問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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思わぬ援軍と血生臭い乱入者と風を味方につけし怪物

フォームライド!!ファイズ、アクセル!!

スタートアップ!!

 

士は姿をディケイドからファイズアクセルフォームへと変える。

高速移動をして、ジェネラルシャドウへと迫る。

だが、ジェネラルシャドウは余裕を崩さない。

 

「たかが高速移動程度で私を倒せると思っているのか?」

 

正面、側面、背後などの様々な場所から斬り掛かる。

しかし、ジェネラルシャドウはその全てを的確に受け止めていく。

1000倍の加速もジェネラルシャドウには通用しなかったのだ。

そして、十秒が過ぎる。

 

「なら、これだ!!」

フォームライド!!キバ、バッシャー!!

 

次に士はキバ バッシャーフォームへと姿を変える。

同時に足元に水面が展開される。

士はその上を滑る様に移動しながらライドブッカーとバッシャーマグナムで銃撃する。

ジェネラルシャドウはそれを紙一重で回避する。

 

ファイナルアタックライド!!キ、キ、キ、キバ!!

「ハァァァァァァァァ!!」

 

士はディケイドライバーにカードを投げ入れて必殺技を発動する。

バッシャーマグナムの銃口に水型のエネルギーが収束される。

そのままジェネラルシャドウへと狙いを定める。

引き金が引かれ、弾丸が放たれる。

バッシャーアクアトルネードの弾丸は追尾弾だ。

ゆえに敵を追い掛け回す。

だが、ジェネラルシャドウは回避をしなかった。

むしろ、正面から向かってきた。

弾丸が当たる数秒前に体を沈め、頭部に多少掠らせながらもその横を通り過ぎる。

そして、剣を振るう。

 

「足りんな」

 

ジェネラルシャドウの斬り上げによって士は大きく吹き飛ばされる。

地を転がる中で姿がバッシャーフォームからディケイドへと戻る。

力の差はかなりあった。

それでもコンプリートフォームにならば対抗出来たかもしれなかった。

けれど、その隙はジェネラルシャドウの前では見せられない。

結果として手詰まりとなるのだった。

 

「だが、私の力を倒すのにはちょうどよかったな。そこは礼を言おう」

 

「ハッ、元より俺はついでか」

 

愚痴を溢しながらも士は隙を探る。

コンプリートフォームにならなければ力の差は生まれない。

膠着とは少し違う。

ジェネラルシャドウが面白そうにながめていた。

余裕があるゆえにジェネラルシャドウは次の手を待っているのだった。

そこへ、

 

「そこまでにしといてくれないかな?」

 

二発の光弾放たれた。

視線を射出場所に向けるジェネラルシャドウ。

そこには和服の男とノースリーブの女が立っていた。

ジェネラルシャドウはその正体を即座に見抜く。

 

「なるほどな。何故貴様らがディケイドを助けるかは知らんが三対一は避けたいところなのでな。一旦引かせて貰うとしよう」

 

そういうとジェネラルシャドウは姿を消した。

あとに残るのは散らばったトランプだけだった。

そうして、士は男女へと視線を向ける。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

それはまさしく化物だった。

ラルクを解体した怪物は首を曲げて海東達の方を向く。

全身はほぼ緑、真紅の瞳を持ち、頭部には黒々とした宝石が埋め込まれていた。

 

「GEEEEEEEEEEEEEEEaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

 

海東達の姿を確認するなり、咆哮を上げながら突進してくる。

それに対してランスが割り込む。

だが、それも足止めにすらならなかった。

ランスの槍は一撃で粉々に砕かれ、破片が撒き散らされる。

そのままランスの腹を貫き、内臓を抉り出して握りつぶし、すすいで飲み干す。

ランスは地に倒れて残像へと戻るのだった。

手が空き、本格的に海東とグレイブを狙う。

海東は一連の流れで怪物の正体を察す。

 

「こんな物は出来るだけ相手にしたく無いね」アタックライド!!ブラスト!!

 

無数の弾丸が怪物へと放たれる。

そうして隙を作って逃げる算段だった。

だが、そうはならなかった。

 

「が……ガバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

怪物は銃弾を受けながらも普通に進み続けていた。

当たった傍から傷口は塞がっていく。

その驚異的な再生力に海東は正体を確信する。

 

「改造兵士………それもレベル3か。厄介極まりないね」

 

けれども、オリジナルの改造兵士レベル3とは多少の差異はあった。

暴走している点だ。

本来は第三の目によって理性を保つのだが色も違い、完全に暴走していた。

海東は簡単な命令は本能で果たさせて、それ以外は完全に暴走させて暴れさせているのだと解釈した。

そして、何よりの違いが腰のタイフーンであった。

改造兵士レベル3には外装という物は存在しないだが、目の前の個体はタイフーンを装備していた。

それが何よりの差異だ。

それ一つでも未知数と言ってよかった。

何故ならタイフーンはあの一号二号の力の源なのだ。

それが付けられているとなれば警戒するのも仕方ない。

 

「おっと」

 

銃撃をものともせずに進んできた突進をギリギリのところで回避する。

そこから背中に銃口を向けてディエンドライバーにファイナルアタックライドのカードを入れる。

 

ファイナルアタックライド!!ディ、ディ、ディ、ディエンド!!

 

ディメンションシュートが怪物の背に向けて放たれる。

暴走している分、そこまで賢くは無い。

ゆえに回避はされなかった。

 

「消し飛びな」

 

血肉が飛び散る様な音と共に怪物が吹き飛んで爆炎が上がる。

煙が晴れて出てきたのは怪物の下半身だった。

おそらく上半身は消し飛んだのだろう。

海東は一息を吐く。

 

マイティ!!

「ハァ!!」

 

「なぁ!?」

 

グレイブがいつの間にか接近しており、斬り掛かってきていた。

海東も一瞬早く気が付き、後方に跳びながらグレイブに対して引き金を引く。

それによってグレイブはよろめき、また海東が後方に跳んでいた事もあって直撃はしなかった。

それでも多少は吹き飛ばされて、地を転がる。

 

「お前ばかりに付き合っているわけにはいかないんでな」

 

そうやって距離をとってこの場から離脱しようとする。

だが、そこに新たなる乱入者が現れる。

それはグレイブに飛び掛かり、蹴りを入れる。

 

「グゥ!?」

 

その凄まじい威力にグレイブは地を二、三度跳ねながら吹き飛んでいく。

海東はその姿を目にして目を見開く。

 

「もう一体いたのか」

 

乱入したのはタイフーン付きの改造兵士レベル3だった。

やはり暴走しており、理性の欠片も見えなかった。

けれど、海東はそちらを気にしてはいられなくなった。

風車の回るような爆音が響いた。

その直後だった。

上半身を消し飛ばされた改造兵士レベル3の肉体が脈動を始める。

 

「まさか、そこから再生を始めるというのか!?」

 

海東が驚愕の声を上げる中でもう一体の怪物はグレイブへと襲い掛かる。

吹き飛ばしたグレイブの頭部を掴み、指をめり込ませる。

その状態で地面に何度も叩き付ける。

一回叩き付けられるごとにグレイブの仮面から破片が零れ落ちる。

 

「調子にのるな!!」

 

何とか剣を振るうだが、傷は浅い上にすぐに再生されてしまう。

それでも刺激にはなったようで怪物は行動を変える。

頭部を掴んだまま持ち上げ、その体を蹴り上げる。

それだけで背中の装甲がヒビだらけになり、崩れ落ちそうになる。

ある程度まで打ち上げられると重力によって落ちていく。

その間に怪物はまるでプログラムに従うかのように構えを取った。

そして、グレイブが落下してくるタイミングに合わせて拳が放たれる。

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

大砲が放たれたかの様な爆音が響く。

同時にグレイブの体は数キロ先にまで吹き飛ばされていった。

その時にはもう一体も再生を終えていた。

最初の個体の再生が始まってからグレイブが吹き飛ぶまで三十秒も無かった。

ゆえに攻撃を受けた海東が体勢を立て直し、逃げに入るには時間が足りなかった。

 

「これはマズイね」

 

二体の怪物を前に冷や汗を流しながら呟く。

今までの戦闘だけでどれだけ怪物かは理解した。

だからこそ、状況はかなり絶望的だった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

ジェネラルシャドウはその光景を遠くから眺めていた。

 

「ふむ、タイフーンを個体に組み込む実験は順調なようだな。性能も申し分も無い。これを更に発展させれば”素体”としては十分成立するだろう」

 

改造兵士レベル3をこの場に連れ込んだのはジェネラルシャドウだった。

相手は不死生物アンデット。

実戦実験にはちょうどいいという事で連れてきたのだ。

タイフーンとの同調も成功し、再生能力、戦闘能力も向上していた。

けれども、これも通過点に過ぎなかった。

あの個体は”素体”の材料でしか無い。

ゆえに底はまだまだ深くどす黒いのだった。





追い詰められる海東でした!!

改造兵士レベル3改は性能が一回り強化された上でタイフーンを移植されました
つまり、風の力で性能がアップです
設定的には87%以下のダメージは0.1秒で再生可能なので改造関係無しに上半身くらいなら再生出来たりします
それを言ったらタイフーン無くても感情とかで強化されますがそこらへんは効率化とでも思ってくれれば

それでは、質問があれば聞いてください
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