問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

122 / 206

今回からアンデット編に入ります!


影と不死者と白い切り札
PSI講座とアルマ講座と動き出す白


 

「で、こんなところに呼び出して何の用だ?」

 

アジ=ダカーハとの戦いから二ヵ月、グロンギとの戦いから約一ヵ月経ったある日。

霧崎は十六夜に呼ばれ、ノーネーム本拠の居住区跡地まで来ていた。

問われた十六夜は何やら言いにくそうにしていたが、やがて口を開く。

 

「お前の使う力…………PSIとやらを教えてくれねぇか?」

 

「いきなりだな。お前には必要無いんじゃないか?」

 

怪訝そうに問う。

アジ=ダカーハとの戦いから何か悩んでるとは感づいていたが、まさかこんな事を頼まれるとは思っていなかった。

 

「いや、アジ=ダカーハの時もン・ガミオ・ゼダの時も思ったんだ。今の俺の力じゃまだ足りないってな。だから、手近なところから取り込んでいこうと思ってな」

 

それで、実際に士との手合わせでみた技を見様見真似で再現したりもしたのだが、それでも足りないと感じさせた。

だから、自身の力を底上げする為にも霧崎のPSIを修得しようと考えたのだ。

 

(別に教えるのは構わないんだけど、俺の場合は教える程理解してないんだよな~)

 

対して霧崎は別の事を悩んでいた。

霧崎はPSIを使えはするが、それが使える様になったのは偶然的な要素が多々ある。

それに加えて十六夜が使えるかどうかも微妙なところではあった。

けれども、あの十六夜が頼んでくるという事はかなり珍しい。

だから、基本的な説明をしてあとはなる様になれとでも結論付けるのだった。

 

「教えるのは構わないけど、参考になるかどうかは微妙なところだぞ?」

 

「それでも、構わないさ」

 

「なら、まぁ基本的なとこから行くか。俺も理解出来てるか微妙なとこだけどさ」

 

そうして、霧崎はPSIについて説明を開始した。

 

 

◇◇◆◇◇

 

 

まず、PSIはおおまかに分けて三つの力で構成されている。

 

烈破のバースト

心破のトランス

強化のライズ

 

内なるPSIを念動力や発火現象(パイロキネシス)などの物理的な波動に変え、外界へ放つのが「バースト」

 

テレパシーなど、人間の内なる心界へ働きかける力が「トランス」

 

人体の感覚機能、筋力や治癒力を高める力が「ライズ」

 

PSIは思念の力であり、イメージを現実に変える。

ゆえにその姿は使用者によって大きく変わる。

三つの力を組み合わせる事でも形を変える。

その例が「CURE」だ。

「CURE」は己のライズの力を他者に分け与える。

再生能力を高めるライズを波動(バースト)の形で他者の人体に作用させるのだ。

 

霧崎の幻視(ヴィジョンズ)もその特殊なPSIの一種である。

トランスと感覚能力のライズ”センス”の力が極めて高いゆえの力だ。

 

ライズは二種存在する。

前述した感覚能力のライズ”センス”

筋力、身体能力のライズ”ストレングス”

この二種によって構成されるが特殊な物も存在する。

それが”イアン式ライズ”だ。

「相手の生命波動を感知すること」と「エネルギーの循環操作」に特化したライズのことだ。

相手の呼吸、脈動、生命の律動(リズム)に同調するのだ。

本来の使い方は同調した上でPSIを流し込み、相手を癒すことだが、相手のリズムに合わせて懐に入り込む事も可能だ。

 

 

◇◇◆◇◇

 

 

「と、まぁ俺が説明出来るのはこれくらいだ」

 

「結構色々あるんだな」

 

「でも、俺が教えられるとすればライズくらいだぞ。トランスとバーストは教えられる程詳しくは無い」

 

「そうか。コツとか無いのか?」

 

「何だっけな…………PSIは全脳細胞を瞬間的に100%活性化することで発揮できる、とか言ってたような」

 

そもそも、霧崎が本格的にPSIの訓練を始めてのは未来での戦いが他の者より遅く、別メニューで修行したので知識が中途半端な部分がある。

説明も真面目に聞いてる時と聞いていない時の差があって記憶も曖昧だ。

十六夜は霧崎の話を聞き、少し頭の中で情報を整理する。

整理した上で結論を出す。

 

「何はともあれ実践か。手合わせする内に感覚も掴むだろ」

 

「それは俺が巻き込まれるのが前提か」

 

「ダメか?」

 

「…………まぁ、いいさ。どうせ俺もあんまりやる事が無いしな」

 

そうして、十六夜は霧崎に飛び掛かり、霧崎はひたすら十六夜の攻撃を受け続けるのだった。

その中でPSIのコツと呼べるかどうか微妙なところではあるが、アドバイスをしていくのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

一方、ラッテンはアルマに徹底的に鍛えられる羽目になっていた。

 

「何で私がこんなことをしなくちゃいけないのよ!!」

 

「私のマスターでありたいならそれくらいはしてください。貴女は大雑把過ぎるんですよ。もう少し思考を広げてください」

 

「それにしても、神話を神様使わずに説明しろとか面倒にも程があるでしょうが!!」

 

「だからこそやるんですよ。ギフトゲーム攻略の為にはこういうのも必要なんです」

 

「私は基本的に後方支援担当なんだから別に必要無くない?」

 

「それでも、前線に出ることはあるでしょう。それに後方支援の方がこういうのは必要でしょう」

 

口論しながらも何だかんだ渋々言われたとおりにするラッテンではあった。

力不足は感じてるがゆえに文句も言えないのだろう。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

某所。

箱庭であって、箱庭では無い所。

大ショッカー連盟本拠の廊下をジェネラルシャドウは歩いていた。

ジェネラルシャドウは廊下の先に妙な気配を感じて視線を尖らせるが、すぐにその正体に気付く。

彼の前に現れたのは醜悪な外見の老人だった。

だが、実体では無い。

その姿には時折ノイズが混ざっていた。

 

「貴様が表に出てくるとは珍しいな、呪博士」

 

『何、大首領に挨拶に来ただけだ。それにアポロガイストが死んだからな。GODは再び私が仕切らねばなるまい』

 

「それだけではあるまい。貴様がその姿を晒す時は何かがあるはずだ」

 

『だから、言っただろう。大首領に挨拶に来たとな。大首領の前であの姿になるのは失礼だろう?それに、”例の作戦”に我が部下を加える様に頼みもしたからな』

 

「何を企んでいる?」

 

『来るべき日に備えているだけだ。大首領が悲願を達成した時の我が立ち位置を守る為にな』

 

「くだらないな」

 

そう言うとジェネラルシャドウは再び歩き始め、呪博士の隣を通り過ぎていく。

呪博士は口元を歪ませると、ジェネラルシャドウの背に向けて言葉を掛ける。

 

『そういう貴様も何処かへ出る直前の様だが何処へ行くつもりだ?』

 

「”あれ”が動き始めたようでな。新たに得た我が力を完全にする為に取りに行くのだよ」

 

『ふん、アポロガイストの様にならぬといいな』

 

皮肉を込めて呪博士が言う。

対してジェネラルシャドウは振り向きもせずに言う。

 

「生憎だが今の私はどうやろうが殺せんよ」

 

それだけ、言うとジェネラルシャドウの姿は闇へと消えるのだった。

呪博士も特に反応することも無く闇へとその姿を溶かした。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

箱庭、東側の某所。

 

「ようやく始まったか。今度こそ俺は究極の力を手に入れてやる」

 

男は呟くと同時に歩き出す。

その背後では男の影から白い影が無数に生まれていた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

数日後。

ノーネームの面々は蛟劉に呼び出されていた。

映司や士は前回の闘いの傷がいまだに癒えてなくところどころに包帯を巻いていた。

 

「今日呼んだのは他でも無い。例の封印塚の事や」

 

「何かあったんですか?」

 

「あったにはあったが問題はそれやない」

 

どうもどうやら蛟劉が駆け付けた時には封印塚は周辺には何も残っておらず出てきた魔王が暴れた形跡も無かった。

それならば復活した魔王が身を隠しただけとも受け取れる。

だが、問題はそこでは無かった。

どうもどうやらその封印塚は数ヵ月前まで存在すらしてなかった様だ。

突如としてそこに出現し、突如封印が解かれた。

これはかなり不可解な事件であった。

だが、士はそれを聞いてライオから聞きだしたグロンギ達が箱庭に飛ばされた話を連想した。

 

「何か魔王に関する情報はあったのか?」

 

「魔王かどうかは分からんけど、封印塚破壊と同時期に”黒い捻じれた石板”が何処かへと飛んでいくのを目撃した人がそれなりにいたな」

 

その言葉を聞いて士は確信する。

蛟劉もその反応を待っていたかの様な表情になる。

 

「封印塚が現れた理由は分からんでもな。”石板”の方はまだ情報がある。士君は知ってるんやないか?」

 

「”石板”はおそらくモノリスだろ。つまり、バトルファイトが開催されるわけか」

 

士は何かを思い出すかの様に言った。

そして、一人の男を連想しているのだった。

 

 





超今更ですがPSI説明回でした!

呪博士はアポロガイストが姿を消したので仕方なく出てきた感じです。
改造人間ではないのに再生してるのにも一応理由はあります。
ライスピで思考データを残していたのでそれの複製品に近い物と考えてください。


それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。