ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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決勝戦……魂を燃やすよ!Byみほ     言われずとも、命燃やすわ!Byエリカ     炎が、貴女を呼んでます!By小梅


Panzer94『第62回高校戦車道大会決勝です』

Side:まほ

 

 

決勝戦前の最後のブリーフィングだが、これと言って作戦の変更はない――本隊が敵部隊に正面から戦いを挑み、みほ率いる遊撃隊が、その側面を食い破る戦術は、王道にして有効だからな。

 

何よりも相手がプラウダと言うのが大きい。

プラウダは現在の高校戦車道に於いては、黒森峰に次ぐナンバー2と称される強豪校だが、其れだけにみほが得意とする搦め手には弱い筈だからな――とは言え、前日までの大雨で地盤はぬかるみ、川は増水して居る事が考えられるので、各員状況判断を怠らないように。

 

 

 

「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」

 

 

 

うん、良い返事だ――が、如何したみほ、何やら難しい顔をしているが――否、難しい顔をしてるのは、みほだけでなく、エリカと小梅もか?

如何した、何かあったのか?

 

 

 

「何かあったと言えばあると答えるのが妥当でしょうか隊長……取り敢えず、これを見て下さい。」

 

「……此れは、天気図か?」

 

「はい、少し気になったのでネットで調べてみたら、如何やら此の決勝戦の会場の周辺は大気の状態が不安定で、今は晴れていても、行き成りの豪雨とかがあるみたいなんです。」

 

 

 

何だと?……だが、其れは確かに無視できん情報だ――場合によっては、試合其の物が中止になる事態になるかも知れないからね。

 

しかし、其れは運営が『試合続行は不可能』と判断した場合の事だからな……とは言え、一時的な試合中断位は視野に入れておいた方が良いだろうし、突然の豪雨があった場合は足場は更に悪くなるから、其れも念頭に置いておかねばな。

 

だが、何が起きても負ける気は毛頭ないぞプラウダ?私とみほが揃った黒森峰に敵は無いと、其の身をもって知るが良い。

いや、私とみほだけではない……天城さんに凛、エリカに小梅と今年の黒森峰は、正に最強と言える布陣が揃っているのだからな。

 

見せてやる。そして魅せてやるぞ……真の西住流と、最強の黒森峰と言うモノを――!

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer94

『第62回高校戦車道大会決勝です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

20分間のブリーフィングを終え、黒森峰とプラウダは、互いにスタート地点に戦車を配備し、何時試合が始まっても良い様にスタンバイが出来ている。

黒森峰が絶対王者に相応しい冷徹なオーラを纏ってるとしたら、プラウダは冷たくとも熱いオーラを纏っていると言うべき状態だ。

其れこそ、試合開始が告げられたら、その瞬間にドンパチが始まりそうな雰囲気ではあるが、先ずは試合開始前に両校のオーダーを見て行く事にしよう。

 

 

・黒森峰女学園

ティーガーⅠ×7(212号車は隊長車)

パンターG型×10(217号車は遊撃隊隊長車兼フラッグ車)

ヤークトパンター×3(704車は遊撃隊車輌)

 

 

・プラウダ高校

T-34/76×9

T-34/85×9

KV-2×1

IS-2×1

 

 

 

両校ともバランスの取れた布陣ではあるが、黒森峰が本当の意味でのバランスの良さを考えた布陣であるのに対して、プラウダはバランスを保ちながらも、一撃必殺の火器を投入し、火力面を強化した編成であるようだ。

 

一見すれば『総じて戦えば五分』と言える布陣だが、プラウダの隊長であるメドヴェージョワは、黒森峰の布陣に疑問を感じていた。

 

 

「(重戦車が半分以下しかない?其れも、安定性のあるティーガーⅠのみとは……去年は、ヤークトティーガーやエレファント、ティーガーⅡなんかを使って居たと言うのに。

  いや、そもそもにして今年の黒森峰は、例年よりも全ての試合で重戦車よりも、むしろ中戦車をメインにしていた……?)」

 

 

メドヴェージョワが思っているように、これまでの黒森峰と言えば、圧倒的な火力を持ってして、相手を真正面から叩き潰す、所謂『蹂躙戦術』と言うべき戦い方が特徴だったのだが、今年の黒森峰は蹂躙戦術は形を潜め、中戦車を中心し、更には『遊撃隊』を用いた、此れまでとは明らかに異なる試合をして来たのだ。

 

とは言え、それらの戦術はあくまでも試験運用レベルであり、決勝は此れまで通り火力重視の編成で勝ちに来ると思っていたのだが、メドヴェージョワの予想に反し、黒森峰は決勝も中戦車であるパンターと、駆逐戦車であるヤークトパンターが部隊の半分以上を占めている布陣である――つまり、決勝でも黒森峰は、今大会の準決勝までと同じ戦術で戦うと言う事だ。

 

 

「(まさか、決勝戦をも試験運用の場にする心算なのか!?――何たる侮辱……その傲慢、叩きのめしてくれよう!!)」

 

 

其れに思い至ったメドヴェージョワは、『侮辱された』と内心で激怒するが、其れは間違いだ――試験運用などは、大会前に行った2つの練習試合で終わっており、其の2試合を持ってこの布陣の有用性は立証されている……つまり、黒森峰の新戦術は、大会前には実用レベルとなっていたのである。

 

そんな隊長とは別に、副隊長であるカチューシャは、警戒すべきは隊長の西住まほよりも、寧ろその妹の西住みほであると考えていた。

否、挨拶をするまでは姉と比べて覇気が無いと思っていたが、先程浴びせられた強烈な覇気はまほを上回っていると感じ、その瞬間に『西住みほ』はカチューシャの中で最大限に警戒すべき相手となったのだ。

 

 

「西住みほ……警戒しておいた方が良いわねノンナ?」

 

「そうですねカチューシャ。

 彼女は恐らくですが、西住流を極めているだけでなく、その対となる流派である島田流をも修めている可能性すらあります……何れにしても彼女が最大の脅威であると言う事実は変わらないでしょう。

 ――尤も、彼女と共に居た銀髪の子と、くせ毛の子も相当でしょうが……」

 

「あぁ、あの2人ね?……確かにあの2人も要警戒だわね。」

 

 

加えてカチューシャの側近であるノンナは、みほと一緒に居たエリカと小梅も相当な物だと思っていた――みほの覇気を間近で受けて、全然平気な顔をしていたのだから、そう思うのも当然と言えるが。

何れにしても、プラウダの副隊長とその側近は、黒森峰の遊撃隊を最大の脅威と見做したのは間違い無いだろう。

 

 

 

 

プラウダ陣営がそんな事を思ってる一方で、黒森峰陣営はと言うと……

 

 

「凛、フラッグ車を見つけたら迷わず叩け、私の権限に於いて許可する。と言うか命令する。」

 

「OKまほ、貴女の望み通りプラウダのフラッグ車を見つけた場合は、私が其れを狩るわ……そしてその首を献上するって約束しようじゃない。」

 

「其れは楽しみだな。」

 

 

 

「CPG設定完了。ニュートラルリンケージ、イオン濃度正常。メタ運動野パラメータ更新。

 原子炉臨界、パワーフロー正常、全システムオールグリーン……パンターG型、システム起動!」

 

「みほ、何時から貴女のパンターはストライクフリーダムになったのかしらね?」

 

「いやぁ、ちょっと言ってみたくなって……この長ゼリフを早口で言っちゃう保志総一朗さんは素晴らしいと思うんだけど如何だろう?」

 

「その意見に関しては諸手を挙げて賛成だわ。キラ・ヤマトは保志さんの中でも1、2を争う最高キャラだしね。」

 

「良いですよね、ストライクフリーダム。」

 

 

プラウダ陣営とは違い、可成りリラックスしていた。

これもまたこれまでの黒森峰では考えられない光景だが、まほが黒森峰の改革を打ち出してから、黒森峰は此れまでのガチガチの組織から

脱却し、隊員同士が肩肘張らずに付き合える部隊となっていたのだ。(尤も、そうなった事の最大の功労者がみほであるのは言うまでも無いだろうが……)

 

そして其れは、部隊全体のレベルアップにも繋がっていた。

隊員同士がフランクに付き合えるようになった事で、部隊から不必要な緊張がなくなり、試合での連携が此れまで以上に円滑かつ、強力になったのだ。

つまり、今の黒森峰は絶対無敵にして最強と言えるのだが、そこにみほ率いる遊撃隊が加わるのだから、負けろと言うのが寧ろ無茶振りだと言えるレベルだ。

 

 

 

「さてと、そろそろだな……行くぞみほ、凛!」

 

「了解です隊長!」

 

「折角の決勝戦ですもの、派手に行こうじゃない?……勝つのは私達だけどね。」

 

 

 

其の内に試合開始時間が迫り、全員が戦車に乗り込む。――と同時に、試合開始前の独特の緊張感が会場全体に広がる。

 

 

 

『其れでは、試合開始!』

 

 

「Panzer Vor!!」

 

「Танки аванс!(戦車前進!)」

 

 

そして試合開始が告げられると同時に、黒森峰とプラウダは戦車隊を発進させる。――此処に、今年最強を決める戦いの火蓋が切って落とされたのである。

 

 

 

「其れじゃあ行くよエリカさん、小梅さん、理子さん、サトルさん!!」

 

「了解!プラウダの奴等に一泡吹かせてやろうじゃない!!」

 

「行きましょうみほさん……プラウダに遊撃隊の強さを知らしめてあげましょう!!」

 

「今宵のヤークトパンターは血に飢えてる……白旗上げたい奴からかかってこいやゴルアァ!!」

 

「炎が、お前を呼んでるぜ……楽しませて貰うわよプラウダ!!」

 

 

そしてそれ以上に遊撃隊のテンションはオーバーヒート寸前にまで高まっている――其れを使いこなしているみほもまた相当なのだろうが、何にしても、決勝戦もまた遊撃隊がキーパーソンになるのは間違い無いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

予想はしてたけど、実際に試合が始まってフィールドに出てみると、思った以上にコンディションが良くないなぁ?

草原のフィールドは未だしも、荒野のフィールドは泥濘が凄くて、土と言うよりも泥のフィールドだよ此れ……去年までの黒森峰の重戦車編成だったら間違いなく立ち往生して動けなくなってただろうね。

エリカさん、ティーガーⅠは大丈夫?

 

 

 

「えぇ、可成り泥濘が酷いけど、ティーガーⅠの馬力ならなんとか行けるわ――魔改造してないティーガーⅡや、ポルシェティーガーだったら目も当てられない状況になってたでしょうけどね。

 で、今回は如何動く心算なのかしら?」

 

「ん~~~……フィールドコンディションが何時も通りだったら、プラウダの背後から奇襲、または林で待ち伏せしてからの電撃戦で行く心算だったんだけど、この状態の悪さだと其れは難しいからね?

 だから、出来るだけ早い段階で市街地戦に持ち込もうと思ってる。

 市街地は舗装されてるから昨日の雨は関係ないし、市街地戦は私の十八番だからね。」

 

「と言う事は、私達がすべき事は、プラウダの注意を遊撃隊に引きつけながら市街地へと誘導する事ですね?

 プラウダの皆さん、本日の天気は晴れ時々雨、所によって雨以外の色んな物が降って来るのでご注意ください……冗談抜きで、有り得ない物が降って来ますからね、みほさんの市街地戦は。」

 

「信号機、道路標示は序の口で、街灯や電信柱は常套手段、挙げ句の果てには歩道橋が落っこちてくっからねぇみほの場合。」

 

 

 

使える物は何でも使えがモットーですので♪

まぁ、先ずは市街地戦に持って行くためにも、プラウダと接触して軽く戦車戦を行わないと――ん?

 

「な~~~~~んか、見えるよ?

 アレは……T-34!!76が3輌と、85が2輌!」

 

「なんですって!?

 まさかプラウダも遊撃隊と言うか、別動隊を!?……って、当然よね。

 今大会の黒森峰の試合を見てれば、遊撃隊を相手にする為の別動隊を編成してもおかしくないわ……サンダースもそうだった訳だしね?」

 

「オール1年で構成された遊撃隊が其処まで警戒されるとは、これも偏にみほの活躍のおかげかもね?

 んで、向こうから出てきてくれた訳だけど、どーすんの西住遊撃隊隊長?」

 

「そんなのは決まってるよ理子さん、態々向こうから出てきてくれたんだよ?

 それなら、最大限のおもてなしをして上げないと失礼にあたるからね……取り敢えず全機殲滅!但し、撤退を始めた場合には、深追い厳禁

 の方向でね。」

 

「了解しましたみほさん!」

 

 

 

其れじゃあエリカさん、理子さん、プラウダの別動隊の皆さんに挨拶代わりの1発をお願いできるかな?

私がやっても良いんだけど、やっぱり此処は、ドイツが誇るアハト・アハトを搭載したティーガーⅠとヤークトパンターの一撃の方がインパクトが大きいし、相手が驚くと思うから。

 

 

 

「試合開始直後の一発が、ジャブじゃなくて渾身の右ストレートって、相変わらず貴女は、戦車道に限って常識が通用しないわねみほ?

 だけど、だからこそ貴女の戦車道は面白いのよ――観客として観戦しても、敵として戦っても、味方として共に戦ってもね。

 取り敢えず派手にブチかましてやるわ!準備は良い、直下!!」

 

「おうよ!ブチかますぞ、逸見!!」

 

 

「「Feuer!!(撃て)」」

 

 

 

――ドガァァァァァァァン!!

 

 

 

うん、お見事。

撃破とは行かなかったけど、今の一撃は完全にプラウダの別動隊の虚を突く事が出来たからね……とは言っても、足場の悪さから何時もみたいな大立ち回りは出来ないけど。

 

だけど、其れなら其れで戦い様はあるんだよ?

 

 

 

「こんの、よくもやってくれたな?報復してやるべ!!」

 

「んだ、報復だ!!!」

 

 

 

……プラウダの人達がロシア語じゃなくて、青森弁丸出しだったのには驚いたけど、真正面から挑んでくるのはお勧めできないかなぁ?

此れまでの黒森峰なら、其れに対して律義にやり合ってたのかも知れないけど、生憎と私は黒森峰の伝統の外に居る存在だから、真正面から突っ込んでくる相手に真っ向勝負をする心算は毛頭ないんだよ――遊撃隊とは、勝利を部隊に引き込む存在であって、決して相手を倒す為の組織じゃないからね。

 

そんな訳なので、小梅さん、サトルさん、私と一緒に敵部隊の足元を攻撃しますよ?

 

 

 

「足元……ですか?本体じゃなくて?」

 

「足元で。

 そっちの方が効果が大きいから――此のぬかるんだ泥のフィールドではね。」

 

「まぁ、みほがそう言うならそうなんでしょうね……ぶっ放すわ!!」

 

 

 

――ドガァァァァァァァァン!!×3

 

 

 

アハト・アハトと比べればパンチ力に欠けるかも知れないけど、パンターの超長砲身から放たれる75㎜は、中戦車では最強クラスの攻撃力を誇る一撃だよ。

そんな物が泥のフィールドに着弾したらどうなるか……

 

 

 

「なんだぁ!?行き成り地面が消えたべ~~!!」

 

「お、落とし穴!?」

 

 

 

トラップ発動『落とし穴』ってね♪

緩んだ地盤は脆くて吹き飛ばしやすい上に、泥の落とし穴に嵌ったら最後、如何に戦車であっても抜け出すのは難しい……其れこそ、聖グロのチャーチルであっても無理だからね?

 

さて、覚悟は良いですかプラウダの別動隊の皆さん?

 

 

 

「オラ達動けないんで見逃してくれたりは……」

 

「うん、其れ無理♪だって私は、貴女達に白旗を上げて貰いたいんだもん♪」

 

「アンタ何処の朝倉涼子だべーーーー!!」

 

「うん、元ネタが分かる事に驚きだよ。」

 

でも、見逃す事が出来ないのは本音かな?

此処で見逃したら、何らかの方法で落とし穴から脱出する可能性が無いとは言えないし、車輌数を減らしておけば後々で黒森峰に有利に働く事は言うまでも無いからね。

だから、悪いけど貴女達は此処でゲームオーバーだよ。

 

「エリカさん、小梅さん、理子さん、サトルさん……やっちゃってください!!」

 

「了解!まぁ、私達に挑んだ事を後悔しなさい?」

 

「せめて副隊長が居たら、結果は違ったかもしれませんが……本隊の戦力を重視して、別動隊にエース級を入れなかったのが、敗因ですね。

 もう少し楽しみたかったですけど、これで終わりです!」

 

「まぁ、みほに挑んだ時点でお前等の運命は決定されてたんだけどな?……取り敢えず、御愁傷様だとだけ言っとくよ。」

 

「此れで終わりよ……遊撃隊を潰そうって言う戦術は悪くないけど、みほ率いる遊撃隊を潰す事はまず無理だと、其の身をもって知れ!!」

 

 

 

――バガァァァァァァァァァァァアァァァァァァン!!

 

――キュポン×5

 

 

 

『プラウダ、T-34/76、5号車、6号車、7号車、T-34/85、4号車、9号車行動不能!!』

 

 

 

よし、此れで先ずは先手を取れた!

其れも只先手を取っただけじゃなく、プラウダの別動隊の5輌を撃破出来たって言うのは可成り大きいと思う――5輌のビハインドを背負ったプラウダは、もう別動隊を出す事は出来ないからね。

 

別動隊に5輌を割り当てたって事は、その別動隊が撃破されたプラウダの残存車輌は15輌――其処から更に5輌の別動隊を編成するのは、自殺行為に等しいからね。

と言うか、数の絶対数で劣る状態でお姉ちゃんに挑んだ所で返り討ちにされるのは火を見るよりも明らかだからね?……だから、此処からはプラウダ本体の誘導をメインにしようか?

別動隊が向かってきた方向から、プラウダの部隊が今どこに居るのかの大体の予測は出来るしね。

 

 

 

「その予想が大体当たるってんだから、本気で凄いわみほは。」

 

「まぁ、子供の頃から勘は良かったからね。」

 

其れが今、戦車道で生かされてるんだから、本当に人生何があるか分からないよ……資質や経験って、色々大事なんだって実感するね。

 

 

 

――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……バリバリバリィ!!

 

 

 

って、プラウダの別動隊を撃破したと同時に発生した巨大な積乱雲……しかも、此れは只の積乱雲じゃなくて、間違いなく大雨をを齎す雨雲だよね此れは!!?

此処で豪雨とか冗談じゃないよ!!――何とか降らないで欲しいんだけど……と言うか降らないで下さい!!

 

 

 

 

なんて言う、私の願いも虚しく…

 

 

 

――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

 

 

積乱雲はドンドン増えて行って、そして一気に――ダムが決壊したんじゃないかと思う位の猛烈な雨が!!――此れは完全に、傘やら雨合羽で防げるレベルの雨じゃないよ!!

文字通りのゲリラ豪雨……此れじゃあ、試合は出来ないんだけど――どうなってるの隊長!!

 

 

 

『みほか……此の豪雨の中での試合続行は不可能なので、プラウダの隊長に打診して、雨が収まるまでは停戦状態と言う事にさせて貰ったよ……此の雨は冗談抜きですさまじい………こんな豪雨の中で試合をする事は出来ないからな。』

 

「ですよね。」

 

出来ればすぐに止んで欲しい所だけど、そう都合よくは行かないよねこれは絶対に?――1時間以内で上がってくれれば御の字、30分以内で止めば奇跡って言えるレベルだからね?

如何にか止んでくれる事を願うだけだよ。

 

何よりも、これ以上足場が悪くなったら不利どころの話じゃないからね?

 

 

 

「戦車の中から、大雨にアンニュイな表情を浮かべる美少女……此れは行けると思わないか京子ーーーー!!」

 

「絶対行けるわよ八神ぃぃぃぃ!!!」

 

 

 

……何やら碌でもない事を口に出してた京子さんと伊織さんは、お母さんの超必殺技である『西住流鉄拳』で黙らせたけど……私達の願いも虚しく、此の雨は最終的に1時間半降り続く事となった。

 

そして、私を始めとして、黒森峰の――若しかしたらプラウダの生徒ですら予測していなかったんじゃないかな?

 

 

 

 

此の試合で、後に『高校戦車道史上最悪の事故』と称される事になる事が起こるなんて言う事はね――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

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