ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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相手はサンダース……不足は無いよ!Byみほ     なら、勝ちに行くわよ!Byエリカ


Panzer89『セミファイナルでも手加減無用です!』

Side:ナオミ

 

 

黒森峰を相手に迎えた準決勝――下馬評では黒森峰絶対有利だったけど、其れ自体をを否定する事は、流石に出来ないわね。

 

確かにサンダースは高校戦車道の4強の一角ではあるけど、戦車の性能では黒森峰が運用してるドイツ戦車には如何足掻いたって勝つのは難しい――故に、此の準決勝は黒森峰が圧倒的に勝つ……

 

「てな事を、マスコミ連中は考えてるんだろうな。」

 

「まぁ、其れは否定できないわよナオミ。黒森峰の強さは圧倒的だし、西住姉妹が揃った今年は、10連覇待ったなし状態だから。」

 

 

 

うん、其れは私も分かってるよケイ。

今年の黒森峰は、過去最強と言っても過言じゃない――1回戦と2回戦は、圧倒的に勝ってたからね。

そして、今年の黒森峰の強さを支えてるのは、間違いなくみほ率いる遊撃隊さ――あの遊撃隊の存在が、此れまでの黒森峰には無かった戦い方を引き出し、黒森峰の戦術ドクトリンに厚みを持たせてるからね。

 

其れだけを聞くと、遊撃隊を率いてるみほを倒せば如何にかなるんじゃないかって思うけど、遊撃隊の2人の副官であるエリカと小梅の能力だって侮る事は出来ないわ。

1回戦と2回戦を見る限り、みほの指示を的確に熟してたのはエリカと小梅だったから、例えみほを倒しても此の2人が遊撃隊の指揮を受け継ぐのは間違いない……つまり、みほ1人を攻略した程度じゃ、勝つ事は出来ないな。

 

 

 

「そうよねぇ……ならどうするナオミ?」

 

「遊撃隊を全滅させる。其れしかない。」

 

だが、そう言う事なら遊撃隊を全滅させればいいだけの事だ――私には其れを出来るだけの腕があると自負してるし、出来ると思われたからこそ、準決勝の大舞台でファイアフライの砲手に抜擢された訳だしね。

黒森峰の偉業達成を望んでた人達には申し訳ないけど、黒森峰の最強伝説は、今日ここで終わる―ー私の、私達の手で終わらせるわ!!

ローズヒップもペパロニも貴女を止める事は出来なかったけど、黒森峰の最強伝説と共に、貴女の快進撃も終わらせるわ、みほ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer88

『セミファイナルでも手加減無用です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

準決勝の試合会場は、幾つかの岩山と、もう使われなくなった廃工場跡が点在してる荒野……大会で戦うたびに思うんだけど、此処って本当に日本なんだよね?

なんて言うか、他校の試合だと明らかに南国――は、沖縄でやったとして、砂漠地帯とか、火山の群集地帯とか、果ては夏なのに積雪と降雪のある場所とか、本当に日本なのか疑いたくなる場所が多々あるんだけど、如何思うエリカさん?

 

 

 

「連盟が日本と言い張ってる以上は日本なんじゃないの?

 そもそも、海外で試合してたらその都度入国審査やらビザの取得をしないといけない訳だし、そんな事をしたって話は聞かないから、ヤッパリ試合会場は日本なのよ……多分。」

 

「確かにみほさんの疑問も然りですよね?

 今日の試合会場だって、日本の廃工場地帯と言うよりは、アメリカの広大な荒野を思わせますから――まぁ、相手がサンダースだけに、アメリカ風の荒野って言うのは、味がありますけど♪」

 

「確かにサンダース相手に、アメリカ風の荒野って言うのは味があるかも。――フィールド的には、完全にアウェーな雰囲気だけどね。」

 

さてと、そんなフィールドで如何動こうかな?

黒森峰の本隊は、何時ものように正面から相手に向かって行ってるし、サンダースも基本的には搦め手をあまり使わずに、真正面から撃ち合うスタイルだから、ドクトリンのタイプで言えば黒森峰とサンダースはよく似てるって言える。

其れだけなら、性能差で上回る黒森峰が絶対有利だけど、基本押せ押せの黒森峰に対して、サンダースは即座に戦略的撤退を行う柔軟さも持ち合わせてるから、一気に蹂躙するのは難しいし、劣勢になった時にこそ逆転の切り札となるファイアフライが本領を発揮するからね。

 

そのファイアフライが此の準決勝では5輌も出て来てるって言うのは、完全に黒森峰シフトなのは間違いないと思うんだよ。

 

 

 

「確かに、M4の発展形とは思えないほどの火力を有し、『虎殺し』の異名を持つファイアフライが5輌ってのは、黒森峰の重戦車を警戒しての事なのは間違いないわ。

 ファイアフライの火力なら、スペック上は今日の試合に出てる黒森峰の戦車を全て撃ち抜ける訳だしね。」

 

「そんなファイアフライが5輌も居るって言う事を考えると、幾ら黒森峰でも苦戦は免れない――如何にお姉ちゃんが指揮を執ってるとしても、5輌のファイアフライに囲まれたらきついだろうからね。」

 

「と言う事は、先ずは5輌のファイアフライを見つけ出して撃破するのが、今回の遊撃隊の役目でしょうか?」

 

 

 

ん~~~……其れは半分正解で、半分不正解かな小梅さん。

普通に考えれば、脅威であるファイアフライを見つけ出して真っ先に叩くって言うのは正解なんだけど、今回に限っては、5輌の内の何輌かは向こうから私達の方に来る筈なんだよ。

 

 

 

「敵さんの方から現れてくれるってのは探す手間が無くていいけど、何だってそんな事になるんだ?」

 

「簡単な事だよ理子さん。

 サンダースには、私の中学時代の仲間だったナオミさんが居るし、中学の大会で戦ったケイさんとアリサさんが居る――自惚れる訳じゃないけど、その3人は私の実力をサンダースの中では誰よりも知ってるから最大限に警戒してる筈なんだよ。

 だとしたら、その私が隊長を務めてる遊撃隊を、真っ先に潰しに来る可能性は可成り高いんじゃないかって思うんだ。」

 

「成程……確かに、嘗ての戦友と対戦相手が相手に居るなら、みほを警戒して真っ先に潰しに来るのは間違いないかも知れないわね?

 下手したら、ファイアフライ5輌を全て、遊撃隊潰しに使ってくる可能性だってあるかも知れないわ。――尤もそれは、可成りの極論だけど。」

 

 

 

極論かも知れないけど、その可能性も視野に入れておくべきかもね?

ファイアフライは、数少ない黒森峰の天敵だから、其れを集中されたら流石に少し厳しいかも知れないから。

 

 

 

「それでも、みほさんは『少し厳しい』レベルなんですよねぇ……普通なら『可成り厳しい』で、最悪の場合は『勝てない』って言う所ですよ?」

 

「うん、そうだろうね。

 だけど、自分で『勝てない』って口にしちゃったら本当に勝てなくなっちゃうし、遊撃隊を率いる立場として、ネガティブな事を言うのは如何かと思うからね。」

 

部隊の長が『もうダメだ』って言ったら、その部隊は其処で終わるからね。

其れに、ファイアフライが5輌で攻めて来ても、私は負けないから……大体にして、蛍(ファイアフライ)じゃ、軍神と狼と隼を止める事は出来ないから。

来たら来たで、全力で叩きのめすだけだよ!!

 

 

 

「その意気は流石ねみほ。

 だけど、その闘気に当てられたかの如く、サンダースの部隊のお目見えよみほ――ファイアフライは『2輌』で、75mm搭載のM4が3輌が、別動隊として動いて居たみたいね。」

 

「数の上では5対5ですけど……ファイアフライ2輌は、流石に厳しいですね――火力の全てを集中されたら、幾ら何でも耐えきれませんから。

 でも、向こうから出向いて来てくれたのなら探す手間が省けました。

 ――みほさん、号令を!」

 

 

 

ファイアフライの全機編成ではなかったけど、ファイアフライ2輌と、M4シャーマン3輌の編成は悪くないから、簡単に勝つ事は出来ない――なら思い切り暴れさせて貰うよ!!

 

「敵部隊を壊滅させる!それじゃあ行くよ……Panzer Vor!!(戦車前進!)」

 

「「「「「Jawohl!!(了解!!)」」」」」

 

 

 

先ずは挨拶代わりだよ!エリカさん、1発やっちゃって!

 

 

 

「任せなさい!撃て!!」

 

 

――ドガァァァァァァァン!

 

――ドゴォォォォン!!

 

 

っと、向こうからも挨拶代わりの1発が来たね?

撃って来たのはファイアフライ……回転砲塔の上にケイさんが腰かけてる車輌か――と言う事は、あのファイアフライの砲手がナオミさんと見て間違いない。

挨拶代わりの一撃を、相手の戦車の前に着弾させるのはナオミさんの『挨拶』の時の癖だからね。

 

「其方から来てくれるとは、助かりましたよケイさん。探す手間が省けました。」

 

「そう?

 でも、私達が此処で貴女達とBattleを始める以上、互いに相手を全部倒さないと本隊との合流は出来ないわよ?」

 

「其れは勿論分かってます――そして、ケイさん達の部隊の目的は、私達遊撃隊を足止めする事じゃなくて、沈黙させる事……ですよね?」

 

「Yes!其の通りよみほ!

 貴女達遊撃隊を、最悪でも痛み分けで壊滅させる事が出来れば勝機も見えるからね?だから、貴女達を倒す為に貴重なファイアフライを2輌も連れて来たんだから、絶対にKOしてあげるわ♪

 其れに、一昨年の中学大会でのリベンジも果たしたいからね♪」

 

「ふふ、そう簡単にはリベンジさせませんよ!」

 

「言ってくれるわねみほ?でも、其れ位じゃないと面白くないわ!!

 Let's party of the Crazy Miho?Come on Get serious!!(さぁ、イカレタパーティの始まりよみほ?マジで遣り合うとしようじゃない!!)」

 

「Gesagt dass es ihren Willen Miss Kay!(言われなくてもその心算ですよ、ケイさん!)」

 

手加減抜きの全力全壊は基本だけど、持てる力の全てをぶつけあってこその戦車道だし、互いに全力を尽くさないで戦う事よりもツマラナイ事は無いからね?

正々堂々、ルールに則って全力で行きましょうケイさん!!

 

 

 

「ルールに則って正々堂々……OK!」

 

 

 

あはは……流石にケイさんには意味が分かったよね?

ルールに違反する行為は当然だけど、ギリギリのグレーゾーンと言うかどちらかと言えば黒に近いグレーゾーンは無しで、ルールの中での正々堂々の全力って言うのは、ルールで許されてる事ならどんな手でも使ってOKって事だから。

 

つまりは、ルール内での合法を何処までギリギリ使う事が出来るかがカギになる訳だけど、そう言う戦いなら私は絶対に負けないよ?

お婆ちゃんに言わせれば『邪道』らしいけど、搦め手やトリックプレイは私の十八番だし、廃工場跡とかもあるこのフィールドは、私にとっては市街地戦の次に得意なフィールドだからね。

 

私達遊撃隊を壊滅させるための別動隊なんだろうけど、その目的は果たさせない……返り討ちにしてあげるよ!!

 

 

 

「Angriff Saunders!(来なさい、サンダース!)

 軍神の軍刀と、狂犬の牙と、隼の爪と……プラスαに叩きのめされたいならね!」

 

「オイこら逸見!プラスαってなんだー!アタシと狭山には何か名は無いのか!?」

 

「直下さんと狭山さんには無いんですよねぇ……と言うか、私とエリカさんに二つ名があるのも中等部で隊長と副隊長だったからですし。

 二つ名をつけるなら……『呪われた履帯』と『初代虎仮面擬き』とか如何でしょう?」

 

超却下(ふざけんな馬鹿)

 

 

 

そう言えば理子さんとサトルさんは、二つ名が無かったっけ?

なら、理子さんが『猛攻の女豹』、サトルさんが『黒き森の猛牛』で如何かな?

 

 

 

「猛攻の女豹……良いね其れ。」

 

「黒き森の猛牛……凄く強そう!!」

 

「でしょ?」

 

其れじゃあ遊撃隊の車長全員の二つ名が決まった所で弩派手に行こうか?

決勝前のセミファイナルとは言え、決勝戦が大いに盛り上がる為にも、セミファイナルの準決勝は弩派手に行かないとね!――其れに、準決勝で弩派手に暴れれば、其れが決勝の椅子で待ってるプラウダへの牽制にもなるからね!!

 

戦車道魂を燃やして行くよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:まほ

 

 

試合が始まって20分か……サンダースの部隊が順調に行軍して来たと仮定すれば、そろそろ接敵しても良い頃だな。

勿論それは、サンダースの部隊がストレートに此方に向かってきていた場合の話だが、このフィールドの高台の岩は脆く、下手に陣を張ると言うのは自殺行為だ――足場を崩されたら其れまでだからな。

 

 

 

「此処の高台は、粘土と砂利で構成されてるから強度は可成り低いわ――ぶっちゃけると、ティーガーⅠの88mmを2~3ぱつ打ち込めば、簡単に崩れる位にね。

 其れを考えると、高台から攻めてくる可能性は低いわよまほ。

 ディスアドバンテージがアドバンテージを上回るモノを選択するってのは、余程の馬鹿か、其れとも自信過剰かのどちらかだからね。」

 

「ふ、確かに其の通りだな凛。」

 

如何に高台からの攻撃が有利に働くとは言っても、足場を崩されたら総崩れになりかねない高台からの攻撃を選択するのは愚の骨頂だ。

尤もみほならば、そのディスアドバンテージすら織り込んだ上で、並の戦車乗りでは思いつかないような戦術を構築してしまうのかも知れないけどね。

 

こんな事を言ったらアレだが、みほは西住流と島田流の両方をその身に宿した様な戦車乗りだからな?――正直な事を言わせて貰うなら、今のみほには同性能の戦車に乗って戦ったら勝てる気がせんよ。

今はまだ隊長である私の顔を立ててくれてるが、みほが隊長になってあとの黒森峰は、間違いなく最強になるぞ?……姉であり隊長である私が居なくなれば、みほは私に合わせる必要は無くなるからな。

 

――っと、通信か。如何した遊撃隊隊長?

 

 

 

『此方遊撃隊隊長のみほです。

 サンダースの別動隊に発見され、此れより交戦に入ります。』

 

「サンダースの別動隊だと?……みほ率いる遊撃隊を警戒しての別動隊と言う訳か。

 遊撃隊隊長、別動隊の総車輌数は?其れと車両編成はどうなっている?」

 

『別動隊の車輌は5輌、うち2輌がファイアフライです!』

 

 

 

5輌のファイアフライの内2輌が、別動隊にだと?

態々2輌を投入してまで、遊撃隊に対しての別動隊を編成するとは、みほが率いる遊撃隊は、私が思ってた以上に各校に対してプレッシャーになっているみたいだな。

 

だが、みほ達を倒す為にファイアフライ2輌を対遊撃隊の部隊に回してくれたのは有り難いな?……サンダースの保有車両の中で、唯一ティーガーを撃ち抜く事の出来る戦車の数が想定よりも少ないと言うのなら、此れは有り難い誤算であるとしか言いようがない。

 

遊撃隊長、此方でもサンダースの本隊を確認したので、此れより交戦状態に入る――其方も充分に警戒して敵を撃破せよ!……やられるなよ、みほ!!

 

 

 

『隊長……はい!!

 この別動隊を倒して、直ぐに援軍に向かいます!!』

 

「だが、無理はするなよ?無理をして取り返しのつかない怪我を負ってしまったと言う事になったら、流石に笑えないからな。」

 

『もう!!無茶はするけど無理はしないからね!』

 

 

 

ふふふ、そう怒るな。

だが、お前のおかげでサンダースの隊長がどんな展開を考えてるのかが、お前からの情報でクリアに分かったよ――連中は、3輌のファイアフライと、7輌のM4で私達黒森峰を包囲する心算だ。

そして包囲した上で、ファイアフライでフラッグ車を狙うと言う所だな。

 

戦術としては悪くないが、その程度の戦術で私を倒せると思っているのならば、黒森峰も西住流も随分と舐められたものだ――蛍の光で、虎を倒す事が出来ると思っているのならば、先ずはその幻想をぶち砕いてやる!

別動隊の相手は任せるぞみほ!

 

 

 

『了解です――隊長も無理はしないで下さい。通信終了。』

 

 

 

無理はするな、か……みほらしい気遣いの言葉だが、生憎とそれは約束できないぞみほ。

お姉ちゃんと言う生き物は、妹の前では何処までもカッコ良く振る舞いたいものなんだ……だから、少しばかり無理するのは容赦してくれよ?

お前が真に己の戦車道を見つけて私に挑んで来るまで、私は最強で居る義務があるからな。

 

だが、先ずは目の前の敵だな――私達に真正面から挑んで来たと言う勇気は褒めてやるが、其れは所詮蛮勇でしかないと知るがいい!!

貴様等の攻撃など痛くも痒くもないが、数があるだけに簡単には行かないな。

向こうの部隊にはファイアフライが3機も居るから、激戦は免れんだろうが、其れでも勝つのは私達だ!

黒森峰の快進撃は、お前達では止められない――その事実をその身でもって知るが良い!!……何よりもみほと共に10連覇を達成するのが私の願いだ!!

その障害となるモノは叩き伏せる――誰が相手であってもな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

ケイさん率いる別動隊との交戦が始まってそろそろ20分が経つけど、互いに決定打を与える事が出来ないって言うのは、其れだけ実力が均衡してるって事なんだろうけど……何か嫌な予感がするんだよね?

其れが何なのかって聞かれると困るんだけど、兎に角嫌な感じがしたよ。

 

黒森峰の遊撃隊と、サンダースの別動隊の戦いは、未だに1輌も白旗を上げてないって言うハイレベルな戦いが展開されてるけど、此のまま試合が進めば泥仕合になるのは間違いない。

 

そうならない為にも、ケイさん達を何とかしなくちゃならないんだけど――ナオミさんの正確無比の砲撃は、誇張抜きで凄かったから、此れを真正面から受けるのは愚の骨頂。

受けるんじゃなくて、斜めの角度で弾く事が重要になって来るよ……其れ位はケイさんも分かってる筈なのに、其れでも攻撃してくるって言うのはトコトン私と遣り合いたいみたいだね?上等だよ!!

 

隻腕の軍神の力、其の身で味わって貰おうか!!

 

 

 

――ピピピピピ!!

 

 

 

ん?此処でお姉ちゃんから通信?

此れはお姉ちゃんと近坂先輩と私しか知らない非常コードでの通信……一体何が書かれてるんだろう?――……此れは、マジなのかな!?

黒森峰の本隊の前に『4輌』のファイアフライを従えたサンダースの部隊が現れてパンター2輌が撃破された!?

 

そんな……幾ら何でもそんな事がある筈ないよ!

だってこっちには、2輌のファイアフライがあるんだよ?其れなのに本隊の方に4輌のファイアフライって、幾ら何でも数が合わないよ!

でも、だけどお姉ちゃんが試合中に嘘を言う筈がない……なら何処かに仕掛けがある筈だけど――まさかファイアフライの鎧装を張り付けた偽物が存在してる?

なら――ケイさんが乗っていない方のファイアフライに照準!……撃て!!

 

 

 

――ドッガァァァァァァァァァン!

 

 

――カランカラン……

 

 

 

ヤッパリ……此れは完全にやられたなぁ。

砲撃の煙が晴れるとそこには、張りぼての17ポンド砲がなくなったファイアフライ――もといM4シャーマンが居た……ファイアフライが2輌別動隊に存在してると思わせる為のトリックプレイだったって言う訳か。

使用車輌の偽装申請はアウトだけど、試合中の偽装工作はルール上は合法だから、其れを巧く使ったって言う事だね……私を騙すとは、やってくれるねケイさん、上等だよ!!

 

 

 

「上等は良いけど、此れは完全に敵の仕掛けに乗せられたわ。

 此のままじゃ隊長達は窮地に陥る……黒森峰が討たれる!!」

 

「なら、其れは絶対に阻止する!!」

 

だから小梅さんと理子さんとサトルさんは、行って!

サンダースの別動隊は、私とエリカさんで抑えるから!!

 

 

 

「マジか!?でもそうなったらみほ等は……!!」

 

「大丈夫、私とエリカさんならそう簡単にやられる事は無いし、これはえっと……遊撃隊の隊長としての命令だから!

 ――不本意でも従って貰うよ!!早く本隊の援護に向かって!!」

 

「命令なら仕方ありませんね……でも約束してくださいみほさん――後でまだ。」

 

「……うん!」

 

「後でまた、絶対にね!やられんじゃないわよ小梅!!」

 

「はい!!」

 

 

 

さてと、本番は此処からだね?

数では負けてるけど、其れを越えて勝利を捥ぎ取ってくのが、私達黒森峰の遊撃隊だからね?――此れ位の劣勢で止まる事は有り得ない!

寧ろ遊撃隊の本領発揮は此処からかな?――押されてる状況を逆転するのが遊撃隊の役目とも言えるしね。

 

私が率いる遊撃隊を壊滅させれば勝てるって思ったんだろうけど、生憎と遊撃隊はそんなに軟じゃない!――むしろ、この状況を逆利用する

だけだよ!!

 

 

 

楽しませて貰うよサンダース?……貴女達の実力は、まだまだこんな物じゃ無い筈だからね!!

だけど最終的に勝つのは、私達黒森峰だよ?――其れだけは、絶対に譲れないから……前人未到の10連覇がかかってるなら尚更ね!!

黒森峰の最強伝説は終わらない……私が終わらせない!

 

行くよ!全力全壊でね!!

覚悟して貰うよサンダース……私達の前に立ちふさがる相手は、誰れあっても排除する――其れが例え近い友人であってもね。

 

さぁ、第2ラウンドを始めるとしようか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

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