今回は最終決戦に向けてというかんじです。
「ハァァァァ!!」
「ぬぅぅぅぅ!!」
ブラカワニとバハムートの拳が激しくぶつかる。
互いに二、三撃放つと、一旦間合いから離脱する。
直後にバハムートへはレティシアの影の刃が、映司にはズードーパントの爪が襲い掛かる。
バハムートは紙一重でそれを避ける。
映司は盾で受け止め、蹴りを放ち、ズードーパントを弾き飛ばす。
(このままじゃ埒が明かないね。それなら……)
考えながら映司は隙を見て、メダルを変えて、スキャンする。
サイ!!ゴリラ!!ゾウ!!サゴーゾ!!サゴーゾ!!
そんな音声と共に映司は、サイの頭、ゴリラの胴、像の足を持つ形態、サゴーゾコンボへと変貌する。
◆◆◆◆◆
霧崎は白い魔法使いへと向かっていったはいいが、【弱者のパラダイム】は攻撃向けの能力では無い。
単騎で突っ込んだ所であまり意味は無いのだ。
しかしそれでも近付く。
近付き、攻撃を誘導する。
「邪魔だと言っている!!貴様などを相手にしている暇は無い!!」エクスプージョンナウ
魔法陣が霧崎の前に現れ、死の脅威が見える。
だからこそ回避出来る。
【弱者のパラダイム】では無くライズで避ける。
その代わりに死の脅威を集める。
生半可な一撃じゃ倒せないのは一目で分かる。
だからこそ、死の脅威を集める。
一点集中させてぶつけるのが目的だ。
とはいえ、死の脅威に保つ時間という物がある。
死の脅威が死の脅威としての威力を保てるのはそこまで長くは無い。
そこで一つ問題があると言えば、霧崎の攻撃が白い魔法使いに当たらない事だ。
死の脅威を集めてぶつけようにも当たらなければ意味は無い。
(クソッ!!見た目からしてそこまで動くタイプじゃないと思ったが真逆じゃねぇか!!)
(ドウスル?続ケルカ?)
(当たり前だ!!)
ヨヨとそんなやり取りをしていると、
クロックアップ
そんな電子音が聞こえた様に霧崎は感じた。
◆◆◆◆◆
サゴーゾにチェンジした映司はそのままバハムートに拳を放つ。
先程までとは威力が違う。
バハムートは吹き飛ばされながらそう感じる。
「ウオォォォォォォォ!!」
更にゴリラのドラミングの様な動作をサゴーゾが始めるとバハムートの体が重くなる。
更にズードーパントはまるで無重力空間にいるかの様に浮く。
まるで重力を操っているかのようである。
「ゲッ……キシャガァァァァァ!!」
ズードーパントがもがいていると、その体を幾つもの影の刃が貫いていく。
刃は龍の顎を形作って行き、ズードーパントは何度も噛み砕かれ、引きちぎられ、細切れにされて悲鳴を上げる間もなく爆散した。
残りはバハムートだけである。
◆◆◆◆◆
クロックアップ、そんな電子音が聞こえた瞬間、白い魔法使いが吹き飛ばされた。
否、何度も打撃を食らい、胸に重い一撃を受けた様子だ。
「は?」
その光景に霧崎は困惑する。
本当に一瞬の出来事だった。
本当に一瞬で白い魔法使いはボロボロになり、吹き飛ばされたのだ。
それには白い魔法使い自身も困惑している様子だ。
霧崎が困惑し、数瞬立ち尽くしていると、耳元で何かが囁かれる。
「トドメは譲ってやる」
男の声だった。
振り向いても姿は見えない。
結局、何が起きたかは分からずじまい。
しかし最後の言葉に関しては言われるまでも無い事である。
「ヨヨ!!」
(ヨシキタ!!)
霧崎が叫び、ヨヨが答える。
直後に周辺の死の脅威が極限にまで集められる。
そしてそれを白い魔法使いにぶつけるべく近付いていく。
エクスプージョンナウ!!エクスプージョンナウ!!
危機を感じた白い魔法使いが、エクスプロージョンの魔法を連発するがその脅威すらも死の脅威の塊へと加わる。
「………地獄に落ちな」
それだけ呟き、霧崎は白い魔法使いへ死の脅威の塊をぶつける。
直後に白い魔法使いに大量の魔法陣が集まり、暴風が集中する。
「ぬ、ぐぅぅ………私が……こんなところで…………暦…………」
激しい爆発音と共に白い魔法使いは消し飛んだ。
その火柱は天に届き兼ねない程だった。
幾ら何でも高く上がり過ぎかもしれないが、それは霧崎が横方向へ爆炎が広がらない様にしたからである。
「ラッテン!!」
あんな奴相手でもやはり人を殺すという嫌な感覚を感じつつ、霧崎はラッテンへと駆け寄るのだった。
◆◆◆◆◆
バハムートは重くなる体を奮い立たせるように立ち上がり、映司へと向かっていく。
「ぬぁぁぁぁぁあ!!」
映司も迎え撃つ様に構える。
「ハァァァァァ!!」
互いの拳が互いの体へと当たる。
両者引かずに相手を殴り続ける。
レティシアも下手に手を出せないような雰囲気である。
サゴーゾは元々装甲も強化されるコンボの為、一撃一撃のダメージはそこまで響いてないが、バハムートは一撃一撃で身を削られてる様な勢いである。
それでも殴り続ける、戦い続ける。
何撃目かも分から無い、拳の放ち合いの中で映司は片腕のゴリバゴーンを射出する。
それにより怯むバハムート。
そこへゾウレッグの重い蹴りを叩き込む。
ある程度距離を離すと、映司はオースキャナーを構え、
スキャニングチャージ!!
スキャンする。
必殺技の体勢に入るサゴーゾ。
一度、真上に飛び上がると足を揃え、勢いのままに着地する。
地面にヒビが入り、その衝撃でバハムートの足が地面にめり込む。
そして、バハムートサゴーゾに向かい引き寄せられる。
「ハァァァァァ!!」
「クソッガァァァァァ!!」
「セイヤァァァァァァァ!!」
目の前にバハムートが来た瞬間にサイヘッド、ゴリラアームの三発を一度に叩きつける。
一瞬、バハムートが耐えた様に見えたがそれも一瞬の事であり、バハムートは爆散するのだった。
「やったな」
「そうだね。でもまだ終わりじゃない」
駆け寄るレティシア。
息を切らしながら魔王の方を見る映司。
◆◆◆◆◆
霧崎は倒れているラッテンの治療をしていた。
止血は勿論の事、殆ど見よう見真似でぶっつけ本番のキュアもどきを掛ける。
本来のキュアの様には当然行かない。
そもそも霧崎にキュアは使えないのだから。
こんなものは火事場の馬鹿力で一時的に発動しているだけに過ぎない。
効果も精々痛みを和らげる程度である。
「……無駄よ。傷の問題何かじゃない。霊格を傷付けられた時点でね……」
「諦めんな!!まだ手は……何か手はあるはずだ!!」
言いながら霧崎は思い出す。
そして懐から一枚の羊皮紙を取り出す。
これは“群体精霊”が霧崎に授けた物である。
本来の用途とは違うが、この状況でも意味はある。
「俺と“契約”しろ、ラッテン。“契約”でお前の霊格を補強する」
「それって……隷属の契約?それなら貴方でも……お断りよ。私のマスターは今は……」
「分かってる。分かっているし、これは隷属の“契約”なんかじゃない。あくまで対等な“契約”だ」
これは霊格の同調を誘発させる“契約”である。
ラッテンと“群体精霊”の似た様な霊格を同調させ、疑似的に安定させゲームが終わった後もラッテンという存在を保たせる為の物だ。
そしてゆっくりと霧崎とラッテンの霊格を同調させる物でもある。
ラッテンを説得出来た場合に使う予定だった物である。
そして今はラッテンを助ける為の希望でもある。
「…………でもそれってマスターに対する裏切りになるのよね……」
「…………なら、手伝うよ。お前らの目的を俺は手伝う」
「何それ?貴方が私達につk「違う」
「今、お前らがやってる様な方法じゃ無くちゃんとした方法なら手伝うって意味だ。まぁ先に“ノーネーム”の復興という先約があるからその後にだけどな」
ラッテンは一瞬、キョトンとした顔をするがすぐに笑い出す。
「面白い事を言ってくれるじゃない。惚れちゃいそうね。でもマスターが今のやり方を貫いてる間は駄目かな」
「分かってるよ。お前らがそういうのって事はな。だけどもうすぐ終わるよ。このゲームは」
「……何を根拠に?」
「根拠なんてねぇよ。ただ単にそう思っただけだ」
そんな事を言いながら二人は空を見上げる。
黒ウサギ、サンドラとぺストがぶつかる上空を。
◆◆◆◆◆
その時、ちょうど十六夜の勝負も決着が着いていた。
十六夜とヴェーザーの全力のぶつかり合いに勝利したのは十六夜であった。
そうであっても十六夜の右腕はかなり損傷していた。
◆◆◆◆◆
カウント・ザ・メダルズ
赤、タカ、クジャク、コンドル
緑、クワガタ、カマキリ、バッタ
黄、ライオン、トラ、チーター
白、サイ、ゴリラ、ゾウ
青、シャチ、ウナギ、タコ
橙、コブラ、カメ、ワニ
特、スーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタ
色々と決着回でした。
サゴーゾ活躍回でもあります。
クロックアップに関して軽く説明しますと、
タキオン粒子を使い、時間流を操作し、クロックアップしていない者と別の時間流の中を動くというものです。
故にタキオン粒子が無い者には見えません。
とは言ってもディケイドで設定がかなり崩れていますが。
此処ではカブト本編の設定で行きます。
決して高速移動などではありません。
クロックアップの使用者については次回をお楽しみに。
“契約”に関してはあまり深く考える事はないです。
それでな質問があれば聞いてください。
感想待っています。