絶体絶命 作:ぴのこ
数奇な運命にもてあそばれる人物の人生を
変えようとする研究者達の物語。
ある嵐の夜、黒塗りのクラウンが
町はずれの古い木造平屋の前で止まった。
恰幅の良いスーツ姿の男がアタッシュケースを手に
平屋のドアを乱暴に開ける。
「これが約束の金だ。すぐにでも手術を願いたい。」
手術用マスクで顔を覆い、白衣をまとっている男は、
無言でアタッシュケースを受け取ると徐に開いて中身を確認した。
「いいだろう。すぐに手術開始だ。患者を診療台に運んでくれ」
BJこと間黒男(はざまくろお)は、男から約束の金を受け取ると手術室に向かった。
診療台に乗せられたのは、中川未来、中川コンツェルンの令嬢だ。
まだ18歳という若さで、交通事故に遭い内臓破裂、意識不明の重体の状態で
搬送されてきた。
すぐに内臓のほとんどを移植しなければ、命は助からない。
今現在あるのは、数時間前に亡くなった喰種(グール)の内臓のみだ。
当然、喰種の内臓を移植してまえば、未来は半グールとなってしまう。
しかもDNAの型は不一致であるため、一時的に命はとりとめても
数年以内に息絶えてしまう可能性は90%。
生き延びる条件は、生きた人間の内臓を移植すること。
一旦喰種の内臓を移植して、息を吹き返したとしても
数年以内に再手術を行わなければ、生命の保証はない。
その条件をのんだ上での手術決行。未来の父親である中川重蔵は
大金を渡し、BJに未来の手術を依頼した。
手術は成功。未来は意識を取り戻し、一見普通のヒトと
なんらかわりない人間として生まれ変わる。
しかしながら、移植されたのは喰種の内臓だ。
未来はグールとして生きることが不本意であり、
人間は決して食さないと、決意を固めるのであるが、
生きた人間の生の内臓を移植しなければ
いつかは息絶えてしまう危険性が極めて高い。
移植せずに延命するには、人間の内臓を食していかねばならないのであるが
それだけは絶対したくないと、かたくなに人間内臓の晩餐を拒む未来だった。
ピアニストとしてデビューしたばかりの未来は、演奏途中に発作を起こしてしまう。
発作を治めるために、生きた鶏をもってくるよう、マネージャーに命ずる。
人目につかない楽屋で生きた鶏をむさぼり食う未来だったが、
それをある人物が目撃してしまう。オーケストラのバイオリン奏者である
間酷仁(はざまこうじん)とその友人が、譜面を取りに楽屋に入ったときに
そのおぞましい様子を見てしまったのである。
しかしながら、酷仁とその友人は未来を気遣う。未来に近づき親切に言葉をかけるのであるが
未来は酷仁達の好意を素直に受け取ることができない。
なぜなら、意思に反して酷仁らを欲してしまいそうだったからだ。
それでも、彼らは怯むことなく未来に近づく。
その理由は、酷仁はBJの息子であり、
BJ亡きあと、未来への臓器移植をBJからゆだねられていた。
間酷仁はオーケストラに所属していたが
大学時代、医師免許を取得していたのだった。それはBJの意志を継ぐために。
手術そのものは、BJの特訓を受け技術力をつけていたが、
問題は『生きた人間の内臓』これをどうやって入手するかだ。
BJはすでに中川未来の父である中川重蔵氏から
大金を受け取っていた。その金が、酷仁の進学費用に
当てられた。酷仁は優秀な成績で、医学部入学を果たす。
中川から大金を受け取る条件として、未来を必ず延命させること。
そうでなければ、酷仁の内臓を提供すると誓約書に記されていた。
では、間酷仁の内臓を使う場合、誰が移植手術を行うのか?
その場合、長い間BJの助手をつとめていた間妃乃子(はざまぴのこ)が執刀医となる。
妃乃子はBJ没後、酷仁と共に医学部に進んだ。
酷仁はBJの養子となっていたが、後に妃乃子と所帯を持つことになる。
酷仁と妃乃子、2人の医学部の同期には金木研がいた。金木もまた酷仁と共に
オーケストラでバイオリンパートを担当していた。
間夫婦は、金木の協力を得、喰種の遺伝子解明と代用食物発明の研究に、日々勤しんでいた。
代用食物の研究が成功するのが先か、未来の命の灯が
消える日が近づくのが先か・・・
運命は3人にゆだねられていた。
大変人気のある東京喰種の二次創作に挑戦してしまいました・・・
駄作にて、喰種ファンの皆さん、ごめんなさい。
実際はBJ色の方が強くなるかもしれませんが、モチーフが喰種ということで
原作を喰種と設定させていただきました。
二次創作は初めてでして、続かないかも・・・( ;∀;)