問題児と000と弱者の箱庭物語   作:天崎

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チラシと精霊と造物主達の決闘

 

前回の三つの出来事!!

 

一つ!!黒ウサギは映司から渡された手紙を読み、絶叫を響かせた。

 

二つ!!白夜叉からの招待状を見て十六夜、霧崎はジンを連れて、北側に行く為に“サウザンドアイズ”支店に向かい、白夜叉から事情を聞くのだった。

 

三つ!!白夜叉に連れられて北側まで来た十六夜と霧崎はその光景を眺めていると黒ウサギに見付かり、逃亡するのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

“サウザンドアイズ”支店。

白夜叉と映司は茶をすすりながら歓談していた。

 

「そういえば、おんしに出場して欲しいゲームがある」

 

「俺に?」

 

映司は和菓子を食べつつ、首を傾げる。

白夜叉は着物の袖からチラシを取り出して見せた。

 

{ギフトゲーム名“造物主達の決闘”

 

 ・参加資格、及び概要

  ・参加者は創作系のギフトを所持。

  ・サポートとして、一名までの同伴を許可。

  ・決闘内容はその都度変化。

  ・ギフト保持者は創作系のギフト以外の使用を一部禁ず。

 

 ・授与される恩恵に関して

  ・“階層支配者”の火龍にプレイヤーが希望する恩恵を進言できる。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、両コミュニティはギフトゲームを開催します。

        “サウザンドアイズ”印

          “サラマンドラ”印}

 

「創作系のギフトかい?」

 

「うむ。人造・霊造・神造・星造を問わず、制作者が存在するギフトのことだ。北では、過酷な環境に耐え忍ぶために恒久的に使える創作系のギフトが重宝されておってな。その技術や美術を競い合う為のゲームがしばしば行われるのだ。本件とは別に、祭りを盛り上げる為に一役を買って欲しいのだがどうかの?」

 

「そうだね。試しに出場してみようかな」

 

映司は頷く。

そしてポケットの中のメダルを握る。

創作系のギフトを競い合う為のゲームならコアメダルを修復出来るレベルの者もいるかもしれないからだ。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

霧崎は十六夜と別れ、展示物を眺めていた。

ちょっとした興味で見に来たが、中々いい物が並んでいた。

遠くから爆音と笑い声が響いてるが気のせいだと、霧崎は自分に言い聞かせる。

しかし十中八九、これは十六夜と黒ウサギが原因であろう。

 

「さーて、次は何処を見に行くかな?」

 

そこへ金髪メイド服の吸血鬼が、空から舞い降りてきた。

レティシアである。

レティシアは霧崎の目の前に立つと、黒い翼を畳む。

 

「ようやく見付けたぞ、カブト」

 

「見付かっちまったか…………まぁ見付かったら仕方ねぇか。降参だ」

 

両手を上げて、降参の姿勢を取る霧崎であった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

こうしてレティシアと霧崎は合流した。

しかし、だからと言って、やる事があると言えばそうでもないので二人は出店でクレープを買い、食べ歩いていた。

 

「__南側の料理ってそんなに凄いのか?」

 

「まぁそうだな………凄いという類いではないな。とにかくワイルドだ。斬る!!焼く!!かじる!!の三工程を食事だと説明された時は、流石の私も頭を抱えたよ」

 

フッと遠い目をするレティシア。

思い出して小さく身震いをしている。

霧崎は苦笑しながら、少し食ってみたいと思うのだった。

そこで小さな影を見掛ける。

 

「レティシアちゃん。あれが何か分かる?」

 

ん?と指さす方向に首を傾げるレティシア。

その彼女も眼を丸くして驚いた。

指の先には_____手の平サイズしかない身長の、とんがり帽子を被った小人の女の子が、切子細工のグラスをキラキラとした瞳で眺めていた。

 

「あれは、精霊か?あのサイズが一人でいるのは珍しいな。“はぐれ”かな?」

 

「“はぐれ”?」

 

「ああ。あの類の小精霊は群体精霊だからな。単体で行動している事は滅多にないんだ」

 

相槌を打つ霧崎。

こういうのには面倒事が必ず関わっている。

そう感じた霧崎はクレープの残りとたまたま持っていたクッキーを精霊の近くに置いて、立ち去ろうとする。

あれは関わらない方がいいということだ。

 

「行くか、レティシアちゃん」

 

「そうだな」

 

そう言って、その場を立ち去ろうとするが、

 

「ひゃ~」

 

と、霧崎の肩から声が聞こえる。

そちらを見ると、口にクレープのクリームを付けた精霊がいた。

どうやら餌付けしてしまったようだ。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

十六夜と黒ウサギは派手に暴れ、ゲームとしては引き分けになっていた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

一方の“火龍誕生祭”運営本陣営。

そこでは“造物主達の決闘”の舞台上で、最後の決勝枠が争われていた。

現在、戦っているのは“ノーネーム”の火野映司と“ロックイーター”のコミュニティに属する自動人形、石垣の巨人だった。

 

「行くよ」スキャニングチャージ

 

映司は現在、サゴリバだった。

サイの頭、ゴリラの胴、バッタの足を持つ亜種である。

必殺技を発動させた映司はバッタレッグで大きく跳躍する。

そして頭と腕をを前面に突き付けるようにする。

 

「セイヤァァァ!!」

 

叫びながら石垣の巨人に砲弾の如く着弾する。

石垣の巨人は全身にヒビを入れながら、倒れた。

それと同時に割れるような観衆の声が起こった。

映司が変身を解除すると、宮殿の上から見ていた白夜叉が柏手を打つと、観衆の声がピタリと止む。

白夜叉はバルコニーから朗らかに笑いかけ、映司と一般参加者に声を掛けた。

 

「最後の勝者は“ノーネーム”出身の火野映司に決定した。これにて最後の決勝枠が用意されたかの。決勝のゲームは明日以降の日取りとなっておる。明日以降のゲームルールは…………ふむ。ルールはもう一人の“主催者”にして、今回の祭典の主賓から説明願おう」

 

白夜叉が振り返り、宮殿の中心を譲る。

舞台会場が一望できるそのテラスに現れたのは、深紅の髪を頭上で結い、色彩鮮やかな衣装を幾重にも纏った幼い少女。

龍の純血種____星海龍王の龍角を継承した、新たな“階層支配者”。

炎の龍紋を掲げる“サラマンドラ”の幼き頭首・サンドラが玉座から立ち上がる。

華美装飾を身に纏い、緊張した面持ちの彼女に白夜叉が促すように笑いかける。

そしてサンドラは深呼吸し、鈴の音の様な凛とした声音で挨拶をし、観客に招待状を手に取る様に言う。

観客が招待状を手に取ると、書き記されたインクは直線と曲線に分解され、別の文章を紡ぎ始めた。

 

{ギフトゲーム名“造物主達の決闘”

 

 ・決勝コミュニティ

  ・ゲームマスター・“サラマンドラ”

  ・プレイヤー・“ウィル・オ・ウィスプ”

  ・プレイヤー・“ラッテンフェンガー”

  ・プレイヤー・“ノーネーム”

 

 ・決勝ゲームルール

  ・お互いのコミュニティが創造したギフトを比べ合う。

  ・ギフトを十全に扱う為、一人まで補佐が許される。

  ・ゲームのクリアは登録されたギフト保持者の手で行う事。

  ・総当たり戦を行い勝ち星が多いコミュニティが優勝。

  ・優勝者はゲームマスターと対峙。

 

 ・授与される恩恵に関して

  ・“階層支配者”の火龍にプレイヤーが希望する恩恵を進言できる。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、両コミュニティはギフトゲームに参加します。

           “サウザンドアイズ”印

             “サラマンドラ”印}

 

此れにて本日の大祭は御開きとなった。

日も傾き始め、巨大な境界壁の影が街を包み始める。

黄昏時を彷彿させる街の装いは宵闇に覆われ、昼の煌めきとは別の姿を見せ始める。

月明かりを遮る赤壁の街は、巨大なペンダントランプだけが唯一の標としてゆらゆらと灯りを燈している。

悪鬼羅刹が魍魎跋扈する北との境界線は、夜の街に姿を変えて目覚め始めるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

カウント・ザ・メダルズ

 

タカ、クジャク、コンドル

クワガタ、カマキリ、バッタ

ライオン、トラ、チーター

サイ、ゴリラ、ゾウ

シャチ、ウナギ、タコ

コブラ、カメ、ワニ

スーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタ

 

 






今回も今回で導入に近いので特に話す事がないですね。

後半はほぼ原作に近いですが変えようが無かったし、ゲームの説明を削るわけもいかないので。


それでは質問などあれば聞いてください。
感想待ってます。

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