問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

205 / 206

ゼロクロニクル銀河伝説編!
ようやくゼロが登場という

キュウレンジャー!
ワシピンク覚醒であとはサソリオレンジと和解するのみ!
博士殺害の件はどうなるやら

エグゼイド!
元社長がノリノリである
レベルXと言いながらまだまだぶっ飛ばされる
次回は半裸変身だヨ!

ニコ生でウルトラマンXが終わりましたね!
やはりXは良い!


それでは、本編です


観光とそれぞれの帰路と帰れなかった者

ふと、懐かしい潮騒が耳の奥を擽った。

幼い頃によく波打ち際で走り回っていたことを彷彿させるその音は、紛れもない地中海の潮騒だった。

優しい木漏れ日の光に包まれながら、そっと一筋の涙が流れる。

何故ならこの暖かさは_____死後の夢にしては、聊か以上に優し過ぎたからだ。

 

(………………)

 

静かに瞳を開く。

廃屋というには整いすぎた部屋の一室。

白亜の石造りの家は自分が生きていた時代とは少し趣が違うものの、長い年月をかけて研鑽を積んできた形跡が見て取れる。

クレタ島の______ミノア文明の生きた系譜が現代に残っているのかと思うと、少し嬉しかった。

耳を澄ませると、隣の部屋から少年少女と青年の声が聞こえてくる。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「____流石は”エヴリシングカンパニー”だな。事情も聴かずに即日保護に乗り出してくれるとは思わなかった。彩鳥お嬢様にはいくら拝んでも拝み足りねぇ」

 

「ふふ、それほどでも。しかし不思議なことでもないですよ。今回の一件が進めば先輩は”エヴリシングカンパニー”の中でも重役に等しい権力を得るかもしれません。そうでなくとも粒子体の研究者がfパスポートも持たずに海外に居るなんて状況を放置しておくわけにもいきませんから。開発部のエドワード=グリームニルなんて気が気じゃない様子でしたよ」

 

「焔はそうかもしれないけど、私は完全に只のお供だけどね!!」

 

ビシッ!!と親指を立てて何故か晴れやかな声。

直後に壁にもたれ掛かってる男の方を向く。

 

「「で、何で伊達さんは此処にいるの?」」

 

そこにいたのは伊達明だった。

焔達がクレタ島に出ると何故か伊達明も同じ島にいたわけである。

ついでなのでアステリオスの様子も見てもらった。

伊達としては別件の依頼で来ていたところに焔達が来て驚いたのだが。

 

「言っただろ?十六夜や釈天の護衛で来てたって」

 

「エヴリシングカンパニーの依頼ですか?」

 

「いや、鴻上会長の方だ」

 

「あの人ですか………………」

 

彩鳥は露骨に顔を歪める。

鴻上に関わるとろくな事にならないからだ。

解決策も用意するとはいえ問題の発生源に近い。

おまけに借りを作ると後が怖い。

そんな男がわざわざ関与してくる程面倒な物は無い。

焔は思い出したようにアタッシュケースを取り出す。

 

「伊達さん、これは返しすよ」

 

「使わなかったのか?」

 

「バースバスターは使ったけどドライバーの方は一切使ってない。そもそもこれ試作型じゃん。俺が使える代物じゃないって」

 

「だろうな。会長も何を考えて渡したんだか」

 

二人で首を捻っていると隣の部屋からアステリオスが出てくる。

その姿を確認すると伊達以外の三人はそれぞれ別々の驚きで迎える。

 

「よう。もう起きていいのか?」

 

「問題無い……………のだが、此れはどういうことだ?どうして俺はまだ顕現している?お前たちはどんな魔法を使った?」

 

戸惑いを隠せないアステリオスに、今度は焔と鈴華が驚いた。

 

「あれ?なんかイザ兄の話と違うね。ギフトゲームって勝利条件を全てクリアしたら、主催者を問答無用で服従させられるって聞いたけど」

 

「死んだとしても無理矢理復活させるって辺り、神様の箱庭って感じだよな。_____お前は、何も感じないのか?」

 

焔に指摘されて、ふと胸に手を当てる。

確かに西郷焔と今の自分には何かしらの楔の様なものが感じられた。

どうやら外界にあっても服従の契約は生きているらしい。

そんなアステリオスの様子を見た焔はニヤリと笑って腰に手を当てる。

 

「ふふん。まあ、そういうわけだ。お前には悪いけど此れから太陽の主権戦争とやらに参戦しなきゃいけないんでな。お前には否が応にも協力してもらうぞ」

 

「……………それは別に構わんが。本選まで俺も外界で暮らすのか?」

 

「勿論だ。けど他だ飯は許されないぞ。年齢は十六歳ってことにして、ドン=ブルーノのフランス料理店で自分の生活費は稼いでもらうからな」

 

既に其処までプランを立ててあるとは用意周到なことである。

 

(何故俺を助けたのだ…………などと聞くのは、やはり無粋なのだろうか)

 

戦力が欲しかったというのも事実だろう。

しかし根本的な理由は別にあるように思えた。

それはきっと怪牛だった彼には理解できない、御人好しな理由なのだろう。

アステリオスは苦笑いを浮かべずにはいられなかった。

その様子を眺めながら伊達は隣の彩鳥に小声で話しかける。

 

「大丈夫か、お嬢様」

 

「それはどういう意味で、ですか?」

 

「何か具合が悪そうだったろ?」

 

伊達は四人を見つけた時に彩鳥が他の三人に気付かれないようにふらついていたことを目撃していた。

何かしら具合が悪いのでは、と思っていたのだが彩鳥は首を振る。

 

「ただの貧血ですよ。……………ただ、」

 

「ただ?」

 

「何か、自分の中に何か混ざってるような感覚はありますけど」

 

「?」

 

「上手くは説明できませんが原因自体は薄々は察しているので問題はありません。体調などに影響が出る物でも無いでしょうし」

 

「そうか。だったら、大丈夫なんだな?」

 

「はい」

 

そうこう話している内に焔達はアステリオスに観光案内させることにしていた。

 

「不法滞在になるけどな」

 

「まあまあ。せっかくのゴールデンウィークですし、それぐらいは許されるでしょう」

 

そういって小走りで扉に駆け寄る彩鳥。

その様子から問題は無いと伊達は判断するのだった。

彼女が扉を開くと、燦々とした太陽の光が部屋を満たしていく。

高台にあるこの家からは町が一望でき、白亜の街並みが視界を埋め尽くした。

_____一瞬だけ、過去の情景が脳裏を過ぎる。

だがそれは本当に一瞬の事だった。

 

「……………この丘も、随分様変わりしたな」

 

「おや、知ってる場所?」

 

「ああ。此処からならクノックス宮殿も遠くはない。方角的には____」

 

四人はそれぞれ家を出て歩き始める。

伊達はそれを後ろから眺めながら付いていく。

間もなく自己紹介を終えた彼らは、クレタ島最大の観光地を目指し始める。

彼らとは互いに……………ここから先、長い付き合いになる予感がした。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

伊達以外の面々は各々別行動を取っていた。

仁藤攻介はクレタ島が無人なのをいいことに気ままに遺跡や文献を調査に行った。

 

「皆まで言うな。こんなチャンス滅多に無いからな。会長の依頼に対しての報酬でもあるしな」

 

考古学者という本職としての眼を輝かせながら言っていた。

朔田流星は仲間に連絡を終えるとマシンメテオスターで去っていった。

 

「俺がいると都合が悪そうだし、何より次の仕事が入った財団Xに何か動きがあったらしい」

 

そう言って仲間と合流する為に走り去ったのだ。

左翔太郎はフィリップから電話を受けた。

 

「そうか。予想通りだな」

 

どうもどうやら風都で何か事件が発生したらしい。

既に照井竜とフィリップが捜査を始めている。

翔太郎としては予想の範囲内だった。

依頼が来る前から風都では何かしら動きの予兆があった。

ただのミュージアム残党とは違う連中が動いていたのだ。

だからこそ、翔太郎はフィリップを風都に残していた。

 

「悪いが急用ができた。風都を守るのは俺の仕事なんでな。先に帰らせてもらうぜ」

 

そう言うなり慌てる様に帰っていった。

ゆえに島に残っているのは伊達明と仁藤攻介だけだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

そして、クレタ島に滞在している者は別にもいた。

同じく飛ばされた逆廻十六夜は、怒りで全身を戦慄かせながら小さく叫ぶ。

 

「なんで……………精霊列車は箱庭に帰ったのに…………俺だけ外界に飛ばされてんだよッ!!おかしいだろド腐れ女王ッ!!何の嫌がらせだこれはッ!!」

 

きっと意味なんか無いんだろうけどなッ!!

……………と、辺りを構わず吼える十六夜。

彼も自棄になっているのだろう。

だが彼も実のところ分かっていた。

迷宮の性質を考えると、出口から入った十六夜たちがクレタ島に帰されるのは当然の流れだったのだろう。

同じく傷だらけで戻ってきた釈天と、グリフォンのグリーの傷の手当てをしていたプリトゥはその様子を見てカラ笑いを浮かべた。

今後の方針を話し合う釈天とプリトゥだが、その中で耳を疑うものがあった。

 

「オイちょっと待て。護法十二天って”天軍”だろ?”主催者”じゃないのか?」

 

「いや、俺達じゃない。黒ウサギは審判として参加するみたいだけどな。ゲームの運営とルール制定をするのは前回の優勝者と、優勝者が指定したコミュニティだけだ。…………まあ、開会式を迎えれば分かることさ。それよりお前、開会式までどうするんだ?」

 

釈天の質問に、十六夜は言葉を詰まらせた。

流石に開会式が始まれば迎えが来ると思いたいが、今の十六夜は戸籍が残っていたことを除けば無一文の青年である。

それでも生きていくことは難しくないものの開会式までに問題を起こさずに生きていく自信は無い。

となると、やはり道は一つしかないだろう。

 

「あー………………其処の社長さんや。柴又帝釈天の会社には、野郎一人と鷲獅子一人を雇う余裕はあるか?」

 

釈天はニヤニヤと笑いながら十六夜の提案を受け入れた。

 

「いいぜ。他の社員もお前の噂を聞いて興味がある様子だったからな。あとうちは出来高払いだから、給金は仕事内容によるぞ」

 

「…………なるほど。だからプリトゥは金持ちで社長は財布が軽いのか」

 

痛いところを突かれてサッと視線を逸らす釈天と、えへんと胸を張るプリトゥ。

 

 

護法十二天の経営する会社となればさぞ奇怪な仕事が飛び込んでくるだろう。

更にどうも別の世界が混じったことで自分がいた頃と変わった物もあるだろう。

開会式まではまだしばらく時間がある。

どうやらそれまでは退屈せずに済みそうだと、十六夜は苦笑いを浮かべるのだった。

 

 





ラストエンブリオ二巻終了!
残り部分は三巻分と共に!
とはいえ、三巻分は少なくとも四巻の後でですが

それでは、質問があれば聞いてください
活動報告にて設定纏め公開中です
どの世界が繋がってる扱いなどはそこにて
感想待ってます!


3月11日!
つまりは今週末!
劇場版ウルトラマンオーブ公開です!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。