悪神殺しはD×Dの世界へ   作:ヴォルト

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十一話

 

 

 

 グレモリーとその眷属が十日間の付け焼き刃の特訓をしに山に行った。

 

 

 一応、学生だよな……あんた等。

 

 そこまで政略結婚したくないって事か……。

 

 

 他の眷属は、本気で闘えば勝ちに行けるだろうな。堕天使が二人と猫又、剣士、神滅具持ち。

 ついこの間まで一般人だった兵藤は、流石にムリがあるだろう。俺らカンピオーネとは違うんだぞ、幾らスゴい力を持つ武器を持とうが使い手が未熟なら十分な力を発揮しない。

 

 

 

 権能と神器の違いが分かるな。権能はカンピオーネの才能や性格に合った力になったりする。

 俺の権能にハッキリとした近距離・物理系はない。

 中・遠距離な魔術師極振りなモノばかりだ。

 

 

 神器は確かにスゴいが使い手を選ぶし、所有者を選ばないからメンドイ。もし、剣の神器を持っていても、所有者が本当は槍が得意だった場合剣の神器を扱いきれないから、宝の持ち腐れになる。

 

 そう考えると、神器の特性を理解した上で、身体を鍛えないとダメだ。神器だよりではいざという時に身体を動かせない。

 

 

 

 悪魔の弱点である光を使える者が二人もいるんだ。てこずっても勝てるだろ。

 

 

 フェニックスか……まつろわぬフェネクスとは違うのだろうか?不死だから特攻ばっか出来るから有利だ。俺も結構その手を使うからその怖さを知っている。

 

 

 まあ、こちらに被害がなければ取り敢えずなんだっていい。

 

 

 フェニックスで思い出したけど、こっちに来てから癒しの霊水作ってなかったな……。

 

 

 冷凍保存できるから結構便利なんだよなぁ~。癒しの霊水は祐理がいたお陰で出来た物だ。

 

 

 

 作り方は簡単だ。フェネクスの権能を発動した状態──不死鳥状態若しくは鳥人状態──で涙を流して容器──五百ミリリットルのペットボトル──に五滴程入れて、女性の涙も五滴程入れてから水を入れてシェイクして冷蔵庫に入れて一日置いたら、癒しの霊水が出来るのです。

 

 いやぁ、作り方はなんとなく分かっていたけど、女性の涙を貰うってハードル高すぎ。

 

 祐理に事情を説明してやっと出来た物だ。因みにひかりにも手伝ってもらった。

 

 

 

 材料費?ペットボトルのお金、百五十円ぐらいですけどなにか?一本五十万以上で売ったら意外と買われたから問題なかった。ドニとスミスが結構買って行った覚えがある。………今さらだがドニの奴霊水使って毒治してたのか?ドニの保護者であるアンドレアに一ダースで売った事があったがそういう事か……失敗した。そんな事ならもっと値段高くしておけば良かった。

 

 

 

 

 グレモリー達がいないから幻獣を町に放って巡回させておくか。

 

 怪しい奴がいたら取っ捕まえてくれるだろう……五体満足だったらとてつもなくラッキーだ、一生の運を使うかもな。

 

 拠点防衛用の幻獣とケートス(水辺専用)以外を出して幻術掛けておけば大丈夫。

 

 

 

 

 十日後の深夜、エトンの視界を共有化してから学園に向かわせてレーティングゲームを観に行かせた。

 

 リアルタイムで観てみたかったが別空間でやっていた。中の様子を確認するのに二十秒も食ってしまった。

 

 エトン越しで観たが、確か…姫島って言ったか?何で光を使わねぇんだ?使ってたら簡単に倒せたろ。フェニックスの涙?俺の霊水と似た効果があるのか……。

 

 姫島先輩……紙装甲過ぎねぇか?魔術師タイプなら身体を鍛えんとな。俺は強化の魔術とアジ・ダハーカの権能による顕身に頼ってるけど。俺が魔術を教えていたテンプル騎士のが強いだろう。剣と魔術が両立出来てこそだからなテンプル騎士は……。

 

 

 他の奴も観ていくが……木場と天野夕麻だっけ?ぐらいしか力を出せてないな。塔城はまだ仙術が使えんのか?黒歌に仙術教えて貰ったけど、内から外に出すは簡単だけど、外から内に入れるのは中々上手くいかない。溢れるぐらい呪力があるのに追加で詰め込んだらパンクする。完全に出来ない訳じゃないが、ある程度呪力が減った状態で使った方が俺にとってはいいだろう。

 生命力ありありの俺が使ってもな……仙術使わんでも魔術で事足りるし……。

 

 

 兵藤の根性は認めたいが、普段の行動と女性の服だけ破る魔力って……祐理とアーシアに使ったら取り敢えずもいでやる。安心しろ、ちゃんと霊水は使ってやる。

 

 滅びの魔力と光が交互に休みなく与えていれば良かったかもしれんが、そう簡単にビギナーズラックがあってもな……。

 分かりきっていた結末だった。──が、現ルシファーは、グレモリーの兄でシスコンらしいから絶対何か仕込みをしてるだろう。そうでなきゃ、経験者と素人を闘わせるか?違うなら経験を積ませるって事が妥当だな。

 

 

 

 

 

 グレモリーとフェニックスのゲームが終わり二日後。

 

 生徒会長に呼ばれたので生徒会室に匙と一緒に向かう。

 

「鬼崎君、来てくれてありがとうございます」

 

「礼は必要ありませんよ。それで、今回はどのような件でしょうか?」

 

「リアスの婚約話のその後を知ってますか?」

 

 

 その後?グレモリーの姿を見てねぇから知らん。

 

 

「いえ、知りませんよ。自分は町を巡回していただけなんで」

 

「そうですか、町の巡回ありがとうございます。それで、レーティングゲームはフェニックスが勝ち婚約は成立しました。その為、ライザー・フェニックスの眷属がこの学園に編入する事になりました」

 

 

 魔王が何か仕込みをしてるだろうと思っていたが、何もなかったのか。

 

 その後、二、三言葉を交わして生徒会室を後にした。

 

 

 

 帰ろうとした矢先、塔城小猫(黒歌の妹)が待ち伏せしていた。

 

「鬼崎先輩、こんにちは……少し話したいことがあるのですが、いいでしょうか?」

 

「構わんよ、近くの喫茶店で話すがいいか?」

 

 

 首を縦に振ったので一緒に喫茶店まで向かう。

 

 

 

「それで、塔城は何の話だ?お前の王の事か、それとも……」

 

「……黒歌姉様の事です」

 

 

 ────パチンッ。

 

 

 塔城がビクついたが、急に結界を張ったから驚いただけだろう。

 

「安心しろ、周りに俺達が普通に会話している様に見せる結界を張っただけだ。外部に聞かれたくないからな。それで、お前の姉の事が知りたいのか?」

 

「はい、鬼崎先輩からいえ、アーシア先輩と祐理先輩からも姉様の匂いがしていました。何故先輩たちから姉様の匂いがするんですか。……教えてください…!」

 

「お前の姉の黒歌はSS級はぐれ悪魔だ。知ってどうするんだ」

 

「……会って話をします。…何であんな事をしたのか……きちんと本人の口から言って欲しい…どうして、私を置いていったのか、知りたいんです」

 

 

 唯一の肉親の凶行とも取れるし、事情も知らない悪魔どもが勝手に力に溺れたとか言い回ってるから不安なんだろう。

 

 

「……まあ、良いか。うだうだ考えるのはショーに合わん!分かったよ、塔城。お前の姉に会わせてやる」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「本当だって、嘘だったら俺の命をくれてやるよ」

 

 

 まあ、甦るけどな。

 

 

「わ、分かりました。後、小猫でいいです」

 

「そうかい、ならこっちも摩桜で構わんよ」

 

 

 

 会計を済まして、小猫と一緒にマンションに向かう。

 

 

 

「(なぁ、モルス。このまま二人会わせていいと思うか?)」

 

『(あ?そんな事、オレに訊くんじゃねぇよ)』

 

「(だってさぁ、黒歌って今ぐうたらしてるだけじゃん。そんな姿を何年も会ってない事情を知らない妹に見せたら有らぬ誤解を生むと思うんだが……)」

 

『(いや、知らねぇよ。だらけた姿を見られるのは、あの猫又の自業自得だろうが……)』

 

 

 まったくもってアジ・ダハーカの言う通りだからいっか!

 誤解を生みそうだったらフォローしてやれば良い。

 

 

 

「此処にお前の姉、黒歌がいる。……覚悟しろよ」

 

「そこまで、言うんですか……!」

 

 

 ゴクリ……と喉を鳴らす小猫を後目にドアを開けて部屋に入る。

 

 

 

「ただいま~」

 

「マオさん、お帰りなさい」

 

「摩桜、お帰りにゃ~」

 

 

 アーシアと黒歌の声が聞こえたが祐理の声がしないって事は夕飯を作っているのか。

 

 

 因みに小猫が見えないようにしている。音や匂いでばれない様にもしている。仙術が出来る黒歌でもここ最近家のなかじゃ使ってない事は知っている。

 

 

 ソファの上でだらしなくだらけている黒歌を見た小猫の眼がゴミムシを見るかのような眼をしている。

 

 仕方ないよな。指名手配されてる姉が呑気にテレビ見てたらそうなるか……。

 

 

 黒歌の後ろに立ち、その手がぐうたら猫(黒歌)の頭を掴んだ瞬間に掛けていた術を全て解く。

 

 

「こんな所で何をしているんですか……黒歌姉様……?」

 

「し、白…音…?何で此処に……って、摩桜どういう事にゃ!?」

 

 

 

 こうして離れ離れだった姉妹は笑える(感動の)再会をしたのでした。

 

 




イッセーは、婚約パーティーが終わった後で目を覚ました事になりました。
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