問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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時間稼ぎと散る黄金と崩壊の塔

 

「________________ッ!!」

 

ガミオの咆哮が崩れた塔の上層を振るわす。

ガミオは極光の柱を正面から受け止めた上で生き残っていた。

無論無傷では無いのだが、表面上は再生されている。

その姿を霧崎達は瓦礫の陰から見ていた。

幸い霧崎とラッテンは無傷であったので無事だった。

だが、他のメンバーの安否は不明だった。

上層の崩壊に巻き込まれた後ははぐれてしまったのだ。

ディーンは斬り落とされた片腕と共に回収し、アルマは霧崎が背負っていた。

 

「あちらさんはまだピンピンしてるわね」

 

「どうやって倒すんだ、あんな化物を…………」

 

「一応策はあるさ」

 

「「ッ!!」」

 

突如、影からクロアが姿を現す。

驚いた二人が声を上げそうになり、クロアが慌てて口を塞ぐ。

 

「驚かせて済まない。だが、あまり時間を消費したくないのでね」

 

「他の奴らは無事なのか?」

 

「あぁ、無傷では無いが全員の生存は確認出来ている」

 

十六夜は自力で崩壊から生き残り、映司と士はアンクとクロアが回収したようだ。

下手に動いてガミオに見つかるのはマズイということで空間転移が可能なクロアが連絡役になっているわけだ。

どうもどうやら十六夜が提案した策があるようでそれを霧崎とラッテンは聞くのだった。

 

「なるほどね。確かにそれなら倒せるかもしれないわね」

 

「そういうわけだ。だから、君達にも動いて貰いたい」

 

「なら、俺が注意を引き付けておくからその間に準備してくれ」

 

言いながら霧崎が立ち上がる。

言葉に反して顔は苦笑いで冷や汗が垂れていた。

それを見てラッテンが慌てた様に言う。

 

「ちょ、何も霧崎がやる事は無いでしょう!?」

 

「いや、こういうのは俺が適任だ。皆が命を掛ける中で安全地帯でじっとしてるわけにもいかないしな」

 

言うだけ言うと霧崎は走り出してしまう。

此処で叫べば策も台無しになるので叫べない。

ラッテンは頬を膨らませながら渋々納得するのだった。

 

「もし、死んでいたら許さないわよ」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「さぁ、来いよ化物。餌が出てきてやったぜ」

 

「____________________________ッ!!」

 

物陰から出てきた霧崎を視認するなり、ガミオは咆哮を上げながら飛び掛かる。

霧崎は紙一重のところで回避する。

だが、ガミオが床に手を付くなり、床が刃の様に姿を変えて霧崎を襲い始める。

 

「やっぱ怖えぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

弱者の(チキンソウル)パラダイムで刃の軌道を変えていってなんとか対処する。

激しい轟音と共に土煙が舞う。

その煙を突き破るかの様にガミオが襲い掛かる。

死の脅威としてガミオの突進は既に見えていたのでしゃがんでやり過ごしつつ真上を通るガミオに死の脅威の塊をぶつける。

途端に刃の山がガミオに襲い掛かる。

しかし、その全てはガミオに突き刺さることなく砕けた。

 

「硬い皮膚だな…………」

 

防戦一方というより防御しか出来なくても霧崎は己の役目を果たしていくのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

チョーイイネ!!フィニッシュストライク!!サイコー!!

 

晴人の体から透明の龍が飛び出す。

それに加えて黄金の魔法陣がその身を包む。

魔法陣と透明の龍が重なる。

インフィニティースタイルの所々が金に染まり、ドラゴンスカル、ドラゴウィング、ドラゴテイル、ドラゴヘルクローもそれぞれ金に染まった上で装備される。

インフィニティードラゴンゴールドへと姿を変えたのだ。

 

「さぁ、フィナーレだ!!」

 

「いいや、まだまだ終わらないよ!!」

 

ウロボロスに乗ったソーサラーが晴人に襲い掛かる。

晴人は翼を広げ、正面から迎え撃つ。

すれ違い様にドラゴヘルクローとディスハルバードが衝突する。

 

「何ッ!?」

 

轟音と共にディスハルバードの先端が宙を舞う。

衝突した瞬間、衝撃に耐えきれずに折れたのだ。

晴人が振り向き様にドラゴテイルを振るう。

ソーサラーは素手で防ごうとするが耐え切れるはずもなく、ウロボロスの上から叩き落とされる。

 

インフィニティー!!

 

インフィニティースタイルの高速移動能力により、残像が残る程の速度で宙を舞うソーサラーを斬り裂いていく。

幾度か斬り裂いた末にソーサラーの下へと回り込む。

 

「ダァァ!!」

 

ドラゴスカルから凄まじい熱線が放たれる。

ソーサラーは空中である事に加え、先程のダメージもあって回避する事が出来ずに熱線に飲み込まれる。

更なる上空に打ち上げられた所で晴人が放った魔法陣に拘束される。

 

「おのれ、ウィザード!!またしても私の計画を台無しにするか!!」

 

「何度だって潰してやるよ!!お前達ファントムの邪魔をするのが魔法使いの仕事だからな!!」

 

ソーサラーと晴人の間に幾つもの魔方陣が現れ、晴人の背後にも五色の魔方陣が出現する。

魔法陣を蹴り抜くかの様に晴人はソーサラーに向けてキックを放つ。

同時にその背後の魔法陣から(フレイム)(ウォーター)(ハリケーン)(ランド)透明(インフィニティー)のドラゴンが出現する。

 

「ダァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

「ぬぅぐぁぁ!?」

 

先行する様に五色のドラゴンが魔法陣に拘束されたソーサラーを貫く。

続いて晴人のキックが多大な魔力を乗せてソーサラーの身を完全に貫く。

火花を散らしながら限界を迎えたソーサラーの体が爆散するのだった。

それに合わせてウロボロスも何処かに消えるのだった。

 

「ふぃ~」

 

決着がつき、晴人も一息吐く。

その時だった。

上層が崩壊した塔へ、凄まじい雷光が落ちる。

同時に塔が本格的に崩壊を始める。

 

「結構ヤバそうだな。俺も速く行かないと」

 

晴人は急ぐ様に翼を広げて塔へと向かうのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「お前らはまだ戦えるか?」

 

「当然だ」

 

「体は動くしね」

 

「重傷には違いないけどな」

 

十六夜に問われ、士と映司は即答する。

傷付き、血の流れる体を押して立ち上がる。

それを見てアンクが呆れた様に呟く。

 

「お前らは何でそこまで戦い続けるんだ?」

 

十六夜は純粋に聞いていた。

彼には映司達の姿がとても眩しく見えていた。

アジ=ダカーハとの戦いの後、悩み本調子の出ない自分に比べてとても眩しく。

 

「ある男は戦いに終わりが無い事に気付き悩んでいた。それでも、そいつは戦い続けていた。数え切れない夜の中で悩み戦い続ける。それはそいつは知っていたからだ。何も変えられない夜でもやがて明日は来る。未来を変える者達の明日がな。だから、そいつはそれを守る為に戦う事を誓い続けているんだ。絶望の痛みを己の力に変えながらな」

 

十六夜の問いに対して士は語る。

その上で苦笑する。

 

「俺はそいつじゃないしそんな大層な事は考えちゃいない。けど、自分が守ると決めた物くらいは守り抜くくらいはするさ。たとえ汚れた泥を被ってもな。その為なら何度だって立ち上がる」

 

「俺はただ後悔したくないんだ。伸ばせば届く手を伸ばさずに諦めれば絶対後悔する。俺は自分の出来ることをやり切りたいんだ」

 

自分に言い聞かせる様に二人は言う。

十六夜はその言葉を聞きながら色々と感じていた。

それを感じた上で二人は十六夜に背を向ける。

それぞれベルトを腰に巻く。

 

「それじゃ、俺達は俺達の役目を果たして来るよ」

 

「仕上げは頼んだぞ」

 

 「「変身!!」」

カメンライド!! タカ!!トラ!!バッタ!!

ディケイド!! タトバッ、タトバ、タットッバ!!

 

二人は同時に姿を変える。

その時、士の腰のライドブッカーから数枚のカードが飛び出て士がそれを掴むのを十六夜は見た。

直後に二人はクロアによって作戦予定場所に転移されるのだった。

アンクもそれに合わせて転移する。

一人その場に立って十六夜は拳を握るのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

『マスター!!準備は整いましたよ!!』

 

「そう、なら床を完全に貫き通してしまいなさい!!」

 

指示を受けた直後にアルマがその身に溜め込んだ雷を開放する。

その上で飛び上がり、塔の一番上から真下に向けて突進する。

ガミオも当然気付くが邪魔をするのは霧崎が防いだ。

アルマの方の死の脅威をそらして、ガミオの予想ルートとは別の動きをさせたからだ。

邪魔さえ入らなければ後は一直線だ。

塔の全ての床を砕き貫き、吹き抜けへと変える。

これが作戦の第一段階だった。

触れた物を操作するなら周囲に何も無ければいい。

というわけで、ガミオを空中に投げ出す為に最大限に雷をチャージさせたアルマに床を貫かせたのだ。

霧崎の時間稼ぎはラッテンの演奏によるアルマの回復と強化および雷のチャージが完了する為の物だったのだ。

それは最終決戦開幕の合図でもあった。

 

 

 





最後の攻防開幕です
割と全員ボロボロだけど霧崎とラッテンだけは無傷に近かったり
能力とサポート枠という役割上の問題ではありますが


それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!!
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