最終決戦です。
現在、ぺストは触れただけで命に死を運ぶ風を発動している。
黒ウサギとサンドラも退避する。
するしかない。
霧崎がいれば話は別なのだが、無いものねだりである。
そんな中、樹霊の少年が死の風に巻き込まれそうになっていた。
そこへ、
ライオン!!トラ!!チーター!!ラトラタ!!ラトラーター!!
そんな音声と共にライオンの頭、トラの胴、チーターの足を持つ形態、ラトラーターコンボに姿を変えた映司が駆け寄る。
そして頭部から太陽の如くの激しい光と熱波が放たれる。
これがラトラーターの能力、ライオディアスである。
光に触れた途端に、死の風は霧散する。
「え?」
それにはぺスト自身が困惑していた。
太陽の輝きが死の風を振り払うもの、自身の弱点だと把握していなかったのだ。
故に太陽の如くの輝きを放つラトラーターは天敵に近い。
「大丈夫?早く逃げて!!」
「は、はい」
映司が叫ぶと、腰が抜けたような顔をしていた樹霊の少年は、すぐさま建物の中に逃げ込む。
「映司さん!!」
「黒ウサギちゃん!!前見て前!!危ない!!」
へ?と振り返る。
ぺストが放った死の風が黒ウサギのすぐそこまで迫っていた。
「オイコラ、余所見してんじゃねぇぞこの駄ウサギ!!」
側面から助勢に現れた十六夜の蹴りが、死の風を霧散させる。
何が起こったか分からないぺストは一瞬、唖然とした。
「ギフトを砕いた………?貴方、」
「先に断っておくが、俺は人間だぞ魔王様!!」
懐に飛び込んだ十六夜はぺストを蹴り飛ばす。
ぺストは数多の建築物を粉々にしながら吹き飛んでいく。
その様子に唖然とするサンドラ。
しかし幾千万の怨嗟の声が衝撃波と共に瓦礫を吹き飛ばした。
そしてぺストは傷を瞬時に回復させ、十六夜に微笑みかける。
◆◆◆◆◆
戦場から少し離れた尖塔の上、
カブトパワー
ザビーパワー
ドレイクパワー
サソードパワー
オールゼクターコンバイン
尖塔の上に立つ男が持っている物からそんな音声が流れる。
「お婆ちゃんが言っていた、身不相応に天に近付きし者は翼をもがれ、地に落ちる」マキシマムハイパーサイクロン
男は“それ”を構え、ぺストへと狙いを定め引き金を引く。
直後、音声と共に凄まじいエネルギー弾が放たれた。
◆◆◆◆◆
刹那、ぺストの身体の半分以上が消し飛んだ。
「「「「「は?」」」」」
ぺストも、十六夜も、黒ウサギも、サンドラも、映司も何が起きたか分からず、困惑の声をあげる。
そんな中で十六夜が我に帰ると、黒ウサギに向かって叫ぶ。
「よく分からねぇが……黒ウサギ、今だ!!何かするなら今の内だ!!」
「は、はい!!」
返事をしながら黒ウサギは慌てて、白黒のギフトカードを取り出す。
「それでは、今から魔王と此処にいる主力____纏めて、月まで案内します」
白黒のギフトカードが輝き、周囲の光が暗転して星が巡る。
温度は急激に下がり、大気が凍てつくほどの過酷な環境が十六夜達を襲う。
激しい力の奔流が収まり、瞳を開けて天を仰ぐ。
天には、箱庭の世界が逆様になって浮いていた。
月の神殿を見て、ぺストは蒼白になって叫ぶ。
「……………“月界神殿”!!軍神ではなく、月神の神格を持つギフト………!!」
「YES!!このギフトこそ、我々“月の兎”が招かれた神殿!!帝釈天様と月神様より譲り受けた“月界神殿”でございます!!」
黒ウサギは、満天の星と箱庭を誇る様に両手を広げる。
「十六夜さん!!映司さん!!サンドラ様!!少し魔王に隙を作ってください!!私が決着を着けます!!」
「分かった!!」
「分かりました!!」
「しょうがねぇな!!」
言うや否や、サンドラと十六夜がぺストに向かって突撃する。
映司はライドベンダーをギフトカードから取り出し、トラカンと合体させてトライドベンダーとする。
トライドベンダーはラトラーターの余剰エネルギーを吸収させる事により、制御される。
映司はトライドベンダーに跨がり、ぺストへと向かっていく。
「退いて、十六夜君!!サンドラちゃん!!」
ぺストと殴りあったり、衝撃波と炎のぶつけ合いをしていた十六夜とサンドラは映司の言葉を聞くと一旦ぺストから離れる。
ぺスト怪訝な顔をするが、そこへトライドベンダーから放たれる光弾が襲う。
爆炎の中から飛び出るぺストに十六夜の拳とサンドラの炎が襲う。
「無駄よ。私を打倒するというのなら、星を砕くに値する一撃を用意なさい____!!」
「ハァァァ!!」トリプル!!スキャニングチャージ!!
そこへトライドベンダーの上でメダジャリバーを構える映司が突進する。。
メダジャリバーに三枚のセルメダルを投入し、オースキャナーでスキャンする。
「セイヤァァァァァァァ!!」
擦れ違い様にぺストを斬り、真っ二つにする。
だが、それでも倒すまでとはいかない。
「まだよ………このくらいじゃ……」
「分かってるよ。だから終わりじゃない」スキャニングチャージ!!
トライドベンダーから跳躍し、ぺストの真上に行き、オースキャナーでスキャンし、必殺技を発動する。
映司とぺストの間に黄色の円が、三つ現れる。
映司は落下速度も掛け合わせながら、円を潜りながら、両腕のトラクローを展開しながらぺストへと迫る。
「ちょ、」
「セイヤァァァァァァァ!!」
真っ二つに斬られた部分が完全に回復していないぺストには避ける術も無い。
叫びながら映司はぺストをトラクローで斬り裂くのだった。
これがラトラーターの必殺技、ガッシュクロスである。
ぺストは月面に落下すると共に爆散する。
しかし爆炎の中でまだ生きていた。
そこらへんはさすが魔王の耐久力というところである。
しかし何も映司達の目的は倒す事では無い。
隙を作れれば充分なのである。
「黒ウサギちゃん!!」
「はい、なのですよ!!」
傷が重くまだ動けないぺストへと、黒ウサギが迫る。
その手には投擲用の槍がある。
黒ウサギはある程度まで近付くと槍を、帝釈天の神格の宿る槍を放つ。
インドラの槍は千の天雷を束ね、ぺストを襲う。
避けられないぺストに槍は磔にするように突き刺さる。
「こ、この………程度、なんかで…………!!」
千の雷に焼かれながらもぺストは抗う。
この程度では魔王は倒せない。
しかし、インドラの槍は勢いは衰えず、力を解放していく。
「無駄でございますよ。その槍は正真正銘、帝釈天の加護を持つ槍。勝利の運命を宿す槍なのですから」
天雷は千から万へ、万から億へ急速に力を増していく。
衰える事を知らないインドラの槍は敵を焼き尽くすまで止め処なく光を放ち続ける。
穿てば必ず勝利する槍。
軍神が“勝利”の恩恵をもたらす武具が、この槍なのだ。
「そんな……私は、まだ…………!!」
「____さようなら、“黒死斑の魔王”」
一際激しい雷光が月面を満たす。
轟と響きを上げた軍神の槍は、圧倒的な熱量を撒き散らして魔王と共に爆ぜた。
そして月面にはクレーターが一つ増えるのだった。
◆◆◆◆◆
霧崎とラッテンは槍が爆ぜる様子を地上から見ていた。
ラッテンは寂しそうな、悲しそうな顔をしながら呟く。
「……負けちゃったか、マスター」
「そうみたいだな」
霧崎はラッテンを支えながら傍らに座っていた。
「………貴方、さっきの言葉に偽りはないわね?」
「ないよ。あるわけがないだろそんなこと」
「そう、なら………」
フラフラとラッテンは霧崎に手を伸ばし…………
◆◆◆◆◆
某所。
「おのれオーズ!!またしても刺客を打ち破ったか!!しかしこれで終わりでは無いぞ!!」
中年の男は叫んだ後に銀色のオーロラに去ろうとする。
そこへ、
「待て」
とある男が現れる。
中年の男は身構え、男の方を向く。
「貴様、何者だ!!」
「天の道を往き総てを司る男。天道総司だ」
男は人指し指を上げて天を指しながら言う。
その姿は仮面ライダーカブトライダーフォームだった。
◆◆◆◆◆
カウント・ザ・メダルズ
赤、タカ、クジャク、コンドル
緑、クワガタ、カマキリ、バッタ
黄、ライオン、トラ、チーター
白、サイ、ゴリラ、ゾウ
青、シャチ、ウナギ、タコ
橙、コブラ、カメ、ワニ
特、スーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタ
決着です!!
二巻も残すはエピローグのみです。
ラトラーター活躍回というところです。
最後に登場する天道!!
彼が此処にいる理由は後々。
さてはて次回のエピローグが終わったら次章に入りたい所ですが、
三巻四巻分に行くか、番外編「乙」に行くか悩み所ですね。
それと、おそらく明日エピローグを投稿したら少しの間投稿出来ないと思います。
具体的に言えば18日あたりまでです。
それでは質問などがあれば聞いてください。
感想待っています。
映司、天道を含め、“現在”箱庭入りしているライダーは五人います。
中年の男が呼び出した分は加算していません。
その中でも天道は事情が違うと言っておきます。