問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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襲撃と追跡と交渉

前回の三つの出来事!!

 

一つ!!“フォレス・ガロ”の本拠に来た一同が見たのは鬼化した木々だった。

 

二つ!!一同を待ち受けていたのは虎の怪物と化したガルドと白虎ヤミーだった。

 

三つ!!ガルドは霧崎が、ヤミーは映司が撃退し、ゲームに勝利するのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

ゲームが終わり、“フォレス・ガロ”の解散令が出たのは間もなくの事だった。

そしてジンは“名”と“旗印”をコミュニティの代表者へと返還していった。

そしてジンの名を広める、十六夜とジンの作戦は一先ず成功した。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

本拠に戻ると、映司は黒ウサギに呼び出された。

 

「用は何かな?黒ウサギちゃん」

 

「実は白夜叉様から、映司さんにお届け物なのですよ」

 

「届け物?」

 

黒ウサギの後ろには大きい何かが包まれていた。

映司がそれを開けると、中から自販機のような物が出てきた。

そして手紙もついていた。

 

{これは拾い物でな。使い道が無くて処分に困っておったんじゃが、おんしのメダルを見てピンと来てな。もしかしたらおんしなら使えるかもしれんと送っておいた。役に立たなかったら返品でよいぞ}

 

手紙の内容はこんなかんじであった。

 

「映司さん?これは一体?」

 

「かなり使える物だよ。まさか箱庭にあるなんて思ってもなかったけど」

 

言いながら映司はギフトカードに自販機をしまうのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

その夜、騒音を感じて映司と霧崎は外に出る。

するとそこには翼の生えた空を駆ける靴を装着した騎士風の男達が大挙して押し寄せてきたのだ。

どうやら黒ウサギと口論になっているようだ。

 

「どうしたんだ!?」

 

二人が現場に着いた時には騎士達は陣形を取りながら、何かを放った。

それは刀を持った忍者の様な姿の怪物達だった。

 

「今度はダスタード!?」

 

映司が驚きの声を上げる。

箱庭に来てから怪人を見たのは三度目だ。

しかも各々別の種類のこれは問いたださないといけないなと考える映司。

その隣では黒ウサギが髪色を変化させて、インドラの槍をその手に掲げていた。

それを見た騎士達は動揺し、更にダスタードを放つ。

 

「どういう状況か簡潔でいいから説明してくれ!!」

 

「あいつらが吸血鬼を石化させて連れていこうとして、黒ウサギが見ての通りブチギレてる」

 

霧崎の叫びに十六夜が適当に答える。

その間に騎士達はダスタードを囮に逃げようとする。

 

「お願い!!」

 

それに気付いた映司はタカカンドロイドを数体放つ。

そして自販機をギフトカードから取り出して、セルメダルを投入する。

すると自販機はバイクに変形した。

これがライドベンダーである。

 

「変身!!」タカ!!トラ!!バッタ!タトバッ、タトバ、タットッバ!!

 

バイクに跨がりながら変身する。

ダスタードはバイクに乗りながらでも倒せる。

そんな映司に十六夜が声を掛ける。

 

「今はやめとけ。“ノーネーム”と“サウザンドアイズ”が揉めたら困るみたいだからな」

 

「それでも………俺は、手を伸ばせば届くのに伸ばさなかったら一生後悔する!!」

 

映司は過去の事を思い出しながら叫ぶ。

それを聞いて十六夜はニィッと笑う。

 

「いいぜ……協力してやるよ。吸血鬼を助けて、揉め事も起こさないようにな」

 

「それなら、まず彼らを捕まえないとね」

 

「そうだな」

 

言いながら十六夜はバイクの背に乗る。

その時には騎士達は逃走を始めていた。

バイクを走らせようとするがダスタード達が、立ち塞がるように向かってきた。

 

「邪魔はさせねぇよ!!」

「邪魔はさせません!!」

 

霧崎と黒ウサギの声と共にダスタード達は吹き飛ばされた。

 

「ここは私達に任せて御二人はレティシア様を!!」

 

「分かった。ありがとう、黒ウサギちゃん」

 

言いながらバイクを発進させる映司。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「クソ!!うっとしい!!」

 

騎士の一人が忌々しそうに叫ぶ。

彼らの背後には映司と十六夜がバイクで追跡し、周囲をタカカンドロイドが彷徨いているのだ。

不可視のギフトは使っているはずである。

それなのに引き離せない。

彼らは知らない、タカヘッドの眼にはそんなギフトは通用しない事に。

 

「ダスタードも意味がねぇだと!?」

 

ある人物によりルイオスに渡され、騎士達もその一部の恩恵を受けている。

その一つであるダスタードをさっきから放っているのだが、その度に十六夜が撃ち落としているのだ。

 

「これじゃあ追い付かれ……」

 

そこで彼らは気付いた。

追って来ているバイクから人影が一つ消えている事に。

 

「ハァァァァァ!!」

 

自分達の真上に何かいる事に気付き、見上げる騎士達だが既に遅い。

その時にはトラクローを展開したタトバコンボが翼を斬り裂き、彼らは落下していた。

彼らがダスタードが撃ち落とされるのに気を取られている内に、十六夜が映司を彼らの真上に投げたのだ。

落下した彼らは映司と十六夜に捕まるのだった。

しかしレティシアは石化したままであった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

“サウザンドアイズ”の支店・座敷。

十六夜、黒ウサギ、映司はルイオスと白夜叉と向かい合う形で座っていた。

 

ルイオスは少々焦った様子であるが、必死にそれを感じさせない様にしている。

黒ウサギは白夜叉に事情を説明していた。

 

「___“ペルセウス”が私達に対する無礼を振るったのは以上の内容です。ご理解いただけたでしょうか?」

 

「う、うむ。“ペルセウス”の所有物・ヴァンパイアが身勝手に“ノーネーム”の敷地に踏み込んで荒らした事。それに乗じて騎士達がした数々の暴言と暴挙。確かに受け取った」

 

「我々の怒りは謝罪じゃすみません。“ペルセウス”に受けた屈辱は両コミュニティの決闘をもって決着をつけるべきかと」

 

両コミュニティの直接対決。

それが黒ウサギの狙いだ。

レティシアと騎士達が敷地内で暴れ回ったというのは捏造だ。

後者に関しては完全に捏造では無いが。

なりふり構わず、使える手段は全て使うつもりだ。

 

「“サウザンドアイズ”にはその仲介をお願いしたくて参りました。もし“ペルセウス”が拒むようであれば“主催者権限”の名の下に」

 

「いやだ」

 

唐突にルイオスは言った。

 

「……はい?」

 

「いやだ。決闘なんて冗談じゃない。それに吸血鬼や騎士が暴れ回ったって証拠があるの?」

 

「証拠があればいいんですね?」

 

その言葉と共に背後の障子が開き、霧崎が縛りあげた騎士達を連れてくる。

それを見たルイオスは顔をひきつらせる。

その騎士達は自白をした。

“ノーネーム”敷地内で暴れ回ったことを。

本来ならそんな事は言わないだろう。

しかし数々の戦場を歩いた映司と霧崎、問題児十六夜の手に掛かればどうという事はない。

これ以上の無い証拠をつきつけられルイオスは黙る。

 

その後、二日後に“ペルセウス”の本拠にてゲームをする事が決定した。

ゲームの内容は“ペルセウス”側の自由である。

その上で完膚無きまでに叩き潰す。

それ以上の報復はないだろう。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「クソ!!あいつら!!調子に乗りやがって!!」

 

ルイオスは自室で荒れていた。

それもそのはず言い負かされた上にゲームをする羽目になったのだから。

しかもゲームの内容は此方で決める事になった。

有利ではあるが屈辱である。

何故なら格下相手に情けを掛けられたように受け取られるからだ。

一通り荒れた後、

 

「まぁいいさ。あいつらは後悔するだけだ。アルゴールと僕のこの力を前に!!」

 

手の中に何かを握りながら叫ぶルイオスだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

某所。

 

「やはり適合率はいいみたいだな。これでオーズが倒れればいいが」

 

一部始終を眺めつつ、決して干渉しない彼はまた銀色のオーロラの中へと消えた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

カウント・ザ・メダルズ

 

タカ、クジャク、コンドル

クワガタ、カマキリ、バッタ

ライオン、トラ、チーター

サイ、ゴリラ、ゾウ

シャチ、ウナギ、タコ

コブラ、カメ、ワニ

スーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタ

 

 




ペルセウス編前編終了と言ったところです。

ダスタードに関しては「あれ」が少し特殊な物とでも思ってください。

ライドベンダーに関しては後々。


それでは質問があれば聞いてください
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