ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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次代への引継ぎと己の進路は大事だよねByみほ      高校の選択は、一生モノって言うしByナオミ     まぁ、如何とでもなるだろうけどなBy青子


Panzer65『引継ぎと、夫々の進路です』

Side:みほ

 

 

 

思い返してみれば今年の夏休みも色々あったなぁ。

 

 

恒例の合宿では、私とエリカさんと小梅さんが半ば無双、そして最終日の打ち上げでは、海水浴のシュノーケリングでまさかの首長竜と遭遇して、その日の夜はバーベキューで盛り上がったね。

 

 

町内肝試し大会では、まさかのリアルな魔界の住人であるザ・グレート・ムタと出会って、あまつさえサインまで貰っちゃったけど、其れもまた良い思い出だね――魔界の住人の生サインなんて、まず貰う事は出来ないだろうと思うから。

 

 

夏祭りは、皆が新作の浴衣を着て楽しんだね――エリカさんの黒地に銀糸で天の川が刺繍された浴衣はとてもよく似合ってたし、小梅さんの真紅の生地に金糸で刺しゅうを施した袖なしタイプの浴衣も凄かったね。

 

私の水色の生地に、金魚が刺繍された浴衣も、結構人気だったみたいだけど。

 

 

アウトドアは、何故か途中からサバイバル訓練と化してたんだけど、その甲斐あって、どんな状況であっても生き延びる事が出来る自信は付いたのは間違いないよ。

 

 

そして、夏休みに行われた、進路相談を兼ねた三者面談は、担任の先生が戦々恐々だったね。

 

まぁ、お母さんが相手じゃしょうがないかな?……日本の戦車道二大流派の片割れである西住流の師範が来たとなれば、先生だって緊張しちゃうだろうからね。

 

 

加えて『娘さんの進路は?』って聞かれたお母さんは、考える事もせずに『みほは黒森峰に入学させます――今年の大会を見る限り、みほへのスカウトが増えるのは確実。けれど、他所の学校にみほは渡さない』って言って、先生を驚愕させてたよ……うん、その気持ちは嬉しかったけど、此れで私が黒森峰に通う事は確定しちゃったね――まぁ、西住の娘に生まれた以上、高校は黒森峰は避けられないからね。

 

 

だけどまぁ、エリカさんと小梅さんも黒森峰に来るだろうから、窮屈な思いはしないで済むかもしれないよ――

 

 

 

 

其れは其れとして、今年の夏休みも最終日の8月31日は、青子さんの夏休みの課題の消化って言う事で、西住流の屋敷に泊まり込んで夏休みの課題をフルコンプリート!

 

 

そして気が付けば、2学期の始まり――此処からが、明光大の大事な所だね。私達が引退した後のチームの事を考えないといけないしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer65

 

『引継ぎと、夫々の進路です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと2学期始まって早々の部活だけど、今日は来季に向けての新隊長を任命しようと思ってんだ――勿論それだけじゃなくて、今後の彼是を考える機会なんだけどね。

 

 

取り敢えず、そう言う事でミーティングを始めましょう。

 

 

 

 

「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

うん、良い返事だね♪

 

 

其れじゃあ、まず最初に来年度の隊長を任命したいと思います――来季の隊長は……澤梓さん、貴女に隊長職のバトンを渡します。……受けてくれるよね、梓ちゃん?

 

 

 

 

「勿論、このバトン、しかと受け継ぎ、そして後年にも回して行きたいと思います!!

 

 まだまだ西住隊長には及びませんが、隊長が私を新隊長として選んでくれたのならば、これ程嬉しい事はありません!――隊長職、精神誠意務めさせて頂きます!!」

 

 

「うん、その意気だよ梓ちゃん♪」

 

 

此れで隊長は梓ちゃんで決まりだね。皆が拍手して、満場一致って奴だよ。――それで、副隊長は如何しようか?

 

去年と一昨年は、私が隊長で副隊長が近坂先輩で、今年は私が直々に梓ちゃんを副隊長に指名したから、次の副隊長はどうなるかって言うのは当然の事だよ。

 

 

でも、此れに関しては、梓ちゃんが直接指名して決めるの良いと思うな――私も去年、其れで貴女を副隊長に選んだんだからね。

 

 

 

 

「わ、私が副隊長を選ぶんですか!?」

 

 

「そう言ったつもりだけど、若しかして分かり辛かったかな?

 

 副隊長を選ぶって、実は新隊長の初めての仕事なんだよね?――勿論、私が指名しても良いんだけど、其れだと私が副隊長にしたい子を選んじゃうよね?

 

 新副隊長は、新隊長が自分の副官足り得ると思う子を選ぶのが一番だと思うんだ。」

 

 

「それは……確かにそうですね?――分かりました、副隊長は自分で選びます!」

 

 

 

 

うん、良い返事だね梓ちゃん。其れで、誰を副隊長にするのかな?

 

この場で決めろって言うのは、少し乱暴なのかも知れないけど、梓ちゃんは副隊長として大会でチームを指揮する事も有ったし、普段の練習でも、私と一緒にチームを指揮する事が多かったから、明光大戦車道チームの個々の能力はある程度把握してる筈。

 

なら、その中から梓ちゃんが、自分の副官に最も適してるのは誰か位は、少し考えていたと思うからね。

 

 

 

 

「私は、新藤歩美さんを副隊長に選びたいと思います!」

 

 

「いぃ、私ですか澤先輩!?」

 

 

 

 

歩美ちゃんか……入部早々、私に喧嘩売って来た威勢の良い子だし、その後の練習を経て1年生の中でもメキメキと頭角を現して来た子だから副隊長としては申し分ないと思うけど、一応理由を聞いておこうかな?

 

 

 

 

「彼女は、今年の1年生の中でも可成り高い実力を持っていました。

 

 其れだけならば何と言う事はないんですが、入部して行き成り西住たいちょ……先輩に喧嘩を売った度胸と、敗北を素直に受け入れる態度 に、その後の練習に誰よりも真摯に打ち込んで己を伸ばしていた姿勢、それらを考えると、歩美さんは副隊長に適任だと思うんです。」

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください澤先輩!

 

 私を其処まで評価してくれるのは有り難いんですけど、私が副隊長で良いんですか!?入部早々、西住隊長に喧嘩売ったならず者ですよ私は!?」

 

 

「その度胸を評価したんだから問題ないよ新藤。

 

 其れに、西住先輩の一番弟子である私が選んだんだから間違いない。少なくとも、私はそう思ってるから。」

 

 

 

 

私の一番弟子が選んだんだから間違いないとは、大きく出たね梓ちゃん?

 

だけど、其れ位の気概が無いと隊長なんて務まらないから良いと思うな。――で、歩美ちゃんは如何するの?梓ちゃんは、貴女を副隊長にしたいと思ってるみたいだけれど?

 

どうしても無理だって言うなら辞退しても良いんだよ?その時は、別の誰かに頼むだけだから。

 

 

 

 

「……其処まで言われたら、やるしかないじゃないですか。

 

 てか、副隊長として澤先輩の片腕になれるなんて光栄ですよ――隻腕の軍神の後継者である『軍神を継ぐ者』の副官、誠心誠意職務を全うさせて貰います!!」

 

 

「うん、頼りにしてるよ新藤♪」

 

 

「此れで副隊長も決まりだね。――残るは部長だけど、如何しようか梓ちゃん?」

 

 

「部長はクロエに頼む事になってますよ西住先輩。

 

 クロエと相談して、もしも私が隊長に選ばれた時にはクロエに部長をお願いするねって言ってありましたから。」

 

 

「だから心配ないヨ。

 

 アズサは隊長職で色々忙しいだろうから、部の運営は私が全力で取り組むサ――ミキ先生も顧問として手伝ってくれるだろうから、戦車道部の運営は其処まで大変じゃないと思うしネ。」

 

 

 

 

部長はクロエちゃんに頼んでたんだ。うん、良いかもね。

 

奇しくも私の時と同じく、隊長と部長が揃って隊長チームって言う事になったけど、其れは其れで隊長と部長の距離が近いから良い事なのかも知れないね。

 

 

此れで、来年度の体制は取り敢えず決まったね。

 

 

そして、其れとは別に、西住流から新たに明光大にパンターG型1輌と、ティーガーⅡ1輌、ヤークトパンター2輌を送って貰えるんだけど、例によってボロボロだからレストアが必要なんだ。

 

今年までは、椿姫さんの東雲工場に頼んでたけど、来年からは椿姫さんが居なくなるから整備を簡単には頼めない……此れからの明光大の整備班を考えないとだよ。

 

 

 

 

「其れなんだけど、心配ないわよ西住。

 

 親父ったら偉く明光大の事を気に入っててさ、『俺の目の黒い内は、明光大の戦車の整備は俺が引き受けたるわぁぁぁぁ!!』って言ってたからね。」

 

 

「……アッサリ整備の問題も解決したね。」

 

 

本当に、東雲工場の方々には頭が下がります!今年の大会を勝ち進む事が出来たのも、東雲工場の皆さんが戦車に神レベルの整備をしてくれたお陰だからね。

 

 

でも、その東雲工場が此れからも整備をしてくれるって言うなら明光大の戦車道部は安泰かな?東雲工場の整備の腕は、お父さんに勝るとも劣らないレベルだからね。

 

 

此れなら、安心して引退できそうだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:エリカ

 

 

 

さてと、大会も終わり、夏休みの合宿も終わって、そして2学期な訳だけど、来年度に向けて新体制を考えないといけないのよね――私としては、来年度の隊長はツェスカが適任だと思うけれど、貴女は如何考えるかしら小梅?

 

 

 

 

「良いんじゃないですか?ベストとは言いませんが、最もベターな選択だと思いますよエリカさん。――と言うか、エリカさんの中ではツェスカを次期隊長に任命する事は決まっているのでしょう?

 

 なら、悩む事なんて無いじゃないですか。」

 

 

「普通に考えればそうなんだけど、問題はツェスカがドイツからの留学生って事なのよ。」

 

 

此れまで黒森峰の隊長を務めていたのは、人種を問わずに『日本に住んでいた』人達で、海外からの留学生が隊長になった例は、一件もないのよ此れが。

 

勿論、そんな伝統がある訳でもないから、ツェスカが隊長でも問題ないとは思うんだけど、頑固頭のOG会のババア共が何言ってくるか分かった物じゃないから、ちょっと慎重にもなるのよ、私でもね。

 

 

 

 

「あ~~……高等部ほどじゃないにしても、OG会の小母さま達は、自分が試合に出る訳でもないのに彼是と口喧しいですからね?

 

 あんまり口煩く言ってくるようだったら、喧嘩キックからのSTFのコンボを決めてOG会の適当な誰かをKOしちゃえばいいと思います――口だけのOG会なんて、其れで黙らせればいいんです。」

 

 

「……それを実行した場合、貴女は如何するのかしら小梅?」

 

 

「ドラゴンスクリューからシャイニングウィザードに繋いで、トドメに足四の字固めでガッチリ決めます。其れで決められなかったら、ローリングエルボーからフェイスクラッシャーを喰らわせて、ムーンサルトプレスで止めです。」

 

 

 

 

何で、選択したコンボがどこぞの天才プロレスラーのフィニッシュコンボなのか……まぁ、副隊長様に其れだけの気概があれば、隊長としては心強い限りよ。

 

来季の隊長はツェスカ以外に居ないから、何が何でも其れをOG会のババア共に教えてやらないとだからね!

 

 

時に、隊長はツェスカとして、副隊長は如何するの?副隊長の人選は、貴女に任せていたわよね小梅?

 

 

 

 

「ご安心くださいエリカさん。其処は勿論抜かりなしです。

 

 副隊長には、今年の1年生の中から、行きの良い子を選びましたから期待してくれていいですよ?あの子なら、ツェスカの副官としても最高だと思いますから。」

 

 

「ふぅん?……貴女が其処までの太鼓判を押すなら期待出来るわね。」

 

 

小梅は人を見る目が有るから、その小梅が選んだ人なら副隊長として申し分ないのは間違いないわ――此れで、黒森峰の来季の体制も盤石と言えるわ。

 

 

最も、明光大も負けず劣らずの新体制を確立しているだろうけどね。

 

 

今年の大会は、引き分けの同点優勝だったけど、その戦いの決着は、きっと私達の後輩達が付けてくれる筈――ツェスカが隊長を務める黒森峰と、恐らくは澤が隊長となるであろう明光大……それが来年の大会で、どんな戦いをするのか、今から楽しみだわ。

 

 

きっと、凄い試合になるのは間違いないでしょうね――楽しみにしているわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

 

練習が終わった後は、毎度馴染み放課後ターイム♪

 

本日はゲームセンターで、只今エアホッケーで対戦中!チーム分けは、私とナオミさん、青子さんとつぼみさんでね。――よし、パッドを止めたので、ナオミさんお願いします!!

 

 

 

 

「任せなさい!吉良ナオミ、目標を狙い撃つ!!」

 

 

 

 

――パカーン!!……スコン!

 

 

 

 

お見事、壁の反射を利用しないストレートショットでゴールするとは、流石は明光大一の砲撃手、針の穴を抜くような正確なショットだね?

 

さっきは、ガンシューティングで本日の最高得点記録してたし、『撃つ』事に関しては、ナオミさんの右に出る者は居ないかも知れないよ。

 

 

 

 

「流石はナオミ、見事な一撃だったが、明光大最速装填記録持ってるアタシと!」

 

 

「明光大一の俊足を舐めたらいけないわよ!!」

 

 

 

 

む……青子さんの素早いバッドセットから、つぼみさんの高速スマッシュ!

 

壁反射を巧く使った、高速のリフレクショットは、中々読みづらい。――だけど、読めない訳じゃないから……ここで、カウンターのスマッシュ!

 

 

 

――パコーン!!……カコン!!

 

 

 

 

「んな!?」

 

 

「スマッシュ一撃で!?」

 

 

「えへへ、此れで10対7。私とナオミさんの勝ちだね♪」

 

 

「そう言う訳だから、この後のスウィーツは、貴女達持ちね。」

 

 

「「うぇ~~~~い。」」

 

 

 

 

『負けた方が勝った方に、スウィーツ奢る』って言う条件を提案して来たのは、青子さんとつぼみさんだから、其処はキッチリ約束を守ってね?

 

……『口約束は約束ではない』何て言っちゃダメだよ?

 

 

 

 

「言わねぇよ、そんなセコイ事!ただ、あんまし高いのは勘弁な?……中学生の小遣いなんて高が知れてんだから。」

 

 

「勿論、そんな無茶な物は頼まないよ。」

 

 

其れに、このビルのテナントで入ってる軽食屋さんて、アイスとかクレープとか、タコ焼きとかドーナツって、それ程高いモノじゃないし、学生や若者をターゲットにしてるから、お高い高級店は無いからね。

 

 

さてと、其れじゃあそろそろ移動しようか?行くよ、アンドリュー。ロンメル。

 

 

 

 

「ガウ。」

 

 

「コン♪」

 

 

 

「……慣れとは恐ろしいモノだと言うけれど、慣れたとは言っても、毎度の事ながら凄い光景よね此れ?SNSでも、結構話題になってるし。」

 

 

「『虎と狐と隻腕の美少女』な。」

 

 

「Y○u Tu○eとかには動画も上がってるものねぇ……みほさんは、戦車道以外でも全国区の人気者になってると言えると思うわ。」

 

 

 

 

へ?そんな事になってたの!?……全然知らなかったよ。

 

でもまぁ、確かに左腕のない女子中学生が、頭に子ぎつねのっけて、更に大虎を連れていれば注目もされるか……アンドリューは、今や『明光大付属中の門番』と言われる位に、この地域でも有名だしね。

 

ふふ、此れもまた私の個性って言う所なのかもしれないかな♪

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

 

で、最上階にあるフードコーナーで、今日はクレープです。

 

アイスって言うほど暑くもないし、だからと言ってたい焼きやドーナツって気分でもなかったからクレープと、甘いカフェオレで。因みに、私がキャラメルチョコホイップで、青子さんが王道のチョコバナナカスタードで、ナオミさんがキャラメルアーモンドホイップで、つぼみさんがトリプルベリーホイップ&カスタード。

 

さっきのエアホッケーの結果で、私の分は青子さんが、ナオミさんの分はつぼみさんが支払ったんだけど、つぼみさんはナオミさんが頼んだのよりも高いやつだよね?……ナオミさんよりも自分でお財布にダメージを与えてるよ此れ……まぁ、其処は言わない方が良いね。

 

 

「そう言えば、皆は進路は如何するの?高校戦車道の有名所からスカウトが来てると思うんだけど?」

 

 

「あ~~~……そう言えば来てたな、色んな所から。

 

 アタシの所には、BC自由学園、アンツィオ、サンダースとコアラの森と、黒森峰から来てんな。」

 

 

「私の所には、サンダース、ヴァイキング水産、継続とプラウダ。それから黒森峰からだね。」

 

 

「私には、聖グロリアーナ、アンツィオ、知波単、BC自由と黒森峰から来てるわ。――そう言うみほさんは、何処からスカウトを受けてるの?」

 

 

 

 

私は、聖グロ、サンダース、プラウダ、黒森峰の『高校4強』の他に、継続とアンツィオから熱烈なラブコールを貰ってるよ。特にサンダースなんて、去年の準決勝で戦った蛍さん改め、ケイさんが直接スカウトに来てくれたからね。

 

でも、こうしてみると、隊長チーム全員が黒森峰からスカウト受けてる訳だから、此れは凄い事だと思うよ?今年の大会で、高校戦車道大会9連覇を成し遂げた『絶対王者』からスカウトを受けた訳だからね。

 

ケイさんには悪いけれど、私は黒森峰に行くけど、皆は如何するの?――一応確認しておくけど、黒森峰に来る気はないんだよね?

 

 

 

 

「そうね、折角のお誘いだけど、私はサンダースに行くわ。私の所にもケイさんが直々にスカウトに来てくれたしね。」

 

 

「私は聖グロに行くわ。

 

 アンツィオや知波単、黒森峰も魅力だけれど、お堅そうな聖グロが態々私みたいな暴走超特急に声をかけてくれたのには、何か理由がある筈!なら、其れに応えないのは不義理ですもの!」

 

 

 

 

暴走超特急って、其れ自分で言っちゃうのが凄いよつぼみさんは。

 

其れで、青子さんは何処に行くのかな?

 

 

 

 

「アタシは、アンツィオに行こうと思ってんだ。」

 

 

「「「え!?」」」

 

 

 

まさかのアンツィオ!?

 

お姉ちゃんのライバルだった安斎さんが隊長を務めてるって言う事だけど、タンケッテのCV33と自走砲のセモヴェンテしかないアンツィオを選ぶなんて、随分思い切ったね青子さん?

 

 

 

 

「いやぁ、アンツィオの総帥ドゥーチェってのが直々にスカウトに来てくれてさ?

 

 『お前の思い切りの良さと、勢いの良さはアンツィオにとって必要な物だ!アンツィオ再興に力を貸してくれ!』なんて、言われたら断れねぇじゃん?

 

 何よりも、弱小校の立て直しってのが気に入ったんだ――みほが明光大を強豪にしたように、アタシが加入した事でアンツィオが強くなれるんなら、こんなに嬉しい事はねぇしな♪」

 

 

 

 

成程、そう言う事ならアンツィオへの進学もアリかもね。――そして嬉しいな、安斎さんは、青子さんの力をアンツィオ再興に必要だと思ってくれた訳だからね。

 

 

でも、分かってた事だけど、高校では皆バラバラになちゃうんだね……それが、少し寂しいかも。

 

 

 

 

「其れは、確かにそうだけど、高校がバラバラになったからってアタシ等の絆が消えてなくなる訳じゃねぇだろ?

 

 此れまでは仲間として戦ってきたが、今度はライバルとして戦う事になるってだけのこった!――其れに、中学では3年間、みほと一緒に戦ったから、高校ではみほと戦いたいんだよ。」

 

 

「最高の軍神と共に戦う事が出来たのは良い経験だったから、高校では私達が軍神に挑ませて貰うわ。」

 

 

「仲間としては、心行くまで一緒に戦ったから、今度は対戦相手として心行くまで戦いましょうみほさん!」

 

 

 

 

そうだね、確かに青子さんの言う通りだね――学校はバラバラになっても、絆が消えてなくなる訳じゃないからね。

 

其れに、皆と戦いたいって言うのは私もだから。……撃破率は中学戦車道最高の90%を誇るナオミさんに、最高装填速度0.6秒を誇る青子さん。そして、戦車の常識を余裕で覆す操縦をするつぼみさん。

 

皆とは、是非一度戦ってみたいと思っていたから、そう言う意味では高校がばらけるのは良いのかも知れないね。

 

 

 

 

「仲間として戦った後はライバルだってな?……簡単には勝たせねぇからな!!何たって、アタシはみほのやって来そうな事は、全部予想出来るからな!!」

 

 

「青子、アンタが予想してる事なんて、みほは簡単に超えて来るわよ?」

 

 

「隻腕の軍神は、そう簡単に倒せないわよ青子さん。」

 

 

「んな事は分かってらぁ!此れ位の気概が無きゃみほには勝てねぇって言う事だよ!!」

 

 

「なら、アンツィオに行ったら頑張らないとだね青子さん?――アンツィオの総帥と青子さんが力を合わせれば、或いは私とお姉ちゃんが居る黒森峰を倒す事が出来るかも知れないよ?

 

 勿論、ナオミさんの居るサンダースと、つぼみさんが居る聖グロもね。」

 

 

だけど、来年の黒森峰にはお姉ちゃんと私、其れに近坂先輩と、エリカさんと小梅さんが居るからそうそう簡単には負けないと思うけどね。

 

 

 

 

「その最強黒森峰を倒したら最高にカッコいい件に付いて。」

 

 

「其れは否定しないかなぁ?」

 

 

観客は絶対王者の勝利を信じていながらも、心の何処かではジャイアントキリングを期待する物だからね――もしも其れを成し遂げたら、もの凄い支持を得るのは間違いないよ。

 

 

まだ先の事だけど、高校での戦車道が楽しみになって来たよ♪

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

 

家に帰ってから、お母さんに正式に黒森峰からの推薦を受ける旨を伝えたら、お母さんは二つ返事でOKしてくれたよ。――三者面談では、あんな風に言ってたけど、最終的に決めるのは私だからね。

 

西住の娘だから、高校は黒森峰って言う事がなかったとは言わないけど、それ以上に、黒森峰でエリカさんと小梅さんと一緒に戦いたいと思ったから、私は黒森峰を選んだんだから。

 

 

お姉ちゃんと近坂先輩もいるし、今から高校生活が楽しみだよ。

 

 

 

 

『や~ってやる、や~ってやる、や~ってやるぜ。』

 

 

 

 

っと、着信?ボコのテーマは、エリカさんだね?……はい、もしもし。

 

 

 

 

『もしもしみほ?エリカだけど、そっちは引継ぎとか如何?巧く行ってる?』

 

 

 

 

勿論巧く行ってるよエリカさん。――今日のミーティングで、新隊長と新副隊長も決まったしね?……来季の明光大も、可成り強いから、簡単に勝つ事は出来ないと思うよ。

 

 

 

 

『でしょうね――其れは其れとして、貴女は進路は決まってるのかしら?』

 

 

「うん、決まってるよ――私は黒森峰に進む心算だよ。熱烈なラブコールも受けていたからね。……何よりも、お姉ちゃんと一緒に戦う事が出来るなんて、こんなに嬉しい事はないからね!

 

 あ、勿論エリカさんや小梅さんと一緒に戦う事が出来るのも嬉しいからね♪」

 

 

『黒森峰に来てくれるのね?……なら嬉しいわ。

 

 小学校と中学校ではとことんやり合たから、高校では仲間として戦いたいと思っていたのよ――願いが叶ったわね此れは。

 

 高校に入ったら、世話になるわねみほ。』

 

 

 

 

此方こそお願いしますエリカさん。貴女と一緒なら、きっと最高のパフォーマンスが出来ると思いますから!勿論小梅さんもですけれど!!!

 

 

 

 

『その言葉、小梅にも伝えておくわ――其れじゃあまたねみほ、高校で会うのを楽しみにしているわ。』

 

 

「はい、其れは私もですエリカさん。」

 

 

私の進路は黒森峰一択だけど、黒森峰に、私の戦車道って言う楔を打ち込む心算だしね――今の黒森峰は、搦め手に弱いから、そう言った部分を克服していかないといけないからね。

 

其処を克服するのが私の役目だろうって思うから。

 

 

何にしても、高校は皆バラバラになっちゃうから中学の思い出はいっぱい作っておかないとだよ――中学校生活は、残る所半年だからね?

 

 

 

 

『そうね、忘れられない思い出を作らないと損よね。』

 

 

「はい、そうです。その通りです!」

 

 

だから残り半年を精一杯過ごさないとだよ――中学最後の一年は、最高の思い出をたくさん残したいって思ってるからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

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