問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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今回は視点変更多めです



軍神の気紛れと勝ち逃げと怪盗のマシン

「良かったですね、士さん」

 

「全くだ。こっちは明日もゲームがあるってのにボコリやがって」

 

士と映司は旅館で休んでいた。

かなり傷付いていた士であったが今は綺麗さっぱり傷が消えていた。

旅館の入口でばったりと御門釈天に出会い、士の傷を見た釈天が軽いノリで治したのだった。

手に持っていた瓶と臭いからして既に酒が入っていたのだろう。

おそらく酒が入っていたがゆえのノリでの行動だが士にとっては運が良かったのだった。

 

「じゃ、俺もこれで」

 

「自分の部屋に行くのか?」

 

「いや、俺も少し街を見てきます」

 

「悪いな、付き合わせて」

 

「助け合うのがライダーですから」

 

そう言って映司は士の部屋を出ていくのだった。

士はカメラを取り出して現像を始める。

時間も出来たので今日撮った分を確認するのであった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

一方、その頃十六夜は旅館へと向かっているところであった。

先程ゲームを終えたところであり、体を休めるのも兼ねていた。

とはいえ、本題は御門釈天に色々聞く為でもある。

拳を握ったり開いたりしながら自身の調子を確かめる。

精神的なスランプは感じていたが、此方に関しては不調というより変調であった。

 

「やっぱりまだ感覚が掴めないな」

 

戦闘になれば発動出来はするのだが調節は難しかった。

イメージが大切なのは分かるが何かが引っ掛かっているかのようだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

旅館に着くと待っていたのは見覚えのある顔だった。

白夜叉の補佐をしていた女性店員もとい現在は女性店長だった。

旅館そのものが”サウザンドアイズ”の店舗であり、帝釈天と面識のある彼女が来ていたのだった。

しばらく会話をしながら案内される。

その間に”天軍”の成り立ちの話も聞かされるのだった。

 

「ははあ。ディストピアについては色々と説明を受けていたが、魔王一体を倒す為にそりゃまた大仰な組織を作った物だ」

 

「私もそう思います。しかしそれでも押し切られたというのですから、額面通りの大魔王だったのでしょうね。________ですが、それと同格の大魔王を倒したというのだから、貴方の幸運には恐ろしいものがあります」

 

皮肉を込めて女性店長が笑う。

遠回しに”貴方が魔王を倒したのは偶然に過ぎない”と言いたいのだろう。

それはここ数カ月で散々認識していた事だった。

ン・ガミオ・ゼダの時も魔神の時も自分の力不足は散々感じた。

そして、映司達や霧崎との差も感じた。

だから、十六夜はその皮肉を否定するでもなく笑って受け止めた。

 

「ああ。俺もそう思う」

 

「殊勝で結構。その心掛けを忘れずに。_______と、着きましたね」

 

旅館の奥の一室に辿り着く。

天然温泉の入り口に掛けられた暖簾には”本日貸切”の札が掛けられていた。

桶と手拭いを渡された十六夜は其処で女性店長と別れるのだった。

その際、彼女はこんな言葉を残した。

 

「しかし_____どんな英傑であれ、魔王退治とは古来幸運が絡むもの。手にした勝利を疑う必要はないかと思われますよ、十六夜様」

 

名前を呼ばれ、驚いたように女性店長の背中を見送る。

姿勢を正したまま去って行く彼女を見据えたまま、十六夜は肩を竦めた。

 

「……………やられたな。初めて名前で呼ばれたと思ったら、同時に見透かされるとは」

 

見事に一本取られてしまった。

しかも勝ち逃げと来た。

此れでは立つ瀬がない。

次に出会ったら名刺でも頂こうと胸に刻み、十六夜は男湯の暖簾を潜った。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「そういえば、ラッテンさんはペストさんが心配では無いのですか?」

 

「いきなり何よ?」

 

「いえ、この数ヵ月特にそのような様子が無いので気になって」

 

振り回される中で黒ウサギはふとラッテンに尋ねるのだった。

ラッテンは今更という顔をしつつ答える。

 

「別に心配はしてないわよ。マスター自身は(```````)無事なのは確実だし」

 

「分かるのですか?」

 

「一応ね。無事なら何とかしているでしょ。マスターが目的を諦めるはずが無いし、私は再び合うのを待つだけよ」

 

軽く言うラッテン。

黒ウサギは一応納得はするのだった。

その様子を見ていた霧崎はラッテンに後ろから声を掛ける。

 

「無理はしてないんだよな?」

 

「当たり前よ。今更霧崎に隠し事をするわけないでしょ?それにアルマと記憶共有されるから隠し事しても意味無いし」

 

「それもそうか」

 

「そうよ」

 

「で、何隠してる?」

 

「へ!?」

 

「さっきの言葉、明らかに含み持たせてたよな?」

 

「いや~・・・ま、隠してもしょうがないか」

 

諦めたように息を吐くラッテン。

霧崎の背後にいるアルマの視線もあっての事ではあるのだろう。

 

「マスター自身は確かに無事だけど、唆されているかどうか(``````````)は別よ」

 

「どういう事だ?」

 

「前の復活し立ての頃ならともかく最近のマスターは頭首くんに感化されてたしね。頭首くんごと口車に乗せられてる可能性はあるにはあるわ」

 

「あいつがそんな簡単に乗せられるか?」

 

「口が上手い人の心当たりは割とあるのよね。特にあの人の系譜(``````)とかね」

 

「そうか…………………って、そういや契約が問題あるのか」

 

「そう言うこと。マスター次第ではあるんだけど、もしかしたら霧崎も巻き込みかねないのよ」

 

「だから、あんま言いたがらなかったわけか」

 

申し訳なさそうな顔をするラッテン。

確かに契約に従うとしたら立場的に面倒な事は起きかねない。

けれど、その契約にも抜け道はある。

何より霧崎としてはラッテンを裏切る気は無い。

 

「ま、大丈夫だ。巻き込まれようがヤバくなろうが俺が助けるよ。俺の力は守る為の物だからな」

 

「霧崎~」

 

ラッテンの頭をポンポンしながら微笑む霧崎。

ラッテンは嬉しそうに頬を緩ますのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

爆発音が響く。

爆風でマントを揺らしながらルパンは駆ける。

彼は大ショッカーの基地に侵入し、データを盗んでいるところであった。

 

「ふむ。あそこまで本部を秘匿している連中が堂々と支部を構えているのに違和感はあったがまさか俺を狙った罠だとはな」

 

ルパンガンナーで戦闘員を撃ち抜きながら壁を駆け上がる。

大ショッカーの基地を発見し、侵入をしたはいいが基地そのものがゴキブリホイホイの様に罠であったのだ。

どうもどうやらサイバロイドZZZとルパンガンナーというサンプルを手に入れる為に用意していたらしい。

とはいえ、ルパンも罠自体は確保していたので脱出そのものは容易かった。

ちゃっかりデータも入手はしていた。

 

「さらばだ、諸君!!」

 

基地の外壁の上に立ちながら叫ぶ。

叫んだ直後に跳び、外壁の外側の崖に飛び降りる。

ルパンは侵入から脱出まで変身も重加速も使わなかった。

侵入は敵の狙い通りとはいえ計画通りに行ったので使う必要は無かった。

脱出は明らかに変身や重加速を使わせようとしているのが見え見えであり、そこで素直に使うのは癪に障るので使わないで無茶な手を使って脱出したのだ。

ついでに基地の所々に置き土産は残していた。

 

「それでは、土産を楽しんでくれたまえ」

 

迎えに来たマシンの上に着地し、指を鳴らす。

直後に今までとは比では無い爆発音が響き渡る。

基地の要所に仕掛けていた爆弾が一斉に爆発するのだった。

マシンに腰を掛けながら息を吐く。

 

「作っておいて正解だったな」

 

マシンはバイクに近い形をしていた。

実際に元はバイクであった。

表面は黄金に塗装されている。

前輪後輪のタイヤが横倒しになり、飛行する為のホバーとして機能している。

マシン後部には翼のような物が広がり、後部にはジェットのような物が取り付けられている。

機体そのものは単独で動かせ、サイバロイドZZZボディとリンクしている為、ルパンの意志で自由に呼び出せる。

今回もルパンが飛び降りてくる地点で待機しているように操っていた。

 

「さて、データは無事かどうか」

 

ダミーの罠用の基地とはいえ機材そのものは生きていたので機械生命体の力を使う事でネットワークを探り目当ての情報を盗んだのだ。

ウイルスの類が無いか入念にチェックを入れてからデータを直接取り込む。

今回データを手に入れたのは自身の拡張の為だった。

サイバロイドZZZボディは確かに強化ロイミュードとして通常のロイミュードよりは強力だ。

しかし、それは進化前を比べた上での話だった。

ゆえに超進化や次世代のシステムを得る為にデータが必要だったのだ。

そして、今回無事にデータは手に入れた。

 

「よし、無事ではあるな。中身の確認は落ち着いたらするとしよう」

 

マシンに跨り、ルパンは何処かへと向かっていく。

箱庭に舞い降りた怪盗は更なる力の可能性を手に夜闇へと消えて行くのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「チッ、捕獲は失敗したか。しかも、データまで中途半端とはな。…………怪人も配置しておくべきだったか。とはいえ、最低限(```)は成功したから良しとしよう。元より俺の仕事では無いしな」

 

何処かのモニタールームにて三島は呟くのだった。

生きた機材がダミーの基地にあったのはわざとではあった。

だが、その意図自体は依頼された三島も把握していないのだった。

生け捕りにが望ましいが、最低限データを盗らせる事が出来ればいいとの話であった。

三島としては特に何かしら計画しているわけでは無いので引き受けたが、その最低限の部分には何か引っ掛かりを感じるのであった。

 

「全くわざわざデータを渡して何をしたいのやら?」

 

つまらなさそうに息を吐きながら三島は立ち上がり、自室へ向かうのだった。

 

 






ルパンのマシン登場でした
まだまだ拡張の余地は残ってたりします
名称は後々

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