三頭龍とライダー達が向き合う中で空中城塞を少し離れた空間から線路が伸びてくる。
そこへデンライナーが現れる。
士達の姿を確認するなり、電王ソードフォームが飛び降りて来る。
「お前ら、生きてやがったか!!」
「騒がしいのが来たな」
モモタロスの声に士が面倒そうに呟く。
そんな中で良太郎はケータロスを取り出す。
(皆、来て)
「行くぜ、クライマックスだ!!」
(しょうがないね)
(行くで!!)
(ワァーイ!!てんこ盛り!!)
(ふむ)
デンライナーから幾つものエネルギー体が飛んできたと思うと電王の中へと入っていく。
ケータロスをベルトに装着すると、装備が一度解かれ、周囲に電仮面が現れる。
肩にアックスとロッドの電仮面が、胸元にガンの電仮面が、背中にウィングの電仮面が装着される。
更に頭部が裂けて、各々の紋章が現れる。
姿を超クライマックスフォームへと変化させたのだ。
「俺、再び参上!!」
ポーズを決めたと思うと、
「僕に釣られてみる?」
「俺の強さにお前が泣いた!!」
「答えは聞いてない!!」
「降臨、満を持して」
次々と電仮面に引っ張られる様にポーズが変わっていく。
「だーもう!!相変わらず鬱陶しい!!つーか、お前まで入ってんのかよ、手羽野郎!!」
「苦しゅうない」
「苦しいんだよ!!勝手に動くな!!」
モモタロスが他のイマジンに文句を言うが、端から見ればただの一人漫才である。
さすがの三頭龍でもうるさくは思うらしい。
『貴様ら、遊びに来たのか?』
「いいや、テメェを倒しに来たんだよ」
『ならば、他の連中諸とも消え去れ!!』
「誰がだよ!!見せてやろうじゃねえか!!俺達の必殺技!!超クライマックスバージョン!!」チャージアンドアップ!!
「ったく、勝手に話を進めるなよ」ファイナルアタックライド!!ディ、ディ、ディケイド!!
「全くだぜ、後から来た奴が」
「君も格好付けはしてるじゃないか」
「う、うるせぇ!!」エクストリィィィム!!マキシマムドライブ!!
「何はともあれ味方が増えるのは心強いですよ!!」スキャニングチャージ!!
「見せてやるぜ、俺達の絆の力を!!」メテオ!!ナデシコ!!リミットブレイク!!
「フィナーレだ!!」チョーイイネ!!キックストライク!!サイコー!!
電王がライダーパスをベルトにかざして投げ捨てる。
士がカードをディケイドライバーに投げ入れる。
Wがエクストリームメモリを一度閉じて、再度開く。
映司がスキャナーでベルトにセットしてあるメダルを再度スキャンする。
弦太朗がベルトのレバーを引く。
晴人がキックストライクのリングをベルトにかざす。
そうして各々必殺技を発動させる。
「デヤァァァァァ!!」
電王は背中から大きく翼を広げ、右足に全ての電仮面から力を収束させて蹴りを放つ。
「ハァァ!!」
士と三頭龍の間にカード状のエネルギー体が現れ、士は蹴りを放ち、カードを蹴破り、力を増加しながら三頭龍へと向かっていく。
「「ゴールドエクストリーム!!」」
タイミングを合わせる為に翔太郎とフィリップは声を揃えて叫ぶ。
背中の金の六翼を広げ、足にメモリの力、風の力、人々の思いの力を収束させ、両足蹴りを放つ。
「セイヤァァァァァァァ!!」
背中に紅い翼を広げ、トラクローソリッド、スーパーバッタレッグを展開し、三頭龍との間に現れた赤、黄、緑の三つのリングを潜りながら、両足蹴りを放つ。
「ライダーアルティメットクラッシャー!!」
弦太朗が技名を叫ぶ。
両腕に装着された銀色のロケットモジュールを吹かし、両足に装着されたスキー板状のなでしこモジュールを三頭龍に向ける。
そして、全身をドリルの様に回転させながら三頭龍へと向かっていく。
「ダァァァァァ!!」
晴人の背に五つの大きな魔法陣が重なった物が現れる。
それに足を付け、思いっきり跳ぶ。
その勢いのままにキックの体勢に入る。
背後の魔法陣から赤い竜、青い竜、緑の竜、黄の竜、透明な竜が飛び出てくる。
更に蹴りの進行方向に大きな魔法陣が現れる。
それを蹴破り向かっていく。
六つの必殺技が三頭龍に向けて放たれた。
同時に天を穿つ様に終末の気焔が放たれる。
その衝突は天地を揺るがした。
その余波で天は裂け、夜空が露にされ、地は砕け、更地に変貌し、地割れが起こる。
周囲の全てを吹き飛ばすかの様に衝撃波は広がり、時空すら歪める。
空間にヒビが入る様な幻覚が見え兼ねない惨状だった。。
力の天秤は完全に拮抗していた。
どちらも一歩も引かずにぶつかり続ける。
「こうなったらもういっちょう!!」チャージアンドアップ!!
「俺もだ!!」リミットブレイク!!
モモタロスが何処からかライダーパスを取り出して、再度ベルトにかざす。
弦太朗はベルトのレバーを数度引く。
巻き起こる風はエクストリームメモリ内の風車を回し、力を高めていく。
士、映司、晴人の意思の力に答える様に力は増していく。
ビキリ、とヒビの入る音が聞こえる。
だが、それでも拮抗は解けない。
三頭龍も血を流していた。
それほどまでに全力で押し込んでいた。
生まれる双頭龍は余波で次々と消し飛んでいく。
何かが足りない。
この拮抗を破る為には何かが。
そして、空中城塞内でアスカ・シンはリーフラッシャーを持った手を掲げる。
「受け取れ、これが“光”だ」
その手から光が放たれる。
たとえ今すぐ変身出来なくてもやれる事はある。
子供達、否、空中城塞にいる人々の想い、“光”を届けるくらいなら出来る。
空中城塞の中から放たれた“光”は、映司達を後押しする様に向かっていく。
“光”を受け取り力は増す、一気に決める為に力を込める。
直後に極光は爆ぜた。
上空へと火柱が登ってく。
天を貫くと思える程に大規模だった。
同時に衝撃波が四方へと放たれる。
火龍達は急いで地にしがみつく。
そうでもしなければ吹き飛ばされる程だった。
空中城塞も衝撃波に揺らされるが、浮力は失われなかった。
やがて、火柱が収まるとライダー達の姿が見えた。
さすがに変身は解除され、傷だらけで骨にはヒビが入ってる可能性はあるが、無事ではあった。
空中城塞無事な事に安堵の表情を見せる。
そこに銀色のオーロラが現れる。
オーロラは翔太郎、フィリップ、弦太朗を包もうと向かってくる。
「どうやら僕達が手伝えるのはここまでらしい」
「あとは頑張れよ」
「俺は消えても熱い友情がきっと先輩達の助けになります!!」
翔太郎は帽子を押さえ、フィリップは微笑み、弦太朗は胸を叩き拳を映司達に向けながらオーロラの中へと消えていく。
が、残された士、映司、晴人、M良太郎を身の毛も凍る敵意が襲う。
『……………貴様ら。我が必殺の“覇者の光輪”を相殺するとはな』
「うるせぇ!!俺達の必殺技がお前のより強かっただけだ!!」
モモタロスが空気を読まずに言い返しているが明らかにそれどころではない。
地獄の底から響いてくるような声だった。
それは今まで余裕を見せてきた三頭龍の声とは決定的に違っている。
憤怒は傷つけられた誇りによるもの。
そして、それはこれまで以上に明確に敵として、障害として認識された事を意味する。
(………マズイな)
全員冷や汗が滴り落ちる。
変身は解けている。
今攻撃を食らえば一溜まりも無い。
空中で動く術も無い。
再変身する間も、武器を取り出す間も無い。
何より防御する術が全く無い。
三頭龍は残った片翼を大きく広げ、無数の刃として彼らを襲い_____空中に鮮血をばら撒いた。
◆◆◆◆◆
____その時。
幼子たちの鬼哭啾々の怨嗟が、ジャックの耳に届いた。
「っ…………!!」
失っていた意識を激痛と悪夢で呼び戻す。
血は相変わらず緩やかに外へと流れている。
もう、この身体も限界か。
そんな事を考えて思わず空笑いを浮かべる。
そして、残っている問いの答え、自らの正体が浮かんでいく。
「………っ……………!!」
今でも、瞳を閉じれば想い出す光景がある。
一夜の愛を売る場所で____『愛が無ければ生まれてきてはいけませんか』と、叫んだ子供たちを。
泣きながら叫ぶ彼女たちを、教会の派遣した断罪人____“バネ足ジャック”という怪人の名で処分した時のことを。
狂気の洗浄を終えたジャックは、彼らの犯した罪の全てを背負うと誓いを立てた。
子供たちの未来を奪おうとするものが現れたのなら、次は必ずや、彼らの為に戦おうと。
そして今。
遥か上空にて、不安に涙する子供たちの声が、何かを失う事を拒む子供たちの声が聞こえた。
(リリ嬢…………そして、“ノーネーム”の子供たちよ…………!!)
次第に身体が崩れていく。
この身体が完全に崩れれば、ロンドンの街も砕けて無くなるだろう。
だがそれでもいい。
最後の手段を訴える為、ジャックは“契約書類”を握り潰す。
(………もう、助からぬならば…………この僅かな命で、為せることがあるのならッ!!)
考えられる外法の中で最悪の手段。
一〇〇年以上も積み重ねてきた贖罪の全てを無に帰しかねない手法を以て、ジャックは両腕に力を込める。
子供たちの未来を守れるのならば。
最期のその一瞬までその願いに殉じる事が出来るのならッ!!
(私は…………魔王に堕ちても構わない____!!)
“覇者の光輪”相殺でした!!
爆発の所はアメイジングマイティが起こした火柱が更に大きくなったと思ってくれればいいです。
それでは、質問などがあれば聞いてください。
感想待ってます。