問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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交代と謎の襲撃と強者の風格

複数の鉄球が絡められた鎖が十六夜の頭上を通過する。

紙一重で鉄球の束を回避した十六夜は相手の懐に潜り込んで腹部に拳を入れる。

 

「チッ…………いい加減にして欲しい硬さだな!!」

 

拳を入れたまま力を込めて敵の体を浮かし、そのまま吹き飛ばす。

吹っ飛ばされた相手は住居に激突して瓦礫に埋もれる。

が、すぐに起き上ってくる。

 

「ボボ ガメゴ ビ ゴンバ ボグゲビ ギブサ ジャソグガ ルザザ!!」

 

「まだ甲羅は砕けねぇか」

 

ガメゴと名乗る怪人の腹部にはヒビが入ってはいる。

だが、まだ小さく致命的というわけでも無い。

埒が明かない、と自らの血に濡れた拳を見ながら呟く。

そんな時、後方の住居から誰かが落ちてくる。

 

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「何だ、霧崎じゃねぇか」

 

降ってきたのは霧崎だった。

叫びながら落ちてきた霧崎の方も十六夜に気が付く。

 

「十六夜か……………」

 

「何してるんだ、お前?」

 

「いや、敵が中々厄介というか相性がかなり悪くてな」

 

背中合わせでそんな事を話していると、霧崎が降ってきた住居からジャラジが降りてくる。

それを見て、十六夜も理解する。

霧崎の”弱者の(チキンソウル)パラダイム”は防御面においては無敵に近い。

だが、火力に関しては敵に依存する。

相手の放つ死の脅威をそのまま返すのだから当たり前ではある。

それで今回の相手は見た目的にそこまで火力がある相手には見えない。

ゆえに苦戦しているのだ。

 

「(なぁ、相手を交換しねぇか?)」

 

背中合わせなのをいいことに霧崎は小声でそんな提案をする。

十六夜としては多少悩むところではあった。

 

「(どうせ、あいつらを倒しても終わりじゃねぇんだから体力は温存しといた方がいいだろ?)」

 

「(まぁ、それも一理はあるな)」

 

そうこう話している内に相手は痺れを切らす。

ガメゴは鉄球を、ジャラジは針を十六夜と霧崎に向けて放つ。

十六夜はため息を吐き、顔を上げる。

 

「しょうがねぇ!!亀の方は任せたぞ!!」

 

「あぁ!!」

 

同時に振り返る様な形で二人は向き合う敵を入れ換える。

霧崎はガメゴの方へ、十六夜はジャラジの方へ走り出す。

 

「ヨヨ!!」

 

『アァ、マカセロ』

 

ヨヨが死の脅威を祓い、鉄球は霧崎を避ける様な軌道を辿る。

その間に霧崎はガメゴの目の前まで迫る。

ガメゴが直接掴み掛ろうとするが、もう遅い。

霧崎はヨヨが作った死の脅威の塊を十六夜が作った甲羅のヒビに押し込む。

 

「バンザ ボセザ!?」

 

ガメゴが困惑の声を上げる間に霧崎はしゃがみ込む。

ガメゴが先程放った鉄球は何故かガメゴの方へと戻ってきていた。

鉄球は霧崎の頭上を通過し、ガメゴの腹部へとめり込んでいく。

十六夜によって既にヒビを入れられていた部分に鉄球が直撃すればどうなるかなど明白である。

甲羅は砕け、ガメゴは崩れ落ちるのだった。

砕けた腹部からは血と共に何かの欠片が流れ出てきていた。

ガメゴはまだ息があるようで欠片へと、手を伸ばしていく。

 

「まだ生きてるのかよ…………」

 

霧崎が呆れる様に呟いた直後だった。

何者かが近くの屋根から飛び降り、その手に持った剣でガメゴを貫いたのだ。

そして、爆発が起きた。

 

「な、何だ!?」

 

状況に混乱しながら叫ぶ霧崎であった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

一方、十六夜は走り出した直後から特にジャラジの針を避ける素振りを見せなかった。

いや、避ける必要が一切無かった。

獅子座の太陽主権の恩恵により、全ての武具は弾かれる。

ゆえに避ける必要は無い。

ジャラジの針はあっさり弾かれて引く暇も無いほどに距離を詰められていた。

 

「オラァァァァァァ!!」

 

避ける暇など与えずに即座に全力で拳を叩き込んだ。

肋骨が砕ける音が響きながらジャラジは吹き飛ばされていく。

ジャラジはガメゴ程硬くも無く、直接戦闘力も際立って高いわけでも無い。

ゆえに当然の結果とも言えた。

ジャラジは血を吐きながら立ち上る。

十六夜としては次の拳で決めるつもりだった。

だが、そうはならなかった。

 

「が…………こはッ!!」

 

ジャラジは後ろから大剣に貫かれていた。

ジャラジがそれを認識して抵抗するより速く、大剣はジャラジの体を斬り裂いた。

その時に何か欠片の様な物が飛び出す。

それはジャラジの背後にいた軍服の男の手に収まる。

ジャラジの肉片を気にすることも無く。

男は十六夜の方へ歩いてくる。

 

「ゴセ パ ザバギン バシグラ ゴ・ガドル・バ…………ゴラゲソ ボソゲダ ”ゲゲル” サ ゴバス」

 

圧倒的な威圧感にさすがの十六夜も冷や汗を流す。

こいつは格が違うと十六夜は本能で察する。

 

「手を貸そうか?」

 

後ろから霧崎が声を掛けてくる。

確かに二対一なら優位に戦いを進めれはするだろう。

しかし、十六夜はそれを断る。

 

「お前はラッテン達と合流してゲームの黒幕を探ってくれ。このゲームには何か裏がありそうだからな」

 

「分かったけどよ………本当に一人で大丈夫か?」

 

「あぁ、むしろこいつとはタイマンじゃなきゃダメだ」

 

それだけ聞くと霧崎はラッテンと合流すべく走り出す。

十六夜は拳を握り、目の前の相手に集中する。

 

「さて、やるか!!」

 

「ギギレザ!!ボヂザロ ダロギラゲデ ロサゴグ!!」

 

ガドルは姿を兜虫型の怪人態へと姿を変えた。

その間に十六夜は目の前で拳を構えている。

目が合うと同時に互いに拳を放ち合う。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

路地裏。

そこで士はディケイドの姿で怪人を絞め上げていた。

猪型の怪人、ゴ・ジイノ・ダの首を持って壁に叩き付けている。

 

「ボンバギボ ”ゲゲル”ボロブデビ ザ バンザ?(今回の”ゲゲルの目的はなんだ?)」

 

「”ゲゲル”ザ ”ゲゲル”ザ!!ゴゼギガギビ バビガガス?(”ゲゲル”は”ゲゲル”だ!!それ以外に何がある?)」

 

「大体分かった。お前は何も知らないって事か」

 

言いながらジイノを適当に投げ捨てる。

そして、ライドブッカーをガンモードにして構え、カードをディケイドライバーに投げ入れる。

 

ダガビギデ!!(バカにして!!)

 

ファイナルアタックライド!!ディ、ディ、ディケイド!!

 

激昂したジイノは士に向けて突進してくる。

それに対して士はディメンションシュートで迎え撃つ。

士の前方に出現したカード状のエネルギー体を通り抜ける。

そして、吸い込まれる様にジイノに命中し、貫いた。

爆炎に背を向けながら士は変身を解く。

 

「これはグロンギに聞くより、主催者を探した方が早いか?」

 

”契約書類”を握りながら呟く。

グロンギの言語で書かれる”契約書類”だが、士は読めていた。

おそらく過去の立場ゆえにだろう。

 

{ ーーーー ギズドゲゲルレギ “ギヅパシンゲゲル” ーーーー

 

 ガンバジョグベン:“グロンギ”グガスボド。

 

 パパン・バギング ン グススムビパバセ ギデギンダギジョゼ ジョゲン ゾ ゴボバグ

 

 ドググ・ゴボゴボガ ガザレダ ジョグベンゼ ビデギググン ガヅガギゾ ダゲゲギ ギダグゲゼ ガギゴンジドシ ビバダダロボガ ギジョグギジャ

 

 グシギ・ゾンゲン ゼザ ギジュガギギジャ バサ ガンバギジャ ゼ “ダグバ” ン バベザ ガ ジョグド ガセス

 

 ズゴゴ・ゾンゲン ゼザ ドググ ン ジョグベン ゾ リダギダ グゲゼ バベサ ゾ グデデ ガヅレダロボ ガ ギジョグギジャ ドバス

 

 ズガギ・ガンバギジャ ゾ ジジョグデビ ビ ギデロジョギ

 

 ギブグ・ギガグソソス ゾ ズンギヅ ギデロ ゾバボ ガンバギジャ バサ グダゲダ ズビビ ゼビス(ダザギ ガヅガギググ ザ シゲドド ガセス)

 

 ※ジュグギジボグ

  “リント” ギガギ ン ギジュゾグ パ ガヅガギ バンギゾ ビ ジョデデ バグンド ガ ゼンゾグ

  “グロンギ” パ “ズ”ガ ドググ “メ”ガ ギブグ “ゴ”ガ バギング

  “ゴ” ビ バギシ “グロンギ” ゾ ガヅガギ ギデロ パパン グ バグンド ガセス

 

 ジュグギジョグゾグギジュグ:“ン” ン バド ヂバサ

 

 ゲンゲギ ギジュガギギジャ パ ジョグビ ン ススス ビ ボドドジ バドリザダ ン ロド ボグゲギバゲゲル ゾ ドシゴボバグ ボドゾ ヂバギラグ

           “ラ・ドレク・レ”印}

 

この”契約書類”を解読すると

 

{ ーーーー ギフトゲーム名 “ギヅパシンゲゲル” ーーーー

 

 参加条件:グロンギであること。

 

 一、十のグループに別れ、指定の場所で予選を行う。

 

 二、各々が定めた条件で規定数の殺害を達成した上で最後の一人になった者が勝者。

 

 三、本戦では主催者から参加者へ、”ダグバ”のベルトの欠片が譲渡される。

 

 四、本戦では二の条件を満たした上で欠片を全て集めた者が勝者となる。

 

 五、参加者を標的にしてもよい。

 

 六、契約書類を紛失しても他の参加者から奪えば復帰出来る。(ただし、殺害数はリセットされる。)

 

 注意事項

 リント以外の種族は殺害難易度によってカウントが変動。

 グロンギは”ズ”が三、”メ”が六、”ゴ”が十でカウントされる。(ただし、”ゴ”に限り、グロンギを殺害しても一でカウントされる)

 

 優勝報酬:”ン”の座と力。

 

 宣誓 主催者は上記のルールに則り名と御旗の下、公正なゲームを執り行うことを誓います。

           “ラ・ドレク・レ”印}

 

となる。

今までの事件はゲームの一部というわけだ。

何はともあれ嫌な予感しか無いゲームである。

そんな時、”契約書類”を眺める士の背後から誰かが話しかけてくる。

 

「”ゲゲル”について知りたいのならば私が話しましょうか?」

 

そんな声と共に士は振り返る。





ガメゴ&ジャラジ決着でした
相性的には逆にしたらすっきりする感じでした

ジイノはハイパーバトルビデオの奴です
特に見せ場も無く基本形態に圧倒されたあいつです

それでは、質問があれば聞いてください
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