ウィラとリンが(挑発する為に)イチャイチャしていると、虚ろな瞳のマクスウェルが呟いた。
「___“Summon maxwell myths. 3S,nano machine unit”___!!」
え?と、初めて聞く召喚式に、リンとウィラは耳を疑う。
“主催者権限“を発動させるのかと思ったが、“召喚”を告げた以上、何かを呼び出す術だろう。
混世魔王だけが驚愕し、一同を後退させる。
直後に炎熱と極寒の風を纏って現れた影が天道を吹っ飛ばした。
「何ィ!?」
あれだけ圧倒していた天道が不意を突かれ、吹っ飛ばされたのに殿下達が声を上げる。
殿下達は慌てて臨戦態勢に入り、謎の天使を迎え撃つ。
「“nano machine unit”____ナノマシンか」
吹っ飛ばされながらも天道は敵を解析していた。
解析しながらもハイパーゼクターを掴んで腰に装着し、角を倒す。
「ハイパーキャストオフ」ハイパーキャストオフ!!チェンジハイパービートル!!
ハイパーフォームへと姿を変える。
パーフェクトゼクターも呼び出し、吹っ飛ばされた所を戻っていく。
そこでは殿下達が空間跳躍を使い、体が霞の様に再生する天使に苦戦していた。
天道はドレイクゼクターを呼び出し、パーフェクトゼクターガンモードに装着させる。
ドレイクパワー!!ハイパーシューティング!!
パーフェクトゼクターから殿下の戦う天使に向けてエネルギー弾が放たれる。
「ハイパークロックアップ!!」ハイパークロックアップ!!
直後にハイパーゼクターの角を倒し、ハイパークロックアップを発動させる。
その間にパーフェクトゼクターをソードモードにし、呼び出したザビーゼクターを装着させる。
ザビーパワー!!ハイパースティング!!
「ハァ!!」
ハイパークロックアップ状態で鈍く進む様に見えるエネルギー弾を追い越し、二体の天使を貫く。
クロックオーバー!!
ハイパークロックアップが解除され、時間流が通常の速さとなる。
天使は貫かれた状態でエネルギー弾に撃ち抜かれ、吹き飛んでいく。
街から森へ、未開の樹海に吹っ飛んでいく。
戦いは更に激化していく。
◆◆◆◆◆
リリと白雪姫達が十六夜を治療をする中、霧崎は意識を取り戻していた。
頭に包帯を巻き、まだ多少頭痛のする頭を押さえながらサラ、コッペリア、そしてクロア=バロンと話をしていた。
「つまり、あんたは俺達の先輩って事でいいんだよな?」
「そうだ。一応は創始者の一人になるのかな?」
霧崎としては実感があるわけでは無いが聞いておきたい事もあった。
真っ先にラッテン達の事を聞きたくはあったがそれは後でいい。
「あんたはどうやって箱庭に“戻って”来たんだ?」
これまで聞いた話から元メンバーが外界に跳ばされた事は大体予想が付いている。
ならばどうやって戻って来たかそれが気になる所なのだ。
「それは君の“知り合い”に力を貸して貰ってね」
「俺の“知り合い”?」
思い当たる人物はいなかった。
そもそも知り合いに箱庭を知ってる様な奴も、箱庭へ戻るのを手伝えそうな能力も心当たりに無い。
「“誰”かは聞かないでくれよ。そういう約束だからな。とにかく、君の“知り合い”に手伝って貰い、“クイーン・ハロウィン”の力で召喚して貰ったのさ」
「まぁ……よく分からないけど運が良かったって事か?」
「そういう事だ。“あれ”のおかげで土壇場に間に合った。そうは言っても色々と仕掛けた救援を呼ぶ仕掛けが無駄になったのは残念だがね」
どうも真意の読めない笑いをする。
何はともあれとクロアは霧崎に視線を戻す。
「とりあえず君は休んでいたまえ。脳へのダメージは気休めとはいえ回復させた方がいい」
「それは分かっている。無茶したらどうなるかは“見て”いるからな」
これで話は終わりと、休む為に眠れる部屋に移動しようとする霧崎に背後からクロアが呟く。
「君の心配する二人は大丈夫だ。だから安心して休みたまえ」
それはどういう事か問おうと霧崎が振り向くが既にクロアの姿は霞の用に消えていた。
◆◆◆◆◆
「協力感謝するよ、“ネメシスQ”」
[別に感謝する必要は無い。私はただ、私のいる時間軸から消えた“知り合い”の行方を探りたかっただけだ。そのついでにお前たちに協力しただけだ]
「それでも我々としては感謝しなければいけないんだよ」
クロアは十六夜の病室に現れ、窓際にいる奇妙な人影と話しかけていた。
それは霧崎のいた世界から“07号”が飛ばしている疑似生命体だ。
彼女は“確率を変動させる力”によって接触してきたクロア達を箱庭へ戻す手伝いをする代わりに霧崎の安否をこうやって確かめに来たのだ。
“07号”と霧崎にはそこまで接点があるわけでは無い。
アゲハ達への義理と言う部分が大きい。
[さて、目的は果たした。私は消えさせて貰うぞ。さすがに“これ”を世界を越えて維持するのは辛い]
「最後に一つ聞かせてくれ。彼はまだ戦えるか?」
[あいつは元々負担が軽いタイプだ。適度に休ませておけば死にはしない。無茶をするかどうかは本人次第だ]
「そうか。それだけ聞ければ十分だ」
返事を聞く前に“ネメシスQ”の体は灰の様に崩れていくのだった。
そして、クロアは窓の向こうに隠れている者達へと話しかける。
「それでお前たちはどうする?」
『………俺は一度ゲーム盤から出る』
その声には何か別の事を考えている様な色が含まれていた。
「そんなに娘が心配か?」
『……娘を心配しない父親がいるものか』
それを最後に物陰の気配が一つ消える。
“彼”としては“今”この場にいない娘がかなり心配なのだ。
「もう少し言葉を選んだらどうだ?」
もう一つの人影がクロアを非難する様に言う。
「どう言おうと変わりはしないさ。“予定外”の事が起きているのは間違い無いが、その原因は私達には分からないんだからな」
「彼らでも大丈夫なのか?」
「それはお前の方が知ってるはずだろ、アカレッド」
「俺も全てを把握しているわけでは無いんだよ」
アカレッドはスーパー戦隊の“原典候補者”ではあるが全てを全て完全に知る事は不可能である。
ましてや、仮面ライダーに関しては専門外である。
「それもそうか。とはいえ、どうせあいつを追ってゲーム盤の外に出る気だろ?」
「あぁ。NEVERも退却した様だし双頭龍も片付けておく必要があるからな」
NEVERの面々は動物戦隊ゴーバスターズと交戦していたが、アカレッドが加勢に現れると錠前を操作し、空間の裂け目を作り、そこに消えていったらしい。
「なら外の事は任せた」
それを最後に物陰の気配が完全に消える。
一人その場に残ったクロアは両手で杖を持ち、苦い顔で呟いた。
「………………とは言ったものの。この戦い、何人生き残れるかね?」
「へぇ?それは聞き捨てならないな」
十六夜の不意の声にクロアは片眉を歪ませる。
彼の傷は簡単に意識が回復するようなものではない。
なのにどうしてこんないいタイミングで目を覚ますのだ。
◆◆◆◆◆
撤退したNEVERの面々はゲーム盤の外から様子を眺めていた。
「克己ちゃん、本当によかったの?」
「奴らが現れた時点で割りに合わないのは確実だ。ウィラ=ザ=イグニファトゥスを確保するチャンスならまだあるんだ。急ぐ必要は無い」
「でも、マクスウェルとか言うのに奪われたら確保するのが難しくない?」
「そこは大丈夫だ。“あいつら”なら奪われやしないだろ」
敵の変な所を分かった様に言う。
何はともあれ大道はマクスウェルの手にウィラ=ザ=イグニファトゥスが渡らないと確信していた。
「それにマクスウェルから奪うくらいなら俺達なら出来るだろ?」
「そうね!!私達なら出来るわ!!」
京水が大声で同意する。
他のメンバーは鬱陶しそうにそれを眺める。
京水のテンションには扱い方が分かってる大道以外はうんざりする物だ。
彼らは戦場の流れをある程度眺めた後、空間の裂け目へと姿を消すのだった。
今回はバトル少なめでした!!
クロア達を箱庭に導いたのはネメシスQでした。
霧崎が消えたのを感じた07号にクロア達が接触し、霧崎の安否確認を条件に手伝ったという感じです。
『』は考明です。
クロア達にとっても予想外の事が起きているのがこの世界線です。
原因としては大体“あれ”とか、“あいつら”とか、“あれら”です。
それでは質問などがあれば聞いてください。
感想待ってます。