ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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休日は思い切り楽しまないとね♪Byみほ      其れは至言だわみほByエリカ      其れじゃあ、思い切り楽しみましょう♪By小梅


Panzer52『隻腕の軍神の休日です』

 

Side:みほ

 

 

 

全国大会2回戦。

 

西さん率いる愛和学院は2回戦の第1試合で、正面突破を囮にしての挟撃でキッチリとフラッグ車を撃破して準決勝進出を決め、エリカさん率いる黒森峰も地形を生かした戦い方で、自軍の車輌は1輌も撃破されずに相手戦車は全滅させるパーフェクトゲームを達成。

 

敢えて性能で劣るⅢ号を使用して、小回りが利く機動力を駆使して相手を振り回した上でキルゾーンに誘い込んでの撃破は見事だったよ♪

 

 

エリカさんが隊長になった黒森峰は、お姉ちゃんが隊長だった頃みたいな圧倒的な強さは無いけど、代わりにどんな相手であっても仕留める事が出来る柔軟性がある気がする――まるで、狼の群れが獲物によってフォーメーションを変えて狩りをするようにね。

 

そして、副隊長の小梅さんがそんなエリカさんの戦術を見事に補佐してるから、この戦い方には隙が無い――だからこそ、燃えてくるんだよ!

 

絶対戦いたいって思えるからね。

 

 

で、私達明光大の2回戦なんだけど……

 

 

「Sie konnen nicht aus der Niederlage entkommen.(貴女は敗北から逃げられません。)」

 

 

「Das ist das Ende!(此れで終わりです!)」

 

 

「そんな、まさか……嘘だぁぁぁ!!」

 

 

「でも、此れが現実です♪」

 

 

 

 

――ドガァァァァァァァァン!!

 

 

――キュポン!

 

 

 

『私立ジャスティス中学校、フラッグ車、行動不能。明光大付属中学校の勝利です!』

 

 

「まさか、二度も同じ手に引っ掛かるとは……其れ以前にオチどころか、タイトル前でやられるとは納得できん……!」

 

 

「何を言ってるのか分かりませんが、私達の勝ちです!」

 

 

1回戦とは違い、パーフェクトとは行かなかったけど大勝利!

 

高い能力で性能をまとめたアメリカ戦車を揃えて来たのは悪くないし、序盤で喰らった罠を『また来るんじゃないか』って警戒してたのは悪くないけど、2度目も同じ手で来るって考えたのは拙かったね。

 

それが結果として、『仕掛けは同じだけど中身は違う罠』を喰らう羽目になった訳だから。

 

 

何にしても、明光大も準決勝進出!

 

あと1回勝てばエリカさんとの試合が待ってるって考えると。否応なしに心が燃え上がって来るよ――だから、次の準決勝も皆と力を合わせて頑張らないと!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer52

 

『隻腕の軍神の休日です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもって、2回戦が終わった後の土曜日――学校もないから結構暇なんだよね?土日は青子さんもナオミさんもつぼみさんも既に予定が入ってるって言ってたし。

 

身体を休めるには持って来いなんだろうけど、何て言うか暇を持て余すって言うのは良くない気がするんだよねぇ?

 

戦車の彼是をお母さんに聞こうにも、お母さんは連盟が開いた戦車道指導者育成の為の講演会に、講師として出掛けてるから夕方までは戻らない……ボコのアニメDVDは全部見ちゃったしなぁ。

 

 

だからと言って、家でごろごろしてるって言うのは凄く勿体ないし……天気もいいからお出掛けしてみようかな?何か目的がある訳じゃなくても、ちょっと出掛けるのも楽しい物だし♪

 

そうと決まれば善は急げ!

 

ウェストポーチにお財布とスマホを入れて、ハンカチとポケットティッシュも入れて準備OK!

 

折角だから、今日はこの前かったばかりの新しいファッションサンダルを履いて行こうかな?学校に履いていく事は出来ないしね。

 

 

 

 

「あら、お出かけですかみほお嬢様?」

 

 

「ちょっと出かけてきますね菊代さん。」

 

 

「何処へ行くかは聞きませんが、くれぐれもお気をつけて。

 

 みほお嬢様が傷付いたら――其れだけならばまだしも、意識がないなどと言う事になったら、奥様とまほお嬢様が完全暴走して、相手を滅殺する未来しか見えませんので。」

 

 

 

 

菊代さんにこう思われてるって、お母さんとお姉ちゃんは一体何者なんだろう?疑問は残るけど、其れはきっと追求しちゃいけない事だね…。

 

とりあえず行ってきます菊代さん。何かあったら携帯に連絡しますから。

 

 

 

 

「了解しましたお嬢様――偶の休日を楽しんでください。」

 

 

「うん、行ってきます♪」

 

 

さてと、先ずは家の近くの田んぼ道を散歩して、其れから繁華街か商店街に行こうかな。ウィンドウショッピングって言うのも偶には良いしね。

 

それにしても、此の田んぼ道は昔から変わらないなぁ~~。お姉ちゃんとⅡ号に乗って遊びに来てた頃のままだ。永遠なんてモノが無いって言うのは分かってるけど、此処は出来るだけ変わらずにいて欲しいと思うよ。

 

何より、此処を吹き抜ける初夏の風は気持ち良くて好きだから。

 

 

其れで其のまま歩いて田んぼ道が終わろうとしてる所で……えっと、何してるのかな?

 

 

 

『♪』

 

 

 

突然私の前に現れた子ぎつね。

 

山や林にきつねが住んでるって言う話は聞いた事があるけど、実際に見るのは初めてだよ――しかも、なんかニコニコ(?)して、お花を口に咥えてるんだから。

 

えっと……くれるって言う事かな?

 

 

 

『コン♪』

 

 

「そうなんだ。ありがとう、綺麗なお花だね。

 

 でも、街は危ないからお家に戻った方が良いよ?お母さんが心配してるかもしれないから。」

 

 

『キュ~~♪』

 

 

 

 

って、わわ!お花を受け取ったら腕を上って、其のまま頭の上に登って来た!?……確り掴まってるみたいだし、若しかして凄く懐かれてる?

 

そう言えば、今年に入ってから家で戦車の練習をしてる時に視線を感じる事があったけど、若しかして此の子だったのかな……まさかとは思うけど、戦車に乗ってる私に興味を持っちゃったとか?

 

 

「お家にお帰りって言っても、此れだけ好かれてるんじゃ追い返すのも悪いし……一緒にお出掛けしようか?」

 

 

『♪』

 

 

 

 

あはは、期せずしてお出掛けのお供ゲットだね。

 

でも、頭の上は目立つから右肩の上に乗ってて貰って良いかな?其れから出来るだけ動かないで。動かなければ『ぬいぐるみ』って言い張る事が出来るから。

 

 

 

――シャキーン!!

 

 

 

 

って、まさかの不動!?……瞬き一つしないとは、見事なぬいぐるみっぷり。流石はきつね、化けるのは得意なんだね。

 

取り敢えず、此の子がくれたお花は茎部分を編んで即席の髪飾りにしようかな。それじゃあ、きつねさんと一緒に繁華街にぱんつぁーふぉー!

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

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・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

 

やって来ました繁華街!あんまり来る場所じゃないけど、土曜日って言う事で賑わってるなぁ。

 

駅前の広場にはくまモンも来てるしね。――若しかしたら、今日は何らかのイベントの日だったかもしれないね。……其れは其れとしてボコ仕様のくまモンは出ないのかなぁ?出たら絶対に買うのに。

 

 

 

 

「みほ?」

 

 

「みほさん?」

 

 

「ほえ?」

 

 

この声は……エリカさん!其れに小梅さんも!

 

何で此処に居るの?黒森峰は中学も学園艦だから、洋上に居ると思ってたのに……若しかして、今日は――

 

 

 

 

「お察しの通り寄港日よ。

 

 大会期間中は試合会場の港に停泊するとは言え、試合が終わればまた海の上だから陸に降りてゆっくりする機会はあんまり無いのよね。」

 

 

「それで、折角の寄港日なので外出してみたんです。

 

 外出先で、まさかみほさんと出会うとは思っていませんでしたけど――時に、右肩のその子は一体?」

 

 

 

 

ヤッパリ寄港日だったんだ。略年中海の上で過ごす学園艦暮らしじゃ、偶の寄港日に陸に上がりたいって思いは何となく分かる気がするよ。

 

で、右肩のこの子はさっきそこで知り合った子ぎつねさんだよ。

 

何だか私に懐いてくれてるみたいだから、一緒に来たんだ♪

 

 

 

 

「さっき知り合ったって……そうは思えない位に懐いてない其の子?

 

 いや、懐いてるなんて言うレベルじゃないわ……その子は完全に貴女にその身を委ねてるわ!狐は本来警戒心の強い動物だから人間に懐く事は滅多にないのに、其れが子供とは言えこうまでとは、驚きだわ。」

 

 

「野生動物は勘が鋭いから、野生の勘でみほさんの事を見極めたのかも知れませんね?」

 

 

「だとしたら、其れは喜ぶ事かな?――打算も何もない純真な子ぎつねに認められたって事だからね♪」

 

 

時にエリカさんと小梅さんは、この後の予定ってどうなってるんだろう?

 

もしよかったら、私と一緒に繁華街をぶらぶらとウィンドウショッピングでも如何かな?此処の繁華街は店も多いから、見て回るだけでも、結構楽しめるからね。

 

 

 

 

「悪くないわね?その案に乗らせて貰うわ――小梅も其れで良い?」

 

 

「勿論ですエリカさん。この3人で出かけるなんて言う事は、合宿の時ですらなかった事ですから♪」

 

 

「其れじゃあ決まり♪」

 

 

それにしても、エリカさんが私服でもスカートって言うのはちょっと意外。

 

凄く勝手なイメージだけど、エリカさんて私服は絶対にパンツルックだと思ってたんだ?何て言うか、やっぱりクール系女子はパンツルックの方が似合うイメージだから。

 

 

 

 

「偏見……とは言わないわ、私だってそれなりにレディースのジーンズ持ってるしね。

 

 でも数だけ言えばスカートの方が圧倒的に多いわよ?序に言わせて貰うなら、私としては貴女のショートパンツ姿の方が意外よ。

 

 私服は絶対にスカートだと思ってたのよ貴女は。」

 

 

「あ、其れは私も思いました……でも、ショートパンツも似合ってますよ。」

 

 

「だって、スカートよりもこっちの方が動きやすいから。其れに、小学校の頃も高学年に上がるまではスカート穿いた事なかったモン。

 

 其れに、エリカさんの『その』スカートよりは予想外じゃないと思うなぁ?」

 

 

タイトスカートじゃなくてプリーツスカートって言う時点でも結構意外なのに、スカート全体にフリフリがあしらわれてる凄く可愛い系のデザインだなんて、意外にも程があると思うよ?

 

エリカさんは服を選ばないタイプだと思うから、基本何着ても似合うと思うから、そのスカートも似合ってるけど、黒森峰の制服姿とパンツァージャケット姿しか知らない私からしたら予想外過ぎた感じ。

 

 

 

 

「……黒森峰でも小梅を含めた数人しか知らない事だけど、服装に関してはクール系も好きだけど、実はゴスロリ系も好きなのよ私。

 

 流石に今は此の位のデザインのスカート程度に止めてるけど、小学校に上がる前は結構ガチなゴスロリファッションしてた事も有ったわね。」

 

 

「意外ですよねぇ、みほさん?」

 

 

「うん、スッゴク意外だった。」

 

 

って、ん?小学校に上がる前は、結構ガチなゴスロリファッションしてたって、んん?……若しかして!

 

エリカさん、そのゴスロリファッションしてた頃に、Ⅱ号戦車に乗った姉妹に会った事ってない?妹の方が、結構強引に戦車に乗せようとしてたと思うんだけど……

 

 

 

 

「え?……そう言えば、そんな事もあったわね?

 

 そうそう、物静かな姉の方と違って、妹の方は物凄くアグレッシブで、ヤダって言ってるのに『良いから』って強引に戦車に乗せられたわ。

 

 でも、いざ乗ってみると今まで知らなかった景色が見えて、風を切って走るのが気持ち良くて……思えば、アノ体験が私が戦車道を始める切っ掛けだったのかも知れないわ――って、何で貴女がそんな事知ってるのよ?」

 

 

「その姉妹、小さい頃の私とお姉ちゃんです。」

 

 

「……え?」

 

 

「それ、本当ですかみほさん?」

 

 

 

 

マジです。本気と書いてマジです。序に、真剣と書いてもマジです。

 

エリカさんと会ったのは、小学校の大会の時が初めてだと思ってたけど、本当は其れよりも前から会ってたんだね私達姉妹とエリカさんは。

 

 

 

 

「本当に、驚きだわ……まさか、10年近く前に会っていたなんて。

 

 でも、そうなると私の戦車の原点は本当に『西住』からだったのね。

 

 小学校の時にまほさんにコテンパンにされて、その強さに憧れて黒森峰に入ったけど、本当はもっとずっと前から貴女達とは繋がって居たと言う訳ね。」

 

 

「運命的な関係ですね♪ちょっと、憧れちゃいます。」

 

 

 

 

そうだね。

 

もしもあの時エリカさんと私達が会わなかったら、エリカさんは戦車道をやってなかったかも知れないし、今日こうして偶然出会う事だって無かったかも知れないから。

 

 

 

 

「本当よね。

 

 それじゃあ、そんな運命的な出会いであった事が判明した所で、先ずは何処に行きましょうか?

 

 どうせ、ウィンドウショッピングなんだから、どんな店でも良いとは思うけど。」

 

 

「特に決めてないけど、気に入ったモノが有ったら何か買うかもしれないし……」

 

 

「なら此処は女の子っぽく洋服屋さんから回りませんか?

 

 そろそろ今年の夏物も出てくる頃ですし、試着するだけならタダですから。」

 

 

 

 

服屋さんかぁ?確かに良いかも。……そう言えば、最近少し下着がキツクなって来たから機会が有ったら新しいの買おうと思ってたしね。

 

じゃあ、先ずは駅ビルの6階に行こうか?あそこは1フロア全部服屋さんのテナントが入ってるから、見て回るには丁度良いと思うから。

 

 

 

 

「そうね、あそこならカジュアル系からフォーマル系まで色んな店が揃ってるから結構楽しめるでしょうし。」

 

 

「其れじゃあ出発進行ですね♪」

 

 

 

 

では、改めてぱんつぁーふぉー♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳でやって来た駅ビル6階のファッションフロア。(子ぎつねさんは『ぬいぐるみ』って言ったらアッサリ入店できた。)

 

先ずは婦人服売り場で目的の物(1サイズ上の下着)を買ってから、色んな店を見て回ったんだけど……どうしてこうなっちゃったのかな!?

 

 

 

 

「うん、思った通りみほには主張しない程のゴス系ファッションも良く似合うわ。」

 

 

「確かに良く似合うと思いますが、みほさんにはもっとラフな格好の方が合いますよ。だから今度は、レディースのチノパンに黒のTシャツで。

 

 そして、ワンポイントに水色の夏用短ベストを!!」

 

 

 

 

何故か只今絶賛『着せ替え人形』状態!

 

エリカさんも小梅さんも、私が試しに店員さんの言う『この夏おすすめ』って言うカジュアルなサマードレスを試着したのを見て何かスイッチが入っちゃったみたいだよ此れ!?

 

 

 

 

「確かに似合ってる、其れは否定しないけど甘いわ小梅。

 

 良い?まほさんがどっちかと言うとクール系で纏めるタイプだから、みほは可愛い系で纏めた方が2人揃った時に夫々が映えるのよ。」

 

 

「クール系と可愛い系を合わせるのは確かに基本でしょう。

 

 ですが、クール系でびしっと決めたまほ先輩とは正反対に位置するラフな服装なみほさんもまた可成り映えるんです!此れは新しい境地!」

 

 

 

 

え~と、人の事を着せ替え人形にしておいて争うのは如何かと思いますが……でも、エリカさんが選んでくれたのも、小梅さんが選んでくれたのもどっちもデザインは良いし、そんなに高くないから両方買っちゃおうかな?

 

 

 

 

「「え?」」

 

 

「着せ替え人形にされて驚いたけど、色々着せられた中でもこの2つは私好みのデザインでもあるから、どっちも買おうかなって思って。

 

 さっきのカジュアルなサマードレスを一緒に買っても余裕はあるしね。」

 

 

だけど、此処からは私のターンだよエリカさん小梅さん?

 

散々私の事を着せ替え人形にしてくれたんだから、今度は2人に私の着せ替え人形になって貰うから♪――取り敢えず、2人には私が夫々に着せられたのと同じ数の数を着て貰うからその心算でね?

 

因みに拒否権はないから♪

 

 

 

 

「まぁ、そうなりますよね?」

 

 

「結構好き放題やっちゃったからねぇ私も小梅も……まぁ、好きにしてくれていいわ。」

 

 

 

 

えへへ~、じゃあ好きにさせて貰いますね?

 

2人に似合いそうな服は大体辺りを付けておいたので、直ぐに持って来るから♪

 

 

それから、今度はエリカさんと小梅さんのファッションショーが始まって、2人共私が選んだ服の中から1つ選んで購入。

 

其の後で、別の店で浴衣を買ってファッションショッピングは終了。

 

 

其処で丁度良い時間になったから、お昼にって入ったのはエリカさんがお勧めだって言う9階のレストラン街にあるハンバーガー専門店。

 

その辺のファーストフードとは違って本格的なハンバーガーが食べられるって事だけど、ハンバーガー専門店が有るなんて言うのは初耳。

 

注文もファーストフードみたいにレジでするんじゃなくて、案内された席で店員さんを呼んでするって言うんだからファーストフードとは大違いだよ……初めての体験かな此れは。

 

 

 

 

「本音を言うならお勧めのハンバーグ屋さんを紹介したかったんだけど、みほはハンバーグだと食べづらいでしょ?

 

 だからこの店にしたのよ。ハンバーガーなら片手でも食べられるし、何よりもこの店のハンバーガーはそんじょそこらのハンバーガーとは訳が違うのよ。

 

 この店のハンバーガーを食べたら、マッ○のハンバーガーは食べられなくなるわ。」

 

 

「其れは凄そうだね……」

 

 

「ハンバーグマスターのエリカさんが太鼓判を押すハンバーガー……確かに期待大ですね♪」

 

 

 

 

ハンバーグマスターって……えっと、お勧めとかはあるのかなエリカさん?

 

 

 

 

「そうね、ドレを食べてもおいしいけど、お勧めはBLTハンバーガー、和風照り焼きバーガー、ワイルドテキサスバーガーだわ。」

 

 

「じゃあ、其れを頼みましょう。

 

 3人で別々に頼めば、分け合う事で全部の味を楽しむ事が出来るから。」

 

 

「ナイスアイディアですみほさん、それで行きましょう!!」

 

 

「そうね、其れじゃあそれをドリンクとサイドメニューのセットで頼みましょうか。サイドメニューとドリンクは決まってる?

 

 私は、ポテトとアップルタイザーにするけど。」

 

 

「私はポテトと、ジンジャーエールで。」

 

 

 

 

私はポテトとコーラで。

 

此れは、3人ともポテトと炭酸飲料だね?でも、ハンバーガーにはポテトと炭酸飲料がよく合うからね♪

 

 

取り敢えず、エリカさんが太鼓判を押すこの店の味は最高だった!冗談抜きで、今まで食べたハンバーの中で一番おいしいハンバーガーだったって言えるもん♪

 

 

そう言えば、店内のテレビのニュースで、熊本市内の動物園から生まれて1年の若虎が逃げ出したって言ってたけど大丈夫かなぁ?

 

無事につかまると良いな。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

 

そして、昼食の後も色んな店を見て、夫々が気に入った物を買って、最後にゲームセンターでゲームを楽しんでたんだけど……

 

 

 

 

「ねぇねぇ、お嬢ちゃん達、俺達と遊ばない?」

 

 

「楽しいとこ知ってんだよね俺達。ゲーセンよりももっと良い場所しってるから、一緒に如何よ?」

 

 

 

 

見た目からしてとっても軽そうな高校生くらいのお兄さん達からナンパされてます。でも、付き合う気は毛頭ないからお断りします。

 

其れに、下心が見え見えですよ?女の子をナンパするなら、せめてその駄々洩れの欲望を抑える事が出来る様になってからの方が良いと思いますよ?

 

そんなんじゃ、誰も引っ掛ける事は出来ないと思いますから。

 

 

 

 

「みほさんの意見に賛同ですね。」

 

 

「そう言う訳だからさっさと散りなさい三下。

 

 馬鹿は馬鹿でも、つまらない馬鹿程疲れる物は無いのよね。せめて声かけるなら、もう少し脳味噌の皺を増やしてからにしてほしいわね。」

 

 

「そして回れ右、後で猛獣が唸ってますから♪」

 

 

「「「へ?」」」

 

 

『ガルルルルルル……』

 

 

 

 

何時の間にか、ナンパさんの後には、昼間のニュースで言ってた動物園から逃げ出したのだと思われる若虎が……食い殺されたくなかったら早急に逃げる事をお勧めします。

 

 

 

 

「「「虎ぁ!?」」」

 

 

『ガァァァァァァァァァ!!!!』

 

 

「「「ひぃ!?に、逃げろーーー!!!」」」

 

 

 

 

……蜘蛛の子散らすように逃げてったね。

 

取り敢えずありがとう、アナタのお陰で面倒な事にならずに済んだよ虎さん。

 

 

 

 

『グルル……』

 

 

「って、あらら……」

 

 

「みほさんの前に伏せて頭を摺り寄せてますね此れ……」

 

 

「完全服従のサイン……虎を従えるって、本気でハンパないわねアンタ――だけど、如何するのよ此れ?動物園から逃げ出したんなら放って

 

 は置けないでしょ?」

 

 

 

 

まぁ、そうだけど、取り敢えず動物園に連絡して引き取りに来てもらおうか?

 

其れで大人しく職員の人に従えば其れで良いけど、私の傍を離れないようだったら、その時は私が引き取る事にするよ――西住の家は昔から、当主がいろんな動物を飼ってたみたいで、希少動物を飼う際に必要になる『飼育許可書』も色々取得してるから虎の飼育も出来るから。

 

 

 

で、連絡を入れたらすぐに動物園の職員さんが来てくれたんだけど、虎が私の傍から離れなかったから、協議の結果私が飼う事になったよ。

 

キツネと虎……期せずして犬に続く新たなペットがゲットできたよ。

 

キツネの名前は『ロンメル』で、虎の名前は『アンドリュー』だね。

 

 

そして、楽しい時間もそろそろ終わりだね。

 

期せずして、一緒にお出掛けする事になったけど、今日はとっても楽しかったよエリカさん、小梅さん。

 

 

 

 

「其れは私達もよ――虎と出会うなんて言うハプニングにも遭遇できたし、そう言う意味ではとっても充実していたわみほ。」

 

 

「私もとっても楽しかったですみほさん。最高の休日でした!」

 

 

「なら良かったです――次に会うのは大会の会場でしょうか?」

 

 

「でしょうね――次は準決勝。

 

 私達黒森峰の相手は、因縁の相手である愛和学院――去年の雪辱を果たして決勝に進んで見せるわ!だから、貴女も必ず決勝に上がって来なさいよみほ?」

 

 

 

 

はい、勿論その心算です!

 

中学校最後の大会、其れはエリカさんと小梅さんと戦って終わりたいですから!!だから、週明けの準決勝は互いに頑張りましょう!!!

 

 

 

 

「決勝で待ってるわよみほ。」

 

 

「決勝で最高の戦いをしましょうみほさん。」

 

 

「うん!必ず決勝で待っててね!私も絶対に其処まで行くから!」

 

 

別れ際に、決勝戦を戦う約束をね。

 

此れは、絶対に今度の準決勝は勝たないとだよ――エリカさん率いる黒森峰は、愛和学院に去年の雪辱を果たすだろうからね。

 

だから私達明光大も絶対に勝つよ!勝って、決勝戦を最高の形で迎えたいから。――最後の大会は、最高のライバルとの対決で終わりたいからね。

 

 

決勝で会うのを楽しみにしてるよエリカさん、小梅さん♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 




キャラクター補足




ロンメル

みほが出会った子ぎつねで、みほに懐いている。

あまりに懐いているのでみほがペットとして飼う事にした。

名前の由来は『砂漠の狐』として名をはせたドイツのロンメル将軍から。




アンドリュー

熊本市内の動物園から脱走した若虎。

野生の本能でみほが自分よりも上だと感じたらしく、初対面でありながらみほに服従を示し、其のままみほのペットになる。

名前の由来は『機動戦士ガンダムSEED』に登場した『砂漠の虎』アンドリュー・バルトフェルドから。


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