「お前、誰だ?」
「ん?自己紹介なら済ませてるじゃろう。皆大好き、ハームズさんじゃよ!!」
「「「「…………」」」」
ロリがこの場において最も意外な名を名乗ってきた。
霧崎、晴人、ラッテン、黒ウサギは言葉に困る。
だが、一瞬あとに、
「「って、そんなわけあるかぁ!!」」
晴人とラッテンは叫ぶのだった。
あの爺臭いハムスターが目の前のロリと認められなかったのだろう。
「ワシ、年寄り臭くてもロリじゃ無いとは一言も言っとらんぞ」
「いやだからって当然の様に登場されてもですね!!」
「別にそんなに驚く事じゃないでしょ、黒ウサギちゃん」
「だよな。ロリや変身くらい箱庭ではよくある事だろ」
「慣れてる!?」
平然とした様子の十六夜と映司に驚愕する黒ウサギ。
何はともあれ、問題は目の前のハームズである。
「まぁこの姿になったのは久々ではあるからな。やや節々が痛むがこれも主催者からの言い付けじゃ。ワシはお前達を倒す」
「へぇ?お前が俺達を倒すって?」ドライバーオン!!
シャバドゥビタッチヘンシーン!!
シャバドゥビタッチヘンシーン!!
「既にやる気満々のようだが少々言い換えよう。ワシを倒してみるがいい。それが出来ればゲームクリアじゃ!!」
「そりゃ簡単でいいな、変身!!」
フレイム!!プリーズ!!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!!
魔法陣が晴人を通り抜け、姿をウィザード フレイムスタイルへと変わる。
そして、そちらに気を取られている間に背後に接近した映司が背後から斬り掛かる。
「うぉっと!!容赦が無いのう!!」
「どうやら君は強そうに感じるからね」
「老人とは言っても手は抜かないぜ」
キャモナスラッシュシェイクハンズ!!フレイム!!スラッシュストライク!!ヒーヒーヒー!!ヒーヒーヒー!!
映司の斬撃を避けた所に晴人がソードガンでスラッシュストライクを発動させながら飛び掛かってくる。
これもギリギリ避ける。
どうもどうやらライダー達は戦闘経験からハームズの戦闘力を大体察したらしい。
「俺を忘れて貰っちゃ困るぜ!!」
更に十六夜も乱入してくる。
「全く老人を寄ってたかって…………」
十六夜の拳を避けようとしたところで、
バインド、プリーズ!!
「なっ!?」
地面に魔法陣が現れ、鎖が中から飛び出す。
そして鎖はハームズを拘束する。
それは一瞬だったかもしれないが十六夜にとっては充分隙である。
「オラァ!!」
「ぬぅ!?」
十六夜の拳がハームズに直撃し、ハームズが吹っ飛ぶ。
「中々やるのう。しかしこれで数的に不利ではあるな。ワシも数を頼るとするか」
瓦礫の中から起き上がったハームズの手には多数の錠前が握ってあった。
「それはロックシード?何をするつもりだ?」
見た事のある晴人が怪訝な顔をする。
「言っただろう?ワシはヒマワリが好きだと」
バトルスタート!!バトルスタート!!バトルスタート!!
ハームズの握る複数のヒマワリロックシードが解錠される。
ハームズの背後に多数の次元の裂け目が現れる。
そこから小型インベスが多数現れる。
体色は緑、青、赤と様々である。
「さて、このくらいいてもお前達は問題無いだろう?」
「あぁそうだな」
多数のインベスを前にしても十六夜は嬉々として向かっていく。
映司、晴人もその後を続いて行くのだった。
◆◆◆◆◆
一方の黒ウサギ、霧崎、ラッテン。
今までは三人が戦ってるのを眺めてるだけで済みそうであったが多数のインベスが現れたからにはそうはいかない。
「な……なんなんですか、あの化け物!?」
「俺は知らない。ラッテンはどうだ?」
「私も知らないわよ」
とは言っても敵の正体なんて実際のところはどうでもいい。
倒せるかどうかが問題である。
見た感じは倒せそうではある。
それよりも二人が気になったのは、黒ウサギが過剰気味に驚いている事だ。
まるで何か想定外の事が起きたような。
何はともあれ、霧崎とラッテンはインベス達に向きなおる、
「さて、やりますか!!」
「楽だといいんだけどな!!」
ラッテンはハーメルケインでインベスを斬り裂いていく。
斬り裂かれたインベスは爆散していく。
それは霧崎の倒したインベスも同じだ。
霧崎は【ライズ】で身体能力を強化して殴り倒していく。
小型インベスでは“死の脅威”を返そうにも小さすぎてインベスを殺すほどでは無いのだ。
だから直接叩く必要がある。
霧崎が肉弾戦で倒したインベスもラッテンの倒したインベスと同じく爆散するのだった。
◆◆◆◆◆
キャモナシューティングシェイクハンズ!!フレイム!!シューティングストライク!!ヒーヒーヒー!!ヒーヒーヒー!!
晴人はソードガンをガンモードにして、シューティングストライクでインベスを倒していく。
クワガタ!!ウナギ!!チーター!!
映司はガタウーターに姿を変えるとチーターレッグで高速移動しながらクワガタヘッドから電撃を放ち、ウナギの鞭で敵を薙ぎ払っていく。
「ウォラァァアァァ!!」
十六夜はインベスの群れを嵐の様に吹っ飛ばしていく。
そして、一体のインベスを持ち上げてハームズへと投げ付ける。
「ふん!!」
ハームズは第三宇宙速度を越える速さで投げつけられたインベスを軽く弾く。
そこへ、
チョーイイネ!!キックストライク!!サイコー!!
「ハァァァァァ!!」
晴人がキックストライクを放つ。
しかし、ギリギリで避けられ腕を掠めるだけだった。
さっきからこんな感じで続いている。
じり貧なのは向こうだろうが余裕そうにしているのが多少気掛かりであった。
「映司、晴人、少しいいか?」
「なんだい?」
「なんだ?」
互いに背中を合わせる様にして話す。
「あいつを倒す策があるんだが乗るか?」
「まぁ今のままだと膠着したままだからね」
「どんな策だ?」
「あいつの“体の性質”を利用する」
そして、打ち合わせを終えると十六夜は何処かにへと走っていく。
そして、映司と晴人がハームズの前に立ち塞がる。
「あの男一人で何をしようと言うのだ?」
「教えると思うかい?」
「そうじゃな。むしろ、あいつのいない間にお前達を全滅させる方がいいな」
「やれるものならやってみろ!!」
互いに武器を構え向かっていくのだった。
◆◆◆◆◆
「十六夜さんは何処に行く気なのでしょう?」
「さぁね~。でも、嫌な予感しかしないのは確かね」
「だな。あいつの事だ。ろくでも無い事を考えてるんだろ」
三人が話しながらインベスを倒していると援軍が現れた。
否、遅れていたメイド組が追い付いてきた。
「遅くなったな!!」
登場と同時にレティシアが影でインベスを斬り刻んでいく。
「ちょ、何よ。この化け物!!」
ペストが衝撃波でインベスを吹っ飛ばしていく。
そして、水がインベスを押し流す。
白雪姫の力である。
ついでにジンも合流する。
「おい、言付けがある!!」
おそらく十六夜が白雪姫に残したのだろう。
「『ちょっと面倒くさくなってきたから、建物壊してスッキリする』だそうだ」
「「はぁ!?」」
黒ウサギと霧崎が驚きの声をあげた直後に天井が崩れ始める。
◆◆◆◆◆
タカ!!クジャク!!コンドル!!タージャードルー!!
ウォーター!!ドラゴン!!ザバザババシャーン!!ザブンザブーン!!
映司はタジャドルコンボへ、晴人はウォータードラゴンに姿を変える。
「フィナーレだ!!」
「姿を変えたくらいでどうなるというのだ!!」
「変わるよ、色々とね!!」
晴人の方へと飛び掛かろうとしたハームズに向けて映司は翼を広げ、飛行しながらタジャスピナーから炎弾を放つ。
「これくらいで!!」
「なら、これはどうかな?」
チョーイイネ!!スペシャル!!サイコー!!
炎弾を弾いていたハームズに向け、晴人は出現した巨大な尾を振り降ろす。
地面に叩き付けられたハームズが起き上がろうとした所に更に魔法を放つ。
バインド、プリーズ!!
チョーイイネ!!ブリザード!!サイコー!!
水の鎖がハームズを拘束したと思うと、冷気がハームズの周囲を凍結させる。
「こんな物で拘束し切れると、」
「思っちゃいないさ。だからこうするのさ」
キャモナスラッシュシェイクハンズ!!ウォーター!!スラッシュストライク!!ザバザババシャーン!!ザバザババシャーン!!
キャモナスラッシュシェイクハンズ!!ウォーター!!スラッシュストライク!!ザバザババシャーン!!ザバザババシャーン!!
タカ!!クジャク!!コンドル!!ライオン!!トラ!!チーター!!クワガタ!!ギガスキャン!!
晴人は両手にソードガンを構えてスラッシュストライクを発動させる。
晴人がハームズを拘束している間にタジャスピナーにメダルをセットしていた映司はスキャナーを取り出してスキャンする。
「セイヤー!!」
「ハァァァァァ!!」
二人の攻撃が同時に放たれる。
軌道としては二人の攻撃がぶつかる様に。
そしてぶつかる地点にはもちろん拘束されたハームズがいる。
水の魔力に加えて冷気を纏った二発の斬撃波と七枚のコアメダルの力を纏った不死鳥の炎がぶつかる。
その激しい温度差に強烈な風と衝撃波が巻き起こる。
衝撃波によって残っていたインベスも全て弾き飛ばされる。
同時に天井が崩れ落ちる。
◆◆◆◆◆
「ったく、無茶苦茶するな……あいつら」
瓦礫の山の中で唯一何も落ちてこなかった場所で霧崎が呟く。
もちろん霧崎が【弱者のパラダイム】で全ての瓦礫をそらし、衝撃波をズラしたからなのだが。
背後には黒ウサギ達がいる。
周囲を見渡すと十六夜と変身を解除した映司と晴人が膝をついた“ヒビ”だらけのハームズ前に立っていた。
「………もう隠居してな、じーさん」
ハームズを十六夜が指でつくと、ハームズの体は割れ崩れた。
「どういう事だ?」
「ガラスは急激な温度変化に弱い。映司と晴人が逆の属性で攻撃し、外気を流し込めば割れる」
どうもどうやら三人は戦っている間にハームズの体がガラスという事を気付いていたようだ。
問題は誰がこんな物を用意したかだが。
「これを用意したのは、このゲームの主催者である、黒ウサギお前だろ?」
「っ!!」
映司を除いた全員が驚く。
まさか身内が仕掛けたとは思って無かったのだろう。
「流石は十六夜さんですね。そう全てご推察の通り…………今回のゲームは黒ウサギが仕組んだものです。……………“ノーネーム”を試す為に」
今回のゲームは白夜叉の協力の元に仕組まれたものの様だ。
仲間も増え、勢力を増したコミュニティではあるが過信は油断を生む。
だから一度力量を測ろうとなったわけだ。
ハームズも白夜叉が力を注いだ物のようだ。
ただハームズがロックシードを使ったのだけは黒ウサギも聞いて無かったらしく本気で驚いたらしい。
後で聞く事だがこれは白夜叉が実験のつもりで持たせていたらしい。
「黒ウサギの一存で皆様を危険な目に遇わせ、欺き続けたこと、深くお詫びいたします!!本当に申し訳ございませんでしたっ!!」
頭を下げる黒ウサギ。
とは言っても謝られる様な事ではない。
それよりも聞きたい事はある。
「黒ウサギちゃんから見て、俺達はどんな評価だった?」
「あ、えっと………戦力はともかくとして、知力やチームワークはまだまだ箱庭全体からすれば駆け出し同然に近いと言えるでしょう………けれど以前より格段に成長していると見えました」
「どうもこれからも“ノーネーム”をよろしくお願いします!!」
黒ウサギの顔に浮かぶのは笑顔だった。
乙三巻終了!!
全ては黒ウサギが仕組んだ事だったのさ!!
原作より善戦してる様に見えるのはメンバーが直接戦闘寄りだからです。
それでは質問があれば聞いてください。
感想待ってます。