問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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蔦と白ローチと争いの理由

毒蔦の怪物が、烏賊の怪物が互いに触手を操り争い合う。

怪物は周囲の事などは気にしない。

その争いに巻き込まれた人々は悲鳴を上げて逃げていく。

その様子を一人の女が物陰から眺めていた。

 

「君も参加しないのかい?」

 

女の背後にはいつの間にか帽子を被った男がいた。

男は話しかけると同時に発砲する。

女は即座に姿を蘭の怪物に変えて銃撃を防ぐ。

男、海東はその姿を見て溜息を吐く。

 

「カテゴリー7に、カテゴリー9に、カテゴリーQか。期待外れだね」

 

「貴様は何を言っている?」

 

「別に僕が欲しいのは君達では無いという事だよ」

 

銃声に気付き、プラントアンデットとスキッドアンデットも海東とオーキッドアンデットを認識襲い掛かろうとする。

海東はつまらなさそうにしながらもディエンドライバーにカードを入れ、頭上に掲げて引き金を引く。

 

「変身!!」

カメンライド!!ディエンド!!

 

幾つもの残像が現れ、アンデット達が放つ触手を弾いていく。

残像は海東と姿を重ね、頭上から青いプレートが飛来し刺さる。

その姿はディエンドに変わっていた。

海東の銃撃によって触手は正確に撃ち抜かれ、海東にまで届く事は無い。

アンデット達も元々味方では無いので連携など出来るはずも無く、やがて同士討ちに近い形に争いの形が変わる。

その隙に海東はディエンドライバーにカードを入れる。

 

アタックライド!!ブラスト!!

 

無数の散弾が放たれ、三体のアンデットは纏めて地面を転がる。

そこに駄目押しをするようにカードを加える。

 

「終わりだ」

ファイナルアタックライド!!ディ、ディ、ディ、ディエンド!!

 

海東とアンデットの間に複数のカード状のエネルギー体で構成された輪が現れる。

海東がディエンドライバーの引き金を引くと同時に銃口からエネルギー弾が放たれる。

エネルギー弾は輪によって増幅され、アンデット達に直撃する。

爆炎が上がり、アンデット達の肉体から緑色の血液が撒き散らされる。

アンデット達は動きを止める。

だが、それだけだった。

動きを止めただけで死にはしなかった。

変化は腰のベルトが開いているくらいではあった。

 

「全く不死生物と言うのも厄介だね。とはいえ、わざわざモノリスが回収するのを待つ必要も無いよね」

 

海東が腰から自身が使うのとは細部が違うカードを取り出した瞬間だった。

白い影が海東に襲い掛かった。

 

「白い………ローチ!?」

 

白い影の姿に海東が驚きの声を上げる。

ゴキブリの様な姿をしたアルビノローチ達は海東の邪魔をするかの様に飛び掛かる。

海東はそれらをブラストで即座に蹴散らす。

そして、改めてアンデットに目を向けるが、そこでは既にアンデット達がカードに吸収されているところだった。

 

「最初から横取り狙いかい」

 

アンデットを吸収したカードが戻る先に銃口を向けようとするが再びローチに邪魔をされる。

ローチを片付けた時にはアンデットを横取りした人物は姿を消しているのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「そのバトルファイトってのは何なんだ?」

 

「不死の怪物であり、一部の種族の祖であるアンデット53体が殺し合う物だ。最後に残った奴の種族が繁栄する。ただし、どの種族の祖でも無いジョーカーが生き残った場合、世界が終わり、生態系がリセットされる」

 

「つまり、創世と終末論の要素を併せ持ったゲームや。箱庭でも開催されるのが観測される度に様々な神群が警戒を始めるくらいや」

 

士と蛟劉の説明を受けて一同は息を呑む。

本来ならば箱庭の外で行われるはずのバトルファイトが、今箱庭で開催されている。

それがどう影響し、何を起こすかは誰も予想出来ない。

ゆえに蛟劉は彼らにこれを話した。

 

「どう転ぶにせよ、バトルファイトを完遂させるわけにはいかん。だから、君らにも協力してほしいんやけどいいか?」

 

他のコミュニティは復興があり、派手に動く余裕は無い。

ゆえにノーネームに依頼しているのだ。

彼らもそれは分かっている。

彼らは無言で頷き、バトルファイトを叩き壊す為に動き始めるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「嫌な風だ。これはマズイ事が起こるかもしれないね。君も何か感じてはいるのだろう?」

 

バトルファイトが開催されている地域の山の上で一人の男が呟く。

彼の背後には一人の女が岩に背を預けていた。

 

「私が知った事では無いよ。でも、この争いが何か歪な事くらいは気付いているよ。また誰かが介入してるんだな?」

 

「確証は無いがおそらくね。あまり戦いたくは無いが我々も動かないといけないかもね」

 

男はその身で風邪を感じながら言うのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

十六夜達はクロアの力でバトルファイトが起きていると思われる地域まで移動していた。

そこから分かれて様子を見ることになった。

十六夜は傷跡の残る町並みを眺めながら歩いていた。

 

「しかし、こうも連続して事件が起きると関連付けたくなるものだな」

 

一ヵ月前のグロンギ達の裏には大ショッカーがいた。

二ヵ月前のアジ=ダカーハ戦の数日後には、映司、士、晴人、アンクが大ショッカーの並行世界に存在する箱庭への侵攻に巻き込まれていた。

こうも連続して大ショッカーが動くとなると今回も裏にいるのではないかと疑う十六夜ではあった。

実際にウロボロスが暗躍し、アジ=ダカーハ復活まで繋がっていた事があるからゆえに考える。

そこに縞馬の怪物が高速移動しながら現れ、十六夜に襲い掛かる。

 

「さっそくか!!」

 

怪物、ゼブラアンデットの攻撃を紙一重で回避しながら十六夜は敵の動きを観察する。

ちょうど正面から来たところにタイミングを合わせて拳を放つ。

タイミングは完璧で拳は直撃するかと思われたが、ゼブラアンデットは突如二体に分裂し、馬蹄型の武器を左右から横薙ぎに振るって来る。

 

「ッ、うぉ!?」

 

十六夜は慌てて上半身を背後に倒して回避する。

そのまま地面に手を着き、下半身を上げると二体のゼブラアンデットを纏めて蹴り飛ばす。

バク転のノリで起き上ると同時に跳んで宙に浮くゼブラアンデット二体を踏み台にして更に大きく跳ぶ。

そのまま空中で一回転して上でゼブラアンデットに向けて鋭い蹴りを放つ。

 

「反転キック!!」

 

そのままゼブラアンデットは地面にヒビを入れる勢いで吹き飛ばされて纏めて地面を転がった上で爆炎を上げる。

しかし、死なずに腰のベルトが開くだけだった。

 

「確かに不死身だな。緑の体液を吹きだしてはいるが全然死に近付いた感じじゃねぇ」

 

そんなこんなで観察していると何処からともなく黒い捻じれた石板が飛来する。

倒れたゼブラアンデットの近くに着地すると怪しい輝きを放つ。

同時にゼブラアンデットの体が縮んでいく。

圧縮されてカードに押し込まれ、封印される。

そのまま石板にカードは吸収された。

これがバトルファイト。

敗者は石板によって封印されるのだ。

 

「ふうん…………こいつがモノリス、統制者って奴か」

 

呟きながら十六夜は石板に向けて拳を放つ。

石板は回避することも無く砕け散っていった。

その内部から何枚かのカードが零れ落ちる。

が、頭上に新たな石板が即座に出現してカードを回収する。

 

「確かにこりゃキリが無いな」

 

十六夜はまるで分かっていたかの様に呟く。

そう、こうなる事は分かっていたのだ。

事前に士から倒したアンデットは石板に吸収されるとも、破壊しても無駄な事は聞いていた。

統制者にとって石板は仮初で意思を移すだけの入れ物であって壊したところで無駄だということも聞いていた。

 

「契約書類を持っているかどうか確かめる前に持っていかれたか。まぁ、次の奴にでも聞きだせばいいだろ」

 

適当に呟きながら十六夜は再び歩き出すのだった。

バトルファイトを止める鍵になるかもしれないので一同は契約書類もついでに探しているのだった。

そうして歩いていると再び襲撃を受ける。

今度は白い影が複数一斉に十六夜へと襲い掛かる。

 

「今度はゴキブリか?」

 

十六夜は飛び掛かってきた数体を殴り飛ばし、下から懐に入ろうとするローチの頭を掴んで振り回す。

そのまま周囲のローチを纏めて吹き飛ばすと掴んでいた個体も地面に叩き付ける。

それと同時にローチは霧散して消えていくのだった。

 

「不死身じゃない?じゃあ、今のは何だったんだ?

 

十六夜は改めて首を傾げる。

それもそうだろう敵は不死身と聞いていたのだいきなり別物が現れれば困惑もするだろう。

ローチ達は瞬殺されるのを招致で囮になるかの様に次々と襲い掛かる。

十六夜は困惑しながらもローチ達を蹴散らし続けるのだった。

その様子をとある男は眺めていた。

まるで観察するかの様に。

十六夜を見極めるかの様な目付きであった。

 

 





十六夜達もバトルファイトに乱入でした!
暗躍してるのは別に一人じゃ無かったり

白いローチを操る謎の人物については大体分かるかもです

十六夜が言う並行世界云々は隼さんとのコラボのことです

それでは、質問があれば聞いてください
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