問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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嘲る運命と否定する運命と歪んだ魔神

 

聖杯が振られ、雷が映司達に襲い掛かる。

 

「いきなりかよ!!」

 

悲鳴の様に叫びながら霧崎が弱者の(チキンソウル)パラダイムで雷の軌道をずらす。

雷によって大地が抉られる中で怪物(統制者と破壊者)は突進してくる。

各々が散る中で霧崎とラッテン、アルマは動かずに正面に立つ。

 

「何でお前らは逃げないんだよ?」

 

「どうせ、霧崎が守ってくれるし」

 

『その前提ならカウンターもやりやすいですし』

 

ラッテンとアルマがこんな調子なので霧崎も動くに動けないのだった。

あんな化物の正面に立つなんて本当はチビリそうなくらいに恐くても背後にラッテンがいるとなれば引くわけにはいかない。

霧崎は覚悟を決めて迎え撃つ。

 

「ヨヨ!!」

 

(オウ!!)

 

振り下ろされた大剣を全力でズラす。

大剣とはいうがそのサイズはとんでもない。

小さな山に近い巨体が振るう大剣なのだ。

桁違いの大きさであり、桁違いの力も秘めている。

十数メートル離れたところに大剣が落ちる。

それだけで地が割れた。

それでも、余波すら霧崎達に届かない。

 

「今よ!!突っ込んじゃいなさい、アルマァ!!」

 

『はい、マスター!!』

 

ラッテンが演奏でアルマの出力を強化する。

アルマは全身を雷光に包み怪物に突進する。

映司はその光景を見ながらアンクに叫ぶ。

 

「アンク、メダル!!」

 

「ほらよ」

 

「変身!!」

タカ!!トラ!!バッタ!!タトバッ、タトバ、タットッバ!!

 

映司はメダルを受け取るなり、オーズドライバーに入れて急ぐようにオースキャナーに読み込ませる。

頭部、胴部、脚部を中心に三ケ所で円状のエネルギー体が回る。

頭部の前には赤、胴部の前には黄、脚部の前には緑の物が静止する。

それらは胴部の前で一つになる。

そこから映司の胸と重なり、映司の姿を変貌させる。

オーズ タトバコンボに姿を変えた映司はすぐさまにオースキャナーを取り出す。

 

スキャニングチャージ!!

「だぁ!!」

 

オーズドライバー内のメダルを再びスキャンし、その力を開放する。

映司と怪物の間に赤、黄、緑の円状のエネルギー体が現れる。

それを潜り抜けながらアルマと並行する様に蹴りを放った。

 

「危ないとこだったようだね」

 

クロアがレティシアと黒ウサギに冷や汗を流しながら語り掛ける。

三人は退避した方向が偶然霧崎が大剣をずらした方向に重なっていたのだ。

直撃はしなかったが余波に巻き込まれかけたのでクロアに救われたのだ。

 

「ありがとうございます、クロア様」

 

「それより、黒ウサギ。すぐに動けるか?」

 

「はい」

 

「ならば、映司達に合わせるぞ」

 

言うがいなや、レティシアは龍影を構え、黒ウサギは飛び上がる。

そして、黒ウサギが龍影に足を付けた瞬間に全力で弾き飛ばす。

同時に黒ウサギも全力で跳躍する。

二つの力を重ねた勢いで怪物に突撃する。

疑似神格・金剛杵(ヴァジュラ・レプリカ)を構えて轟雷を纏う。

 

『GEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeYYYYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!』

 

それらに対して怪物の対処は実にシンプルだった。

盾を構えて正面から受け止める。

絶対的な力への自信がそれをさせたのだろう。

怪物の盾と三つの突撃が正面から衝突する。

最初は余裕で受け止めていたが徐々に余裕は消えていく。

盾そのものに破損は無い。

それでも、衝撃は殺し切れなかった。

激しい衝突音と共に怪物が弾き飛ばされる。

地面を抉るかのように身を転がす。

 

「まぁ初撃には十分な一撃になったか」

 

アンクが呟くとほぼ同時に三人は着地した。

一同はあまり散らばらずに各自を目視出来る範囲で構えを取る。

怪物は即座に起き上がって吠える。

その咆哮には苛立ちが籠っている様に聞こえるのだった。

 

『気に入らぬ』

『許せん』

『貴様達のような』

『人間ごときが』

『『我らに歯向かおうとは!!』』

 

統制者と破壊者が睨み付けながら叫ぶ。

よほど、抵抗される事が頭に来たのだろう。

容易く磨り潰すつもりがいきなり押し負けたのだ。

それは頭に来るだろう。

見下してるがゆえに自身に抗う者が気に入らぬのだ。

 

『我は(統制者)なり』

『我は悪魔(破壊者)なり』

『『我らは全てを支配する魔神なり』』

『それを』

『それを』

『戦い、敵を作る事でしか進化できない』

『愚昧で卑小で矮小な存在が!!』

『我らに逆らうなどあってはならんのだ』

『貴様らはただ我らが操りし運命に溺れておれば良い物を』

『我らの手の中に収まっておればいい物を』

『『何故抗う!!』』

 

神と悪魔が混じりし、魔神はただ全ては己の手で支配する物と語る。

人間はただ自分の手で動かされていればいい語る。

 

「はぁ………確かに人間は神視点から見れば矮小だろうけどさ。それでも、必死に生きてるんだよ。お前らみたいな存在はあいつら(````)を否定する事になる。運命なんて物は定まっていないから意味があるんだ」

 

霧崎はかつて共に戦った仲間、かつて戦った敵を思い浮かべながら言う。

彼らは運命に抗い、最悪の未来を変えた。

だからこそ、今がある。

確かに戦った結果ではある。

それでも、戦いだけが全てでは無いのだ。

 

「人は確かに戦うよ。欲望の為に他人を蹴落としもする。だけど、それは一面でしか無い。人の想い、欲望はお前達の手には収まらない。人々の手を取り合って協力して先に進めるのだから」

 

『『黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』』

 

映司の言葉を遮る様に叫ぶ。

映司達を押し潰す為に突撃しようとする魔神。

 

『『グゥ!?』』

 

その顔面に巨大な火炎が直撃する。

火炎が飛んできた方に顔を向けるとウィザード フレイムスタイルに変身してる晴人と十六夜がウィザードラゴンの背に乗って飛んできたところだった。

続けて火炎を吐きながら牽制しながら魔神の周囲を飛ぶ。

十六夜はドラゴンの背から飛び降り、黒ウサギ達の前に着地する。

 

「待たせたな」

 

「随分遅い到着だったな」

 

「道中邪魔が多かったんだよ」

 

ダークローチの群れを思い出しながら十六夜は言う。

 

「お前がどういう存在かは知らないけど、人の希望はお前如きにどうこう出来る物じゃないよ。人の希望は魔法すら及ばない力を持ってるからな」

 

『希望?欲望?くだらない』

『我らの力が無ければ繁栄すら出来なかった人間が』

『思い上がるのもいい加減にしろ』

 

棍棒を振るい、ドラゴンを振り払う。

晴人はドラゴンを退かせながらもソードガンで銃撃を加えていく。

 

「いいや、思い上がりなんかじゃねぇよ」

 

『なんだと?』

 

「ヒューマンアンデットは何故フォーティーンの力を手にしなかったと思う?それは人類が自らの力で歩んでいく為だ。人類はお前達が用意した圧倒的な力に頼らずに此処まで歩んで来たんだ。だから、思い上がりなんかじゃない」

 

『それがどうした』

 

「人は自らの道は自らが決めて歩んでいく!!つまり、不要なのはお前らってことだ!!」

 

大気にヒビが入るような音が響く。

映司達の背後から現れた士に極大の殺気が向けられる。

 

「重役出勤のつもりか?」

 

「大物の登場は最後って言うだろ?」

 

十六夜に対して士は不敵な笑いを返す。

十六夜は特に気にする事も無く、むしろ映司達や霧崎の言葉を噛み締める。

自身に足りないのは経験という事を改めて刻み込む。

魔神は完全に切れた様子で叫ぶ。

 

『『貴様は一体何様のつもりだ!!』』

 

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!!」

 

言いながらライドブッカー内のカードを取り出して構える。

 

「変身」

カメンライド!!ディケイド!!

 

カードをディケイドライバーに入れて閉じる。

同時に幾つもの残像が士の周囲に現れる。

それらは士に重なり、士の姿を変貌させる。

そして、真上から数枚のプレートが頭部に刺さる。

それと共に全身の装甲に色が付く。

仮面ライダーディケイドに士は姿を変えた。

 

「さて、バトルファイトを終幕させるとするか!!」

 

ライドブッカーソードモードの刃の側面を撫で、魔神に切っ先を向けて叫ぶ。

魔神は天を震わすかの様に咆哮を上げる。

 

『『貴様らなど元々関係無い!!元より全てを無に帰し、バトルファイトを改めて始めるのだ!!その為に最初に消すのが貴様らなだけだ!!』』

 

凄まじい殺気と共に魔神が急降下してくる。

映司達は迎え撃つべく構えを取る。

役者は揃い、最終決戦が開幕する。

それはまさしく終わりの始まりであった。

神による理不尽な運命を終わらせる為に。

自身に抗う邪魔な因果を終わらせる為に。

魔神と抗いし者は己たちの力をぶつけあう。

どちらが勝利するにせよ、一つの物が終わりを迎える。

 





まさかの舌戦回
実際には舌戦として成立してないですが

魔神に関しては傲慢そのものな感じです

それでは、質問があれば聞いてください
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