ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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高校生活開始だね♪Byみほ      そうねByエリカ     気張らずに行きましょう!…黒森峰では難しいかも知れないですけどBy小梅


Panzer71『高校生活開始。黒森峰に入学です!』

Side:みほ

 

 

 

4月。今日から新しい季節になって、私は黒森峰女学園の高等部に入学する。――西住の女性は、高等部は黒森峰に通う事が決まっているって事だったけど、お母さんに聞いた話だと、中学が黒森峰じゃなくて、高校が黒森峰って言うのは、私が初めてだったみたい。

 

 

もっと言うなら、黒森峰じゃない中学の生徒で、黒森峰の高等部からスカウトを受けた生徒って言うのも、私を含めて10人にも満たないらしいから、此れはとっても光栄な事かもしれない――ううん、光栄な事だよね。

 

 

何よりも、高校では又お姉ちゃんと一緒に戦車道が出来るし、エリカさんや小梅さん、近坂先輩とも仲間として戦うことが出来るんだから、こんなに嬉しい事はないよ!!

 

 

で、黒森峰の制服を着た訳なんだけど、可笑しくないかなお母さん、菊代さん?

 

 

 

 

「おかしくないわよみほ……とてもよく似合ってるわ。

 

 まほはその制服がはまっていたけれど、みほはまほと違った感じで、その制服が馴染んでいる気がするわね?

 

 ……貴女も西住の子だから黒森峰とは、切っても切れない関係だったという事なのかしら?……でも、そんな事を抜きにしても、良い感じよみほ。」

 

 

「とてもよくお似合いですよみほお嬢様。

 

 みほお嬢様の黒森峰の制服姿は、まほお嬢様と違った魅力があります……きっと、黒森峰の高等部でも、みほお嬢様は巧くやれる筈です。

 

 菊代は、そう確信しております。」

 

 

 

 

ふふ、ありがとうお母さん、菊代さん♪

 

不安やら心配事がないとは言わないけど、此れから始まる高校生活に、私の心はワクワクしてるのは間違いない――そのワクワクを全力で楽しまないとだね!

 

 

 

 

「其れはそうだけれど……みほ、貴女はアンドリューとロンメルも黒森峰の学園艦に連れて行く心算なの?」

 

 

「そうだけど?」

 

 

「……色々問題はありそうだけど、多分大丈夫よね?

 

 私も現役時代は、猛獣を持ち込んでた訳だし……何とかなるわね絶対に――取り敢えず、高校生活を楽しみなさいみほ。」

 

 

 

 

うん!勿論その心算だよお母さん♪其れじゃあ、行ってきます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer71

 

『高校生活開始。黒森峰に入学です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、黒森峰の入学式当日。

 

熊本港に停泊してる黒森峰女学園高等部の学園艦の前までやって来たんだけど……此れは、想像してたのよりも遥かに大きいね?

 

黒森峰の中等部の学園艦には、エリカさんから文化祭に招待された時に行った事があるけど、高等部の学園艦は、中等部の其れとは規模が違う!

 

 

此れから此処が、私の生活する場所だって考えると、身が引き締まる思いだね……!!

 

 

それにしても、何か注目されてる気がするんだけど……やっぱり、戦車道の名門である黒森峰に、左腕のない生徒が入学するって言うのは、人の目を引くのかな?

 

 

 

 

「それ以上に、貴女は有名人だからよみほ。尤も、注目を集める決定打は貴女のお供2匹だと思うけど。」

 

 

「初めて見る人には凄いインパクトですからねぇ此れは……でも、慣れてしまった自分が少し恐ろしいです……」

 

 

「エリカさん、小梅さん!」

 

 

2人とも、黒森峰の高等部に進むって言う事は聞いてたけど、こうして実際に会うと、本当に黒森峰の高等部に進学して来たって言う事を実感できるかな?……此れから3年間、お願いしますねエリカさん、小梅さん!

 

 

 

 

「其れはこっちのセリフよみほ。高校3年間、世話になるわ。」

 

 

「一緒に頑張って行きましょう、みほさん♪」

 

 

「勿論です!」

 

 

中学時代に激闘を繰り広げた相手が、高校では味方になるって言うのも面白いし、敵としての強さを知ってる分、味方であればとても頼りになるのは間違い無いからね。

 

……まぁ、その逆もバッチリ味わう事は、すでに確定してると言っても過言じゃないけど。

 

 

 

 

「……どうかしましたかみほさん?ちょっと不思議な顔してましたけど。」

 

 

「何でもないよ小梅さん。

 

 只、強敵だった相手が味方になるのは頼もしくて、頼りになる味方だった人が敵に回るのは厄介な事なんだなぁって思っただけだから。」

 

 

「あ~~……中学の時の貴女の戦車のメンバーは、見事にバラバラになったんだったわねそう言えば。

 

 つぼみもナオミも、アレだけの腕があれば、名門の聖グロやサンダースでも1年生からレギュラーを取れるかもしれないし、アンツィオはアレだから青子のレギュラーは間違いないでしょうからね。

 

 でも、心配ないわみほ。相手が誰であろうと、私達なら負けないわよ!

 

 まほさんが隊長で、そして貴女が居る。

 

 まほさんの押せ押せの蹂躙戦術に、貴女のトリッキーな策が合わさったら、其れはもう最強って言っても過言じゃないと思うわ。」

 

 

 

 

ん~~~……確かにお姉ちゃんの『剛の戦車道』と、私の『柔の戦車道』が合わされば確かに強いと思うけど、黒森峰で私が私の戦車道をやるのは難しいかも知れないかな?

 

明光大には伝統の戦術があった訳じゃないし、1年の頃から近坂先輩に隊長職を任されちゃったから私のやりたいようにやれたけど、黒森峰には黒森峰の戦い方があるから、私の戦い方を色濃く出す事は多分できないと思うよ。

 

 

 

 

「う……それは、確かに言えてるかもしれないわね……だけど、そうなるとちょっと寂しいわ。

 

 貴女の戦車道は、次の一手がまるで読めないから見てる側としても戦ってる側としても楽しい物だからね?……貴女の戦車道は、結構好きだったんだけどね私は。」

 

 

「私もみほさんの戦車道は大好きですよ♪」

 

 

「そ、そうだったんだ……ちょっと照れ臭いけど、ありがとうエリカさん、小梅さん。」

 

 

「いえいえ、私もエリカさんも思った事を言っただけですから。

 

 でも、案外黒森峰でもみほさんの戦車道をやる事って出来るんじゃないですかねぇ?」

 

 

 

 

へ?黒森峰でも、私の戦車道が出来るって、どういう事かな小梅さん?

 

 

 

 

「いえ、隊長はみほさんの戦車道をよく知っていて、みほさんの戦い方を認めてるんですよね?

 

 だとしたら、隊長として最強の戦力となるであろうみほさんを縛るような事はしないんじゃないでしょうか?……例えば……そうですね、みほさんを小隊の隊長に任命して、独立機動権を与えるとかするんじゃないでしょうか?

 

 通常の指揮系統の外にある独立機動部隊なら、ある意味で好き勝手やった所で誰も文句を言う事なんて出来ませんよね?自由に動く事を認められた部隊である訳なんですから。」

 

 

「……成程、確かにその手があったわね。

 

 だけど、私は元より、みほですら辿り着かなかったその可能性に真っ先に気付くとは、やっぱり貴女って結構とんでもないわね小梅。」

 

 

「お褒めに預かり光栄ですエリカさん♪」

 

 

 

 

うん、私もその可能性は全く考えてなかったからね……若しかしたら、小梅さんには『普通では考えられない極僅かな可能性』を考えて、考察する力があるのかも知れない――其れは、戦車乗りとしてとっても強力な武器になるのは間違いないよ。

 

私が知将で、エリカさんが猛将なら、小梅さんは参謀って言う所かな?――何て言うか、エリカさんと小梅さんが一緒のチームに居るなら、誰が相手でも負ける気がしないよ本気で。

 

 

小梅さんの予想が現実になるかどうかは別として、エリカさんと小梅さんと一緒に戦車道が出来るって言うのは、私にとっても良い経験になるのは間違いないよ!

 

 

「所で、何時の間にか周りから生徒がいなくなってるんだけど、そろそろ乗船した方が良くないかなぁ?

 

 ……入学式で遅刻って言うのは、いくらなんでも笑えない事だと思うから……」

 

 

「何ですってぇ!?……急ぐわよみほ、小梅!初日から遅刻とか洒落にならないから!!」

 

 

「ぜ、全速力で行きましょう!!

 

 入学式に遅刻したなんて事になったら、3年間、何かある度に其れをネタにされて笑われる事になっちゃいますよ!!」

 

 

 

 

なので、速攻で学園艦に乗り込んで、然る後に黒森峰高等部を目指して猛ダッシュ!序にアンドリューも一緒に猛ダッシュ!(ロンメルは、子狐モードで私の頭の上でまったりしてたけどね。)

 

 

その甲斐あって、入学式にはギリギリセーフ。大虎と狐の登場には、流石に皆驚いてたけど。

 

初日から色々とアレだったけど、取り敢えず、無事に入学式を済ます事が出来て良かった……そして、いよいよ始まるんだね、私の高校生活って言う物が。

 

 

 

 

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さてと、入学式も終わって、今日は授業も無いから、後は自由時間――とは言っても、割り当てられた寮部屋の整理とか有るから、あまりノンビリする事は出来ないと思うけどね。

 

私に割り当てられた寮部屋の番号は『2423号』……語呂合わせで『西住』って読む事が出来る部屋だったのは偶然だと思いたいよ。

 

 

さてと、一緒の部屋の人は誰かな?出来れば、エリカさんか小梅さんか直下さん……知ってる人の方が良いんだけど、誰と一緒になるかまでは自分じゃ決められないから、決まった事に従うしかないんだけどね。

 

 

其れじゃあ、失礼します。……って、あれ?

 

 

「エリカさんと小梅さん?」

 

 

『ガウ?』

 

 

『キュ?』

 

 

「来たわねみほ?それと、アンドリューとロンメルも。」

 

 

「待ってましたよみほさん、アンドリュー、ロンメル。」

 

 

 

 

此れは、私のルームメイトはエリカさんと小梅さんて言う事だよね?

 

だけど、黒森峰の寮って、2人1部屋だったと思うんだけど、其処で3人1部屋って言うのは、ちょっとおかしくないかな?流石に3人が1部屋で暮らすとなると、2人部屋のスペースじゃ狭いと思うんだけど……

 

 

 

 

「と、思うでしょう?私と小梅もそう思ったわ。

 

 だけどね、此の部屋は、元々『3人部屋』として作られていた物みたいで、3人で生活するには充分なスペースが確保されてるのよ。」

 

 

「機甲科の生徒が必ずしも偶数とは限らないので、1人になる人が出ない様に3人部屋を作っておいたらしいんです。

 

 で、今年の機甲科の1年生は奇数なので、目出度く私達3人が同じになったと言う訳ですよ――部屋割りは、隊長が決めたそうですけど。」

 

 

「お姉ちゃんが?……何で、私達3人なんだろう?」

 

 

「見ず知らずの奴と一緒にするよりも、見知った相手の方がお互いに良いって事なんじゃない?

 

 去年の黒森峰中の3年全員が、黒森峰の高等部に来てるって訳でもないからね?――実際に、私や小梅みたいな持ち上がりは約6割で、4割は他校に進学したんですもの。」

 

 

「そうだったんだ……」

 

 

去年の大会で見知った顔が、思ったより居なかったのはそう言う事だったんだね?他校に進学した4割の人は『今度は黒森峰と戦いたい』と思ったのかも知れないね。

 

 

 

 

「多分そうでしょうね。貴女の仲間が、貴女と戦いたいって思ったのと同じじゃないかしら?

 

 ……さてと、話は此れ位にして貴女の荷物を片付けちゃいましょうみほ。私と小梅は、春休み中に学園艦に入ってたから荷物の整理は終わ ってるけど、貴女の荷物は、まだ荷解きもしてないからね。

 

 私と小梅も手伝うから、さっさと終わらせてしまいましょう。」

 

 

「うん、ありがとうエリカさん、小梅さん♪」

 

 

「いえいえ、此れもルームメイトとしての務めですので。

 

 其れじゃあ早速、この熊の絵が描かれた箱から……って、みほさん、此れは一体?と言うか、この箱1個、丸々ボコのぬいぐるみが入ってるんですか!?」

 

 

 

 

うん、そうだよ?

 

箱に詰められるだけ詰めて来たんだ~~♪やっぱり、ボコが無いと落ち着かないし、ボコのない部屋で暮らす事なんて考えられないもん♪

 

 

 

 

「いや、其れにしたって段ボール箱1個分の量ってのは如何なのよ?……って言うか、ドンだけ詰め込んだの貴女!?

 

 明らかに箱の許容量を超えた数のぬいぐるみが出てきてるじゃない!!此の部屋を、ボコで埋め尽くす心算なの貴女は!?」

 

 

「だ、出しても出してもボコが出てきます……」

 

 

 

 

埋め尽くすだなんて、此れでもコレクションのホンの一部なんだよ?

 

出来れば全部持って来たかったけど、流石に其れは無理だから、可成り厳選して、コレクションの中から1割くらいを選んだ心算だったんだけけど……

 

 

 

 

「此れで1割なんですか!?」

 

 

「実家での貴女の部屋は一体どうなってるのよ!?生活する場がない位、この熊で埋め尽くされてるんじゃないの!?」

 

 

「いやぁ、流石に其れはないよ?定期的に入れ替えてるから。」

 

 

此の子達も、入れ替える予定で持って来た訳だから、別に全部出さなくてもいいし……最初に飾る子だけを何体か選ぶから、残りは箱に詰め込んで、押し入れの中に入れておく事にするよ。

 

 

 

 

「なら、最初からそう言って下さいよみほさん!全部出すのかと思って、可成りの数取り出しちゃったじゃないですか~~!」

 

 

「あはは……ゴメンね小梅さん。

 

 だけど、取り出してくれた子達の中から、最初に置いておく子達を選ぶから……ロンメルとアンドリューは、選ばれなかった子達を箱に戻してあげてね。」

 

 

『グルル。』

 

 

『キュン。』

 

 

「今更ながら、良く出来た子達だわ此の2匹は……大層な名前は伊達じゃないわね。」

 

 

 

 

エルヴィン・ロンメル将軍と、アンドリュー・バルトフェルド隊長だからね。

 

取り敢えず、ボコは此れで良いから残りの荷物の整理をしないと――とは言っても、他の荷物って寮で着る私服とかパソコンとかだから、そこまで多くは無いから直ぐに終わると思うけど。

 

 

 

 

「そうみたいね……ってみほ、貴女このノートパソコン持ってたの!?

 

 此れって100台限定生産された、クリアーレッドのノートパソコンじゃない!秋葉原のビッグカメラで販売されて、即売り切れだったレアPCを持ってるとは驚きだわ!」

 

 

 

 

私専用のノートパソコンが欲しいと思ってた所で、其れが販売される事を知って、お母さんのパソコン使って、オンラインショップで速攻で予約したんだよ。――其れで、何とかギリギリ予約で来たって感じかな。

 

予約完了した後で見たら、もう予約不可になってたからね――それだけに、このノートパソコンは、本当に修理不能になるまで使って行こうと思うんだ。

 

 

 

 

「其れが良いですよみほさん。いっその事、付喪神になって百鬼夜行に加わるように成るまで使いましょう!」

 

 

「あはは……そうなるまで使えば、パソコンも満足してくれるかもしれないね。」

 

 

物は大事に使ってこそだからね。

 

で、其のパソコンのコンセントを繋いで、ネット回線と接続させて、枕元にボコの目覚まし時計を置いて(3段ベッドだったけど、梯子から転落の危険性を考えて、私は1階のベットにして貰った。)、机にパンター型の置時計を置いて、私のタンスに着替えやら何やらを入れ終えたら、荷物整理終了!!

 

手伝ってくれてありがとう、エリカさん、小梅さん!

 

 

 

 

「お礼は別に良いわ。此れ位は当たり前でしょう?」

 

 

「1人よりも、3人でやった方が早いですからね♪」

 

 

「其れでも、だよ。」

 

 

皆が皆、こうして手伝ってくれるとは限らないし、最悪の場合は『さっさと終わらせろ』って催促してくるかもしれないから、其れを考えると、無償で手伝ってくれたエリカさんと小梅さんには感謝しかないって。

 

手伝ってくれたお礼に、今夜の晩御飯奢らせてくれないかな?学食のメニューだったら、そんなに高くないと思うから、2人分位なら、増えても懐へのダメージは殆どないから。

 

 

 

 

「そう?なら、お言葉に甘えさせて貰うわね。」

 

 

「みほさん、ゴチになります♪」

 

 

「は~い、ゴチします。」

 

 

 

 

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と言う訳で、晩御飯の為に食堂に来たんだけど、食堂は結構凝った造りになってるんだね?

 

壁紙は煉瓦造り調の物を使ってるし、床は板張りで、照明も落ち着いた色合いだし、何よりも食堂で流れてるBGMが素晴らしいよ。ベルリンフィル演奏のクラシックを流してるてるからね。

 

雰囲気だけなら、一流レストランって言っても良い感じだよ。――此れは、料理の味にも期待出来るって言う所だよ♪

 

 

私が頼んだのは、生ハムとチーズを使ったライ麦パンのサンドウィッチと、牛タンの煮込みだけど、エリカさんと小梅さんは何を頼んだのかな?

 

 

 

 

「私は煮込みデミハンバーグ定食ね。

 

 中等部にもあったメニューだけど、此れが高等部にもあったって言うのは、とっても嬉しい事だわ。」

 

 

「エリカさんのハンバーグ好きは相変わらずですねぇ?

 

 私は、シンプルに鶏のから揚げ定食しました。――ドイツ風の造りであっても、日本食のメニューがあるって言うのは有り難いですよね♪」

 

 

 

 

うん、其れは言えてるかも。

 

いくら黒森峰がドイツを模した学校だからと行っても、学食のメニューがドイツ料理オンリーじゃあ流石に参っちゃうからね……日本食や、馴染みのメニューがあるって言うのは本当に有り難い事だよ。

 

 

「其れじゃあ、いただきます♪」

 

 

「「いただきます!」」

 

 

 

 

うん、味は可成り良いね!

 

この味のレベルは、菊代さんや青子さんに匹敵すると言っても良いかも知れないよ……流石は黒森峰、学食のレベルにも妥協はないって言う所だよ。

 

冗談抜きで、この味なら全国に黒森峰印の食堂を展開しても良いと思うなぁ?エリカさんと小梅さんもそう思うでしょ?

 

 

 

 

「中学の時から、黒森峰の食事はレベルが高いって思ってたけど、高校に入って其れが確信に変わったわ――確かに、貴女の言うように、全国に展開しても良いかも知れないわね、黒森峰印の食堂を。」

 

 

「アンツィオが、最大の商売敵になるかも知れませんけどね。」

 

 

 

 

あ~~……其れは言えてるかも。

 

アンツィオは、『食の為には労を惜しまない』って聞いた事があるから、最大の相手となるかも知れないね?――特に今年は、料理を限りなく極めた青子さんがいるから、レベルは相当に高いだろうからね。

 

 

「でも、このご飯はとっても美味しいから、アンツィオよりも上か下かなんて、如何でも良い事だよ!!食事は美味しくて栄養バランスが取れてる事が大事だからね。

 

 美味しければ食が進むし、栄養バランスが良ければ身体も健康になるし、序に腹が減っては戦は出来ぬって言うからね?――戦車道の試合で最高のパフォーマンスをする為にも、『食』って言うのは大事な事だから、黒森峰の学食レベルが高いのも頷けるよ。」

 

 

だから、ガッツリ食べて、戦車道で最高のパフォーマンスが出来る様に備えておかないとだよ。――黒森峰は、食事からも戦車道の事を考えてるのかも知れないなぁ。

 

其れがあったからこそ、9連覇なんて言う事が出来たのかも知れないけどね。

 

 

取り敢えずこのサンドウィッチと、牛タンの煮込みは最高だったよ!――黒森峰製のノンアルコールビールを飲んでハイになった生徒が始めた喧嘩を、お姉ちゃんが脳天への鉄拳制裁で黙らせたのは見なかった事にしようかな。

 

まさか、拳骨一発で、ダウンするとは思わなかったからね……若しかしなくても、お姉ちゃんの鉄拳は、世界最強であるのかも知れないよ。

 

 

 

 

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・・・

 

 

 

 

で、食事が終わったらお風呂なんだけど、今日は大浴場は混んでるみたいだから、部屋のシャワーで我慢しましょうかエリカさん、小梅さん。

 

今し方見て来たら、大浴場の前に長蛇の列が出来ていたから、今日は大浴場は諦めるのが得策だと思うんだけど、エリカさんと小梅さんは如何思いますか?

 

 

 

 

「聞くまでもないでしょうに……貴女の意見に賛成するわみほ。

 

 大浴場でゆっくりしたい気持ちはあるけど、だからと言って行列に並んでまでする事じゃないと思うから、今日は部屋のシャワーで済ませましょう?」

 

 

「そうしましょうか?……3人部屋のシャワールームは結構広いので、いっその事3人で入りましょうか?」

 

 

「其れも良いかも知れないね?

 

 片腕の私じゃ、体を洗うのも一苦労だから、背中を洗ってくれる人がいて来ると助かるし――実家では菊代さんがやってくれてたけど、学園艦だとそうは行かないから。」

 

 

そういう訳で、一緒に入ってくれますか、エリカさん、小梅さん?

 

 

 

 

「そう言う事なら異論はないわみほ。寧ろ、暫定的とは言え1年最強である貴女の背中を流す事が出来るなんて、光栄この上ないわ。」

 

 

「其れじゃあ、親睦を深める意味で、裸の付き合いと行きましょうか♪」

 

 

 

 

そ、其れはちょっと使う所が違うんじゃないかな小梅さん?――いや、シャワールームだから、裸の付き合いって言うのは間違ってないと思うけどね?

 

取り敢えず、エリカさんのプロポーションは、色々と反則だって言う事を実感したよ――私と小梅さんも負けてないとは思うけど、純血の日本人じゃ、ドイツクォーターのエリカさんには敵いませんでした!

 

中学時代は私が勝ってたけど、高校に入って抜かれちゃった感じだなぁ……こっちの方面でも、色々と頑張らないといけないみたいだね。

 

だけど、黒森峰での高校生活は、とっても楽しみだよ♪

 

 

お姉ちゃんが隊長で、副隊長は近坂先輩が務めてるし、何よりもエリカさんと小梅さんがいるからね?――エリカさんと小梅さんは、敵に回すと厄介だけど、味方としてはとっても頼もしいのは間違いないモン。

 

其れを考えたら、最高に楽しい高校生活になるのは間違いないって、私は思ってるよ――何よりも、楽しむ事が出来ないなら、何をやった所で、いい結果は得られないからね。

 

 

黒森峰での3年間、思い切り楽しませて貰うよ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:エリカ

 

 

 

まほさんから、事前に『妹の事を頼む』ってお願いされていたから、小梅と共に3人部屋になる事は異論はなかったわ……あの子を加えた寮生活って言うのは楽しい物になるだろうからね。

 

 

だけど、それ以上に、私の心は高等部の戦車道について沸き上がってるわ――西住姉妹が揃ってるなら、今年の黒森峰に隙は無いって胸を張って言えるからね。

 

 

隊長とみほの力が合わされば、サンダースだろうとプラウダだろうと、障害になり得ないわ!

 

貴女と一緒に戦車道が出来るって事だけでも、私にとっては喜ばしい事なんだけど、どうせなら10連覇を成し遂げてやろうじゃない?――貴女が、一緒なら其れも決して夢物語とは言えないからね。

 

 

此れから3年間世話になるわよみほ――貴女の戦車道、バッチリ見させてもらうから、覚悟しておきなさい?――盗める物は全部盗んで、何時の日か、貴女の事を追い抜いてやるんだから!!

 

 

 

でも今は、最強の存在が仲間になった事を喜ぶべきよね。

 

 

如何やら、黒森峰の高等部での生活は中学の時の何倍も楽しい事になりそうだわ。特に戦車道に関しては!

 

自惚れかも知れないけど、貴女と私と小梅が組めば、其れはきっと最高にして最強のチームになると思うしね。

 

 

明日から始まる、本格的な戦車道の授業が楽しみになって来たわ!

 

 

……そういえば……

 

 

「みほ、アンタのお供2匹は何処で寝る訳?」

 

 

「ロンメルは私の枕元で、アンドリューは用心棒としてドアの近くで寝てるよ~~。」

 

 

「ドアの所にアンドリューがいてくれるなら安心ですねぇ。」

 

 

 

 

……最強のセキュリティが施されてる訳ねこの部屋は。前言訂正、戦車道以外でも退屈する事だけは無さそうね、此の3年間は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 


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