問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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エピローグです。




メイドと歓迎会と“ペルセウス”の流星群

 

前回の三つの出来事!!

 

一つ!!遂にペルセウスとのゲームが開始され、囮を引き受けた火野映司はガタキリバコンボになり、騎士やダスタードを蹴散らすのだった。

 

二つ!!最奥に辿り着いた逆廻十六夜と霧崎カブトは各々アルゴールとルイオスを相手にするのだった。

 

三つ!!ルイオスとアルゴールを撃破した十六夜はルイオスに脅しをかけるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

レティシアの受難と言えるのはむしろここからだろう。

所有権は“ノーネーム”に移った。

これは普通に予定通りだ。

“ペルセウス”に勝利した五人はレティシアを大広間に運ぶ。

ここまでも予定通り、問題はそこからだ。

石化を解いた途端、十六夜が言う。

 

 

「じゃあこれからよろしく、メイド」

 

 

「え?」

「え?」

「………え?」

 

「それはどういう意味ですか?十六夜さん………」

 

「そのまんまだ。今回のゲームで活躍したの俺達だけだし、お前らくっついて来ただけだろ?所有権は俺達で等分3:2:2でもう話は付いた!!」

 

まぁ、他の二人は別にいいって言ってたが形だけはな、と付け加える。

 

「何を言っちゃってんでござきますかこの人!?」

 

もはやツッコミが追い付かないなんて状況ではない。

黒ウサギとしては完全に混乱している。

ついでに言えばジンも混乱していた。

唯一、当事者であるレティシアだけが冷静だった。

 

「んっ…………ふ、む。そうだな。今回の件で、私は皆に恩義を感じている。コミュニティに帰れた事に、この上なく感動している。だが、親しき仲にも礼儀あり、コミュニティの同士にもそれを忘れてはならない。君が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」

 

「レ、レティシア様!?」

 

黒ウサギの声は今までにないくらい焦っていた。

まさか尊敬していた先輩をメイドとして扱わなければならないとは……と困惑する。

しかし意外に和やかそう四人を見て、黒ウサギは力なく肩を落とすのだった。

映司と霧崎が立場とかをあまり気にしないのもあるが。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

___“ペルセウス”との決闘から三日後の夜。

子供達を含めた“ノーネーム”一同は水樹の貯水池付近に集まっていた。

その数、百二十六人。

数字だけを見れば中堅以上のコミュニティとも呼べるだろう。

 

「えーそれでは!!新たな同士を迎えた“ノーネーム”の歓迎会を始めます!!」

 

ワッと子供達の歓声が上がる。

周囲には運んできた長机の上にささやかながら料理が並んでいる。

本当に子供だらけの歓迎会だったが、三人は悪い気はしない。

むしろ楽しんでいる。

 

「だけど何で屋外の歓迎会なんだ?」

 

「俺は別にいいと思うけど?」

 

「黒ウサギなりに精一杯のサプライズってところじゃねぇか?」

 

映司は野宿も多く、世界を回っている為に特に何も不思議に思わない。

霧崎も野宿慣れしているが少しは疑問に思う。

実を言えば、“ノーネーム”の財政は想像以上に悪い。

あと数日で金蔵が底をつく。

三人が本格的に活動し始めたとしても、百人を越える子供達を支えるのは厳しいかもしれない。

ましてやその中で、魔王との戦いや仲間達の救出を行わなければならないのだ。

こうして敷地内で騒ぎながらお腹いっぱい飲み食いをする、というのもちょっとした贅沢になるほどに。

それを知ってるからこそ、霧崎はため息を吐く。

 

「別に無理をしなくてもいいのにな」

 

呟いた直後、黒ウサギが大きな声を上げて注目を促す。

 

「それでは本日の大メインイベントが始まります!!みなさん、箱庭の天幕に注目してください!!」

 

十六夜達を含めたコミュニティの全員が、箱庭の天幕に注目する。

その夜も満天の星空だった。

空に輝く星々は今日も燦然と輝きを放っている。

異変が起きたのは、注目を促してから数秒後の事だった。

 

「……あっ」

 

星を見上げているコミュニティの誰かが、声を上げた。

それから連続して星が流れた。

すぐに全員が流星群だと気が付き、口々に歓声を上げる。

黒ウサギは十六夜達や子供達に聞かせるような口調で語る。

 

「この流星群を起こしたのは他でもありません。我々の新たな同士、異世界からの三人がこの流星群のきっかけを作ったのです」

 

「え?」

 

子供達の歓声の裏で、十六夜達が驚きの声を上げる。

黒ウサギは構わず話を続ける。

 

「箱庭の世界は天動説のように、全てのルールが此処、箱庭を中心に回っております。先日、同士が倒した“ペルセウス”のコミュニティは、敗北の為に“サウザンドアイズ”を追放されたのです。そして彼らは、あの星々からも旗を降ろすことになりました」

 

十六夜達は驚愕し、完全に絶句した。

刹那、一際大きな光が星空を満たした。

そこにあったはずのペルセウス座は、流星群と共に跡形もなく消滅していたのだ。

ここ数日で様々な奇跡を目の当たりにした彼らだが、今度の奇跡は規模が違う。

黒ウサギは進行を続ける。

 

「今夜の流星群は“サウザンドアイズ”から“ノーネーム”への、コミュニティ再出発に対する祝福も兼ねております。星に願いをかけるもよし、皆で鑑賞するもよし、今日は一杯騒ぎましょう♪」

 

嬉々として杯を掲げる黒ウサギと子供達。

霧崎はその姿と流星群を写真に撮っていた。

 

(“意味”はまだ見付からないけど……“これ”くらいは守りたいな)

 

写真を撮りながら考える霧崎。

映司はアンクのメダルを握りながら空を見上げていた。

 

(これだけの奇跡が起こせるんだ。きっとお前も……)

 

霧崎と映司が決意を新たにする中、十六夜も黒ウサギに自身の目標を語っていた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

某所。

 

「またしても倒されたか!!しかしまだ手がないわけではない覚悟するがいい……オーズ、そして___よ」

 

再び銀色のオーロラに消える。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

箱庭の何処か。

その青年も流星群を眺めていた。

 

「おい、あれは何だ?」

 

「ん?あれは“ペルセウス”か?たぶん“ペルセウス”のコミュニティが何処かに敗北して旗を降ろしてるところだろうな」

 

老人の答えを聞き青年は、

 

「そうか………大体分かった」

 

それだけ言うのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

カウント・ザ・メダルズ

 

タカ、クジャク、コンドル

クワガタ、カマキリ、バッタ

ライオン、トラ、チーター

サイ、ゴリラ、ゾウ

シャチ、ウナギ、タコ

コブラ、カメ、ワニ

スーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタ

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

次回予告

 

次回の舞台は北の“火龍誕生祭”!!

そこには魔王襲来の予言があった。

果たして彼らを待ち受けるものとは?

そして響く、笛の音。

 

 





一巻分終了!!

次回からは二巻分へと突入します。
あれも参戦予定です。

あくまで別世界の、ですが。

そしてあいつは既に何処かにはいると言う。


それでは質問があれば聞いてください。
感想待ってます!!
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