねーけど、戦車乗り的にはOKじゃね?

 

 相手をビビらせれば、其れだけこっちが精神的にアドバンテージ取れるし、ビビった相手を叩きのめす事ほど楽な事はねぇからな♪」

 

 

「一理ある……か?」

 

 

「微妙な所だけど、多分……」

 

 

 

 

まぁ、そういう効果を期待した事の結果なら言う事は無いんだけど……私の帽子を改めて用意してないのは評価できるかなぁ?

 

私が此処で新しい帽子を被ったら、梓ちゃんの帽子の価値が下がっちゃうからね?――其れを考えて、新しい帽子を用意しなかったのはGJだったよ青子さん。

 

 

 

 

「其れ位は空気読むぞアタシだって。」

 

 

「お見事でした。」

 

 

其れじゃあ行こうか……明光大の去年のベスト4が、決してまぐれじゃなかったって言う事を証明し、部長達に最高のプレゼントを渡す為の戦いにね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer30

 

[chapter:『1回戦の相手はまさかの相手です』

 

]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:しほ

 

 

 

いよいよ始まったわね……全国中学戦車道大会が。

 

今年の大会こそが、みほの真価が問われる大会と言えるでしょう――去年の大会では、多くの学校が明光大を弱小と決めつけ、油断していましたが、今年はそうではない。

 

万年1回戦負けから、行き成りベスト4に躍り出た明光大をマークして来るのは必至……故に、それを如何にみほが相手にするかでしょう。

 

 

其れを見る為に、試合会場に足を運ぶ私は相当な親馬鹿なのかも知れないけれどね――菊代、ヘリを出してもらって悪かったわね?

 

 

 

 

「いえ、私もみほお嬢様の試合は見ておきたいと思いましたので。

 

 相手は白百合中学校……あそこの隊長は確か××××××の長女でしたか?……アレを相手に、みほお嬢様がどのように戦うか、とても楽しみなんですよ。」

 

 

「それは、私もね。」

 

 

相手は西住流のライバルにして盟友の流派の長女が隊長を務める学校……果たして、貴女は如何戦うのか、見せて貰うわよみほ。

 

さて、両校の車輌が一列に並んで準備完了ね?……明光大は、1回戦のフラッグ車と隊長車を改造ティーガーⅡにしたか……そのチョイスは悪くないわ。最強の攻守力を誇るティーガーⅡなら、相手の戦車に装甲を抜かれる事は先ず無いですからね。

 

 

だけど、其れであっても――その格好は一体何なのみほ!?と言うか、隊長車のクルー全員!!

 

他の隊員のパンツァージャケットは似ても似つかない黒尽くめで、おまけに全員がサングラス装備って、一体何処の黒のカリスマ集団!?

 

いえ、皆とても似合っているけれどね!?

 

 

其れに……みほのサングラスを外す動作が、とてもスタイリッシュで決まっているわ……此れは、大抵の相手はハートブレイク確定よ!!!

 

まさか、みほに此処までのカリスマダークヒーローの素質があるとは思わなかったわ……本当に予想外以外の何物でもないわ。

 

時に菊代……

 

 

 

 

「ご安心を、バッチリ動画に撮っておきましたので、後でメールに添付して送っておきますね。」

 

 

「GJ、流石ね菊代。」

 

 

「此れでも現役時代は、奥様の副官でしたので此れ位は容易い事ですよ。」

 

 

 

 

ふふ、本当に菊代は公私に渡って、私のサポートをしてくれるから助かるわ。其れは、今も昔も変わらないわね――思うと、菊代が居てくれなかったら、現役時代も苦労したかもしれないわ。

 

其れは兎も角、貴女は此の試合、何方が勝つと思う菊代?

 

 

 

 

「其れは、難しい質問ですね?

 

 私個人の感情としてはみほお嬢様に勝ってほしいのですが、相手が彼女であるという事を考えると、みほお嬢様が稀有な戦車乗りである事を考慮しても難しいのではないかと……」

 

 

「妥当な分析ね。」

 

 

寧ろ、そう考えるのが普通と言えるわ。

 

だけどね菊代……私は、どんな試合内容になろうとも、最後はみほが勝つって思っているの。――あの子の戦術は、本当の意味で読む事が出来ない上に、正道と搦め手の両方を使う事が出来るから、戦術の幅がとても広い。

 

 

白百合の隊長もアレの長女だから、流派の彼是は受け継いでいるのだろうけれど、それでも左腕を失ったあの日から、いっそ愚直なまでにありとあらゆる戦術を頭に叩き込んだみほの相手ではないと思うから。

 

親バカ上等な判断かも知れないけど、みほは私にそう思わせる程の力を秘めているのよ、菊代。

 

 

 

 

「分かります……みほお嬢様の潜在能力は、まほお嬢様を上回っています――今は未だ完全開放には至ってはいませんが、其の力が解放されたその時は、恐らく日本国内でも5本の指に入る戦車乗りになるのではないかと思います。」

 

 

「だからこそ、お母様はみほを歪んだ西住流に引き込みたがっている……か――笑えないわね。」

 

 

そもそもにして、みほは一つの流派の型に収まる存在ではない――寧ろ、型にはめようとしても、その型を破壊して∞にその力を伸ばして行くのがみほなのですから。

 

 

さて、大事な初戦を如何戦うのか、戦車道の指導者として、そして母として見せて貰うわよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

 

いよいよ1回戦!

 

大会最初の試合って言う事もあって、緊張もあるけど、それ以上に此の試合に対する、喜びの方が大きいかな今は……去年とは違って、イキナリ去年のベスト4が相手だからね。

 

 

よろしくお願いします!明光大隊長の、西住みほです。

 

 

 

 

「存じているよ。去年の戦いは実に見事だった、黒森峰相手にあそこまで戦うとは、正直思っていなかったからね。」

 

 

「ありがとうございます♪」

 

 

「ふふ、今年から白百合の隊長を務めている美佳だ、宜しくお願いするよ。」

 

 

 

 

美佳さんですか……名字の方を窺っても良いですか?

 

 

 

 

「其れを名乗る事に意味があるとは思えないね?と言うか、君なら試合がある程度進めばわかる筈さ。

 

 だけど、其れは其れとして……大変よく似合ってるとは思うけれど、其の黒尽くめの衣装は、果たして戦車道に必要な事だったのかな?」

 

 

「とっても必要です!!

 

 主に、味方の士気を大きく上げる事が出来るので、最高の精神状態で試合に臨む事が出来ます。あと、追加効果で相手の戦意を削ぐ事が出来る事もあるみたいです……貴女には効果が無いみたいですけれど。

 

 こう言ったら失礼かもしれませんけど、何て言うか捉え所がない感じがします。」

 

 

「褒め言葉と受け取っておくよ。と言うか、味方からも相手からも良く言われるからね。まぁ、風を掴む事は出来ないからね。」

 

 

「詩人ですね?」

 

 

本当に飄々としていると言うか何て言うか……ある意味で、敵に回すと最も厄介な相手かも知れないなぁ美佳さんは。

 

正直な事を言うと、まるっきりどんな人なのか分からないんだもん。

 

試合で、相手の隊長と対面した時、話し方とか表情で大体の性格を把握する事が出来るんだけど、美佳さんは此れが素なのか演技なのかが、全く判別できないからね……この時点で、相手の作戦に当たりを付けるのは無理かな今回は。

 

 

ふぅ、其れじゃあお互いに良い試合にしましょう美佳さん。

 

 

 

 

「そうだね。良い試合をする、先ずは勝ち負けよりもそれが大切な事さ。

 

 それと、個人的な事を言わせて貰うならば、私は一度キミと戦ってみたいと思っていたんだよ西住みほさん――西住流でない西住とね。」

 

 

 

 

……其れなら、期待には応えますよ美佳さん。

 

 

 

 

「それでは、互いに礼!」

 

 

「「よろしくお願いします!!」」

 

 

 

大会の始まりを告げる初戦で1回戦、先ずは此処ときっちり抑えて、弾みをつけて行かないとだね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

 

試合前の礼を終えた両校の隊長は、夫々の陣地に戻り、最後のブリーフィングを行う。事前に作戦を立てたとは言え、実際に試合会場を見ての微調整等もあるのだ。

 

 

そして其れも終わり、両校は夫々のスタート位置に戦車を配置していき、会場のオーロラビジョンにも両校の陣形及び、参加車輌が映し出されて行く。

 

 

両校のオーダーは、

 

 

 

明光大付属中学校

 

 

・ティーガーⅡ×1(フラッグ車)

 

・ティーガーⅠ×2

 

・パンターG型×3

 

・Ⅲ号戦車J型改(L型仕様)×2

 

・Ⅲ号突撃砲F型×2

 

 

 

 

白百合中学校

 

 

・T-34/76×1(フラッグ車)×1

 

・T-34/85×1

 

・M4シャーマン(76mm砲搭載型)×2

 

・パンターG型×2

 

・マチルダⅡMkⅣ×1

 

・クルセイダーMkⅢ×2

 

・ヘッツァー×1

 

 

 

と言うラインナップ。

 

ラインナップだけ見れば、ドイツ系の戦車で統一され、最強と名高い重戦車ティーガーと、中戦車パンターを3輌ずつ保有する明光大の方が有利に見えるが、対する白百合もドイツがパンターを開発する原因となったT-34を搭載砲が異なるモノを1輌ずつ揃え、アメリカの主力であったM4シャーマン、最強中戦車パンター、非常に高い防御力を誇るマチルダⅡ、足の速さが売りのクルセイダー、そして侮れない火力を誇るヘッツァーと、可成りの戦力を有している故に、総合的な戦車性能は五分五分と言った所だろう。(重戦車がある分、明光大は火力で勝る部分はあるが。)

 

 

となると、勝敗を分けるのは指揮官の腕前と、隊員の能力という事に成るだろう。

 

 

 

『其れでは、試合開始!!』

 

 

 

「Panzer Vor!!」

 

 

 

 

「それじゃあ始めようか……戦車前進!!」

 

 

 

 

そして、此処に試合開始!

 

 

 

「それでは、手筈通りにお願いします。

 

 敵戦車を発見したら、此方に連絡した上で攻撃を開始して下さい――但し、決して無理だけはしないように、撃破されない事を第一に考え相手にプレッシャーを与えて、足止めをする事に集中するように。」

 

 

『『『『『了解!!』』』』』

 

 

 

明光大は、事前に立てた作戦通りに、足回りの強いパンター3輌とⅢ号2輌の計5輌を先発隊として発進させ、白百合の部隊の索敵を行う。

 

残ったティーガーⅡとティーガーⅠ、そしてⅢ突は先発隊の進むルートを確認しつつ、先発隊とは別のルートで進軍して行く。

 

そんな事をしたら、先発隊が相手の部隊を発見した時に合流が難しいのではないかと思うだろうが、みほは先発隊の指揮官を任せた梓と常に連絡を取り合い、先発隊と付かず離れずの距離で移動しているのだ。

 

 

此れならば何方が相手部隊を発見しても、あまり時間を空けずに合流できる。

 

パンターとⅢ号を先発隊としながら、実は後発隊も索敵を行うと言う、二重のサーチ・アンド・デストロイの布陣を敷いていたのである。何ともみほらしい、大胆さと堅実さを併せ持った部隊展開と言えるだろう。

 

 

 

其れに対して、白百合は、フラッグ車であるT-34/76を他の戦車が取り囲む布陣で岩場を進行中。

 

部隊を散開させない事で戦力を堅め、索敵を行っている相手からの攻撃を受けても、数の差でカウンターを行う事が出来る手堅い布陣であると言えるだろう。

 

 

 

「さて……そろそろかな?前方の岩場に砲撃!!」

 

 

 

その白百合の隊長である美佳は、おもむろに何かを呟いたかと思うと、行き成り岩場に向かって砲撃を指示!

 

明光大の戦車が居る訳でもないのに、岩場に砲撃とは解せないだろう……だが、この砲撃は無意味な物ではなかった――否、無意味どころか、最高の一発だっただろう。

 

 

 

 

「そんな……バレてた!?」

 

 

 

 

砲撃で崩れた岩場の向こうからは、明光大の先発隊が姿を現したのだから。

 

美佳はみほが如何来るかを読んでいた――と言う訳ではない、此の試合会場の地形から考えられる戦術を絞り込み、そして予測を立てた上での攻撃が、巧い具合に決まっただけの事だ。

 

 

が、此れは明光大からしたら堪らない。

 

この予想外のカウンター攻撃は、自分達の作戦が読まれていたのではないかと思うには充分なのだから。――実際に、明光大の先発隊はこのカウンターに驚き、陣形を崩しかけたのだ。

 

 

だが、其処で終わらないのが明光大だ。

 

 

 

「皆さん、落ち着いてください!

 

 此方が相手を発見したと言う報告を西住隊長に入れる前に、相手に此方の存在を知られただけですから、大した事はありません!!!

 

 なので、当初の予定とは違いますが、敵戦車との交戦を開始しましょう!!」

 

 

 

先発隊の『隊長』を任された梓が、部隊を落ち着かせ、本来の作戦通りに白百合との交戦に入る事を通達し、敵戦車へと向かっていく。

 

戦車道は素人の梓だったが、その潜在能力は高く、其れを見抜いたみほが大会までの期間に徹底的な指導(個人指導含む)を行った事で才能が開花し、先発隊の隊長を任される程になっていたのだ。

 

 

そして、そんな梓の号令を受けた他の先発隊のメンバーも落ち着きを取り戻し、作戦通りに白百合への攻撃を開始!!

 

予想外の攻撃で出鼻を挫かれた明光大だが、落ち着きを取り戻したのならば問題ない――パンターとⅢ号が、その戦車性能を如何なく発揮して、白百合を攻め立てる。

 

此れならば、みほ率いる後発隊が合流するまで、持ち堪える事は出来る――少なくとも、敵戦車を撃破出来なくとも、自分達が撃破されるという事態は起きない筈だ。

 

 

そんな状態の中でも、白百合の隊長である美佳は、何処か涼しい顔をしていた。

 

 

 

「興味があったのはみほさんだったけれど、如何やらそれ以外にも、中々面白い子がいる様だね?

 

 あの一撃で出鼻を挫く事が出来ると思ったのだけれど、まさか立て直してくるとは……こんな予想外があるからこそ、戦車道は面白いのだけれどね……あぁ、本当に楽しいよ。」

 

 

 

だが、涼しい顔をしながらも、その瞳の奥には、戦車乗り特有の炎が燃えている――飄々とした態度を取りながらも、美佳もまた生粋の戦車乗りであるが故に、立て直して攻撃して来た明光大とトコトンやり合いたいと思っていたのだ。

 

 

 

「手加減は出来ない……みほさんが、到着するまでに全滅だけはしないでおくれよ?」

 

 

 

――ポロロ~ン

 

 

 

小脇に抱えたカンテレを一鳴らしすると、美佳は戦火へと身を投じて行った。

 

 

 

 

 

 

さて、別動隊のみほだが、先発隊である梓からの報告を聞いて、少し考えていた。

 

別動隊の動きを読んでいた事は別に大した事ではない……自分がもしも白百合の隊長であったのならば、索敵目的の先発隊の存在は、常に頭に入れておくべき事故に、ある程度先発隊の動きを読んで、先制攻撃を仕掛けるだろうから。

 

だから、白百合のまさかの先制攻撃は驚く事ではない――驚く事ではないのだが、みほが考える原因は他に有ったのだ。

 

 

 

其れは、明光大の先発隊と交戦状態になった白百合の対応の高さだ。

 

如何に、相手を目視したとは言え、カウンターのカウンターとも言うべき攻撃を受けたにしては、白百合の対応が的確過ぎるのだ……それこそ、『どんな戦術にも即対応できる』と言わんばかりに。

 

 

 

「此れは……まさか!!」

 

 

 

だが、其処までに至った所で、みほは何かに気付いた。と言うよりも、思い出したと言うのが正しいのかも知れない。

 

 

 

「如何したみほ?」

 

 

「何かあったんですか、みほさん?」

 

 

「あったと言うよりは、何かに気付いたって言う所かしら?……何に気付いたのみほ?」

 

 

 

そんなみほの様子に、青子、つぼみ、ナオミも声をかける。ナオミは、みほが何かに気付いたという事を察していたようだが――何れにしても、この3人とみほとの絆は半端ではないだろう。

 

 

だが、其れは其れとして、みほから告げられた事実は、ある意味でトンでもない物だった。

 

 

 

「気付いたって言うか思い出したって言うのが正しいかなナオミさん。

 

 美佳さんの勘は凄いけど、カウンターのカウンターとも言うべき先発隊の攻撃を受け流してる此の戦術は、並大抵の物じゃないし、事前に明確な作戦を立てて居たら大凡出来るモノじゃない。

 

 敢えて明確な作戦を立てずに、相手の出方に柔軟に対応してペースを握る……此れは、変幻自在の忍者戦術と言われる『島田流』!!」

 

 

「島田流!?……西住流と双璧を成す、戦車道の一大流派じゃない?……まさか、白百合の隊長は!」

 

 

「島田流の後継者の可能性が高い……って言うか、間違いなくそうだろうね――試合が始まれば、自分の名字が分かるって言ってたし。」

 

 

 

相手は、西住流と肩を並べる、日本戦車道の一大流派である島田流だと言うのだから。

 

あくまで、みほの推測であり確定ではないが、試合前の美佳の物言いを考えると、恐らく間違ってはいないのだろうが、だとするのならば、この1回戦の戦いは凄い試合であると言えるだろう。

 

 

みほは正統的な西住流ではないが、戦いの構図だけ見れば『西住流vs島田流』なのだから。

 

 

 

 

「島田流……相手にとって不足はないわ!!寧ろ、叩きのめしてみほさんの戦車道がドレだけなのかって言うのを、世に知らしめるわよ!」

 

 

「相手が誰であろうと関係ねぇ!勝ちに行こうぜみほ!!」

 

 

「相手が島田流なら、願ってもないでしょ?其れに勝ったら、誰も明光大の去年の躍進をまぐれとは言えなくなるわ。」

 

 

「うん!!行こう、全力全壊で!!」

 

 

 

 

だがしかし、そんな事はみほ達には関係ない!!

 

気持ちを新たに、先発隊と合流すべく移動を開始!!――1回戦は、まだ始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 


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