問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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今回はゲーム開始です。
二重の意味で。




迷路とカボチャとShout out

 

前回の三つの出来事!!

 

一つ!!精霊を連れて歩いていた霧崎とレティシアはグールの軍団に襲撃された。

 

二つ!!霧崎はローブに身を包んだ女性を助けるが、女性はいつの間にか消えていた。

 

三つ!!映司の参加する“造物主達の決闘”の決勝が始まろうとしていた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

変化は劇的だった。

映司の足元は虚無に呑み込まれ、闇の向こうには流線型の世界が数多に廻っていた。

バフン、と着地音。

見ると下地は樹木の上だ。

否、ただの樹木ではなく____

 

「此処は樹の根に囲まれた場所かな?」

 

上下左右、その全てが巨大な樹の根に囲まれている大空洞だった。

少し離れたところではアーシャがツインテールを振り回し、呆れたように根の大空洞を見回している。

 

「しっかし、流石は星霊様ねー。私ら木っ端悪魔とは比べものにはならねぇわ」

 

ぼやくように呟いていた。

その横にはジャック・オー・ランタンが立っている。

突如、空間に亀裂が入る。

亀裂の中から出てきたのは、輝く羊皮紙を持った黒ウサギだった。

ホストマスターによって作成された“契約書類”を振りかざした黒ウサギは、書面の内容を淡々と読みあげる。

 

{ギフトゲーム名“アンダーウッドの迷路”

 ・勝利条件 一、プレイヤーが大樹の根の迷路より野外に出る。

       二、対戦プレイヤーのギフトを破壊。

       三、対戦プレイヤーが勝利条件を満たせなくなった場合(降参含む)

 ・敗北条件 一、対戦プレイヤーが勝利条件を一つ満たした場合。

       二、上記の勝利条件を満たせなくなった場合。}

 

「____“審判権限”の名において。以上が両者不可侵で有ることを、御旗の下に契ります。御二人とも、どうか誇りある戦いを。此処に、ゲームの開始を宣言します」

 

黒ウサギの宣誓が終わる。

それが開始のコールだった。

映司はベルトを装着すると、右端に青のメダル、左端に黄のメダルを同時に入れる。

そして最後に真ん中に緑のメダルを入れ、右腰からスキャナーを取り、スキャンする。

 

「変身!!」シャチ!!カマキリ!!チーター!!

 

シャチの頭、カマキリの胴、チーターの足を持つ亜種、シャキリーターに変身した。

映司はそのまま背後に走り出す。

 

「は?」

 

余裕の笑みを浮かべて眺めていたアーシャだったが自分を無視して走る映司に唖然とする。

その間に距離はどんどん離れる。

我に返ったアーシャは全身を戦慄かせ、怒りのままに叫び声を上げた。

 

「行くぞジャック!!樹の根の迷路で人間狩りだ!!」

 

ツインテールを逆立たせて猛追するアーシャ。

しかしチーターの走力の前には距離は縮まらない。

映司はシャチの能力の透視で出口を既に見付けてある。

邪魔な障害物をカマキリソードで斬りながら進むだけである。

背後から業火が来るが、チーターの走力で避けつつ、シャチヘッドから水を放ち、消火する。

その様子を見つめ、アーシャは諦めたようにため息を吐いた。

 

「………くそったれ。悔しいが後はアンタに任せるよ。本気でやっちゃって、ジャックさん」

 

「わかりました」

 

次の瞬間、ジャックの姿が映司の前方に現れる。

ジャックの真っ白な手になぎ払われそうになるが間一髪で回避する。

 

「さ、早く行きなさいアーシャ。私が足止めします」

 

「悪いねジャックさん。本当は私の力で優勝したかったんだけど………」

 

「それは貴女の怠慢と油断が原因です。猛省しなさい」

 

「う~了解しました」

 

アーシャ返事した後、走り抜ける。

映司はカマキリソードを構えながらジャックを見る。

おそらくこのジャックはジンの言っていた生と死の境界に顕現せし大悪魔の大傑作というものだろう。

 

「どうやら先に進むには貴方を倒すしかないみたいですね」

 

「ヤホホ!!そうなりますね。聖人ぺテロに烙印を押されし不死の怪物____このジャック・オー・ランタンがお相手しましょう!!」

 

カマキリソードを構え、相手の動きに注意しながら映司は考える。

相手が不死となると完全に倒す事は無理だろう。

こういう時はガタキリバを使えばいいかもしれないが、あれはこういうゲームでは反則に近いのであまり使いたくはないのが映司だ。

それを踏まえ、映司はメダルを変えスキャンする。

 

シャチ!!ウナギ!!タコ!!シャシャシャウーター!!シャシャシャウーター!!

 

そんな音声と共に姿がシャウタコンボに変わる。

シャチの頭、ウナギの胴、タコの足を持つコンボだ。

 

「ハァァァァ!!」

 

体を液状化させ、ジャックに向かっていく。

この体を液状化させるのがシャウタの能力の一つである。

この状態ならジャックの業火を食らっても多少は平気である。

 

「ヤホホ!!奇妙な技を使いますね!!しかしその力は……」

 

タコレッグを展開し、八本の足でジャックを蹴り飛ばす。

ジャックが掴もうとするが、その瞬間に液状化し、避ける。

ある程度、隙を作るともう一度スキャンする。

 

スキャニングチャージ!!

 

その音声が響くと同時に必殺技の態勢に入る。

ウナギの鞭でジャックの体を捕まえ、此方に引き寄せるようにする。

そしてタコレッグを展開し、八本の足がドリルの様に動く。

それを引き寄せるジャックへと向ける。

これがシャウタの必殺技、オクトバニッシュである。

 

「ハァァァァ!!セイヤー!!」

 

響く声と共に必殺技がジャックに当たる寸前に………ゲームは終了した。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

アーシャがゴールした瞬間、会場の舞台はガラス細工のように砕け散り、円状の舞台に戻ってきていた。

同時に発動中だった必殺技も中断させられた。

呆然とする観客達。

その中で一人、黒ウサギは何事もなかったように終了を宣言する。

 

[勝者、アーシャ=イグニファトゥス!!]

 

ハッと観客席から声が上がる。

次に割れんばかりの歓声が会場を包んだ。

舞台の中心で変身を解く映司。

そこにジャックが近付いてきた。

 

「一つ、お聞きしても?」

 

「何ですか?」

 

「それはコアメダルですね?」

 

「そうですけど。知っているんですか?」

 

「ヤホホ!!これでも私は錬金術に多少通じてまして、その関係でもしやと思っただけです」

 

映司はその話に飛び付いた。

これは確実に鍵になる、アンクを元に戻すのに。

そう思い、映司は飛び付いた。

 

「その話、詳しく聞かせて貰って……」

 

映司が言い掛けた時、何かが起きた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

映司達のゲームを見ていた白夜叉達が話している中、十六夜の思考はゲームの舞台から離れていた。

彼の視線は遥か彼方、箱庭の空に向けられている。

それに気付いた霧崎も空を見る。

十六夜は怪訝な表情で白夜叉に問う。

 

「………白夜叉。アレはなんだ?」

 

「何?」

 

白夜叉も上空へ目を向ける。

観客の中にも、異変を感じた者たちが声を上げていた。

映司も、ジャックも、それを見ていた。

遥か上空から、雨のようにばら撒かれる黒い封書。

黒ウサギはすかさず手に取って開ける。

 

「黒く輝く“契約書類”………ま、まさか!?」

 

笛を吹く道化師の印が入った封蝋を開封すると、“契約書類”にはこう書かれていた。

 

{ギフトゲーム名“The PIDE PIPER of HAMELIN”

 

 ・プレイヤー一覧

  ・現時点で三九九九九九九外門・四〇〇〇〇〇〇外門・境界壁の舞台区画に存在する参加者・主催者の全コミュニティ。

 

 ・プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター

  ・太陽の運行者・星霊 白夜叉。

 

 ・ホストマスター側 勝利条件

  ・全プレイヤーの屈服・及び殺害。

 

 ・プレイヤー側 勝利条件

  一、ゲームマスターを打倒。

  二、偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

         “グリムグリモワール・ハーメルン”印}

 

数多の黒い封書が舞い落ちる中、静まり返る舞台会場。

観客席の中で一人、膨張した空気が弾けるように叫び声を上げた。

 

 

「魔王が…………魔王が現れたぞオオオォォォー!!」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

カウント・ザ・メダルス

 

赤、タカ、クジャク、コンドル

緑、クワガタ、カマキリ、バッタ

黄、ライオン、トラ、チーター

白、サイ、ゴリラ、ゾウ

青、シャチ、ウナギ、タコ

橙、コブラ、カメ、ワニ

特、スーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタ

 

 





vsジャック&魔王のゲームスタートです!!

今回の登場コンボはシャウタです。
サブタイトルの通りです。
最後の必殺技が当たっても倒せはしないけど距離を取るくらいの間は出来ていたというかんじです。

遂に魔王のゲームスタート!!
次回は今回出番少なかった奴らも暴れる予定です。

それでは質問があれば聞いてください。
感想待っています。

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