問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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活動報告にて短編のアンケート実施中




地獄の釜と三頭龍と更なる火種

____そして地獄の釜は開かれた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

外壁正面の門前。

活火山の噴火によって、戦線は一時的に静止した。

誰の命令を受けたわけでもない。

溶岩に飲み込まれれば誰だろうと為すすべもない。

それで無事なのは大型の火龍とディケイドくらいだろう。

混乱している巨人たちを見て攻め込むタイミングだと思い動き出そうとした時に彼らは異変を察した。

 

「「「「___!?」」」」

 

ゾクリ、と。

士、映司、アンク、晴人は寒気に近い何かを感じる。

数々の怪人と戦って来た彼らだからこそ、寒気の出所を素早く見抜く。

蛟劉、混世魔王、ぺスト、グライアが活火山を見る中、彼らは空を見る。

一帯を支配する目に見えない重圧とその存在感の出所を。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「こりゃ急いだ方がいいな」

 

霧崎は宮殿を走りながら黒ウサギの元へと向かっていた。

そんな中で大きな死の脅威を感じて、空を見上げ、それを見た。

夜天を照らす凶星の様な紅玉の眼。

顎から頭蓋を貫通した杭を打たれた異形の三本首。

三つの双眸と六つの眼球は敵の胆力を根こそぎ枯れさせるだろう。

生物としての機能性も感じられなければ、神秘性を高める為の祟高さも感じられない。

見る者の全てが生理的に嫌悪を抱くその造形は元より畏怖されることを目的にしているとしか思えない。

全長は十尺前後しかないというのに________その筆舌に尽くし難い威圧感は、巨龍すら凌駕している。

何より霧崎から見れば、

 

「全身から常に死の脅威を放ってるとか、どんな化け物だよ!!」

 

死の脅威に包まれた化け物。

それはつまり常に死を振り撒くレベルという事である。

霧崎は嫌な予感を感じながら、黒ウサギの元へと急ぐ。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

そしてラッテンとウィラもそれを見ていた。

三頭龍は周囲の状況を把握すると、翼を数倍にして羽ばたく。

無造作に三頭龍をの羽ばたきは____月夜を覆い隠す曇天を瞬く間に消し飛ばし、一瞬にして夜の帳を掻き消した。

 

「___こりゃ………マズイわね」

 

ウィラの隣で冷や汗を流しながら呟く。

そう何もかもが遅いかったのだ。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

三頭龍の羽ばたきによって雲海は左右に引き裂かれて消失し、大気を揺らす衝撃は波となって星の光を捻じ曲げる。

その波は大きな二つの竜巻となって都市部を駆け抜け、蛟劉が作り出した海流までもを瞬く間に掻き消したのだ。

 

 

「なッ…………なんやとツ!?」

 

 

それだけにとどまるはずがなく。

蛟劉が召喚していた大海象は竜巻に呑み込まれて、有象無象の区別なく全ての勢力を呑み込んで崩壊させていく。

都市部も、宮殿も、羽ばたき一つで瓦解して崩れ去っていった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「ちょっやっぱこうなる!?」

 

「きゃあ!?」

 

瓦解した宮殿と共に旋風に巻き上げられるラッテンとウィラ。

そこへ、

 

アタックライド、アドベント!!

ドラゴライズ、プリーズ!!

 

仮面ライダー龍騎にカメンライドした士がドラグレッダーを召喚し、晴人がウィザードラゴンを召喚し、各々上に乗って二人を救出した。

 

「大丈夫か、二人とも?」

 

「えぇ、とりあえずは」

 

頷くラッテンとウィラ。

士がウィラを、晴人がラッテンを抱え、竜巻を突っ切る。

ある程度落ち着くと、各々背に乗せる。

 

「それで、霧崎はどうした?」

 

「黒ウサギ……つまりあの瓦礫の所よ。そっちのもう一人は?」

 

ラッテンはアンクを知らないので映司のみ聞く。

そして、晴人と士は瓦礫の山を指差す。

 

「どうやら考える事は同じな様だ」

 

映司も黒ウサギの元へと向かっているというのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「こりゃ最悪のタイミングだったみたいだな」

 

霧崎が黒ウサギの元へ辿り着いた瞬間、十六夜が黒ウサギを守る様に貫かれていた。

あれは致命傷だろう。

三頭龍の爪は十六夜の脇腹を抉り、五臓六腑を貫いていた。

 

「霧崎!!……黒、ウサギを………連れて逃げろ!!」

 

「いや、お前、その傷じゃ!!囮なら俺がやる!!」

 

「この傷……だか、らこそだ!!……こ、の傷じゃ……無理だ。だから頼む」

 

「……………だ~分かったよ!!」

 

霧崎は納得出来ない様子で、だが黒ウサギを抱えて十六夜に背を向ける。

十六夜の言ってる事は分かるし、覚悟も感じた。

それでも簡単に納得出来る話ではない。

だから一言だけ言う。

 

 

「………死ぬなよ」

 

「ハッ………無茶を言ってくれるな!!」

 

 

迷惑そうに言う。

だが、その口元は少し笑っている様でもあった。

 

「だ………駄、ぁ、…………駄目……………!!」

 

黒ウサギは知っていた。

あの背中が物語る覚悟を知っている。

その覚悟の行く末を知っている。

黒ウサギは霧崎に担がれながらも、十六夜の背中に手を伸ばす。

それに気が付いた十六夜は表情を先程と違う笑みに無理矢理変え、首を横に振った。

 

 

「____ごめん。旗を取り戻す約束は……………果たせそうにない」

 

 

それは十六夜の生涯で初めて、真っ直ぐな言葉で謝罪した。

黒ウサギは言葉にならない叫びを上げ、霧崎から降りようとする。

 

「………悪い」

 

一言呟き、霧崎は滂沱の涙を流し、十六夜に手を伸ばしそこへ向かおうとする黒ウサギに手刀を入れ、意識を刈り取った。

霧崎は走り去りながら天から漆黒の紙吹雪が降り注いでいる事に気付く。

そして目の前から映司とアンクがライドベンダーに乗って向かってきていた。

二人は霧崎を見付けると、停止する。

 

「霧崎君!!」

 

「映司さん、話してる暇はない。この場から離れないといけないんだ」

 

「でも、十六夜君は?」

 

聞かれ、一瞬黙る霧崎。

霧崎が十六夜の事を話すと、

 

「なら、俺が行くよ。アンクと霧崎君は…」

 

「やめとけ!!」

 

「でも、アンク!!」

 

「そいつが選んだ道だ。今は邪魔すんな。それにまずはこいつらだろ?」

 

アンクに言われ、映司は納得出来はしないが、まずは黒ウサギを安全な場所に運ぶ事にする。

ライドベンダーを発進する前に映司は後ろを向いて呟く。

 

「必ず助けに戻る……だからそれまでは……」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

三頭龍の白蛇は、十六夜に何者か問われ、失笑しながらも己の名を口にした。

 

『箱庭第三桁・“拝火教”神群が一柱____魔王アジ=ダカーハ。宗主より旗と第三桁を預かりし今生を魔王として過ごすことを約束された、不倶戴天の化身であるッ!!』

 

活火山から、灼熱の風が吹く。

地獄の山河の如く風を受け、純白の総身と紅玉の瞳をたぎらせる魔王は、“悪”の旗をなびかせて吠えた。

 

 

『いざ来たれ、幾百年ぶりの英傑よッ!!

 死力を尽くせッ!!

 知謀を尽くせッ!!

 蛮勇を尽くし____我が胸を貫く光輝く剣となってみせよッ!!』

 

 

その夜、星々が揺れた。

三界を突き抜ける嵐が吹いた。

静止していた世界を廻る歯車が、激動と共に動き出した。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

某所。

アポロガイストはアジ=ダカーハ復活の報せを聞き、部下を集めた。

 

「諸君!!かの魔王は復活した!!我ら大ショッカーはこれより“煌焔の都”へと進軍する!!我らの目的を果たすべく死力を尽くすのだ!!」

 

イー!!

 

「そして憎き仮面ライダー達も“煌焔の都”にいる。第一目標を確保次第、全力で叩き潰すのだ!!」

 

イー!!イー!!イー!!

ウォォオォォォオォォォォ!!

 

戦闘員が敬礼し、怪人達は叫びで答える。

更なる火種が投入されようとしていた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

カウント・ザ・メダルズ!!

 

映司

タカ、トラ、バッタ

クワガタ、カマキリ、バッタ

ライオン、トラ、チーター

サイ、ゴリラ、ゾウ

シャチ、ウナギ、タコ

コブラ、カメ、ワニ

スーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタ

 

アンク

タカ×3、クジャク×3、コンドル×3

クワガタ、チーター、ゴリラ

(その他数枚)

 

 

カメンライド

クウガ、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバ、コンプリート、???

空白

 

 

スタイル

フレイム、ウォーター、ハリケーン、ランド

フレイムドラゴン、ウォータードラゴン、ハリケーンドラゴン、ランドドラゴン

ドラゴタイマー

インフィニティー

 

 





七巻分終了!!
アジ=ダカーハ復活!!
アポロガイストの新たな動き!!
でした!!
次回からは八巻です!!

実は霧崎が残ったり、映司が向かったりしたらアジ=ダカーハ相手だと問題が発生したりするので十六夜が最適なのは変わってなかったり。


それでは質問があれば聞いてください。
感想待ってます。

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