問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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未来のコアと踊る姉妹人形と復活の紅い翼

 

「アンク!!」

 

映司は“王”の胸から出てきた紅い腕を見て思わず叫んだ。

 

「はっ。このくらいで騒ぐな!!」

 

「ゴバッ、ガァァァァァァァァァ!?」

 

そのまま紅い腕は“王”の胸から飛び出す。

腕と共に大量のメダルが“王”の体から離れていき、“王”の絶叫が響く。

腕は映司の近くまで行くと、“王”から奪ったセルメダルで体を構築していく。

人間態となったその姿は完全にアンクのものだった。

 

「アンク………目覚めたんだな」

 

「ああ、どうやらお前が俺を復活させたようだな。今回は本気で礼を言うぞ、映司」

 

そう、アンクの割れたコアメダルを修復したのは映司“達”だ。

映司が材料を集め、ジャックとウィラの力を借りてコアメダルを修復しアンクの意識を復活させたのだ。

そのコアメダルが“王”の体内に入った事によって完全に覚醒したのだ。

 

「何時までも寝てるな。立て映司」

 

「分かってるよ、アンク」

 

映司はよろよろと立ち上がる。

それを見ながらアンクは地面に倒れる“王”を見る。

 

「メダルを抜かれ、地に這いつくばる気分はどうだ?」

 

「かはぁ、げばぁ………クダスナ」

 

「800年前とは逆だな。お前がそんな体になってくれたからメダルを奪いやすかったぜ」

 

「……クダスナ。私を見下すなよ、アンク!!グリード風情が私を見下すな!!」

 

もはや“王”にはアンクの言葉が届いていなかった。

“王”の胸の中にあるのは、見下される事への憤怒だった。

 

 

「私は“王”なのだぁぁぁぁぁ!!」

 

 

勢いよく立ち上がり、プテラの翼とティラノの尾を展開する。

雄叫びを上げる“王”の周囲はヒビが入り、吹き飛んでいた。

 

「来るぞ。映司、さっさと変身しろ!!」

 

「でも、メダルは奪われて……」

 

「あいつにも奪えないメダルはある。あいつが知らないメダルとかな」

 

「そうか!!」

 

アンクの言葉で何かに気付いて懐を探る映司。

アンクとしては自分が完全体になる分、タカ、クジャク、コンドルを三枚ずつに加えて数枚のメダルを奪っていたが、“王”と戦うとなると映司に渡すのは躊躇われた。

 

「あった、未来のコアメダル!!」

 

映司は懐から三枚のメダルを見付ける。

その時、フラリと倒れそうになるが意地で立つ。

血はまだ止まっていないのだ。

だが、アンクの前で倒れるわけにもいかないのだ。

映司はメダルをオーズドライバーに装填する。

そしてオースキャナーを右腰から取り出し、スキャンする。

 

 

「変身!!」スーパー!!スーパー!!スーパー!!スーパータカ!!スーパートラ!!スーパーバッタ!!スーパー、タトバ、タットッバ!!スーパー!!

 

 

オースキャナーから歌が鳴り響き、映司の頭、胴、足を中心に円状の物体が回る。

頭の前には赤の円が、胴の前には黄の円が、足の前には緑の円が止まる。

三つの円は胸の前で一つに集まって映司と胸に向かう。

そして映司の姿を変える。

タカの頭、トラの胴、バッタの足、各々が強化されたコンボ、スーパータトバに姿を変える。

スーパータトバは未来で作られた暴走をしないでメダルの力を限界以上に引き出すメダルを使ったコンボである。

その隣でアンクも姿を怪人態に変える。

その紅い姿はまさしく鳥の王であった。

 

「何だその姿は……私の知らないメダルだと!?」

 

「行くぞ、映司!!」

 

「あぁ、行こうアンク!!」

 

戸惑う“王”を他所に映司とアンクは各々翼を広げて“王”へと向かっていく。

 

 

◆◆◆◆◆        

 

 

一方の鍛練場。

霧崎は何も無い背後へと蹴りを入れる。

直後にマクスウェルが前触れも無く現れる。

そして霧崎の蹴りがマクスウェルに直撃する。

 

「ほぅ………」

 

蹴り飛ばされながらマクスウェルは興味深そうに霧崎を見る。

吹っ飛びはしたが、蹴り自体は対して効いてない。

ライズで強化しようと霧崎のライズはイアン式ライズが元なので反応強化の“センス”にほぼ注がれていて、身体能力強化の“ストレングス”は無いに等しい。

それでもそこそこの相手になら対応出来るレベルだが。

先程からこの様なやり取りが続いていた。

マクスウェルが現れる場所には“死の脅威”が現れるので視れはするのだが決定打になるものが無い。

はっきり言って火力不足なのだ。

 

(何か状況を変える物が無いとな……)

 

霧崎は汗を流しながら思う。

霧崎はその場をほとんど動かずに戦っていた。

勿論、ウィラやラッテンの方にマクスウェルが動けば動かざる得ないが、それ以外では動いてない。

霧崎には衰退の呪いを跳ね退けるだけの力は無いのだ。

火力不足と衰退の呪いのせいで戦況は動いていなかった。

何度かウィラの攻撃がマクスウェルに当たりはするのだが、再生されてしまう。

そこでマクスウェルは距離を取った。

霧崎は分けが分からず警戒する。

 

「あいにくと私もあまり遊んでいられないのでね。彼女達にも参戦して貰おう」

 

マクスウェルは“境界門”を開き、何かを多数召喚する。

霧崎はそれを見て、顔をひきつらせる。

 

「コッペリアか……」

 

「知っているのか。まあいい。舞え、“踊る姉妹人形”!!」

 

召喚されたのは見覚えのある少女の人形だった。

マクスウェルの合図と共にそれらは身体の至る所から刃物を出して襲ってくるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆       

 

 

“王”と映司、アンクの戦いは空中戦になっていた。

三者共に翼を持つ者であり、“王”はプテラの紫の翼を広げ、映司とアンクは紅い翼を広げ飛び回る。

 

「全く厄介だよ、君達は!!」

 

「それはこっちの台詞だ!!」

 

アンクが翼から炎の矢を多数放つ。

“王”は全て紙一重で回避するが、そこへトラクローソリッドを展開した映司が斬り掛かる。

斧と爪が何度もぶつかり合う、その度に周囲に空気が揺れる。

アンクはぶつかるタイミングを狙い、火球を放つ。

ぶつかった直後で“王”は火球を避けれず、少し吹っ飛ぶ。

その隙を狙って、映司は“王”に攻撃をし掛けるが予想以上に速く“王”は体勢を建て直して斧で防いだ。

 

「簡単に行くと

 

「思ってないよ!!」

 

直後にスーパータトバの能力が発動する。

映司以外の全てが停止した様に見えた。

時間操作、それがスーパータトバの能力である。

その間に映司は“王”の左翼を斬り落とした。

 

「ぬがぁ!?」

 

「地に落ちろ!!」

 

片翼を失い、バランスを崩す“王”へ、アンクは近付き残った翼を抉り取る。

 

「ぐがぁぁぁ!?このグリードが!!」

 

絶叫しながら落下する“王”。

映司とアンクが落下地点に降下し、畳み掛けようとした時、“王”を中心に衝撃波が広がる。

 

 

「こんな奴らに!!こんな奴らに私が!!この私が倒されるなど!!我が欲望はまだ満たされていないのだ!!こんなところで終っ…………Gebaryaaaaa!?」

 

 

絶叫の途中で“王”の言葉が乱れる。

 

「なnだ、kれh!?わたs…g……こんn…こ……t」

 

それが“王”の最期の言葉だった。

“王”の理性が崩れ去ると共に原型が崩れる。

映司とアンクは少し離れた所でそれを眺めている。

“王”だったものの周囲が完全にセルメダル化してごっそりと抉られる。

セルメダルは“王”だったものを包み形を変えていく。

 

「チッ。結局暴走したか」

 

「暴走という事はまだあれみたいな事に!?」

 

あれとはウヴァが暴走した事である。

 

「だろうな。だが、下手したらもっと悲惨な事になりかねないな」

 

「なら、止めないと!!」

 

「お前らしいな」

 

「お前はどうするんだ、アンク?」

 

「ハッ。あんなものは放っておくのが一番何だが…………あいつには借りがある。俺の手で倒したかったとこだ」

 

「じゃあ決まりだな!!」

 

映司とアンクは互いの意見を確認し合うと、完全に姿を変えた“王”の成れの果ての怪物に向き直り、構えるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆      

 

 

カウント・ザ・メダルズ!!     

 

スーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタ

タカ×3、クジャク×3、コンドル×3

???

 

 






アンク復活!!
スーパータトバ登場!!

ジャックから受け取ったのは修復したアンクのコアでした。
ウィラの能力とジャックの技術があればこそ出来た芸当という感じです。

霧崎のライズは“センス”に極振り、弱めな“ストレングス”というかんじです。
元が呼吸合わせ、スピード強化のイアン式ライズなのでそんなかんじです。


スーパータトバに関してはMOVIE大戦の超銀河王との高速移動対決に見えたのは時間停止合戦で、時間操作が出来る設定です。
未来のコアだからこその能力らしいです。


それでは質問があれば聞いてください。
感想待ってます。
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