ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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ガチガチかと思ったけど、文化祭はオープンなんだね?Byみほ      お祭りもガチガチじゃ息が詰まるわよByエリカ


Panzer67『突撃!黒森峰の文化祭です!』

Side:みほ

 

 

 

体育祭と並ぶ、2学期の一大イベント、其れは文化祭!

 

明光大の文化祭は今年も大盛況で、特に去年に引き続いて行った、戦車道部の屋台村は今年も他の部の出店を余裕でぶっちぎって最大の売り上げを記録したね。

 

 

此れだけ盛況だったのは、梓ちゃんが私特製の揚げタコ焼きを習いに来た事が大きいね。

 

戦車道のみならず、梓ちゃんは物覚えが良いみたいで、私が2回ほど実演して見せたら、其れだけで揚げタコ焼きの極意を会得して、文化祭では、私の屋台と人気を二分にしていたからね。

 

 

尤も、招待したエリカさんと小梅さんによると――

 

 

 

 

『中々良い線行ってると思うけど、みほと比べればまだまだね……だけど基礎が出来てるから、此処からの伸びしろは少なくないわ。』

 

 

『お口の中が幸せ~~……とは行きませんが、余程のタコ焼きマニアでない限り、澤さんの揚げタコ焼きに難癖をつける事は出来ません!

 

 みほさんの揚げタコ焼きには少々劣りますけど、それでも、至高のタコ焼きであるのは間違いありませんから♪』

 

 

 

 

なんてことを言ってたから、梓ちゃんのタコ焼きも大盛況だったんだろうね。

 

 

で、大盛況の中で明光大の文化祭は終わり……そして今、私達は目の前のド級の学園艦と対峙していた……黒森峰の学園艦と。

 

正にその大きさは圧倒的だね?……高等部の学園艦は更に大きいみたいだから、マッタク持って想像もつかないよね此れは……改めて学園艦って言うモノがドレだけ凄かったのかって実感させられたよ。

 

 

だけど、私達は学園艦に圧倒されるために此処に来た訳じゃないよ?――本当の目的は、エリカさんと小梅さん(梓ちゃんの所にも招待状が来てたみたいだね。)から、黒森峰の学園祭の招待状を貰って、偶々寄港日が重なるから色々調整して、そして無事に参加できました!!

 

 

招待状を貰った以上は出るのが礼儀だし、なによりも黒森峰の文化祭がどんなものなのか、期待が膨らんじゃうね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer67

 

[chapter:『突撃!黒森峰の文化祭です!』

 

]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

其れにしても、流石は黒森峰。学園の規模が大きいから、文化祭の規模も明光大とは桁違いだよ。

 

文化祭の時には、幾ら黒森峰でも、お祭り色一色にそまって普段のガチガチに堅いイメージは薄れてるみたいだし、色んな出店が所狭しと出ててとっても楽しそう!

 

 

で、私が今現在何をしてるのかと言うと、屋台の定番の一つであるスーパーボール掬い!

 

何時もなら興味はそそられないんだけど、激レア『フォーリンダウンボコ』を閉じ込めた、直径5cmのスーパーボールがあるって言うのなら話は別だよ!!

 

超限定品で僅か10個しか作られてない激レアボコを内蔵したスーパーボールは、絶対に外せないからね!!

 

 

「1回200円……此れって、取れるだけ取って良いの?」

 

 

「まぁ、お玉に入るだけ取って貰って構わないわ。……だからと言って、超巨大な給食調理用のお玉を持って来て全部取られても困るけど…」

 

 

 

 

いや、やらないよそんな事?……エリカさんが一昨年の夏祭りの時に、青子さんとつぼみさんと一緒に、金魚全部取りつくす勢いで掬いまくってたけど、沢山取っても困るだけだからね。

 

其れに、私の目的は只一つだから!

 

 

激レアボコ入りスーパーボール……貰ったぁ!!!

 

 

 

――スパン!!……コロン。コンコンコン……

 

 

 

 

「激レアボコ入りスーパーボール他3個、ゲットだよ!!」

 

 

「お~~~!特大スーパーボールだけじゃなくて、中型のスーパーボールも3つ同時に取るなんて、流石は隻腕の軍神様ね!!」

 

 

「へ?私の事知ってるんですか?」

 

 

「黒森峰で、貴女の事を知らない人はいないわよ?

 

 あの西住まほ隊長の妹さんにして、弱小校を隊長就任1年目でベスト4に引っ張り出し、2年目では黒森峰を倒した愛和学院を下して優勝。

 

 そんでもって今年は、あの狂犬逸見と大激戦を演じた末の壮大な痛み分けでの同点優勝をした訳だから、貴女の意志に係わらず有名にもなるってモンでしょ?

 

 と言うか、今の戦車道界隈で、弱小校を強豪に育て上げた隻腕の軍神・西住みほと、同点優勝とは言え、大会前の下馬評を引っ繰り返した狂犬・逸見エリカの名を知らない人はいないんじゃないの?

 

 序に言うと、その両名の副官を務めた赤星と、澤も、其れなりに有名人になってるわね。」

 

 

 

 

まさか、其処まで名が知れ渡ってるとは思わなかったよ、うん。

 

戦車道が必須科目だって言う機甲科の生徒ならいざ知らず、そうじゃない学科の生徒にまで名が知られてるって言うのは意外だよ。……其れ以前に、戦車道界隈でエリカさん共々名が知られてるとは思わなかった。

 

……でも、エリカさんが狂犬て言うのは如何だろう?どっちかって言うと、強大な相手にも怯まない銀狼って言う感じがするんだけどなぁ?

 

 

 

 

「周りの連中は、逸見の事を、髪の色に準えて『銀狼』って言ってるんだけど、当の逸見自身が『私は銀狼なんて上品なモンじゃない――敵と見做した相手には、誰彼構わず噛みつく狂犬よ』って言ってるからさ。

 

 下級生の間では兎も角、同級生の間では銀狼よりも、狂犬の二つ名の方が定着しちゃってんだわ。」

 

 

「自分で自分を狂犬と言うなんて、狂犬の如き凶暴性を、エリカさんは自覚してコントロールしてるって事なのかも知れないね……うん、何となく間違いじゃない気がして来た。」

 

 

だとしたら、エリカさんは凄すぎるとしか言いようがないよ?……己の中に眠る凶暴性を自覚して、其れをコントロールするって言うのは、並大抵の事じゃないからね――流石はエリカさんだよ。

 

 

さてと、目的の物はゲットできたし、そろそろ移動しようか?

 

ナオミさんは、射的をやってたみたいだけど何か良い物は取れた?ナオミさんの砲撃手としての腕を考えれば、取った商品の数=使える弾の数なんじゃないかと思うんだけど?

 

 

 

 

「期待は裏切らないわよみほ。300円で10発のコルク弾で、賞品を12個ゲットしてあげたわ。」

 

 

「弾数と、ゲット商品の数がおかしくねぇか?」

 

 

「跳弾を利用して、1発で2個ゲットって言うのを2回だけやってみたのよ――自分で言うのもなんだけど、見事なまでに成功したわね。」

 

 

「流石、明光大一の砲撃手の狙いは、的確に目標を狙い撃つと言う事ね?」

 

 

 

 

まさか、跳弾を利用して商品を2個ゲットしての、パーフェクトを上回る戦果を叩き出すとは凄すぎるよナオミさん!

 

若しかしなくても、ナオミさんの砲撃手としての腕は、お姉ちゃんが見事だって言ってた、プラウダ高校のノンナさんに匹敵するか、それ以上なんじゃないのかな?

 

そんなナオミさんが加わる、来年のサンダースは間違いなく強敵になるだろうね……時に青子さんとつぼみさんは、何を買ってるの?

 

明らかに超有名な電気ネズミのパクリとしか思えないお面と、某ネコ型ロボットのパチものなお面を装備してるを見る限り、突っ込んで貰いたいんだろうけど……敢えて言おう、私は突っ込まない!!

 

 

 

 

「なにぃ!タバコ咥えた、目付きの悪いピ○チュウに突っ込まねぇだと!!?」

 

 

「悩みに悩んで此れをチョイスしたのに、突っ込みなしとは……流石ですねみほさん!!」

 

 

 

 

だって、ベタベタ過ぎるから、突っ込む気にもならないよ?……私に突っ込ませたいなら、もっとインパクトのあるお面じゃなきゃ無理だよ?…

 

…それこそ、ゴールデンボコプラチナ包帯バージョンのお面か、極悪ペイント版のグレート・ムタのお面でもない限りは驚かないからね。

 

でも、そのお面自体は良く似合ってると思うよ?――黒森峰の学園祭で、そんなにはっちゃけたお面が売られてるって事には驚いたけどさ。

 

 

まぁ、合宿で、黒森峰の子達も、戦車を降りれば普通の女子中学生だって言う事を知ってるから、其れを考えればこの程度のはっちゃけぶりもアリなのかも知れないね?

 

尤も、お祭りは楽しんでナンボだからね♪

 

 

さて、次は何処に――

 

 

 

 

「西住先輩?」

 

 

「此れは、奇遇だねネ?」

 

 

 

 

ほえ?

 

この声は……梓ちゃんとクロエちゃん!貴女達も、黒森峰の学園祭に来てたんだ!此れは、嬉しい誤算だったよ!招待されていたとは言え、文化祭の会場で会うとは、思ってなかったよ……黒森峰は学園の規模が大きいからね。

 

 

こんにちわ梓ちゃん、クロエちゃん。2人共、招待されたんだよね?

 

 

 

 

「はい!私とクロエはツェスカから招待状を送って貰って、それで学園際に参加してみたんです♪」

 

 

「成程、そう言う事だった訳か。」

 

 

でも、そう言う事なら、私達と一緒に文化祭を見て回らない?――何をするかだけじゃなくて、文化祭って言うのは見ているだけでも楽しい物だからね。

 

 

 

 

「其れは、先輩がそう仰るのでしたら拒否する理由が有りませんし、先輩と一緒なら此の学園祭をもっと楽しむ事が出来ると思いますから、私の方からお願いしたいくらいです♪

 

 一緒に文化祭を回りましょう!」

 

 

「其れじゃあ、一緒に!」

 

 

 

「「パンツァー・フォー!!」」

 

 

「「「「りょーか~い!!」」」」

 

 

 

 

さてと、其れじゃあ何処に行こうか?

 

出店を回るのも良いけど、クラスや学科、部活ごとの出し物なんかもあるみたいから、講堂や部室等の方でもイベントやってるだろうし……皆は行きたい所とか有るかな?

 

 

 

 

「ミホさん、私は講堂に行きたイ。

 

 先程、小耳に挟んだんだが、機甲科の生徒数名と、演劇部が合同で劇をやるらしいんダ。……しかも、驚いた事に劇の主役は逸見エリカさんだと言っていタ。」

 

 

「へぇ!?そ、其れは本当なのクロエちゃん!?」

 

 

「あ、そう言えばそんな話を聞きました私も!逸見さんだけじゃなくて、赤星さんも出演するとかなんとか……」

 

 

「エリカと小梅が劇に……此れは確かに興味をそそられるわねみほ?――此れはもう、目指すは講堂一択でしょう?」

 

 

 

 

勿論講堂一択だよナオミさん!

 

エリカさんと小梅さんが劇を演じるなんて、其れは一見の価値ありだし、見ておけば、後で会った時の話のタネにも困らないしね?……だから講堂に行こう!

 

どうせなら、出来るだけ良い席で見たいからね!!

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

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・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

 

と言う訳で講堂に到着!

 

開演15分前だって言うのに、既に講堂には人が一杯!!どれだけこれから始まる劇が、お客さんの興味を引いてるかって事だよね?

 

確かに、戦車道全国大会優勝校の1つである、黒森峰の隊長が主役を務める劇って言うのは、其れだけで話題になる訳で……演劇部の人達は、結構分かってるみたいだねお客さんの集め方を。

 

 

 

 

「すっげー人だな?こりゃ、前から5列目の席が確保できただけでもラッキーかも知れねぇな?」

 

 

「ホント凄い人数だわ……明光大の演劇部の出し物の倍は入ってるんじゃないかしら?」

 

 

「実際に其れ位入ってるだろうね此れは。」

 

 

まぁ、しょうがないよ。

 

話題性が段違いだし、入り口でもらったパンフレットによると、既存の演目を演じるんじゃなくて、演劇部が独自に製作した、完全オリジナル作品って事だからね。

 

此れだけ人が集まるのも頷けるってモンじゃないかな?

 

 

 

 

「やっぱりそうですよね西住先輩。……明光大の演劇部も、先輩に出演依頼すればよかったのに。」

 

 

「あはは、其れは無理だよ梓ちゃん。

 

 片腕無しじゃ、演じられるキャラなんて限られてるし、何よりも私は演技とか得意じゃないから。……戦車道でのブラフは大得意だけどね?」

 

 

「いや、演技力よりも『西住みほ』のネームバリューだけで人集まんだろ?」

 

 

「青子の意見に賛成ね。」

 

 

「ナオミさんに同意だナ。」

 

 

 

 

左様ですか。……まぁ、出演依頼が来ても、屋台村の営業が有ったから丁寧にお断りしたと思うけどね。

 

 

 

 

――ビー!

 

 

 

『大変長らくお待たせいたしました。

 

 此れより演劇部による劇『黒き森の騎士と魔女』を開演いたします。どうぞ、最後までお楽しみください。』

 

 

 

 

っと、いよいよ始まるみたいだね?

 

『黒き森の騎士と魔女』なんて、タイトルは若干厨二臭が漂ってるけど、だからこそ完全オリジナル作品て言うのは間違いないって言えるよ!

 

一体どんなお話しなんだろう?

 

 

 

 

『昔々、正確に言うのならば、大体17世紀の中頃の辺り、ドイツの『黒い森』と呼ばれる森の中にひっそりと暮らしている魔女が居ました。』

 

 

 

 

ゆっくりとした語り口と共に幕が上がって、まず現れたのは小梅さん!

 

語りからすると、如何やら小梅さんは、この劇における魔女――ソフィー・リリューティス、通称ソフィーまたはリリュの役みたいだね?

 

で、エリカさんなんだけど……出てきた瞬間に会場が沸くって!

 

 

エリカさんの役は、自らも魔女の母親を持ち、魔女だった母親を殺された過去を持つが故に、森の中でひっそりと暮らすソフィーを護ろうとする騎士――ダンテ・ストライフなんだけど、その出で立ちがスッゴクカッコ良かったから!

 

肩までの銀髪を首の辺りで一本に束ねて、黒いズボンとインナーに、目の覚めるような蒼のコートを羽織り、その背には身の丈程もある長剣を携えた美剣士様って、そりゃあ会場も沸くって物だよ!!

 

 

如何やらこの劇は、魔女ソフィーと、騎士ダンテを中心に繰り広げられていくみたいだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――エリカさんと小梅さん熱演中。どんな内容かは、この後のザックリとしたあらすじから、各自脳内補完してね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話の内容としては、魔女である母を殺された過去を持つダンテが、黒き森の中でひっそりと暮らすソフィーを護りながら、互いに絆を深めて行くって言うモノだったけど、物語の中盤で、魔女狩りに来た帝国の兵士の罠にダンテが嵌ってしまい、その隙を突いてソフィーが帝国に連れさられちゃった。

 

 

それで、何とか罠を外したダンテは、ソフィーが処刑される前に救出しようと、罠で負った傷を手当てもせずに帝国へと向かい、門番をはじめとした、兵士達を長剣でバッタバッタと斬り倒しながら、ソフィーが連れて行かれた処刑場を目指す。……エリカさんの殺陣アクションは、プロじゃないかと思う位に素晴らしかったよ。

 

 

で、何とか処刑場まで辿り着いたダンテを待ってたのは、かつて自分の母を殺した怨敵『ムンドゥス・アルマジーナ』だった……って、ダンテとムンドゥスって、名前は完全にDMCの主人公とラスボスだよね?『ムンドゥスに母を殺された』って言うのも一緒だし……まぁ良いや。

 

 

怨敵を前にしたダンテは、母を殺された怒り、護れなかった事の後悔、そして今度はソフィーをも手にかけようとするムンドゥスに対する怒りが爆発し、連戦の疲労など知らないとばかりに、ムンドゥスを攻撃!

 

追い詰められたムンドゥスは、ソフィーを解放するから助けてくれと命乞いをするも、『貴様の言う事が信用できるか!』と、ダンテに袈裟懸けに斬り捨てられて絶命。

 

ソフィーを助け出したダンテは、そのまま帝国の王城にまで進行し、遂には帝国国王の間まで到達。

 

そこで、国王に魔女が邪悪な存在だと言うのはマッタクの迷信でありデマであり、魔女からしたら完全な風評被害だと言う事を訴え、無意味な魔女狩りを止める様に直談判。

 

同時に、魔女狩りそのものが己の功績を上げたいムンドゥスが発案した事であり、魔女が危険な存在であるか否かは、全く議論されてなかった事が判明し、国王は魔女狩りを禁止するとともに、魔女狩りを行った者には思い罰を与えるお触れを発行。

 

 

此れにより、魔女が迫害される事は無くなり、ダンテとソフィーは黒い森で静かに暮らして……

 

 

 

 

「そんなに慌ててどうしたんだソフィー?」

 

 

「仕事の依頼よダンテ。帝国郊外に現れた、魔物の討伐ですって。」

 

 

「最高だね?なら10分で終わらせるとしようか?人に仇なすクソっ垂れを、生かしておく事は出来ないからな。」

 

 

「まさか……5分でしょ?」

 

 

「ハハハ……楽勝!」

 

 

 

 

なんて事にはならずに、黒い森の魔女と、魔女の騎士は魔物退治専門の仕事屋を始め、帝国の平和を陰ながら支える存在となりましたと。

 

最後はダンテとソフィー――エリカさんと小梅さんが、魔物相手に大立ち回りを演じてる所で幕が下りてTHE END!

 

 

と同時に、会場からは割れんばかりの拍手と大喝采!!

 

再び幕が開いて、出演者が揃って礼をした時には、何とツェスカちゃんが舞台に上がってエリカさんと小梅さんに花束を渡して、会場に更なる拍手の渦を呼び込んでくれたからね?

 

 

どんなモノになるのかって思ったけど、エリカさんと小梅さんが物凄く演技力があって驚いたよ!

 

下手したら、演劇部の子よりも上手かったんじゃないかなぁ?……特に、怒りに燃えるダンテの表情なんて、鬼気迫るモノが有って、凄く迫力が有ったからね。

 

 

うん、此れは予想以上に楽しめる劇だったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:エリカ

 

 

 

あ~~~……何とかやり切ったけど、本気で滅茶苦茶恥ずかしかったわ此れ!

 

衣装は兎も角、私が演じたダンテは、所々でこっ恥ずかしいセリフがあるもんだから、正直噛むんじゃないかって戦々恐々だったわよ!『君は俺が護る』だの、『俺はソフィーの騎士……魔女の騎士だ』だの、『君が居てくれるなら、俺は神とだって戦える』だの、演劇部の連中、脳味噌沸いてんじゃないの!?

 

一度脳外科受診した方が良いんじゃないのマジで!?

 

 

 

 

「その気持ちは分かりますが、落ち着いてくださいよエリカさん……私だって、こんなオープン胸元セクシーな魔女衣装着せられて恥ずかしかったんですから!

 

 こんな事言ったらアレですけど、ちょっとマウスの128mm砲で演劇部を吹っ飛ばしたいです。」

 

 

「いや、いっその事、幻の超弩級重戦車P1000ラーテの280mm砲の方が良くないかしら?」

 

 

「……アレとかP1500モンスターとかって、レギュレーション的に如何なんでしょうかね?」

 

 

 

 

さぁ?実機は無いけど、設計は存在してるからギリOKじゃないの?……尤も、どっちも馬鹿デカいだけの、マウス以上の化け物欠陥兵器だから、使う事は出来ないでしょうけどね。

 

 

ふぅ……でもまぁ、此れで演劇部への義理も果たしたし、私等の本来の持ち場に戻るわよ小梅。

 

機甲科の『ドイツサロン』の方だって、結構お客さんが来てるみたいだから行くわよ?だから、ちゃっちゃとサロンのユニフォームに着替えちゃいなさい。

 

 

 

 

「はい、了解です♪

 

 でも、まさかディアンドルを用意するとは思いませんでした……と言うか、エリカさん滅茶苦茶似合ってますね、そのシックなデザインのディアンドルが。」

 

 

「私はドイツ系のクォーターだからじゃない?

 

 顔の作りは日本人だけど、この銀髪と蒼い目は、思いっきりドイツ人の特徴だからね?ドイツの農村で着られていた、女性の為の労働着であるディアンドルも似合うのかも知れないわね。」

 

 

兎に角、演劇部のゲストは終わったから、本来の持ち場に戻るわよ!

 

 

 

 

 

って意気込んで、機甲科の出し物である、ドイツサロンに戻って来たんだけど……何で居るのよみほ+α!!いや、私と小梅が連名で招待したんだけど、何で此処にいるの!?

 

 

 

 

「何でって……戦車乗りとして、同じ戦車乗りである機甲科の人達の出し物を見て行かないって言う選択肢は無いでしょうエリカさん?多分、同じ立場ならエリカさんだって、私と同じ行動をしたでしょ?」

 

 

「其れは……まぁ、否定しないわね。

 

 なら、改めて。ようこそドイツサロンへ――ご注文はお決まりですか?」

 

 

「黒森峰特製ノンアルコールビールを6つ。

 

 それから、特性ブルストの盛り合わせを3つと、シュニッツェルを3つと、ライ麦パンを6人前お願いします。」

 

 

「畏まりました。」

 

 

其れじゃあ注文の品が届くまで少し待っていてね?

 

其れから、学園祭が終わるまで帰らないでよ?午後からは、機甲科による戦車パレードがあるし、陽が沈んだ後のフィナーレでは、盛大なキャンプファイヤーも行う予定だから。

 

 

 

 

「其れは楽しそうだね?なら、最後まで参加させて貰うよエリカさん、小梅さん♪」

 

 

「はい、最後まで楽しんで行って下さい♪」

 

 

「黒森峰の文化祭、思った以上に楽しめそうね。」

 

 

 

 

是非最後まで楽しんで行ってちょうだい。――今年の文化祭は、生徒会に掛け合って、例年よりもフランクで活気のあるモノにしたんだから!

 

因みに、みほ達が満足したって事は、このドイツサロンの料理は、悪くないレベルだったのは間違いないわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

 

楽しい時間て言うのはあっと言う間に過ぎるって言うけど、本当にそうだね。

 

機甲科のドイツサロンでお昼ご飯を済ませて、午後の部に臨んだけど、色んな出店やイベントに参加してる内に時間が過ぎて、機甲科による戦車パレードが終われば、あっという間にもう日暮れで、キャンプファイヤーが始まったよ。

 

私以外の明光大のメンバーは、キャンプファイヤーを取り囲んで楽しんでるね?梓ちゃんとツェスカちゃんは軽快な音楽に合わせてフォークダンスをやってるし、ナオミさんと小梅さんは、プロの如き社交ダンスを披露してるからねぇ……皆スキルが半端ないよ。

 

 

戦車パレードの時に、隊長車である123ナンバーのティーガーⅠの砲塔の上に立ってたエリカさんはカッコ良かったなぁ……若しかしなくてもエリカさんて、物凄くもてるんじゃないかな?――黒森峰は女子しか居なくても。

 

 

 

 

「その可能性が否定できないのが悲しいわね。」

 

 

「エリカさん。」

 

 

「マッタク持って、女子からのラブレターで靴箱スプラッシュが起るとは思わなかったわよ……慕われて悪い気はしないけど、度が過ぎるとちょっと引くわ。」

 

 

「あはは……その気持ちは分かるよエリカさん。」

 

 

私も、明らかに下駄箱の容量を超えたラブレターとファンレターを貰った事があるからね……最終的には、戦車道部の部室の前に、専用の郵便受け(ドラム缶製:内容量300kg)を設置する事で何とかなったけどね。

 

 

 

 

「専用郵便受け……其れもアリかも知れないわね。

 

 来年の隊長であるツェスカに対するファンレターとかも増えるでしょうから、此れは前向きに検討してみるわ。

 

 其れは兎も角として、貴女はフィナーレには加わらないのみほ?」

 

 

 

 

加わらないと言うか、加われないよ。

 

皆が夫々にパートナーを見つけて、音楽に合わせて踊ってるのに、其処に片腕の私が入るって言うのは憚られるし、何よりも、片腕でダンスをするって言うのは、ちょっと無理だと思うしね……

 

 

 

 

「なら、貴女と一緒に踊れる人がいれば良いって事よね?……なら、私と躍らないみほ?一曲お願いできますか、マドモアゼル?」

 

 

「ほえ?わ、私なのエリカさん!?」

 

 

「貴女となら、刺激的なフィナーレを迎える事が出来そうだし。何よりも、私が貴女と躍りたいのよみほ。――誘い、受けてくれるわよね?」

 

 

 

 

ふぅ、そんな風に言われたら断れないじゃないの……尤も、断られない様に言ったんだろうけどね。

 

だけど、私もエリカさんがパートナーだったら、踊っても良いと思えるよ――明光大の生徒以外で、私の事を片腕だからって差別しない人って言うのは、ほんの一握りで、そんな中でもエリカさんは『西住流』のフィルターを通さずに私を見てくれた。

 

そんなエリカさんとなら一緒に踊りたい――それじゃあ、お願いしますエリカさん!

 

 

 

 

「Shall We Dance Miho?(一曲踊ってくれるかしら、みほ?)」

 

 

「It's of course Erika.(勿論だよエリカさん。)」

 

 

其処からは、キャンプファイヤーの前で、エリカさんと共にダンスパーティ。

 

基本はエリカさんと躍ってたけど、時々ナオミさんとパートナーを交換して小梅さんとも躍ったし、乱入して来た青子さんや梓ちゃんとも躍って、最後の最後まで黒森峰の文化祭を楽しんだよ……うん、本当に楽しかったよ!

 

 

 

 

因みに後日、私とエリカさんのダンスを収めた動画がY○u Tub○にアップされて大人気になったんだけど、何処かから謎の圧力がかかったらしく、公開から僅か2日で閲覧不能になっちゃったよ……間違いなくお母さんが手を回したんだろうね。

 

 

其れは其れとして、黒森峰の学園祭は思ってた以上に楽しかったよ――其れこそ、機会があればまた行きたいって思える位にね♪

 

 

中学校の思い出が、此れでまた一つ増えたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

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