「ウィザードめ…………」
ドレイクはまだ生きていた。
だが、体の三分の一は消し飛んでいる。
既に虫の息であり、生きているのもファントムゆえにだろう。
残っている右腕で地を這いながら呪いの言葉を吐く。
「やっぱ、まだ生きていたか。いい様だなぁ………ドレイク」
「オーガ…………」
ドレイクの姿を眺め、嘲笑うようにしながらオーガが現れる。
目的はただ一つだった。
ドレイクも察してはいた。
しかし、足掻く様に炎弾を放つ。
「無駄だぜ。大人しく俺の血肉となるんだな」
「私を喰った事を後々後悔することになるぞ」
「それはそれで楽しみなんでね」
炎弾を片手で払いながら近づいていく。
そして、ドレイクを真上に投げ捨てる。
オーガの体が右肩から裂けていく。
落ちてきたドレイクはその間に落ちて喰われるのだった。
「遂に手に入れたぞ!!魔法使いの力をッ!!」
オーガが歓喜するかの様に叫ぶ。
その姿にはドレイクが重ねて見えた。
◆◆◆◆◆
「いやはや、まさかここまでの闘いになるとはね」
「もうちょっと人数連れてくるべきでしたね、クロアさん」
周囲を眺めながらクロアが呟く。
映司の言う事ももっともではあったが少なくともあの状況からは想像できないのも仕方なかった。
アンクはギフトカードにしまっていたアイスを瓦礫の山の上で食べている。
「何か悩んでるのか?」
晴人がすみで己の拳を眺めている十六夜に声を掛ける。
十六夜は何でもないというかの様に首を振る。
それは十六夜らしくないと晴人は感じた。
「無理して一人で抱え込んでると自分の中の大事な物まで腐らせてしまうぞ。俺は恩師にそう言われた。俺じゃなくてもいいから全部吐き出せば楽になると思うぞ」
「確かに…………そうかも知れないな」
「ま、俺達はお前の味方だ。遠慮する事は何一つないんだ」
そう言うと晴人は晴人で胸の奥の何かを思うのだった。
既に解決したことではあるが”それ”は晴人の中に残り続ける。
「大丈夫か、アルマ?」
「問題は特に無いですね。力の方もマスターの傍にいれば回復は速いですし」
「ちょっとき~り~さ~き~?なぁぁぁぁぁんで私より先にアルマに聞くのかな?」
「いや、お前はほとんど無傷じゃん?」
「それでも気持ちくらいは考えてよねぇ!!」
「そうは言われてもよ!?」
霧崎とラッテンの痴話喧嘩をアルマは微笑ましそうに眺める。
二人の間に口を出す気は無いので黙っているのだった。
「しかし、何でグロンギが箱庭に現れたんだ?」
士はガミオの死体とも言える灰の山を眺めながら呟いていた。
ライオの話を聞くとグロンギが箱庭に出現したのは偶発的だ。
とはいえ、何かしらの理由があるのではないかと考えていた。
「ん?」
灰の中に輝く物を見付ける。
それに手を伸ばした時だった。
アロー、ナウ
魔法の矢が士に向けて放たれた。
周囲のメンバーが気付くより速く着弾し、土煙を巻き起こす。
「士さん!?」
「大丈夫だ」
土煙の中からライドブッカーを構えた士が出てくる目立った傷は見当たらなかった。
飛んできた矢から晴人が何かに感付く。
「今の矢……まさか、ドレイクが生きていたのか?」
「いいや、違うぜ。奴は俺の腹の中だ」
呟くと同時に答えが帰ってきた。
いつの間にか灰の山にオーガが立っていた。
その腰には魔法使い用のドライバーがあった。
「なるほど、ドレイクを喰ったってわけか」
「そういう事だ。まぁ、俺の目的は”これ”で今は気分がいいし、帰らせて貰うとするぜ」
そう言いながら手を灰の山に突っ込む。
そして、それが取り出された時に気付く。
その手に三つの石が握られている。
それで士は大体を察す。
「そういうことか!!そういうことなら逃がすわけにはいかねぇな!!」
ようはこういう事だ。
敵の目的は”ガミオ”を復活させることでは無かったのだ。
復活させた体内でアマダムと魔石を完全覚醒状態にして、極限まで力を引き出させた上で回収する。
そういう計画だったのだ。
「悪いが遊ぶのはまた今度だ」
テレポート、ナウ
一つの指輪をベルトにかざし、オーガは姿を消した。
おそらく転移系の魔法を使ったのだ。
そうして、敵の計画は達せられるという結末を迎えるのだった。
しかし、一先ず蛟劉の依頼は完全に終了した。
ゆえに彼らはクロアに運んで貰い本拠に戻るのだった。
そこで、かなり心配していたらしい黒ウサギ達に迎えられるのだった。
◆◆◆◆◆
少々時は過ぎる。
蛟劉は破壊された封印塚の前に来ていた。
そこで顔を引き攣らせていた。
「これはまた面倒な物が現れたな…………下手したら戦争が起きるで」
それはほとんど冗談抜きの言葉だった。
戦いの火種がまた一つ解放されるのだった。
グロンギ編終了!!
とはいえ、何も解決してなかったり
さてさて、次回からはアンデット編です
お楽しみに!!
それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!!