久々の更新になります
今回からラストエンブリオに突入します
タイトルは変わらず進行予定です!
刃物と通り魔と金色の獅子
風都の路地裏。
そこで左翔太郎は異形の存在を目にしていた。
普段からドーパントと戦っている翔太郎だが、目の前の存在は異質だった。
始まりは通り魔事件を調べている時だった。
現場を巡っている時に路地裏に逃げ込む影を見かけたのだ。
それを追い掛けた先にいるのが目の前の異形だった。
「ったく、どうなってやがる。ただの通り魔事件じゃ無かったのか?」
「カカカカカカカカカカカカッ!!」
人型がどんどん崩れて膨れ上がって行く。
白い不定形の肉体に目玉が蠢く異形はその視線を翔太郎に向ける。
「フィリップ、化物が現れた。変身だ」
『すまない、翔太郎。今は無理だ』
「まだ終わらないのか?」
ダブルドライバーを腰に付けてフィリップと通信する。
手元から金属を弄る音を聞いて状況を察する。
フィリップは現在とある人物から送られてきたデータを元にとある装置を製作していた。
もうすぐ完成間近であるとは翔太郎も聞いていた。
『あと少しだね。でも、だからこそ手が離せない』
「分かった。なら、こっちは俺一人で片付ける」
言うと翔太郎はダブルドライバーを外してロストドライバーを腰に付ける。
コートの内ポケットからジョーカーメモリを取り出し、構える。
ジョーカー!!
「変身!!」ジョーカー!!
ロストドライバーにジョーカーメモリを差し込んで傾ける。
黒い風と共に翔太郎の体が黒い装甲に包まれていく。
包まれる一瞬前に翔太郎の顔には紋様が浮かぶ。
仮面ライダージョーカーに姿を変えると翔太郎は異形に向けて手を向ける。
「さぁ、お前の罪を数えろ!!」
同時に異形が全身を膨張させて襲い来る。
軽く身を捻って突進を回避する。
異形は翔太郎の背後にべチャリと着地すると口から何かを出す。
「ガイアメモリだと」
ナイフ!!
「GAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」
叫びながらナイフメモリを己が身に取り込んでいく。
そのままナイフドーパントへと姿を変える。
ただし、異形なのは変わらない様でナイフドーパントとしての姿を保ちながら関節を感じさせない動きをする。
「化物の上にガイアメモリを持ってるとは厄介だな。だが、俺の敵じゃねぇ」
腕をまるで鞭の様に撓らせ、刃物に包まれた腕を振るう。
路地裏ゆえに狭く左右にはそこまで動けない。
ゆえに翔太郎は伸びてきた腕を跳んで回避し、そのまま左の壁を蹴ってナイフドーパントの背後に着地する。
ナイフドーパントの背に蹴りを入れ、体勢を崩したところに拳を叩き込む。
腰を捻り上半身だけ振り返り、壁を大きく削りながらナイフドーパントは裏拳の要領で腕を振るう。
しゃがみ込みながら翔太郎はジョーカーメモリをベルトから外してマキシマムスロットに入れる。
マキシマムスロットのスイッチを押してマキシマムドライブを発動させてメモリの力を最大に高めて腕に集中させる。
ジョーカー!!マキシマムドライブ!!
「ライダーパンチッ!!」
ナイフドーパントの捻じれた腹に低姿勢のまま紫のオーラを纏わせた拳を叩き込む。
全身に衝撃波が伝わる様な音が響き、一瞬遅れてナイフドーパントが吹き飛んでいく。
ビクンビクンと体が振るえたと思うとナイフメモリが排出されて姿が異形へと戻る。
「浅かったか。メモリブレイクされてないな」
完全にトドメを刺す為に翔太郎が近付いていくと異形は再び口から何かを出す。
それは血がこびり付いたナイフの様な物だった。
おそらく通り魔事件に使われた物だろう。
異形は腕に様な物を伸ばして何かしらを描き、ナイフをその上に置く。
すると、黒い力の塊が出現し、その中から翼と角を生やした悪魔の様な化物が現れる。
翔太郎が驚く間も無く異形は呼び出した化物に喰らい付き取り込む。
更に再びナイフメモリを取り込む。
ナイフ!!
「コレガ……………インガ……………コレガ、
「何がどうなってやがる?」
困惑する翔太郎を他所に異形はナイフドーパントに姿を変える。
今回は更に大きく姿を変えていた。
先程出てきた化物ような角があり、その先はナイフの様な刃物になっていた。
肉体は筋肉質に膨れ上がり、身に纏う刃物も大きさと鋭さが増していた。
周囲を振るわす咆哮を浴びながら翔太郎は冷や汗を流す。
「さすがにこれは不味いかもな」
ただのドーパント相手ならばジョーカーで片付けられる自身はあった。
だが、目の前の相手はただのドーパントでは無い。
翔太郎の知らない”何か”を取り込んだ上に何処まで強化されているか分からない。
何より路地裏という狭い場所で戦うには相手が大きい。
ほとんど回避出来る隙間が無いのだ。
路地裏から出ればいいのだが、出る前に敵は一撃放てる。
隙を見せれば手痛い一撃を受けるかもしれないのだ。
「やるしかねぇか」
後方へ下がるのを捨て、拳を構える。
逃げを捨て、カウンターを狙う事にしたのだ。
その時だった。
「キマイラが妙な魔力を感じると言うから来てみればどういう状況だ、これ?」
一人の男が路地裏に現れていた。
大きな荷物を背負った男が暢気に話しながら翔太郎とドーパントを見ていた。
翔太郎は顔を歪めながら叫ぶ。
「おい、此処は危ねぇぞ!!速く逃げろ!!」
「おっと、皆まで言うな。悪いが俺は一般人じゃない」
男は言いながら銃のような物を取り出す。
それを奥のドーパントに向けると躊躇無く引き金を引く。
放たれた光弾がドーパントを怯ませる。
ドーパントの巨体では躱す隙間が無かったのだ。
「そこじゃ戦いにくいだろ?」
「お前、何者だ?」
「俺は仁藤攻介。魔法使いだ」
言いながら仁藤は左手に指輪を嵌める。
ポーズを取り、指輪をベルトの側面に差して捻る。
「変身!!」
ロック!!オープン!!L!!I!!O!!N!!ライオーン!!
ベルトの前方が開き、仁藤の前方に魔法陣が展開される。
魔法陣は仁藤の方へと近付いていく。
魔法陣を通り抜けると金色の獅子の戦士へと姿が変わっていた。
「お前も仮面ライダーだったのか」
「おう、俺はビーストだ。よろしくな」
ドーパントが怯んだ隙に路地裏から出てきた翔太郎がその姿に驚く。
まだ聞きたい事はあったが路地裏の壁を削りながら跳び出してくるドーパントでそれどころでは無くなる。
二人は横に跳んでドーパントを回避する。
足も刃物になっているようで着地と同時に地面に切り傷が出来る。
「状況は分かってるのか?」
「怪物退治だろ?手伝うぜ」
「助かる」
最低限の確認をして二人はドーパントに向き合う。
ドーパントは変身前の異形を思わせる眼を体表に出現させると二人を見る。
「AAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」
咆哮と同時に大量の刃物を背から射出する。
仁藤はダイスサーベルで弾き、翔太郎は軽く躱していく。
そのまま距離を詰め、仁藤はダイスサーベルで斬り掛かる。
刃物に包まれた腕とダイスサーベルがぶつかり合っている間に翔太郎は足払いを掛ける。
体勢が崩れたところをダイスサーベルで斬り払う。
「さぁ、ランチタイムだ!!」バッファ!!ゴー!!バッファ、ババババッファ!!
バッファマントを右肩に装備する。
バッファマントを前に突き出してドーパントに突進する。
増した膂力と装甲で体表のナイフを砕いて怯ませる。
更にダイスサーベルで何度か斬り付けた後にダイスサーベルのサイコロ部分を回転させる。
フォー!!バッファ!!セイバーストライク!!
「オラァ!!」
ダイスサーベルの側面にバッファのリングを差し込んで回転を止める。
セイバーストライクを発動させてダイスサーベルを振るう。
同時に四匹の魔力で形成されたバッファがドーパントに突進していく。
バッファの突進によって体表のナイフが次々と砕かれていく。
「やるじゃねぇか」
翔太郎は仁藤の肩を叩きながら並び立つ。
数の利がある分押せていた。
一気に畳み掛ける為に二人は構える。
「決めるぜ」
「おう」
翔太郎は再びベルトからジョーカーメモリを外してマキシマムスロットに入れ、スイッチを押す。
仁藤は左手の指輪を再びベルトの側面に差し込む。
ジョーカー!!マキシマムドライブ!!
ゴー!!キックストライク!!
「メインディッシュだ!!」
「ライダー……………キックッ!!」
両者共に高めたエネルギーを足に集中させた上で跳ぶ。
仁藤の前面に複数の魔方陣が展開される。
それを火の輪潜りの様に通り抜けながら蹴りを放つ。
翔太郎はシンプルに紫のオーラを纏わせた足で蹴りを放つ。
二人のキックは同時に決まり、ドーパントを貫く。
「決まったぜ」
火花を放ちながらドーパントは爆散する。
今度こそナイフメモリは完全に砕け散った。
そして、それ以外は全て魔力へと変わり魔法陣となってビーストドライバーに吸い込まれる。
「ごっさん」
戦いは終わり二人は変身を解く。
とはいえ、それはそれで翔太郎は頭を抱えていた。
ドーパントを倒せたのはいいが、通り魔事件はそれでは良くないのだ。
犯人は今相手にしていた異形で間違いない。
けれど、それをどう説明するかが問題だった。
「まぁフィリップに相談して、その後に照井に教えるか」
分からない事は一先ず置いといて仁藤の方を向く。
仁藤は何やらベルトと会話している様だったが翔太郎が見ている事に気付いて顔を上げる。
「今回はありがとうな」
「いや、久々に帰国したらたまたま出くわしただけだし、魔力補充も出来てちょうど良かったし礼はいい」
「そうか。あんた、普段は何をしてるんだ?」
「遺跡を調べたりとかだな。これでも、考古学者なんでね」
「その考古学者が何で風都に来てるんだ?帰国したって事は何か目的があるんだろ?」
「あぁ、良い情報を提供してくれる人が何か頼みたい事があるから来てくれって言って来てな。普段世話になってるし断る理由も無いから帰国したんだ」
「そういう事か。なら、此処に来たのは本当に偶然ってわけか」
「そうだ。というわけで、俺は用があるから行っていいか?」
「聞きたい事は済んだしな。縁があったらまた会おう」
「おう」
そう言って二人は分かれるのだった。
残った翔太郎は何か残っていないか路地裏を探索していた。
ふと、空を見上げる。
一応青空であったが普段より風が強く感じていた。
「こりゃ近々荒れるかもな」
そんな事を呟きながら捜査を続けるのだった。
はい、風都でのとある出来事でした!
再開一発目ラストエンブリオ一発目で既に問題児色が一切無いのでした
とはいえ、世界的には世界の融合によって平成二期世界と十六夜の世界が融合してるので割と関係ある話ではあります
今回出てきた正体不明の怪物二匹については後程
片方は岩代作品寄りの存在で、片方はどっかの騎士の敵です
今回は0話的な話でしたけど次回くらいには焔達の話に入れるかと
それでは、質問があれば聞いてください
設定などは活動報告で公開してます
感想待ってます!!