「なるほど、大体分かった」
話を聞いた士は"契約書類"を手に取りながら呟く。
何かを思い出すかの様な顔をしながら言う。
「事件の正確な場所は分かるか?」
「あぁ、分かるで」
「じゃあ、この地図に書いてくれ」
言われて蛟劉は地図に書き示していく。
それが書かれていく内に晴人の顔色が変わっていく。
魔法を扱うがゆえにその意味を理解するのだ。
「これじゃまるで魔方陣みたいじゃないか」
「つまりはそういう事だ。奴らは……グロンギはゲームに加えて何かを企んでいる」
言いながら士は蛟劉が書いた現場を線で繋いでいく。
それは確かに魔方陣に見えるのだった。
そして、その中央を指差す。
「奴らが何かをするというなら次に事を起こすのは”此処”だ」
「それでその”グロンギ”って奴はどんな怪人なんだ?」
「奴らは人をゲームする様に殺す………いや、ゲームそのものだな。つまりゲームとして人を殺していく集団だ」
「胸糞悪い奴らって事か」
十六夜が吐き捨てるように言う。
他のメンバーも大体同意見だった。
映司は前に出て言う。
「敵の正体と次の場所も分かったし、早く行こう。これ以上犠牲を出さない為にも」
「それは同意だし、僕も参加するつもりやったんだけどな。別所で魔王の封印塚が壊されたという報告があってそちらにもいかんといかんくなったのやけど、この件は君達に任してもええか?」
「最初からそのつもりだったんだろ?」
「まぁ情報ついでに君らに任せれたらいいとは思っていたよ。けど、受けるかどうかは君たち次第や」
「受けるに決まってるだろ?俺達はそういうコミュニティなんだからよ」
「恩に着るで!」
方針は決まり、各々が動き始める。
蛟劉は調査に向かい、”ノーネーム”はグロンギ達との戦いの準備を進める。
修行の為に出かけていた霧崎、ラッテン、アルマティアを呼び戻す。
移動はクロアに任せて十六夜、映司、霧崎、アンク、ラッテン、アルマティア、晴人、士が現場に向かう事になった。
レティシアや黒ウサギ達は留守番である。
「本当についていかなくてよいのですか?」
「あぁ、今度の相手には”審判権限”の有無は関係無いらしいからな。それより本拠を守っていてくれた方が安心だ」
「そう言うなら仕方ないのですよ。皆さんの留守はお任せください!」
黒ウサギ達が見送る中で十六夜達は空間を跳躍するのだった。
◆◆◆◆◆
同時刻。
”器”の前に立っていた男は何かに気付く。
「ゾグジャサ ジャラロボ ガ ラギセボンザ ジョグザ」
カツン、という足音が男の背後から響く。
男は振り返りもせずに何者かを悟る。
「ガドル バ バンボ ジョグザ?」
「ゲゲル ザ ゲンビバ?」
「ギギジャ ジョデギゾゴシ ググレスガ ジャラロボ ロ ラサ ギキキョグ ザソグ」
軍服の男はそれだけ聞くと男の背後から去っていくのだった。
男は振り向かずに小さく呟く。
「そうさ。お楽しみはここからなのだよ」
◆◆◆◆◆
”ノーネーム”の面々は現場になると思われる街を歩いていた。
一応事前に蛟劉が街に知らせてはいるが、避難はされていなかった。
魔王のゲームというわけでもなく具体的な像が見えているわけでも無いので危機感が薄いのだろう。
今は幾つかのメンバーに分かれて聞き込みをしているのだった。
「しかし、タトゥーだけが目印じゃ。そう情報は出てこないよな」
グロンギの人間体にはタトゥーが刻まれているのだが、箱庭ではそう珍しくも無い。
外見も人間体である内は見分けもつかない。
そんなこんなで大した情報も入らないのだった。
晴人は休憩がてら買ったプレーンシュガーを食べ歩いている。
「よぉ、まさかお前が最初とは思わなかったぜ」
「ッ!?」
いきなり声を掛けられて晴人はドーナツを喉に詰まらせかけながら振り返った。
そして、相手の姿を確認するなり警戒を強めた。
「何でお前が此処にいる………オーガ!」
相手を睨み付けるようにしながら叫ぶ。
だが、相手は特に気にすることもせずに立っている。
ただ笑みを浮かべながら視線を返す。
「そう警戒しなくていいぜ。今は別に戦いに来たわけじゃねぇからな」
「なら、何しに来た」
「いや、何ただの偵察だ。まさかいきなりお前と会うとは思ってなかったがな!!」
最後の方の語調を強めつつ、腕を振るうオーガ。
同時に晴人の手前の足元に何かが着弾する。
土煙によってオーガの姿が隠れる。
「もうすぐ祭が始まる!!せいぜい楽しむ事だな!!」
最後にそう言い残してオーガは姿を消すのだった。
土煙を払いながら晴人は考える。
「何でオーガが…………ファントムが此処に?まさか此処で何かしようとしてるのはグロンギだけじゃ無いのか?」
そんな事を考えながら晴人はマシンウィンガーに跨り、移動を始めるのだった。
何か嫌な予感を感じながら晴人は周囲の探索を再開するのだった。
◆◆◆◆◆
十六夜も街を歩いていた。
何かしら手がかりが無いかと思っていたが町並みそのものからは何も見つかりはしなかった。
「そういや、肝心の”契約書類”の中身は聞いて無かったな。あれだけで察するという事は何かしら意味はあるんだろが………ッ!?」
強烈な殺気を感じて十六夜は思わず飛びのいた。
それが正解だった。
突然、空から鉄球が降り注いで来たのだ。
しかも、道を、建物を、人を容易く砕く威力を持った鉄球が、だ。
「ッ!!しゃらくせぇ!!」
近くの電燈を引っこ抜くとそれを思いっきり回して鉄球を弾いていく。
そうしていく内に鉄球を放つ影を見付ける。
第二波を放つ前に距離を詰める為に十六夜は思いっきり跳んだ。
「いいぜ、テメェらがそのつもりなら完膚なきまでに叩き潰してやるよ!!」
拳を構え、叫びながら鉄球を放っていた怪人を殴りつけた。
十六夜なりの戦線布告であった。
ゲゲル開幕でした!!
オーガはファントムのオーガです
仮面ライダーオーガではありません
それでは、質問などがあれば聞いてください
感想待ってます!!