「おい、起きろ!!起きやがれ、このクソガキ!!」
「ん……ッ!!」
「ようやく起きたか」
上から掛けられた声によって十六夜は跳び起きた。
彼の記憶はガドルを倒したところで止まっていた。
ゆえに骨が繋がり、血が止まっていることに違和感を覚える。
周囲を見回すとクロアが傍らにいた。
「お前が何でここに?」
「黒ウサギが嫌な予感がするとか言ったから私が様子を見る為に来たというわけだよ。それより、何があったか聞かせて貰おうか」
「その前に一つ聞かせろ。俺を治療したのはお前か?」
「いいや、違う。お前が血溜まりに倒れていて驚いたくらいだ。だから、それを含めて状況を把握したい」
十六夜自身も状況を把握しかねているが、一応分かっている部分は話すのだった。
話を聞くとクロアは面倒そうに顔を歪めるのだった。
「チッ、そこまで”ズレ”の影響が出てきているのか。こりゃ、かなり予定が狂いそうだな」
「何の話だ?」
「いや、此方の話だ。気にしなくていい。それよりも早く他の連中と合流した方が良さそうだな」
「だな。とりあえず、あのいきなり出現した黄金の塔にでも…………」
十六夜が黄金の塔を指差そうとした時だった。
黄金の塔から凄まじい咆哮が響き、その頂点が崩壊する。
そこから異形の竜が現れ、何かと戦っていた。
次いで何かしらの衝撃波の様な物によって頂点が更に崩壊していく。
明らかに何かある。
「跳ぶぞ」
「あぁ」
答えた直後に景色が変わる。
空間跳躍によって黄金の塔の真上に移動したのだ。
そこで見えたのは衝撃の光景だった。
◆◆◆◆◆
決着はほぼ一瞬だった。
ン・ガミオ・ゼダの力はそれほどまでに圧倒的だった。
プトティラの冷気によって足場を凍結するが、モーフィンパワーによってすぐに融解させられた。
士と映司が同時に斬り掛かるが軽く受け止められた上にメダガブリューをモーフィンパワーでガミオの剣に変換せれ、二人纏めて斬り飛ばされる。
アルマの雷を纏った突進も片手で受け止められる。
それどころか雷を吸収され、弱ったところを殴り飛ばされる。
アンクが炎弾を放ち、映司がティラノの尾を振るう。
炎弾は軽く弾かれ、ティラノの尾は掴まれ、振り回された上でアンクに衝突させられて纏めて壁に叩き付けられる。
壁もモーフィンパワーで変形し、二人に更なるダメージを加える。
ディーンが殴り掛かるが片腕を斬り飛ばされて殴られ、全身にヒビを入れて崩れ落ちる。
背後から士が斬り掛かるも斬撃は受け流され、首を掴まれ、地面に叩き付けられ、踏み潰される。
これだけを一分に満たない時間でやったのだ。
霧崎とラッテンは顔を引き攣らせて一部始終を見ているしか出来なかった。
「こりゃ、ヤバいどころじゃないわね」
「次元が違うってレベルじゃないな」
映司とアンクは変身が解けて地面に倒れ、アルマもディーンもボロボロ、士はガミオの足の下だ。
どうやっても絶望しか見えなかった。
それでも霧崎とラッテンの目は死んでいない。
敵を見据えて構える。
「____________________________________ッ!!」
叫びを上げながらガミオが二人に迫る。
冷や汗を流しながら二人はせめて一撃でも入れる為にガミオの一挙一動を見る。
ガミオはただ爪を振るう。
それならば霧崎の力で対処出来る。
だから、それで出来る一瞬しか狙い目が無かった。
そう思っていた。
「俺の仲間に何してくれてんだ?」
いつの間にか二人の目の前には十六夜がいて、その右手には極光の柱があった。
ガミオはその存在を認識した上で止まらない。
「消し飛べ、クソ狼!!」
極光の柱が放たれる。
確実な直撃コース。
普通はこれで終わるはずだ。
だが、ガミオは普通では無かった。
ガミオは両の手を突き出し、極光の柱を受け止め様とする。
「何ッ!?」
「______アオォォォォォォォォォォンンンンンン!!」
ガミオの手は凄まじい熱量を放ち、その腕を赤熱させる。
それでもガミオの腕は消し飛びかけるのだが、高速で再生されていく。
加えて黄金の塔そのものが変形していく。
塔は破壊兵器に姿を変え、ガミオをサポートするかの様にエネルギーを放つ。
ガミオの叫びと共に激しい光が放たれ、塔の上半分が崩壊する。
その余波はもちろん十六夜達にも被害をもたらす。
足場は崩れ、落下していく。
◆◆◆◆◆
「何だあの光は!?」
「人の心配をするとは余裕だな、ウィザード!!」
気がそれた晴人に向けてウロボロスが火球を吐き出して来る。
それを回避し、返す様にドラゴンスカルから熱線を放つ。
リフレクト、ナウ
ソーサラーがリフレクトの魔法で跳ね返してくるが同じ場所に留まるわけが無いので軽く回避する。
チラリ、と崩壊する塔を見つつも意識はソーサラーから離さない。
心配ではあるが今は目の前の敵に集中するしかないのだった。
「仲間が心配だろうが気にする事は無い。すぐに貴様も仲間も同じところに行くのだからな」
「そうだな。さっさと終わらせて休みたいとこだよ」
ドラゴヘルクローとディスハルバードが衝突し、火花を散らす。
ドラゴテイルを振り向き様に振り下ろすが、ウロボロスが軽く回避する。
チェイン、ナウ
アロー、ナウ
「こんなもんくらうかよ」
チェインの魔法によって出現した鎖をドラゴヘルクローで引き千切る。
続けて放たれた魔力の矢をドラゴウィングが起こす暴風で吹き飛ばす。
そのままドラゴヘルクローから斬撃波を放つがディスハルバードで弾かれる。
「そんなに急ぐなら奥の手で終わらせてやろう」
「そうかよ」
「全属性の力に対処し切れるかな?」オールマイティ、ナウ!!ヒースイフードーボーザバビュードゴーン!!
四つの魔法陣が現れ、ディスハルバードと重なる。
四つの色が重なり、完全なる黒と化す。
晴人はそれを見ると同時にウロボロスへと突撃する。
ウロボロスの真上でリングをウィザードライバーにスキャンする。
インフィニティープリィィィィィィズ!!ヒースイフードーボーザバビュードゴーン!!
「ハァ!!」
透明な魔法陣をくぐり、オールドラゴンからインフィニティースタイルへと姿を変える。
同時にアックスカリバーを掴み取ってソーサラーへと斬り掛かる。
ディスハルバードで受け止められるが、そのままバク転するかの様にしてソーサラーと背中合わせになる様に着地する。
そのまま振り返りざまに斬り掛かる。
ソーサラーも同時に斬り掛かる。
刃と刃の衝突する音が鳴り響く。
「フゥン!!」
インフィニティー!!
「ハァァ!!」
ソーサラーがディスハルバードから四つの属性の斬撃弾を放つ。
晴人は高速移動でそれを避け、間合いを詰める。
ソーサラーはそれに合わせる様に刃とは逆側の柄で突きを放つ。
晴人が避ける事によって一瞬の合間が生まれる。
ライトニング、ナウ
ディフェンド、プリーズ
至近距離で雷の魔法と防御の魔法が衝突する。
激しい音と光が生じて互いの姿が見えなくなる。
その間にウロボロスの銀色の頭が晴人に襲い掛かる。
加えてソーサラーがディスハルバードを振るう。
ディスハルバードの斬撃はインフィニティースタイルの装甲にダメージを与える程では無かった。
しかし、ウロボロスの攻撃と合わせて晴人をウロボロスの上から落とすには十分だった。
だが、晴人は冷静にリングをウィザードライバーにかざすのだった。
「落としたくらいで終わるわけが無いだろう?」
チョーイイネ!!フィニッシュッストライク!!サイコー!!
黄金の光が輝き、その身を魔法陣が包む。
魔法使い同士の戦いは終局へのカウントダウンを始めていた。
グロンギ編も終局が近づいてきました!!
アルティメットガミオの破壊兵器生成は小説クウガのアルティメットプロトクウガのイメージで
暴走しているので獣的です
それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!!