ネガタロス達がNEVERと激突する数日前。
「ここは…………」
目覚めは突然だった。
駆紋 戒斗は見知らぬ場所で目を覚ました。
だが、目を覚ます事自体がおかしいはずだった。
何故なら彼は既に死んでいるのだから。
知恵の実を巡る最終決戦で鎧武に敗北した彼は死んでいるはずだった。
「どういう事だ?」
「よぉお目覚めか?」
状況を確認しようとしたら突如声を掛けられる。
声がした方を見れば黒い鬼が座っていた。
戒斗は、自身が戦極ドライバーもロックシードも所持していない事を確認すると軽く手を振るう。
すると、空間が裂け別の光景が現れる。
空間の裂け目に手を伸ばして適当な物を手に取る。
それを裂け目から取り出すと大剣に姿を変えていた。
「(どうやら力は使えるようだな)……………貴様は何者だ」
黒い鬼に大剣 グロンバリャムを向けながら言う。
だが、黒い鬼は大して気にせず立ち上がる。
「俺はネガタロス……イマジンって存在だ」
「そんな奴がこの俺に何の用だ?それとも此処は死後の世界とでも言う気か?」
「ある意味そうとも言えるな。俺の“ネガデンライナー(改)feat.幽霊列車”は死者の時間をも走るからな」
言われてよく見れば戒斗がいる場所は電車の車内の様だった。
が、そんな事はどうでもよかった。
戒斗はどんな世界だろうが己を貫き通すのだから。
「肝心な事を聞いてないぞ!!俺を此処に連れてきた目的はなんだ!!」
「お前は自分が甦った方法とかに興味はねぇのか?まぁ……正確に言えばまだ死者だけどな」
「そんな物はどうでもいい!!まさかと思うが甦らせたから従えとでも言うつもりか?ならば、無意味だな。俺は誰にも従う事などない!!」
「別に従えと言うわけでもねぇよ」
ネガタロスは肩を竦める様に言う。
そこで新たな足音が聞こえてくる。
戒斗が背後からの足音に気付き、振り向こうとした時には剣を首に当てられていた。
「もういいだろ?素直に従いそうに無いし、殺してしまおうぜ」
「やめておけ。お前じゃ勝てねぇよ」
「何だと?」
ゴーストイマジンがネガタロスの言葉を聞き捨てにならないと判断し、反論しようとする前に戒斗は行動を起こしていた。
「ふん!!」
「うぉ!?」
戒斗が目を光らせたと思うと周囲から植物が急速に伸びて来て、ゴーストイマジンの腕を縛る。
振りほどこうとする前に戒斗が大剣で斬り付けていた。
吹き飛び、乗客席に衝突する。
残骸の中から起き上がる時には立場は変わっていた。
今度は戒斗が剣を突き付ける番だった。
「戦うと言うのならば容赦はしないぞ!!」
「テメェ………やりやがったなッ!!」
両者が激突しようとした、その時だった。
一発の銃声が響き両者共にそちらを警戒する。
ネガタロスの手にはネガボルバーがあり、その銃口から煙が上がっていた。
「やめねぇか。まだ話の途中だって言うのに喧嘩してんじゃねぇよ」
「話だと?まだ何かあるというのか?」
「俺はまだ何も言ったつもりはねぇよ。別に従えと言うわけじゃねぇんだ」
「ならば、何が目的だ?」
「同盟を組もうじゃねぇか。俺は俺の“正義に負けない究極の悪の組織”を作る為、お前はお前の目的を果たす。その為の同盟だ」
「断ると言ったら?」
「仕方ねぇが二対一で消させて貰う」
戒斗は少し考える。
今の戒斗にこれと言った目的は無い。
大きな戦いで満足して敗れたのだから当然と言えば当然だ。
ネガタロスの目的は戒斗からして見れば文句は無い。
勝手にすればいいと思う所ではあるが、目的が無い今は普段とは違った。
「手を組むつもりは無い。……………だが、お前達が“弱者”か“強者”か少し見極めさせてもらおう」
「上から目線がムカつくが、まぁいい答えとして受け取っておこう」
ネガタロスはそう言うと近くに放置してあった残骸から何かを取り出して戒斗へと投げ付ける。
受け取って見てみるとそれらはドライバーとロックシードだった。
それらを所持している事を怪訝に思い、ネガタロスの方を睨む。
すると、ゴロリと残骸が転がった。
仮面ライダーバロンの姿をした残骸が。
「貴様……何だそれは!!」
「依代だよ。幽霊列車は死者の時間を走るとはいえ、狙って死者の魂を回収出来るわけじゃないからな」
ネガタロスの代わりにゴーストイマジンが答えた。
ネガタロスは説明する様に続きを言う。
「この際だ。お前を甦らせた方法も言っておくか。この依代はとある世界で機械生命体が造り出したお前の模倣体が機能停止した残骸だ。ちょうどいいから俺が回収させて貰ったのさ」
残骸の頭を軽く叩きながら言う。
模倣体とはいえ、これはほとんど完璧に本人をコピーした代物でもあるのだ。
「そして、こいつを使って性質の近いお前の魂を呼び寄せ、同じく回収していたヘルヘイムの植物やインベスの肉体と同調させてお前の体を再構築させたわけだ」
戒斗はヘルヘイムの果実を食し、ヘルヘイムの毒を凌駕する事によってオーバーロードへと進化を果たした。
ゆえにその肉体はインベスに限り無く近かった。
普通ならば魂を回収するだけでは甦る事も無かったが体を再構築させる事で甦らせたのだった。
とはいえ、実際には死者の時間の中で自由に行動出来る程度のはずだった。
そして、彼らは各々死んでいた身。
現世へと出る事は難しくもあった。
だが、とある場所の存在がその問題を解決していた。
「なるほどな。そうまでして戦力を集め、貴様は何をするつもりだ?」
「全ての時が収束する場所………箱庭で俺の軍団を完成させる。あそこなら手を組む価値がある奴らがうじゃうじゃいるからな」
「箱庭への突入は時の列車じゃ難しいんじゃ無いのか?」
聞いたのはゴーストイマジンだった。
だが、そこらへんの問題は当然ネガタロスも把握している。
「俺はあいつらに倒されてから時の砂漠で残骸をかき集め、俺の列車の修復と改良をしていた。そして、完成したのがこの“ネガデンライナー(改)feat.幽霊列車”だ!!この列車は箱庭に突入するくらい容易い物だ!!」
実際には神の列車と言われるガオウライナーキバの残骸が組み合わされた結果、時を喰らう力を限定的に備えたのだがそれ自体はネガタロスも把握していない。
彼が回収したパスも別の用途に使われる事が主である。
何はともあれ、彼らは箱庭へと突入し、新たな戦力を加える為にNEVERの持つロックシードを狙うのだった。
箱庭に突入した事により、彼らの霊格が確立し、存在が安定したのだがそれに気付くのはいなかった。
◆◆◆◆◆
そして、現在。
戒斗は列車から降りて前へと出る。
懐から戦極ドライバーを取り出して巻き付ける。
同時にフェイスプレートにバロンの顔が浮かび上がる。
実はこれが渡されて初めての使用だったりする。
戒斗はバナナロックシードを取り出す。
「変身!!」バナナ!!
ロックシードを解錠し、指で軽く回す。
頭上では空間に穴が空き、バナナ型の物体が降りてくる。
ロックオン!!
ロックシードを戦極ドライバーへとはめる。
カッテイングブレードを倒し、ロックシードを開く。
カモン!!バナナアームズ!!ナイトオブスピアー!!
とある科学者の趣味である音声が鳴り響く中で、バナナ型の物体が戒斗へと降りて来る。
戒斗の体がライドウェアに包まれ、戒斗の顔が仮面に包まれる。
バナナ型の物体が展開し、バナナの鎧となる。
その手にはバナスピアーが現れる。
仮面ライダーバロン バナナアームズへと姿を変えるのだった。
「さぁ、お前達の力を見せてみろ!!」
戒斗が叫ぶと同時にNEVER達とネガタロス達の戦闘は開始されるのだった。
数の差はあった。
だが、NEVER達はそんな事は関係無いとでも言うかの様に向かっていく。
死者の時間より現れし者達と生ける屍達の戦いが始まる。
ネガタロスサイドの話でした!!
戦闘は次回より!!
戒斗に関しては使える力は全て問題無く使える状態です。
幽霊列車が別枠扱いなのはネガタロス的に無理矢理組み合わせたからに近かったからです。
それでは、質問などがあれば聞いてください。
感想待ってます。