連載再開です!
闇将軍と終末の衝突と苦しき目覚め
深い霧の中、足元さえ虚ろな中でその男はただ座っていた。
男の腰の下には数多もの骸骨があった。
これは別に男が作った物では無い。
元々積み上げられていた死体の成れの果てだ。
此処は奈落、地獄の一角とも言える場所である。
そこで男はただ自身が朽ちるのを待つかのように座っていた。
「ん?」
何時振りか自身すら分からなくなっていたその時に何かの男が聞こえてきた。
そう、まるで
男はそちらに静かに顔を向けるのであった。
◆◆◆◆◆
”ネガデンライナー(改)feat.幽霊列車”車内。
「何故私が自身を討った者達の一人と行動を共にしなければならないのだ」
「知った事か。というより、これを決めたのは貴様自身だろう」
「私は私の天下を手に入れる為にこの集団を利用しているだけだ」
「いかにも、弱者が言いそうな事だな。だから貴様は奴に敗れたんだ」
「なんだと?」
「喧嘩してんじゃねぇよ。何回目だ、そのやり取り?」
血色の様な鎧を纏う武士と戒斗の会話に割り込むネガタロス。
彼としては別に軽い喧嘩ならば放置したいのだが、自身の貴重な列車を破壊されるわけにもいかないので止めに入るのだった。
武士の加入直後によくあった言い争いではあったがさすがに時が経って頻度は減った。
しかし、最近になってまた発生し始めてきていた。
理由は単純に互いにストレスは溜まって来ているのだろう。
彼らはスカウトも兼ねて有望そうな人材に誘いを掛け、駄目ならば戦いになっていた。
その行動は血の気の多いメンバーにとってはストレス発散にはなっていた。
だが、最近はとある目的の為に長期の移動に入っているので発散が出来ていないのだ。
「ふむ、反応が近くなってきたな。そろそろか」
列車は深い霧の中を走っていた。
そう、彼らは奈落とも地獄とも言える場所を移動しているのだった。
◆◆◆◆◆
かくして、男の前に”ネガデンライナー(改)feat.幽霊列車”は辿り着くのだった。
男は立ち上がり、腰に下げる剣に手を当てる。
何時でも戦えるように臨戦体勢を取っていた。
ドアが開き、中から黒い鬼が、ネガタロスが現れる。
「貴様は何者だ?」
「俺の名はネガタロス。一応現”ネガタロス同盟(仮)”の代表者だ」
「それが私に何の用だ?わざわざ地獄まで来るのだ、遊びではあるまい」
「スカウトさ。なぁ、
「スカウトだと?」
「あぁ、俺は“正義に負けない究極の悪の組織”を作りたい。その一員にアンタを誘ってるのさ」
「悪いが私は最早死んだ身。目的も果たした。ゆえにこれ以上何をする気も無い」
言いながら男は、シュバルツ将軍は座り直す。
その姿から達観した様子を感じられた。
かつてのシャドーラインの幹部の姿がそこにあった。
それに対してネガタロスは肩を竦めながら言う。
「本当にそうか?」
「なに?」
ピクリとシュバルツ将軍は反応する。
その言葉は引っ掛かりを覚えさせる物だった。
「グリッタ嬢を救い、ゼットに一矢は報いた。これ以上に私が果たしていない目的があるとでも?」
「あるじゃねぇか。”最強の列車軍団を組織する”ってのは果たして無いだろう?」
「ぬぅ」
その言葉にしばし考えるシュバルツ将軍。
ネガタロスは更に続ける。
「俺は“正義に負けない究極の悪の組織”を作りたい。あんたは”最強の列車軍団”を組織したい。なら、俺達の目的は一致してるんじゃないか?」
「確かにそれは果たしていなかったな。だが、心残りと言う程でも無い。貴様は何故私を選んだ?」
「あんたには野心があるからさ。自身の目的の為ならば皇帝すら敵に回すその野心!!それを俺は求めているのさ。だから、俺達と共に夢を目指そうじゃねぇか」
「ふむ…………確かに悪くは無い話だ。私の内に眠る野心も貴様の野望に協調しなくも無い。いいだろう、手を組もうではないか」
「歓迎するぜ、シュバルツ将軍」
そう言って二人は手を重ねた。
とはいえ、ただ話に乗っただけでは無さそうだとネガタロスは感じていた。
互いに利用し合う。
そのくらいの関係が悪の組織としてはちょうどいい部分もある。
ゆえにネガタロスはあえてそこに突っ込みはしなかった。
「だが、私は死した身だ。それが現世に戻れるのか?」
「そこは問題ねぇよ。というわけで、頼むぜマーブロ!!」
「はいはい、任されたよ~」
そんな明るい声が列車の中から響き、シュバルツ将軍の知った顔が姿を見せた。
人型で眼鏡を掛け、杖を持つ男がクローズを連れて列車から出てくるのだった。
「やぁ、シュバルツ将軍。久し振りだね」
「まさか貴様もいるとはな、マーブロ」
現れたのは闇博士マーブロだった。
胡散臭い笑みを浮かべる印象を抱くが実際に間違っていない。
何故なら彼はマッドサイエンティストと呼べる類であるのだから。
シュバルツ将軍と同じくシャドーラインに属する者だった。
「あんたを探す途中で見つけて、気に入ったんでスカウトした」
「僕に好きに研究させてくれるらしいからね。大好きな忍者を手にする為にも都合が良い」
「貴様も死んでいたとはな」
「僕だって負けたら死んじゃうからね」
「それで貴様がどう私を死んだ身から変えるというのだ?」
「こうするのさ」
マーブロが杖を鳴らす。
直後に背後の”ネガデンライナー(改)feat.幽霊列車”が漆黒に輝く。
”ネガデンライナー(改)feat.幽霊列車”は時の砂漠に落ちたクライナーも改造の材料にされている。
それを触媒にしてネガタロスは闇博士マーブロとシュバルツ将軍を見つけ出したのだ。
そして、マーブロは”ネガデンライナー(改)feat.幽霊列車”を使って闇を増幅させる。
その力を持ってクローズ達を純粋な闇へと変換する。
その闇をシュバルツ将軍に注ぎ込む。
彼らシャドー怪人は元々闇から生まれし物。
それゆえに闇を注ぎ込み、肉体を再構成させたのだ。
「なるほどな。それで、組織を作る上での当てはあるのか?」
「あぁ、あるぜ。箱庭でちょうど良さそうな計画が動いている。標的はそれの確保だ」
邪悪な笑みを浮かべるネガタロス。
闇の力を宿し者を味方に加え、ネガタロスは己の野望の為に突き進む。
◆◆◆◆◆
あらゆる物が残骸と化していた。
建造物は崩れゆき、地は煙をあげ、所々で火を吹いている。
天は暗闇に包まれ、獣の叫び声が響き渡る。
人々は血を流しながら倒れゆき、その血を地面に染み渡らせる。
時折衝撃音と共に大地が揺れる。
その様はまさしく終末と言える状況だった。
その中心で十六夜とディケイドは向き合っていた。
互いにボロボロであった。
それでも倒れはしてなかった。
二人の周囲には多数の人影が倒れていた。
二人を中心に地が割れていた。
ディケイドはライドブッカーをガンモードにして銃撃を十六夜に向けて放つ。
「やめてください!!」
叫び声が上がる。
それでも二人は止まらない。
十六夜は銃撃を紙一重で回避し、最短ルートでディケイドに迫る。
ディケイドは即座にライドブッカーをソードモードに変える。
横薙ぎに振るわれた刃が十六夜に迫る。
十六夜は全力で上半身を背後に仰け反らせる。
そして、刃が真上に来た瞬間思いっきり状態を跳ね上げた。
全力の頭突きが刃の側面にぶつけられ、その衝撃で刃は叩き上げられる。
十六夜は額から血を流しながらもその勢いのまま、拳をディケイドに叩き込む。
だが、ディケイドはライドブッカーを手放し、完全に体勢を崩すのを防ぐ。
むしろ、そのまま背後への衝撃を利用して足を上げ、蹴りを放つ、
十六夜の拳とディケイドの足は同時に互いの胴へと突き刺さり、お互いを吹き飛ばした。
「やめてください!!二人が戦っても………」
少女の、黒ウサギの悲痛な叫びが響く。
それでもその声は届かず、二人は止まらない。
瓦礫の中からほぼ同時に起き上がる。
互いを睨み付けながら拳を構える。
ディケイドの右腕にマゼンタの粒子が凝縮され、放つ輝きが増していく。
十六夜の右腕を中心に輝く紋様が広まっていく。
ディケイドの右腕はマゼンタの輝きを、十六夜の右腕は蒼き輝きを眩いばかりに放っていく。
「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
「ダアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
互いに向けて同時に駆け出し、同時に叫びをあげながら拳が放たれる。
異なる輝きを放つ拳が凄まじく衝突する。
その衝突の衝撃は天を揺らがし、地を砕き、人を吹き飛ばした。
その衝突の上空を中心に暗雲に穴が広がっていく。
その衝突を中心に地は捲れ上がり、砕けヒビを広げていく。
その衝突の余波により、周囲の人影は吹き飛ばされていく。
それは何も物理的な物には収まらなかった。
世界の破壊者の拳と世界を救う者の拳の衝突は
衝突点を中心に空間に亀裂が広がり、世界は砕け散っていく。
まるで硝子のように世界は散らばって行くのだった。
◆◆◆◆◆
そこで、
(…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………今度は今度でなんて夢だよ、クソが)
頭を抱えるようにして心の中で呟く。
十六夜としては悪夢で目覚めるのは今朝だけで二度目なのだった。
先程は三頭龍アジ=ダカーハに対する賭けに負け、黒ウサギの投擲した槍に自身が貫かれ、黒ウサギの表情を見たところで目覚めたのだった。
しかし、今回の夢は別の意味で悪夢であった。
先程の夢ならばまだ見る理由は分かっていた。
だが、今回の夢はさっぱり分からないのだった。
十六夜は思考を放棄するように寝返りを打ち、三度寝の準備に入るのだった。
薄れゆく意識の中で十六夜は心の内に何か棘が刺さったままのような感覚を残すのだった。
というわけで、第一部最終巻に突入しました!
初っ端から敵サイドでした!
闇博士はニンニンvsトッキュウの敵です
後半は十六夜vsディケイド(夢)でした!
夏みかんが見ていた夢と似たような物です
それを十六夜が見た理由は後々
連載止まっている間にライダーはドライブからゴーストへ、戦隊はニンニンからジュウオウへと代替わりしましたが第一部完まで変わらず突っ走ります
それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!
予定としては登場している全勢力の動向を第一部完までに描写していく感じです!