問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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脈打つ物とすれ違う因縁と大幹部の余裕

 

「やっぱ、感覚が分からねぇな」

 

十六夜は歩きながら手を開いたり閉じたりしていた。

霧崎からPSIの事を聞き、ある程度訓練はしたが未だにその感覚と言うのにピンと来ていなかった。

それと言うのもアジ=ダカーハ戦以降、胸の奥に留まり続ける悩みが原因ではあるのだろう。

思念の力であり、イメージを現実に変えるPSI。

そのイメージが今の十六夜には難しいのだった。

そんな中、十六夜は何かを感じて背後に向けて裏拳を放つ。

 

「おっと、危ねぇ」

 

十六夜の背後には大柄の男がいた。

男は確かに殺気を放っていた。

男はニタリと笑うと姿を変える。

 

「中々やるようでちょうどいいし、少し実験台になってくれないか?」

 

「誰がなるかよ!!」

 

男は象の始祖である不死生物、エレファントアンデットへと姿を変える。

何やら異質な物を感じて十六夜は少し距離を取る。

 

「なっ!?」

 

が、距離を話した直後にエレファントアンデットの腰にある先端に刃が付いた鎖の様な物が伸びて十六夜へと襲い掛かる。

紙一重で避けるがそこへ鉄球型のエネルギー弾が放たれる。

ほとんど反射的に拳を振るい、数発は砕くが数発砕き切れなかった。

弾き飛ばされ、建物の壁を突き破る。

瓦礫に埋もれながら十六夜は頭を抱える。

 

「これじゃダメだろ…………このくらいじゃ足りない。これじゃアジ=ダカーハにも、あいつらにも足りない」

 

十六夜は瓦礫を吹き飛ばしながら拳を握り直す。

立ち上がり、全身に力を入れ直す。

目の前の敵より、その先を見て拳を握る。

 

「やはり、人間にしては頑丈だな。だからこそ、ウォーミングアップにちょうどいい」

 

「いいや、クライマックスだ」

 

「へぇ」

 

十六夜は目にも止まらぬ速さでエレファントアンデットの懐に入り込む。

そのままエレファントアンデットの腹に拳を叩き込む。

だが、少々後退するくらいでそこまでダメージは無いようだった。

 

「アァァァァァァァァァァ!!」

 

拳に力を入れたまま叫びを上げる。

殴り飛ばすイメージを極限まで高める。

そして、拳が十六夜もエレファントアンデットも気付かないくらいに淡く光る。

 

「何っ!?」

 

何かにヒビが入る様な音がした。

それと共にエレファントアンデットの足が地から離れ、吹っ飛ぶ。

とはいえ、多少離れた程度で再び踏ん張っていたが。

 

「まだだ、もっと明確にイメージしろ。霧崎の奴もそう言ってたじゃねぇか」

 

更なる高みを見上げ、上り詰める為に力を溜めてイメージする。

十六夜の脳の奥の奥で何かが開く。

扉が開ければ後は開放するだけである。

十六夜は己の中で何かが脈打つのを感じながら。

普段とは違う物を体感していた。

 

「ウォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

エレファントアンデットが十六夜に向けて巨大な鉄槌を振り下ろす。

十六夜は物が壊れる様をイメージする。

そして、鉄槌に正面から拳を叩き込む。

そこから何かを流し込むのを本能で行う。

鉄槌にヒビが広がる。

そのまま十六夜が更に力を加えると鉄槌は弾けた。

内から衝撃を放たれた様に破片が四散する。

 

「オラァ!!」

 

そこから回し蹴りを入れてよろめかせる。

更に足払いを仕掛け、倒れ掛けたところで重心に手を加え、投げる様な形にして吹っ飛ばす。

宙に浮いている内に飛び上がり、着地の瞬間を狙って蹴りを放つ。

エレファントアンデットは地面に擦られる様な形で吹っ飛んでいく。

 

「まさか、戦闘中に自身を強化するとは思ってもいなかったぜ。だが、俺はこのくらいじゃ終わらねぇよ!!」

 

「いいや、終わるんだよ!!」

 

エレファントアンデットの腹に十六夜の拳がめり込む。

そのまま破壊の力を流し込まれ、、内から崩壊していく。

駄目押しとばかりに十六夜は更に力を込めていく。

脈打つ何かは加速し、再び拳は光り始める。

何かが破裂するような音と共にエレファントアンデットは十六夜の(バースト)に貫かれた。

煙を上げながら崩れ落ち、ベルトが開く。

 

「これがPSIなのか?」

 

自身でそんな疑問を持ちながら十六夜は己の拳を見詰めた。

そんな事をしている内にモノリスが飛来し、エレファントアンデットをカードに変えて(封印し)再び何処かへと飛んでいくのだった。

それとほぼ同時だった。

風を斬る音と共に鮮血が舞った。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「やっと見つけたよ。横取りしたカードとは言わず、とりあえず君が持っているカード全てを頂こうか」

 

「何だ、お前は?アンデットを封印するのが目的じゃないのか?」

 

「いいや、僕はお宝が欲しいだけさ。それと…………少し確認しにきただけさ」

 

「確認だと?俺に何か聞きたいのか?」

 

「いや、確認ならもう終わったよ。その姿(グレイブ)でローチを操るからまさかとは思ったけど、君は兄さんでは無いらしい」

 

海東は溜息を吐く。

そう、横取りされただけならわざわざ追い掛けはしなかった。

ローチを見たからこそ追い掛けたのだ。

自身の世界でとある怪物に仕え、怪物が死んだ後にその怪物に自身がなると言った後に姿を消した兄を連想したからこその行動ではあった。

だが、実際は違った。

ローチ達の後をつけ、こうして実物を見たからこそ分かった。

目の前の者が全くの別人だと。

相手は仮面ライダーグレイブだった。

海東の兄もそのライダーに変身していた。

声も似てはいた。

それでも、決定的に気配が違っていた。

このグレイブから感じる気配は人外のそれであった。

そもそも海東の事を知らなかったり、従えるローチが白かったりと相違点はあった。

このグレイブと海東は無関係。

でも、だからこそ海東は銃口をグレイブに向ける。

 

「君が何者かは知らないけど、兄さんと同じ様な姿でアレコレやられるのは不快だね」

 

「随分と勝手な事を言ってくれるな」

 

「そりゃそうさ。これは僕の個人的な因縁なのだから………変身!!」カメンライド!!ディエンド!!

 

ディエンドライバーにカードを入れ、頭上に発砲する。

海東の周囲に幾つもの残像が現れ、海東へと重なっていく。

そして、頭上から青のプレートが複数頭部へ突き刺さる。

海東はディエンドへと姿を変えた。

 

「お前を相手にする気は無いんだけどな」

 

「そちらがそうでも僕は君を倒したいのさ」アタックライド!!ブラスト!!

 

ディエンドライバーにカードを読み込ませて発砲する。

銃弾は複数に拡散し、グレイブの周囲にいたローチを消し飛ばす。

続けて二枚のカードをディエンドライバーに入れて引き金を引く。

 

カメンライド!!ランス!!

カメンライド!!ラルク!!

 

「これは面倒そうだな」

 

「逃がしはしないという事だよ」

 

残像が重なり、仮面ライダーランスと仮面ライダーラルクが召喚される。

ランスとラルクはそれぞれ槍とボウガンを構えてグレイブへと襲い掛かる。

ディエンドは後方から退路を塞ぐように銃撃していく。

グレイブは影からローチを生み出し、これに対抗する。

奇妙な縁で出会いし者の闘いが始まる。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「アンデットやグロンギが箱庭に現れたのはお前達の仕業か?」アタックライド!!スラッシュ!!

 

「さぁ、どうだろうな?」

 

刀身が増えた斬撃をジェネラルシャドウは軽く弾いていく。

その隙に数枚のトランプが投げ放たれる。

ジェネラルシャドウの斬撃に対応しながらそれを躱せるはずも無く、士は弾丸の様なトランプに吹き飛ばされる。

しかし、その間にライドブッカーをガンモードに変え、カードをディケイドライバーに投げ入れる。

 

アタックライド!!ブラスト!!

 

ライドブッカーの銃口が増え、無数の弾丸がジェネラルシャドウに向けて放たれる。

だが、ジェネラルシャドウはあくまで余裕を崩さない。

 

「ぬるいぞ、ディケイド!!この程度では()()の命には届きはしないぞ!!」

 

トランプの束が舞ったと思えばジェネラルシャドウの姿が消える。

同時に複数の巨大なトランプが士の周囲を回る。

 

「トランプフェイド」

 

「クソ!!厄介だな、本当に!!」

 

ライドブッカーでトランプを撃つが弾は虚しくすり抜けていく。

そして、トランプが一斉に回転したと思うと、全てがジェネラルシャドウとなり、同時に剣を振るう。

士は対応し切れずに吹き飛ばされる。

地を転がりながら、士は舌打ちをする。

 

「さすがは”デルザー軍団”の実質的なまとめ役と言ったところか………」

 

息を切らしながら吐き捨てる様に言う。

ジェネラルシャドウの言葉が本当ならば相手は本気など全く持って出していない。

何故ならこの戦い方は何時も通りでしか無いからだ。

新たに得たという力は一切使用してない。

士は息を整え、警戒を十分しながら打開策を考えるのだった。

それをジェネラルシャドウは楽しそうに眺める。





十六夜が色々と目覚め始めました。
切っ掛けはPSIだけど、それだけでは無かったり

グレイブ参戦!!
中身は原典の方です
色んな意味で隠して無いけど!!

ジェネラルシャドウはかなり余裕です
デルザー軍団は幹部の中でも別格的な感じです


それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!!
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