問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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一ヶ月振りくらいに投稿です!!
活動報告にてアンケート実施中!!


“怪物”と改造兵士とマッドサイエンティスト

某所。

箱庭で箱庭では無い場所。

大ショッカー連盟の研究施設。

そこは大きな部屋であった。

部屋の中心には緑色の怪物が鎖で縛られていた。

白眼を見せるその怪物はただ暴れようとしていた。

だが、特別製の鎖は壊れない。

そして、部屋の四方が開き、何かが入ってくる。

灰色の体色に機械が混じった肉体を持つ怪物だった。

その右手には鈎爪の様な刃がある。

その怪物達はとある世界で“改造兵士レベル2”と呼ばれていた個体だ。

四方から改造兵士レベル2が部屋に入ると扉は閉められただの壁となる。

同時にアラームが鳴り響き、鎖が外される。

それにより、“怪物”は自由になる。

 

 

「■■■■■■■■■■■■__ッ!!」

 

 

怪物は解放されると同時に吠えた。

それだけで凄まじい衝撃波が周囲に放たれる。

“怪物”を中心に床にヒビが入り、捲れ上がり、吹き飛ばされている。

改造兵士レベル2達は何とか持ちこたえている。

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

“怪物”の背後にいた改造兵士レベル2が衝撃波が収まると同時に鈎爪を振り上げて“怪物”に跳び掛かる。

その鈎爪が“怪物”の皮膚に触れる一瞬前だった。

鈎爪は皮膚の手前で止まり、改造兵士レベル2の血が舞った。

“怪物”は動いてすらいない。

何が改造兵士レベル2に攻撃したのか、それは“怪物”の腕だった。

ただし、突如として腰の上辺りから生えた三本目、四本目の腕だった。

それが改造兵士レベル2の腹部を貫き、鈎爪を止めたのだった。

“怪物”は振り向き様に軽く腕を振るう。

それだけだった。

それだけの行動が改造兵士レベル2を真っ二つにした。

ベチャリと改造兵士レベル2の上半身が地面に落ちる。

同時にその頭部が点滅を始める。

頭部内に仕掛けられた自爆装置が作動したのだ。

しかし、作動する前に“怪物”に踏み潰される。

ここまで数秒。

圧倒的な力の前に残り三体の改造兵士レベル2の反応が遅れる。

それが命取りになった。

“怪物”が右側にいた改造兵士レベル2に狙いを付ける。

それに気付きはした。

だが、全てが無駄だった。

 

「ガァァァァァベキャ

 

反応した時には既に目の前に近付かれていた。

“怪物”はただ跳んだだけだった。

飛蝗の様に地面を蹴った。

それだけの行動でも“怪物”の身体能力に掛かれば十数mの距離を一瞬で跳ぶ。

叫びを上げるより早く右手に頭部を掴まれて握り潰される。

超振動する爪と圧倒的な握力の前では改造兵士レベル2の装甲も意味をなさない。

残り三本の腕により、正確にはその腕に生えた超振動する刃によってその胴体は八つ裂きにされる。

肉片がボトボト床に落ちる。

“怪物”の緑色の肉体も返り血に染まっていく。

その背に向かって残り二体の改造兵士レベル2が鈎爪を振り上げて跳び掛かる。

それも“怪物”は気付いていた。

軽く振り返り、目を見開く。

同時に“念力”によって二体の改造兵士レベル2が空中に固定される。

右側の個体を蹴り飛ばす。

ただの蹴りだ。

それでも壁に激突した改造兵士レベル2は水風船の様に破裂した。

壁に赤い染みが出来るだけで済むわけが無く、その衝撃は建物全体を揺らした。

そして、最後の個体は内から裂かれた。

四本の腕に体を貫かれ、超振動の刃にその身を裂かれるだけでなく、そのまま開かれて肉片を散らされた。

その部屋に残ったのは血と肉片と“怪物”だけだった。

だが、“怪物”は止まらない。

何かに気付き天井を、否、壁の上部に視線を向ける。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

改造兵士レベル2四体が“怪物”に八つ裂きにされる様を真木清人とレム・カンナギはただ観察していた。

 

「やはり、第三段階に達している“改造兵士”は“素体”に向いてる様ですね」

 

「そうだね。まさしく“怪物”と言った暴れ様だったよ」

 

「ですが、まだ足りませんね」

 

「あぁ、せめて改造兵士レベル2程度は念力で全て潰せるくらいになってくれなければな」

 

「ミュータミットやクォークスなどの要素を加えたのですがいかんせん力で暴れるのに片寄る様ですね」

 

分析して解析してる間に“怪物”は二人の存在に気付く。

実験室は上部から見下ろせる構造になっている。

もちろん強化ガラスではあるが“怪物”なら容易く壊せるだろう。

だが、二人は特に警戒はしない。

 

「ともかくこの“個体”は処分して構いませんね」

 

「他の“個体”に手を加えた方が“素体”としては優秀になってくれるだろう」

 

結論を出すと設置されていたスイッチを躊躇いなく押す。

同時に実験室の天井が開く。

次の瞬間、“一兆度”を越える火球が実験室を包む。

直撃した“怪物”は灰すら残さずに消し飛ばされるのだった。

 

「“彼ら”に今の実験データを渡しておいてください。“彼ら”の造っている個体に利用出来るはずなので」

 

指示を受けた黒マスクの研究員は迅速に実行する。

そして、真木は今後の方針の話し合いに戻る。

 

「おそらく動物的な本能が暴走しているのでしょうが、幾ら性能が良くても有効に利用出来ないのであれば意味がありません」

 

「全くだな。だが、それは仕方なくもある。“裏切り防止”の意味もあるのだからな」

 

「かつての“改造兵士レベル3”も裏切り、“仮面ライダー”になったそうですね」

 

「それにあの程度の個体では“素体”にしても改造後の性能に体が耐えられまい」

 

「解決すべき問題は“知性”と“裏切り防止”の両立、“素体”の強度ですか。かの

一号、二号を倒した“三号”、そしてそれに並ぶ戦士“四号”。彼らのデータを組み込んだせいで問題が更に増えましたね」

 

「元よりこの“計画”は問題が山積みだよ。何しろ失敗の“前例”が多過ぎるからな」

 

彼らの進めているのは究極の改造人間を造るという“計画”である。

彼らの個人的な研究をしつつの“計画”なので進みは遅い。

大ショッカー連盟はそもそも一丸では無いので幾つもの計画が平行して進行しているのだった。

そもそも改造される“素体”の段階で規格外の個体を作ろうというので問題が発生していた。

改造兵士レベル3を元として大ショッカー連盟の技術を結集させる。

性能は高まるがそれ故に問題も発生するのだった。

 

「やはり、彼らの所持する“細胞”も加えますか?」

 

「適合するかどうかが問題ではあるな」

 

「何か手伝える事はあるかな?」

 

そこへ一人乱入してくる。

男の名は戦極 凌馬。

とある世界でベルトの開発をしていた男である。

彼も大ショッカー連盟の技術により甦っていた。

 

「おや、貴方が此処に来るとは珍しいですね」

 

「私が研究を進めるベルトにも何か利用出来るかもしれないからね」

 

戦極は独自のベルト開発を進めると共に大ショッカー連盟が持つデータからベルトを再現する役目も持っていた。

他人を信用しない故に自身の研究は他人に明かさない。

とはいえ、他の連中にも言える事ではあるが。

 

「それとこの“計画”のプラスになるかもしれない情報が手に入った物でね。私が研究を進めるヘルヘイムに深く関わりを持つ者達をこの“箱庭”で発見した。もしかしたらその者達の細胞も利用出来るかもしれない」

 

「それで今から貴方が確保してくると?」

 

「そういう事だ。しばらく研究室を明ける事になるのでそれを伝えるのも兼ねてるのさ。私の研究室に不用意に近付くのを防ぐ意味合いも兼ねてね」

 

言うだけ言うと戦極は何処かに去っていった。

ようは計画に利用出来るかもしれない物を確保出来るかもしれないという事と研究室に近付けば何かある事を言いに来ただけである。

本人が来たのは警告の意味を強める為でもあるのだろう。

ある程度、話を進めていくと真木は一つの可能性を思い浮かべた。

 

「“三号”と“四号”は貴重なサンプルとしてショッカーが歪めた歴史からデータを取りましたけど。“箱庭”と言えど本来存在しない所に干渉すれば何か問題が発生するのでは?」

 

「確かにあれは“歴史改変マシーン”により生み出された歪んだ歴史だ。“歴史改変マシーン”が失われ、修正を受けたはずの物を再び掘り返せば何かしらの“歪み”が生まれるだろう」

 

“歴史改変マシーン”とはかつてショッカーが生み出した装置である。

しかし、今となっては失われ再現は出来ない物であった。

あれは破壊されたという事実が確定した時点で永遠に失われてしまうのだ。

 

「だが、あれらへの干渉は“大首領”が望んだ事だ」

 

「つまり、“歪み”を生む事自体が目的かもしれないと?」

 

「私には“大首領”の思考は分からないが少なくとも“世界”への影響などは気にしないだろう」

 

「せめて、終末へと向かう鍵になってくれればいいのですが」

 

大ショッカー連盟の研究施設にて密かに進められる“計画”。

その“計画”の余波は、大ショッカー連盟という存在の余波は“箱庭”すらも巻き込んでいく。

小さな波紋は重なり大きくなっていく。

イレギュラーが増えれば増える程に狂っていく。

歪んだ歯車は歪に回り続けていく。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

全ての始まりは一つの“裏切り”だった。

それを皮切りに“裏切り”は繰り返されていく。

それに終止符を打つ為の計画。

それが究極の改造人間を生み出す“計画”_____“No.0計画”である。




何故か敵サイド一色の回でした!!
ようは改造兵士を元に究極の素体を造った上で改造人間にして、究極の改造人間を造ろうという感じです。
web短編の話をやるつもりがどうしてこうなった。

三号に関しては一号&二号を殺した改造人間という重要データ扱いです
四号については三号と同格という事で
まぁデータ取られたというだけなので本人達は特に関係無かったり

歴史改変マシーンに関しては出すと面倒なので永遠に失われたという事で
でも、それ以外の部分は後々絡んでくるかも

No.0計画は大首領主導の計画だけど大首領の“目的”とは別物だったり
真木とカンナギだったのはたまたまであり、他の研究者連中も参加はしています
戦極に関しての詳しい事は新刊出たらそこでやると思います

それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!!
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