ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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2回戦はどうしてこうなるのかな?Byみほ      仕様か、それとも単なる手抜きなのかByナオミ      仕様と信じましょうByつぼみ


Panzer32『お約束の2回戦です。お約束です。』

Side:まほ

 

 

 

『大阪府立江坂中学校、フラッグ車行動不能。黒森峰女学院の、勝利です。』

 

 

 

 

よし、先ずは1回戦を危なげなく突破したな。

 

戦術其の物は悪くなかったが、低性能の日本戦車で構成された部隊では、我が黒森峰の相手ではない――黒森峰が取り揃えているドイツ戦車は、何れも日本戦車を圧倒する性能を持っているのだからな。

 

だが、戦車の性能が同じであったのならば、苦戦していたかもしれない……江坂の隊長の指示と言うのは決して悪くなかったからね。

 

 

 

 

「よう、西住!1回戦突破おめでとう!

 

 まぁ、お前なら難なく1回戦を突破するだろうとは思ってたんだが、蓋を開ければ略完封に近い内容での圧倒的勝利だからな?マッタク持って凄い奴だよお前は!」

 

 

「安斎……来てたのか。」

 

 

「来るに決まってるだろ?ライバルの試合を見逃す事は出来ないからな♪」

 

 

 

 

ふふ、確かにそうだな。私も、みほの試合とお前の試合は、会場にまで足を運んで観戦したのだからね。

 

―――で、1回戦を終わって如何思った安斎?今年は、私に勝てそうか?

 

 

 

 

「さてな?ソイツは準決までのお楽しみって奴だ――だが、お前をがっかりさせる事は無いとだけ言っとくよ西住。」

 

 

「そうか……では、期待して待つとしよう。」

 

 

みほも安斎も、そして私も1回戦を突破したのならば、滑り出しは好調と言った所だな?

 

何より、1回戦を見る限り、みほも安斎も去年よりも確実に強くなっているからな……文字通り、相手にとって不足なしと言う所だな此れは!

 

直接対決が、今から楽しみになって来たよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer32

 

『お約束の2回戦です。お約束です。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

 

1回戦の全日程が終了して、2回戦に駒を進めたのは、私達明光大と、青森の八戸中学(2回戦の相手)、神奈川の私立横須賀中学校、愛媛の市立愛媛第三中学校、安斎さん率いる愛知県立愛和学院、茨城の水戸市立第三中学校、北海道の札幌第一中学校、そして、お姉ちゃん率いる黒森峰女学院……そうそうたる顔ぶれだね。

 

 

何よりも、黒森峰の1回戦は圧巻としか言いようのない物だった。

 

相手が性能で劣る日本戦車って言う事を加味しても、黒森峰はその圧倒的な実力と戦車の性能を持ってして相手を圧倒し、自軍の損害は0でありながら、相手を全滅させた訳だからね……今年も、黒森峰が一番の強敵なのは変わらないか。

 

 

 

 

「まほ姐さんが最高学年で隊長だからなぁ?

 

 去年とは違って、隊員が全員自分と同輩か後輩だから、去年よりやり易いのかも知れねーな。其れが、あの試合結果って事かも。」

 

 

「去年も1回戦は、相手を全滅させていましたけど、今年は全滅どころか完封ですからね……」

 

 

「絶対王者の名は伊達ではないか……ま、週刊戦車道の大会特集ページでも、黒森峰の5連覇は確実って書かれてるからね。

 

 去年の大会で、黒森峰を苦戦させた明光大付属と愛和学院が、ドレだけ絶対王者に喰らい付けるかも見所だろう……だってさみほ。」

 

 

 

 

ナオミさん、その記事って私達と安斎さん達が、負ける事前提で書かれてない?

 

奮闘しても、善戦が良い所で勝つ事は出来ないって、暗に言ってくれちゃってるよね?

 

確かにお姉ちゃんが率いる黒森峰は強いよ?逸見さんや赤星さんの様なAAA級の戦車乗りだっているし(因みにお姉ちゃんはS+ね。)、強力な重戦車の運用も他校と比べてとっても巧いからね。

 

でも、だからって、まだ1回戦の全日程が終わった段階で黒森峰5連覇確実は言い過ぎじゃないかな?

 

お姉ちゃんだって『勝負に絶対はない。如何に全力で挑んでも、負ける時は負ける――其れが連覇中の王者であってもな。黒森峰が連覇を成し遂げるのか、それともみほか安斎が黒森峰の一強時代を終わらせるのか……其れは誰にも分からないよ。』って言ったもん。

 

 

だけど、雑誌が黒森峰の5連覇を確実って書いてるって言うのは、ある意味で『美味しい』シチュエーションではあるかな?

 

 

 

 

「美味しいシチュエーション?」

 

 

「アタシにも分かるように言ってくれ~~、馬鹿だから分かんねー。」

 

 

「自分で馬鹿って言ってたら世話ないよ青子さん。

 

 何て言うか、週刊戦車道だけじゃなく、戦車道を扱ったメディアは紙面でもネット上でも黒森峰の5連覇は確実って見てると思うんだよ?

 

 でも、そんな中で、私達や、或は安斎さんが黒森峰を倒したらどうなるかなぁ?下馬評を覆したって言う事で、話題になると思うんだ♪」

 

 

「其れは言えてるわね。

 

 安斎千代美さんは、まほさんが唯一公式の場でライバルと認めた相手だし、みほの実力だって去年の大会で示されてる上にまほさんの妹だからね……その何方かが黒森峰を倒したとなれば、物凄く話題になるのは間違い無いと思うわ。」

 

 

「でしょ?」

 

 

だから、決勝戦まで勝ち上がって黒森峰との直接対決を制する事が出来たら最高だと思うんだ。

 

そう言う事だから、先ずは次の2回戦も頑張って行こうね、青子さん、ナオミさん、つぼみさん!!必ず勝って準決勝に駒を進めましょう!!

 

 

 

 

「「「了解!!」」」

 

 

 

 

そうと決まれば、今日の訓練も確りバッチリやらないとね♪

 

1回戦で撃破された戦車の修理も終わってるから、訓練でも全車輌を使う事が出来るしね――この辺は、本当に東雲整備工場に感謝だよ。

 

今度、椿姫さん経由で何かお礼の品を差し入れた方が良いかも知れないね。

 

 

 

 

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・・・

 

 

 

 

と、言う訳で放課後の訓練。

 

大会中って事もあるから、其れを考えて戦車を使っての訓練は、移動訓練と射撃訓練と、隊長チームは不参加の軽めの紅白模擬戦で終わらせた――大会中は、下手に鍛えるよりも、感覚を忘れないように体を動かして勘を鈍らせないようにするのが一番大事だからね。

 

因みに、模擬戦の結果は、梓ちゃんが隊長を務めた紅組が、実戦時の副隊長の千尋さんが隊長を務める白組を僅かに上回ってギリギリ勝ったか……本当に、梓ちゃんは未経験者だったのか疑いたくなるような上達ぶりだったよ。

 

 

でも、此れだけだと時間は大きく余る……まぁ、余るように予定を組んだからね。

 

その余った時間を使って、次の2回戦を如何言う感じで行くのかのミーティング開始だよ――試合前のミーティングは欠かせない物だから。

 

 

「それではミーティングを始めます。

 

 まず最初に、2回戦の相手である八戸中学校はどのような戦車を使ってくるんでしょうか部長?」

 

 

「1回戦のオーダーを見る限りだと、ティーガーⅠとIS-2と言った高威力の砲撃が出来る重戦車を主にして、自走砲にT28重戦車やブルムベア、果てはシュトゥルムティーガーまで投入している超火力の相手ね……1発でも喰らったら即白旗って所ね此れは。」

 

 

 

 

ティーガーⅠにIS-2は確かに、相手になるとこの上なく怖い存在ですね?

 

でも、T28重戦車は兎も角、ブルムベアとシュトゥルムティーガーはどうだろう?確かに強力だけど、装填に時間がかかる上に機動力は無いに等しいから、懐に入り込まれたら終わりなんだけど……余程運用に自信があるのかなぁ?

 

 

――だけど、相手が火力頼みだと言うのならば幾らでも策は思いつきます。

 

 

此の試合、私達隊長グループはアイスブルーのパンターで出撃します。

 

なのでティーガーⅡは今回は出番がありませんが……次の試合は、明光大の十八番である『機動力を生かした高速戦闘』を可能な限り、最大限発揮して行こうと思います。

 

足の重い重戦車主体の相手にとっては、機動力をフル活用した戦いって言うのは天敵以外の何物でもありませんからね。

 

 

相手のフラッグ車は、恐らく重装甲のT28重戦車でしょう。

 

なので、先ずはティーガーⅠとIS-2を行動不能にして相手のなけなしの機動力を奪い、後は此方の機動力で相手の重爆砲撃を躱しながらフラッグ車を撃破。

 

八戸が揃えた自走砲は、こっちのⅢ突と違って機動力は皆無なので、弱点である後面を取るのは比較的簡単だと思いますから。

 

なので、ティーガーⅠとIS-2を撃破した後は、フラッグ車の後面を取ることが出来た車輌は迷わずに撃っちゃって下さい。Ⅲ号の主砲だと、ややきついかもしれませんが、Ⅲ突やパンター、ティーガーⅠなら後面装甲は楽々抜く事が出来るので。

 

 

 

 

「まぁ、確かに火力はおっかないけど、当たらなけりゃ意味ねぇもんな?

 

 そもそもにして、うちの戦車道チームって、主にアタシ等隊長車のせいであり得ない位に回避能力たけーからなぁ……ノー被弾で勝つ可能性ってのが否定できねぇんだよなぁ♪」

 

 

「その可能性も否定できないわね。

 

 威力の大きい砲撃で相手の出鼻を挫いてって事なんでしょうけど、出鼻を挫かれた程度じゃ動じないのが今の明光大よ。」

 

 

「其れに、幾ら重装甲でも機動力が低いんじゃ意味がないわ。

 

 如何に分厚い装甲でも、何度も叩かれたら何れは限界が来るんですもの――正に厚い皮膚より速い足よね。」

 

 

 

 

ハインツ・グデーリアンですね。

 

兎に角、次の2回戦は動き回って勝ちに行きます。名付けて『ウロチョロ作戦』です!力を合わせて、2回戦も頑張りましょう!!!

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おーーーーーーーー!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

「うん♪それじゃあ、時間なので今日の練習とミーティングは此処まで!お疲れ様でした。」

 

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「お疲れ様でした!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

 

 

今日もお疲れ様でしただね。

 

さてと、今日は迎えが来るまで如何しようか?って言っても、大体パターンは決まってるんだけど。

 

 

 

 

「そうだなぁ?ゲーセンはこの前行ったし、カラオケも行ったばっかだしなぁ……ウィンドウショッピングって気分でもねーし。」

 

 

「ならボーリングは如何?

 

 確か、何時も遊んでるビルの最上階に今日オープンした筈よ?――確か開店初日は、4人以上で30%オフだった筈だからお得でしょ?」

 

 

「いいですねボーリング。青子さんとつぼみさんは如何?」

 

 

「アタシは賛成だな。練習が軽めだった上に、紅白戦には出てねーから、正直もっと動きたいと思ってた所だからな♪」

 

 

「私も異論無しよみほさん、ナオミさん。偶にはボーリングって言うのも悪くない物。」

 

 

 

 

其れじゃあ決まりだね?

 

ボーリング場に向かって、ぱんつぁーふぉー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:ナオミ

 

 

 

という訳でやって来たボーリング場だったんだけど……澤達の1年生チームが来てるとは思わなかったわね。

 

折角だからって言う事で、一緒にプレイする事に成ったんだけど――大体予想はしてた事とは言え、みほのスコアには1年生全員が驚いてるわね。

 

 

 

「えい!!」

 

 

 

――パカーン!

 

 

 

此れで、1投目から5連続のストライク。

 

私も砲撃手としての腕を生かした正確な投球でスコアを伸ばしてるけど、ストライクとスペアが交互って所だからみほには及ばないし、何よりも、みほが使ってる球は3番目に重い13ポンドなんだから驚くわよね。

 

おまけに、左腕がない事で余計に右に重心が偏り易いにもかかわらず、そんなの関係ないとばかりに正確なショットを連発してる訳だから。

 

みほのフィジカルの強さは、去年の合宿で知ってた心算だけど、フィジカルだけじゃなくてボディバランスも抜群に良いみたいね。

 

 

まぁ、其れとは別に、最重量の15ポンドのボールを床につける事なくピンまでぶん投げた青子のパワーにも驚いてはいたけれどね。……と言うか、ボーリングの球って、空を飛ぶものだったかしらね……?

 

 

其れよりも、何だがギャラリーが増えてない?

 

 

 

 

「増えて……ますね間違いなく。

 

 若しかしたら、西住隊長がパーフェクトゲーム達成しちゃうんじゃないかって思って野次馬的に集まってるのかも知れませんよ吉良先輩。」

 

 

「成程、納得したわ澤。」

 

 

確かにこのまま行くと、パンチアウトまで入れての12連続ストライクを達成しそうな勢いだものね?

 

しかも其れを為そうとしてるのが、隻腕の美少女ともなれば自然とギャラリーが集まっても仕方ないか……まぁ、此れだけの人が見てる中で私だって、無様な結果は残せないわね。

 

連続ストライクは無いけど、他はスペアで取って、ガーターは0……つまりはノーミス。

 

みほがパーフェクトを目指すなら、私はノーミスを目指すわ!!

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

 

で、先ずは私の10投目。

 

1投目で9本倒して、2投目でスペア、パンチアウトでストライクのノーミス達成!最終スコアも240点と最高クラスのモノだったからね。

 

 

そしてみほの10投目。

 

此処まで9連続ストライクのみほだけど……

 

 

 

「は!」

 

 

 

――パカーン!

 

 

 

先ずはストライク!

 

続く2投目も……

 

 

 

――パカーン!!

 

 

 

ストライク!……最後のパンチアウト――此れでストライクを出せばパーフェクトゲーム達成……此処まで来たら、絶対パーフェクトよみほ。

 

 

 

 

「とりゃぁぁあぁ!!」

 

 

 

――パッッカーーーーン!!!

 

 

 

そして12投目もストライク!!見事パーフェクトゲーム、300点満点達成よみほ!!

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!スゲェ、あの片腕の嬢ちゃんパーフェクトゲーム達成しちまったぞオイ!!」

 

 

「ベリーショートの子もノーミスだったけど、まさかパーフェクトゲームを拝むことが出来るなんて……俺は歴史的瞬間に立ち会ったのか!?」

 

 

「おーし、この動画後でYouTubeに上げとこう。

 

 タイトルは……『隻腕美少女のボーリングパーフェクトゲーム』で良いか。」

 

 

 

 

ギャラリーも盛り上がってるわね此れ。

 

最終的には店の店長まで出てきて、パーフェクトを達成したみほと、ノーミスを達成した私で記念撮影して、おまけに景品まで貰ったって、どれだけなのやらだわ。

 

 

で、其の後は1年の子達も一緒に別フロアでアイスを食べて(1年生には私達が奢ってあげた。此れ位は先輩としてやっても良いわよね。)、

 

あっと言う間にみほの迎えが来て、屋上でみほを見送って放課後終了。

 

 

 

 

「自家用ヘリまであるなんて……凄いんですね、西住隊長の家って。」

 

 

「まぁ、天下の西住流だからなみほは。」

 

 

 

 

流石に1年生達は自家用ヘリでのお迎えに驚いていたけど、私達にとってはもう当たり前になってる事だからね――慣れって怖いわね。

 

さて、私達も寮に戻りましょうか?

 

 

明日はいよいよ2回戦――此処で勝って、弾みを付けたい所なんだから。

 

 

 

 

「はい!明日も、頑張りましょう先輩!!」

 

 

「応、気合入れてこうぜ梓!つーか、みほが作戦立ててる上に隊長なんだから、まほ姐さんが相手でもねぇ限りは絶対負けねぇって♪

 

 今日のボーリングじゃねぇが、目指せパーフェクトゲームって所だぜ!!」

 

 

 

 

そうね、其れもインパクトがあるから、出来るなら狙っていくとするわ。――そして、2回戦の試合を持って、去年の明光大の快進撃はマグレじゃなかったって言う事を証明してあげるわ。

 

2年連続でベスト4に進んだとなれば、去年の躍進をまぐれという事は出来ないのだから。……絶対に勝つわ次の試合も!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

 

そしてやって来た明光大の2回戦。

 

相手の八戸中学校は、みほの予想通りに重装甲のT28重戦車をフラッグ車にして来た――のだが、其れを予想していたみほにとって、この試合はとても楽な物であった。

 

 

試合開始と共に、グデーリアンが提唱した『電撃戦』宜しく速攻を仕掛けて、八戸のティーガーⅠとSI-2を瞬く間に全滅させると、持ち前の機動力を全開にして、アウトレンジに構えているブルムベアとシュトゥルムティーガーを捕捉しこれを後面からの砲撃で撃破!!

 

 

残るはフラッグ車を含めたT28重戦車が3輌だが、此れも全く持って問題になって居なかった。

 

千歳が率いる小隊と、梓の率いる小隊が、2輌を分断し、フラッグ車を丸裸にすると、其処にみほ率いる隊長車が仕掛けて敵フラッグ車を翻弄する。

 

そして、この翻弄ですら見せ技に過ぎない。

 

 

 

「近坂部長……やっちゃってください。」

 

 

『了解よ、隊長。』

 

 

 

みほと凛が通信を終えた次の瞬間、ティーガーⅠの砲撃が炸裂し、T28重戦車の弱点である後面を見事に撃ち抜いたのだ。

 

これにより、フラッグ車のT28重戦車は白旗判定となり試合終了。

 

 

 

『八戸中学、フラッグ車行動不能。明光大付属の、勝利です。』

 

 

 

高々と告げられた明光大の勝利。1輌の損害も出さない、実に見事な勝利だった。

 

 

 

「こ、今年は私達がこんな役目か………は、果てしなく納得できねー!!」

 

 

 

まぁ、お約束だから諦めて下さい。

 

 

 

「試合の詳細がOVA化したりは……」

 

 

 

しません。

 

 

 

「ですよね、こんちくしょー!!踏み台にしたって、この扱いは酷過ぎるだろ幾ら何でもーーーー!!!激しく納得できねーわ此れ!!!!」

 

 

 

2回戦の相手になった時点で諦めるべし。

 

ともあれ、明光大は危なげなく2回戦を突破し、2年連続でのベスト4が確定した――この結果を前に、明光大を『弱小』と言う者は存在しなくなる事だろう――明光大は、立派な強豪になったのだから。

 

 

 

因みに……

 

 

 

 

「みほが勝ったか……其れもパーフェクトとはな――で、如何した安斎?」

 

 

「いや、そう遠くない未来に私も同じような扱いを受ける気がして来たんだよ西住……それが、如何か杞憂であってほしいと思ってな……。」

 

 

「何だか良く分からないが、頑張れよ安斎。」

 

 

 

此の試合を観戦していた西住まほと安斎千代美との間で、こんなやり取りがあったとか無かったとか。

 

 

何にしてもみほはベスト4に一番乗りし――それに続くように、まほ率いる黒森峰と、安斎率いる愛和学院も2回戦を突破してベスト4に!!

 

今年の準決勝は、去年以上に荒れる事に成りそうな組み合わせになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 


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