「では、貴方方はバトルファイトを止めたいのですね?」
「はい。でも、アンデットを倒すだけでは止まらないんですか?」
「そうです。今回の闘いを止めた所で統制者は再びバトルファイトを開催するでしょう」
「じゃあ、どうすれば?」
映司とアンクはヒューマンアンデットからバトルファイトについて話を聞いていた。
ヒューマンアンデットは協力的であり、貴重な情報をもたらしていた。
「完全に止めるには統制者そのものを倒すしかないでしょう。ですが、アレを引きずり出すにはバトルファイトに致命的なロジックエラーが発生でもしないと………」
「へぇ、それはいいことを聞いたね」
突然割り込んできた声に三人は一斉に声のした方に顔を向ける。
そこには金髪の少年が立っていた。
少年は不敵に笑う。
「アレを出し抜くなんて面白そうだね。でも、僕としては君達の方が邪魔なんだよね」
「お前、何者だ?」
言いながらアンクは火球を少年に放つ。
火球は爆炎を上げ、少年を包み込む。
だが、少年は無傷で爆炎から出てくる。
「その程度じゃ、僕には届かないよ」
「なら、これならどうだ?映司!!」
「分かったよ、変身!!」
サイ!!ゴリラ!!ゾウ!!サゴーゾ!!サゴォォォォォォォォォゾッ!!
アンクから投げ渡されたメダルを腰に巻いたオーズドライバーに入れ、オースキャナーで読み込む。
円状のエネルギー体が映司の周囲を回る。
頭部、胸部、脚部の前にそれぞれ一つずつ止まる。
そして、胸部の前で一つとなって映司の胸に重なる。
すうと映司の体が変化する。
サイの頭部、ゴリラの腕、ゾウの足を持つコンボ、サゴーゾコンボに変身したのだ。
「ふーん。面白そうじゃん」
少年はそんな事を言いながら自身の姿を歪める。
金色の甲虫の様な姿となり、大剣と盾を構える。
コーカサスオオカブトの始祖である不死生物、コーカサスビートルアンデットへと姿を変えたのだ。
その間に映司は接近し、拳を放つ。
「デヤァァァァァァ!!」
「八ッ!!」
ゴリラアームの怪力が乗せられた拳が次々と放たれる。
だが、コーカサスビートルアンデットはそれを盾で正確に防いでいく。
拳の隙間にサイヘッドで頭突きを放つ。
けれども、コーカサスビートルアンデットは返す様に頭突きを放つ。
激しい轟音が響き、互いの頭突きが相殺される。
映司は一先ずゾウレッグで蹴りを入れ、コーカサスビートルアンデットの体を宙に浮かす。
そこにゴリラアームからゴリバゴーンを射出する。
さすがに空中では勢いを相殺し切れず、コーカサスビートルアンデットもそこそこ吹っ飛ばされる。
「クァッ!?」
映司はコーカサスビートルアンデットが地を転がり、ゴリバゴーンが戻ってきたところでオースキャナーを取り出し、オーズドライバー内のメダルを読み込む。
全身にメダルの力が流れ込む。
映司は一度飛び上がるとゾウレッグを固め、重ね合わせ、地面へと落下する。
その衝撃波は地面へと広がり、コーカサスビートルアンデットの足を拘束する。
そのままコーカサスビートルアンデットは映司の方へと引き寄せられる。
「ハァァァァァァァァァァァァセイヤァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
目の前に来たコーカサスビートルアンデットに向けてサイヘッドと両腕を同時に叩き込む。
コーカサスビートルアンデットは盾を構え、正面から受け切ろうとする。
爆音が轟く、結果は両者弾き飛ばされた。
だが、立ち直りはコーカサスビートルアンデットのが早かった。
コーカサスビートルアンデットは即座に接近し、五、六度映司を斬り飛ばした。
映司は変身は解けずともそれなりにダメージを受ける。
「映司!!これに変えろ!!」
「分かった!!」
映司はアンクの投げ放ったメダルを受け取り、オーズドライバーに入れる。
コーカサスビートルアンデットがその間にも斬り掛かって来るが紙一重に斬撃を躱し、アンクが火球を放つ事で隙を生み出す。
その隙にオースキャナーでメダルをスキャンするのだった。
◆◆◆◆◆
銃撃音と斬撃音が響き合う。
海東とグレイブの戦いは決め手に欠け、中々変化は起きなかった。
「鬱陶しいな」
「それは此方の台詞だよ」
ランスとラルクはグレイブが大量に発生させたローチに足止めをさせられていた。
ローチは此処の個体はそこまで強くないが数が集まると厄介なのだ。
海東は発砲しながら敵の隙を見極める。
アタックライド!!イリュージョン!!
海東は三体に分身する。
そこから別々の方向に銃口を向けてカードを入れる。
アタックライド!!ブラスト!!
拡散されたエネルギー弾が広範囲に向けて放たれる。
それによって周囲に群がっていたローチ達が消し飛ぶ。
「何ッ!?」
グレイブが驚いた様に声を上げる。
さすがにここまで一辺に削られるとは思っていなかったのだろう。
ローチの数が減った事によってランスとラルクの手が空く。
二体はグレイブに矛を向ける。
「数の有利を一時的とはいえ、消させて貰ったよ」
ラルクと海東が銃撃し、ランスが槍で斬り掛かる。
グレイブは対応仕切れずに押されていく。
海東はトドメを刺す為にカードをディエンドライバーに入れる。
アタックライド!!クロスアタック!!
マイティ!!
マイティ!!
ファイナルアタックライド!!ディ、ディ、ディ、ディエンド!!
海東がクロスアタックのカードを入れた事によってラルクとランスも必殺技を発動する。
ラルクはボウガンに、ランスは槍にカードを通し、エネルギーを武器に纏わせる。
更に海東も分身を解いてディメンションシュートを発動する。
「おのれ………」マイティ!!
グレイブも苦し紛れに剣にカードを通して必殺技を発動する。
だが、誰の目から見ても戦況は明らかだった。
そう、今のままだったのなら。
「ん?」
「なっ!?」
目にも止まらぬ速さで何かが乱入してきた。
そう、海東とグレイブが認識した時には状況が変わっていた。
ラルクの両腕が宙を舞い、その身が真っ二つに引き裂かれていた。
◆◆◆◆◆
十六夜はほとんど無意識に裏拳を放っていた。
その拳は風の刃と衝突する。
そして、鮮血が舞った。
だが、砕けたのは風の刃の方だった。
「なるほど、こう使うのか」
十六夜は自身の拳を眺めながら呟く。
拳は血に濡れていたが薄皮が裂けていた程度だった。
それも十六夜が少し意識すれば傷口が塞がった。
「なら、此方も出来るか?」
十六夜は目を閉じ、地面に手を突き、生命の波動を放つ。
波紋の様に放たれる波動は生物に触れるとリズムを乱す。
それによって十六夜は風の刃を放った相手の居場所を探知する。
「そこか!!」
十六夜は地面をそのまま抉り取って襲撃者へと投げ付ける。
それを見て襲撃者は慌てて逃げ出す。
「何故気付かれた!?」
襲撃者は蟷螂の始祖である不死生物、パラドキサアンデットだった。
十六夜は相手が姿を見せるなり、懐へと入り込んで拳を放つ。
パラドキサアンデットはその素早さに目を見開く。
「先程までより段違いに速いだと!!」
「そりゃ、さっきまでの俺とは違うからな!!」
小さく口元を歪めながら十六夜は叫ぶ。
迷いも悩みも晴れたわけでは無い。
むしろ、解決など一切してない。
それでも、分かる事は一つある。
今の己では
ならば、手を伸ばすだけだ。
その力を掴む為に手を伸ばし、イメージする。
それがPSIを起動させる。
一度感覚を掴めれば後は使いこなすだけだ。
十六夜の内側で何かが脈打つ。
PSIと絡み合い、別の可能性へと進化していく。
扉は開き、その身に流れ込んでいく。
色々開戦でした!!
十六夜に関しては脳のリミッターはPSYREN世界に行くまでも無く常に外れてるという扱いで
使用したのはライズとイアン式ライズの亜種の様な物です
それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます