問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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許容量と悲鳴と割り込む銃声

 

「V3電熱チョップ!!」

 

電撃を纏った手刀が士を吹き飛ばす。

ディケイドの装甲に焼き焦げたような跡が付くがおかげで体を包んでいた氷も溶けた。

士は地面を転がりながらライドブッカーを構え直して引き金を引く。

当然当たらないが元より牽制としか思って無いので構わない。

鳴滝は前方にバリヤーのような物を張る事で銃撃を悉く弾いていく。

その手には新たなロックシードがあった。

 

ゼクロス!!

「変身」ロックオン!!ZXアームズ!!10号!!サイボーグ忍者!!

 

鳴滝の頭上にZXの頭部型の物体が出現し、降下する。

鳴滝の頭部に嵌まると展開して鎧へと姿を変える。

フィフティーン ZXアームズに姿を変えるなり、鳴滝はマイクロチェーンを士に向けて放つ。

士はライドブッカーをソードモードに変えてマイクロチェーンを弾く。

 

「今度はZXの力か」

フォームライド!!ファイズ!!アクセル!!

スタートアップ!!

 

士はディケイドライバーにカードを投げ入れてファイズ アクセルフォームへと姿を変えて高速移動を始める。

だが、ZXの力と感覚を得ている鳴滝は高速移動による攻撃を軽々と受け止めていく。

士はカードをディケイドライバーに投げ入れると、ポインターを足に装着すると鳴滝に向けてフォトンブラッドによる光を放つ。

 

ファイナルアタックライド!!ファ、ファ、ファ、ファイズ!!

 

「無駄な事を」

 

円錐状の光が鳴滝を拘束する。

その光に向けて士は蹴りを放つ。

対して鳴滝は余裕そうな様子で手を動かす。

その掌には衝撃集中爆弾があった。

士が蹴りを放つと同時に威力と方向が操作された爆発が起きる。

それによって士の蹴りは相殺され、吹き飛ばされる。

 

リフォメーション

「チッ、時間切れか」

 

アクセルフォームの制限時間が切れると同時に士は新たなカードを投げ入れる。

鳴滝も新たな錠前を構える。

 

フォームライド!!キバ!!ドッガ!!

 

スーパー1!!

「変身」ロックオン!!スーパー1アームズ!!赤!!心!!少林拳!!

 

士はキバ ドッガフォームへ、鳴滝はフィフティーン スーパー1アームズに姿を変える。

士はドッガハンマーを引き摺るようにしながら振り回す。

鳴滝はそれをヒラリヒラリと受け流していく。

スーパー1の梅花の型の力を使っているのだ。

 

「お前が世界の悲鳴の代弁者ってのはどういう事だ?」

 

「そのままの意味だ。私は貴様のせいで(``````)破壊されゆく(``````)世界の悲鳴そのものと言えるのだからな!!」

 

「意味が分からねぇよ」

 

ドッガハンマーを蹴り上げてから大振りで鳴滝へと振り下ろす。

鳴滝は腕を赤い腕、パワーハンドへとチェンジさせてドッガハンマーを軽々と受け止める。

パワーハンドは一万メガトンの力を持つ腕なのだ。

ドッガハンマーを受け止めるくらい軽い物である。

 

「貴様は存在するだけで破壊をもたらすのだ。世界を繋ぎ(`````)変質させ(````)崩壊させる(`````)!!それが貴様なのだ!!」

 

「変質だと?」

 

「分からんのか?海東大樹やデンライナーなどはただ世界を移動するだけだ。だが、貴様は世界を繋げてしまう(`````````)!!それが破滅の鍵だ!!」

 

「くっ……………抽象的過ぎるんだよ!!」

 

鳴滝はドッガハンマーを弾き飛ばすと腕を元々の銀色の物へ戻して手刀で丸腰の士に斬り掛かる。

銀の腕、スーパーハンドは300tの力だけでは無く日本刀以上の斬れ味すらあるのだ。

つまり、手刀でも切り裂くには十分なのだ。

士は即座に姿を変える。

 

フォームライド!!デンオウ!!ガン!!

「俺と海東の何が違う!!」

 

「世界には許容量と言う物があるのだ!!海東君はただ移動しているだけであり、まだ許容量の中で済む。貴様は違うのだ、ディケイド!!貴様は世界に取って負担が大き過ぎるのだ!!貴様が世界に足を踏み入れるだけでも許容量ギリギリだというのに、貴様は渡った世界と世界に繋がりを作ってしまう。その繋がりは小さい物ではあるが許容量ギリギリの世界にとっては耐久限界を超える物だ!!」

 

「それで世界が破壊されると?」

 

「そうだ!!貴様が訪れた世界は歪んでしまうのだ!!その歪みが滅びの現象を(``````)引き起こして(``````)しまうのだ(`````)!!」

 

「俺が滅びの現象の原因?冗談はよせ」

 

電王 ガンフォームに姿を変えて遠距離からの銃撃でやり過ごそうとする士。

鳴滝はスーパーハンドと梅花の型で軽々と銃撃を弾いていく。

一流の拳法家の力を引き出すスーパー1アームズの力があってこその技だった。

 

「冗談では無い。貴様は存在するだけで世界に危機を齎す。身に覚えは無いか?貴様を世界の破壊者と(``````)認識して(````)排除しようとした者を(``````````)!!」

 

「まさか、あの剣崎一真は…………」

 

「そう、世界が貴様を消す為に生み出した存在だ!!ウィルスに対する抗体のようにな!!」

 

「なら、お前は何者だ!!」

 

「それは最初に言っただろう?世界の悲鳴の代弁者だと!!」

 

鳴滝の拳が士に直撃する。

右拳が一直線に士の胸板に突き刺さる。

衝撃は一気に背中まで突き抜ける。

仮面の下で吐血する。

鳴滝はそこで一旦後ろに下がる。

まるで助走距離を稼ぐように。

危険な臭いを感じながらも拳の直撃を受けたばかりの士は動けなかった。

鳴滝は一切の躊躇無くカッティングブレードを三度倒す。

 

スーパーライダー月面キック!!

「スーパーライダァァァァァァァァァァァァ!!ゲツメェェェェェェェェェェン(月面)!!キィィィィィィィィィィィク!!」

 

鳴滝は空高く飛び上がる。

ロックシードの音声に合わせる様に叫ぶ。

そして、満月を背面に映しながら急降下しながら蹴りの体勢に入る。

避ける暇すら無く士にスーパーライダー月面キックが直撃する。

ディケイドの装甲にヒビが広がっていく。

そのまま吹き飛ばされ、五度程地面を跳ねた後にようやく勢いは収まり地に転がる。

波打ち際に転がる形になりながら変身が解除される。

 

「ぐッ…………ガハッ……………………」

 

吐血しながら上半身を起こす。

それが限界だった。

足には力が入らず起き上れるような状態では無かった。

鳴滝はアームズを解除して通常のフィフティーンの姿に戻り、黄泉丸を士の首筋に当てる。

 

「これで終わりだな、ディケイド」

 

「それはどう………かな………」

 

息絶え絶えながらも悪態を吐く士。

口元の血を拭いながら鳴滝に視線を返す。

士の眼はまだ死んではいなかった。

その眼に諦めは一切無かった。

 

「さっきの話……………納得出来ない部分があるんだが?」

 

「ほう、何処だ?」

 

「前提が、だ。アポロガイストみたいに世界の融合を加速させる力を持っている奴がいる大ショッカーが原因の可能性もあるんじゃないのか?」

 

「奴らは貴様の力を利用しているに過ぎない。貴様に世界と世界を繋ぐ橋を作らせ、侵攻しているに過ぎない。それによって歪んだ世界同士の融合を加速させるなど容易い。力の方向性に手を加えればいいのだからな。ゆえに始まりは全て貴様なのだ。奴らが利用している物は全て貴様が下地を作ったに等しいのだ!!」

 

「屁理屈だな」

 

「理由はどうあれ貴様を消すのには変わりないからな」

 

「それにしても、お前がこうも直接的な手に出て来るとはな」

 

「今回は事態が事態なのでな。貴様が箱庭に来なければこんな手は使わんかったよ」

 

「俺が箱庭に来たからだと?」

 

「そうだ。箱庭は全ての世界と繋がりを持つ存在だ。箱庭の歪みは全世界に影響する。それだけは防がねばならないからな」

 

(ん?)

 

そこで士は何か違和感を覚えた。

鳴滝の言っている事は本人の口調からして嘘では無い。

けれど、違和感はあった。

まるで、鳴滝自身が(`````)何かを勘違いしている(``````````)ような。

 

「少し話し過ぎたな。では、死ぬがいい!!ディケイドォォォォォォォォォォォ!!」

 

「いやいや、鳴滝さん。それだけはやらせないよ」

 

鳴滝が黄泉丸を振り上げた時だった。

何処からともなく声が響いた。

そして、銃声と共に黄泉丸が弾き飛ばされた。

銃声がした方に士も鳴滝も視線を向ける。

銀色のオーロラがそこにはあり、そこから海東が姿を現すのだった。

手元でディエンドライバーを回しながら海東は笑みを浮かべる。

 

「士、久し振りだね」

 

「遅いんだよ」

 

「おや、僕が来ると思ってたのかい?」

 

「お前は、俺の死に様を見ないで終わる気なんて無いだろ?」

 

「そうだね。僕は君の死に様はこの目で見ておきたい。だから、困るんだよ。僕のいないところで死なれちゃね」

 

士の隣に立ち、海東は士を見下す。

距離を取っていた鳴滝は忌々しそうに話しかける。

 

「海東君、どうやって此処に?」

 

「生憎士の目印なら手元にあるので」

 

言いながら海東はディケイドのカードを鳴滝に見せ付ける。

それは士の所持する変身用のカードとほぼ同一の物だった。

同質の物は共鳴する。

それを利用して座標を固定してこの場に駆け付けたというわけである。

 

「そういえば、士。鳴滝さんから何か聞かされたかい?」

 

「俺が世界を歪めて滅びの現象を巻き起こす元凶だとさ」

 

「彼の言う事はあんまり真に受けない方がいいよ」

 

「どういう事だ?」

 

「たぶん、半分ほどは合ってる。でも、もう半分はたぶん間違っている」

 

「根拠はなんだ?」

 

「簡単な事さ。彼は自分の事を世界の悲鳴の代弁者と言っただろう?」

 

「言ったな」

 

「それが合ってるけど間違ってもいるんだよね。彼は悲鳴そのものなんだ」

 

「そうか、大体分かった。つまり、あの”剣崎一真”の同類ってわけか」

 

「そういうこと。歪んだ世界は確かに悲鳴を上げた。そして、その悲鳴の集合体が鳴滝さんだ。ようは被害者の一方的な視点ってことさ。そんな偏った視点の言う事が全て真実なわけないだろう?」

 

「確かにな」

 

「いいや、私の言葉は真実だ!!戯言で罪から逃れられると思うなよ、ディケイド!!」

 

激昂するように叫ぶ鳴滝。

その叫びに込められた憎悪は先程より強く感じられた。

海東が手を伸ばすと、士は手を取って立ち上がる。

ふらつきはするが立つのが問題無い程度には体力は回復した。

 

「まだ戦えるかい?」

 

「当たり前だ」

 

不敵に笑いながら二人は並び立つ。

それに対する鳴滝はまるでその身に溜め込む憎悪が具現化したかのように禍々しいオーラを放っているのだった。

 

 





海東乱入でした!!
鳴滝の正体と滅びの現象についての説明回でもありました!
具体的な事は次回ですが
鳴滝の正体や滅びの現象に関してはディケイド本編でも正体不明なので独自解釈がだいぶ入ってます。
この回の説明は口頭で言われただけなので合ってるかどうかは後々です

V3の技には未使用の26の秘密も混じっています

それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!!
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