問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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今回からリリの大冒険です




リリとコッペリアと退廃の風
前夜祭と料理とマッチョ人形


 

時は過ぎ、収穫祭が始まる三日前。

“ノーネーム”の年長組が主催進行の手伝いをして、リリと十六夜が小麦と肉を調達しに売店のある広場に向かっている頃、

霧崎とラッテンは市場に来ていた。

最初の方は互いに色々と思う所があって顔を赤くして気まずそうにしていたが、そんなのは本当に最初の方だけであり、すぐに何時ものテンションになって霧崎はラッテンの買い物に付き合わされていた。

 

「それで、まだ買うのか?」

 

「そりゃそうでしょ!!女の買い物なめんじゃないわよ!!」

 

まぁ普通で普通に荷物持ちをさせられている霧崎である。

結構な量を抱えてはいる。

暖かい気候の南側では、衣類の布は比較的に面積が少ない。

つまり露出が多い。

そんな事はラッテンは気にしない。

というか、むしろ気に入って目を輝かせている。

 

(何と言うか………こりゃ長くなりそうだな……)

 

霧崎はうんざりといったかんじにため息を吐く。

ラッテンの喜ぶ姿を見てるのはいいのだが、さすがに大量の荷物を持たされてあっちこっち連れ回されるのは御免である。

ラッテンが品を選んでいる間、暇な霧崎は周囲を見ると、両手に大量の荷物を抱えた十六夜とリリの姿が見えた。

映司、士、晴人も各々別の方向に見える。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「クソッ!!ガロロの奴!!最後だからって聞きもせずに仕事を入れて来やがって!!」

 

士が大声で愚痴る。

収穫祭が終わったら資金も貯まったから“アンダーウッド”を出るという事をガロロに話したのだ。

その後、ガロロがかなりの量の仕事を押し付けて来たのだ。

士としても何もせずに出ていく気は無かったが、ここまでとは考えて無かった。

とはいえ、今日の分は終わらせてあるのだが。

そこらへんはしっかりしている。

 

「さて、ここからどうするか……」

 

仕事が空いてる間に前夜祭を見ておこうと思い、フラフラ彷徨いてはいるのだが無計画なので特に何かをやろうということはない。

何となく周囲を見回すと、十六夜とリリ、映司、晴人、霧崎とラッテンを見つけるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

晴人は市場でプレーンシュガーのドーナツを買って食べ歩いていた。

晴人は戦いが終わった後に士や映司達に色々と話した。

自分がどう箱庭に来たのか、などである。

とは言っても変な銀色のオーロラに包まれ、気がついたら箱庭にいたので話す事はあまり無いのだが。

今後の方針はまだ未定である。

箱庭の事はある程度、把握はしたが何をするか決めかねているのだ。

 

「しかし、あそこまで荒れてたとは思えない光景だな」

 

周囲を見回しながら呟く。

そんな中、士、映司、霧崎とラッテン、十六夜とリリを見付けるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

映司は帰路の途中であった。

ジャック達と“とある事”の相談をして、必要な準備などを話していたのだ。

話はいい方向に行きそうではある。

それで現在は宿へ帰るついでに前夜祭を見ていこうという事である。

 

「此処には此処で色々あるね」

 

市場に並ぶ商品を見ながら呟く。

すると、視界に見覚えのある物が入ったような気がして見回すと知り合いを結構見付けるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

そうして十六夜とリリ、霧崎とラッテン、映司、士、晴人はばったりと偶然出くわすのだった。

本当にばったり会っただけなので各々用があるわけではないが、少し話をする。

“ノーネーム”一同はプレゼントについて話し、士と晴人は互いの今後を話し合う。

そして一通り話すと十六夜が料理をするという話題になった。

 

「それで何を作るんだ?」

 

「パンプキンキッシュだな」

 

「メインはそれだね。なら、俺はスープでも作ろうかな?」

 

映司が食品を見ながら言う。

世界を見て回り、それなりに料理も出来るのだ。

 

「じゃあ、俺は前菜だな」

 

士も乗っかってきた。

 

「これで三品か。お前らはどうする?」

 

「俺は料理が苦手で無理だ」

 

「私もそこまで作れるわけじゃないからパスね」

 

霧崎とラッテンが答える。

 

「俺もあんまり作る方じゃ無いし遠慮しておく」

 

晴人も辞退した。

それじゃ夕食で、という事で一同は各々行動を始めるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

その後、リリは自由時間にプレゼントを探して市場を散策していた。

その際に暴れ牛にはね飛ばされて断崖の隙間に落ちた。

そこで不思議な店をぶつけるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

陽も落ちて夜の帳が降りる時刻。

“ノーネーム”一同は晩餐会を開いていた。

サラやガロロ、士と晴人も参加している。

ガロロは杯をあおりながら、料理を絶賛する。

 

「クッハァー!!なんでぇ、なんでぇ!!お前さんら調理も人並み以上に出来るんじゃねぇか!!」

 

「俺の料理は趣味の範疇だ。上手いのはあんたの護衛だろ」

 

十六夜は少しむっとした表情でキッシュをかじる。

映司も同意する。

 

「そうだね。士さんがここまで上手いとは思ってなかったよ」

 

「ふん、少し前にとある男に馬鹿にされてな。その時に上手くなっただけだ」

 

士が何やら嫌な人間を思い浮かべたような表情をする。

 

「確かにこれも上手いが、映司さんのスープも十六夜のキッシュも美味しいぜ」

 

「そりゃどうも」

「ありがとうね、霧崎くん」

 

その隣でサラも士の料理を意外そうに食べている。

 

「いやはや、まさかお前がここまで調理が出来るとは………かなり意外だ。具材も拘ってるようだしな」

 

「お前は俺をどんな風に見ていたんだ……具材に関してはとある男によれば“料理の味を決めるのは下準備と手際の良さ”らしいからな」

 

適当な調子で答えるあまり思い出したくは無いのだろう。

そうしていると、リリの様子がおかしいと気付き話を聞く。

何やら素敵な店で素敵なブローチを見付けたらしいが、ギフトゲームが関わってるらしく買えなかったらしい。

話を聞いてく内に何やら怪しい話になっていった。

何はともあれ、十六夜達で見に行こうと言う事になる。

サラも主催の一人としてガロロに頼まれて行く事になる。

士も仕事という事で行く事になる。

晴人は話を聞いたからには行くようだ。

十六夜、霧崎、ラッテン、映司、士、晴人、サラ、そしてリリは席を立って主賓室を後にした。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

一同が亀裂の前に来て、亀裂が気づかれず、周囲に誰もいないのを不可解に思っていると

 

「ひゃー!?」

 

リリが暴れ馬に弾き飛ばされて亀裂の中に入るのだった。

一同はすぐさまリリの後を追うのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

亀裂から歩いて約五分。

一同はリリを発見するのだった。

その後、店まで辿り着いて、店主の椅子に座る女性型人形を見付けて、その手に握られた“契約書類”を見る。

 

{___わたしはせかいいちのはたらきもの___

 

 ひとりめのわたしはせかいいちのはたらきもの!!

 だれのてをかりなくてもうごいてうごきつづけたよ!!

 あまりにうごきつづけたから、はじめのとうさんもおおよろこび!!

 だけどあるひ、それがうそだとばれちゃった。

 ひとりめのわたしととうさんは、うそがばれてこわれちゃった。

 

 ふたりめのわたしはせかいいちのはたらきもの!!

 ともだちがてをかしてくれたから、うごいてうごいてうごきつづけたよ!!

 あまりにもうごきつづけたから、つぎのとうさんもおおよろこび!!

 だけどあるひ、それがにせものだとばれちゃった。

 でもふたりめのわたしととうさんは、ともだちのおかげではたらきつづけたの。

 

 さんにんめのわたしはほんとうにはたらきもの!!

 まだうまれてないけど、えいえんにはたらきつづけるの!!

 はやくうまれろ!!はやくうまれろ!!みんなにそういわれつづけたよ!!

 だけどあるひ、わたしがうまれないとばれちゃった。

 だからさんにんめのとうさんは、さんにんめのわたしをあきらめたの。

 だけどそんなのゆるさない!!たくさんのとうさんがわたしをまっている!!

 とみも!!めいせいも!!じんるいのゆめも!!わたしがうまれたらてにはいる!!

 だからお願い…………私を諦めないで…………!!例え、真実が答えでも…………!!}

 

「これが…………“契約書類”かい?」

 

「随分と変則的な文だがおそらくそうだろう」

 

サラは厳しい瞳で書面に目を通す。

しかし一通り読んだ後、あっさりと匙を投げた。

 

「悪いが私にはさっぱりだ。お前達に任せるよ」

 

「おい、それでいいのか“階層支配者”」

 

「そうだぜ。新しい“階層支配者”がそれでどうする」

 

士と十六夜がからかうように言うとサラは珍しく唇を尖らせて拗ねた。

その後、店が揺れて奥の扉から幾百もの大小様々な___

 

 

マッチョ人形が現れた。

 

 

「「「___うわお」」」

 

十六夜、霧崎、ラッテンが驚きの声を上げ、臨戦体勢だったサラは白くなり、リリは怯えて涙目だ。

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!!

 

「「「変身!!」」」

 

カメンライド、ディ、ディ、ディケイド!!

タカ!!トラ!!バッタ!!タトバッ、タトバ、タットッバ!!

フレイム、プリーズ!!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!!

 

が、士、映司、晴人の行動は迅速だった。

 

キャモナスラッシュシェイクハンズ!!

 

ファイナルアタックライド!!ディ、ディ、ディケイド!!

トリプル!!スキャニングチャージ!!

フレイム!!スラッシュストライク!!ヒーヒーヒー!!

 

ライドブッカー、メダジャリバー、ソードガンを構えて即座に必殺技を発動させる。

三つの斬撃がマッチョ人形に放たれ、暴炎が上がる。

 

「さて、今の内に逃げようか」

 

晴人が呟いた直後、

 

 

「雄々オオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!」

 

 

暴炎を突き抜けてマッチョ人形が雄叫びを上げて迫ってきた。

サラは既に店外に逃げている。

それは仕方無い。

一同は冷や汗を流しながら後退する。

十六夜は後ろ走りでマッチョ人形を見つつ、ボソリと、

 

「………一体欲しいな」

 

「いいわね、それ!!」

 

「やめとけ!!」

 

「や、止めてください十六夜様、ラッテンさん!!」

 

割りと全力で止める霧崎とリリ。

残念そうな声を上げる十六夜とラッテン。

十六夜、霧崎、ラッテンが高速で駆け抜ける中、

 

ファイナルアタックライド!!カ、カ、カブト!!

タカ!!クジャク!!コンドル!!ライオン!!クワガタ!!トラ!!バッタ!!ギガスキャン!!

チョーイイネ!!スペシャル!!サイコー!!

 

背後でやたら大きな爆発音がする。

何やら割と本気で迎撃してるようだった。

そんなこんなで断崖壁の入り口まで逃げるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

カウント・ザ・メダルズ!!

 

赤、タカ、クジャク、コンドル

緑、クワガタ、カマキリ、バッタ

黄、ライオン、トラ、チーター

白、サイ、ゴリラ、ゾウ

青、シャチ、ウナギ、タコ

橙、コブラ、カメ、ワニ

特スーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタ

 

 





リリの大冒険編です!!

割と本気の火力出してるけどお気にならさず……
消されるものは消されるべきなので。


ちなみにあの二人の関係はまだ進展はあるが関係は変更無しというかんじです。


それでは質問があれば聞いてください。
感想待ってます。

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